死の秘宝/DH-notes5

Last-modified: 2013-11-06 (水) 15:40:32


やめてぇぇ!

テキトーに今下巻開けてみたら、31章ハーのセリフ
「やめてぇぇ!(字が大きくて太字)」が出てきた。
原書みたら「NO!」だった。
凛とした感じから、「やめてぇぇ、堪忍してぇぇ(後生だからー)」
の時代劇風に思えてしまうのは、1巻から培ってきた古臭さのせいだな。

なんで「ぇぇ」を付けるんだろうね
NO! なんだったら「やめて!」で止めときゃいいじゃんねぇ

悪党

同じ31章のロンがドラコに言うセリフ「…この日和見の悪党!」
(原文は…you two-faced bastard!)
若者が使わないようなセリフ(中年なら使うのか?)で
現実味もないしこれをどう捉えて良いのか分からん。冗談みたい。
「このどっちつかずの卑怯者!」とか普通の言葉はだめなんかい。
最後まで入り込めないセリフばっかだったなぁ・・・
だぇとかざんすとかも含め (--;

you two-faced bastardだって
You bastard!で「ろくでなし!」ってところに
twe-faced「裏表のある」とか「二枚舌」がくっついてるんだから
もっと単純に「この二枚舌のろくでなし!」とか
ろくでなしも古いなら「二枚舌野郎!」とか
あなたの言うとおり「このどっちつかずの卑怯者!」なんかいいよね

日和見だって悪い言葉じゃないし、間違ってはないけど
子供が言ってる台詞なんだからさ

「この日和見の悪党!」(32章p386)
you two-faced basterd! (UKp518)

これはハリーに命を助けてもらっておいて
DEに「僕は味方だ」とかいってるドラコへのロンの悪態だね。
「二枚舌」は矛盾したことや嘘をいうことだからこの場合ちょっと違うかな。
「日和見」も有利なほうにつこうと形勢を窺うことだから、なんかずれてる。
「どっちつかずの卑怯者」は、自然に出てきそうな感じでいいね。

あと、「ひ」の音は息が抜けるから強く発音しにくいんだよ。
皮肉っぽく冷静に言うならいいけど、激高した感じには聞こえない。

どっちつかずの「ど」の方が、「!」がつくようなセリフにはふさわしいと思う。

32章 - 上から落下

「そのとき、爆破で側壁にあいた穴から、誰かが上から落下していくのが見えた」
ってあるけど「上から」は無くていいな。穴と上とは別物なのかどうかも分からんし。

>「そのとき、爆破で側壁にあいた穴から、
>誰かが上から落下していくのが見えた」

この書き方だと本当に情景が浮かばない

そもそも「落下」は上から下へ落ちていくことなんだから
「上から落下」だなんて日本人なら言わないよね
例えば「遥か上の方から」とか「塔の上から」とかつくのなら別だろうけど

「北に北上する」とか「南に南下する」とか
もっと言えば「馬から落馬」「白い白馬」なみのだめ日本語だよね

And then a body fell past the hole blown into the side of the school
and curses flew in at them from the darkness,hitting the wall behind thier heads.

そのとき爆撃で穿たれた壁の穴の外を誰かが落ちていった。その外の闇からcurseが
ハリーたちの後ろの壁を狙って放たれた
なのかなあ

こりん訳
「そのとき、爆破で側壁にあいた穴から、誰かが上から落下していくのが見えた。
暗闇から呪いが飛び込んできて、みんなの頭の後ろの壁に当たった。」
暗闇が何の暗闇なのか漠然としててイメージしづらかったけど
穴の外の闇ってことならイメージしやすいね。

たぶん
「側壁にあいた穴から、誰かが落下して行くのが見えた。」
と訳してみて、あれ? これじゃ壁の穴から落ちたみたいだと思い、
「上から」を足したんだろう。
誰かの身体が落ちていくのが、壁にあいた穴から見えた
で良いと思うのにな。

ここ前半情景描写なんじゃないかと思うんです。
みんなの視線はフレッドに集まっていたと思うので
「見えた」がいらないと思った。

なんというかストップモーションがかかったような状態から
現実に引き戻すために落ちていく体、という動を挿入して
次の爆撃という大きな混乱に導く文章だと思ったので。

ならば、
誰かの身体(有り体に言えば死体だ)が、壁の穴の向こう側を落ちて行った。
と、その穴の外の闇から呪文が放たれ、背後の壁にぶつかった。

a bodyは「人の身体」か「人間の身体」にした方が
「もう命のない物質としてのカラダ」という感じが出ませんか?

そうだね。「人の身体が落ちていった」とすると死体を暗示する body の訳っぽい。

ここは、皆がフレッドの死で呆然とするところから視点を切り替えるため
最初の And then をどうしても 「そのとき」 と訳出する必要がある。

そして「そのとき」ではじめたら、「落ちた」「落ちていった」とするより
「落ちていくのが見えた」のが日本語としては自然だと思う。
こういうのが翻訳の難しさだね。
言葉を詰めていくとキリがないし、最終的には個々の感覚で違ってくる。

とはいえ「上から」という言葉を加えて、壁と人の位置関係を
解決したと思っているゆうこりんの感覚は特殊すぎるけど。

穴と落ちていく人の位置関係がわかり、前後の流れと繋がればいいと思うよ。

『そのとき、壁に開けられた穴の向こう側を人の身体が落ちていくのが見えた。
外の闇から皆をめがけて呪いの噴流が飛び込み、背後の壁にぶつかった。』

32章 - 蛇に近づくためには

32章ニワトコの杖の始めの方、ハリーのセリフで
「…―蛇に近づくためには、僕があいつのところに行かなきゃならないのは、はっきりしている―」
ってのがあるんだけど、これって日本語としては間違ってないんだよな?
普通はわざわざ読みづらい文を選択しないだろうから見慣れてないだけ?
最初の「は」と読点が無いだけですげー読みやすいけどね。
こりん文読んでると日本語として良いのかどうか分からんようになってくる。

"obviously I'm going to have to go to him to get near the thing -" (UKp517)

ヴォルがナギニをすぐ側に置いたことで、その意図を察したハリーが
「蛇をしとめるためには、どうしたって僕の方から奴の側にいかなきゃいけない――」
という台詞だね。

この場合の obviously を「当然」「どう考えても」の意味だと捉えず
「はっきりと」「明瞭に」という英和辞書の最初に出てる意味で押しとうそうとしたのが、
ぎこちない文の原因だと思う。

うん、自然だ。
言葉がストンと降りてくるよ。

内臓を締めつけられる

冷たい空気で、城の側壁が吹き飛ばされたことがわかり、頬に感じる生温かいねっとりしたもので、
ハリーは自分が大量に出血していることを知った。
そのとき、ハリーは内臓を締めつけられるような、悲しい叫びを聞いた。
炎も呪いも、こんな苦痛の声を引き出すことはできない。
ハリーはふらふらと立ち上がった。その日一日で、こんなに怯えたことはない(後略)

Then he heard a terrible cry that pulled at his insides,
that expressed agony of a kind neither flame nor curse could cause,
and he stood up, swaying,

直訳すると、「そのとき彼は、彼の内臓を引っぱる恐ろしい叫びを聞いた」になると思う。
確かに「締めつける」って意味はないが。

「insides=内臓=身」で、単純に
「そのとき彼は、身も凍るような恐ろしい悲鳴を聞いた」はどうだろ。

ゆこりん訳だと、内臓を締めつけられるようなのは
ハリーなのか叫んだ人物なのかはっきりしない。

「身も凍るような」なら、聞いた人が感じることなので、ハリー自身の感覚だとわかる、と思う。

さらに、「悲しい」という表現は、原作のそこの文章にはない。
この場面ではまだハリーも読者もフレッドの悲劇は知らない。
cryを「泣く」と解釈すれば、何か悲しくて激しく泣いてるのか?
と読者は想像はできる。

叫び声が上がる(何か起こったらしい)

ハリー立ち上がる

赤毛3人が何かやってる

ハーと一緒に3人のところへ

フレッドの死発見 ←ここで初めて悲劇を知る

ゆこりん訳だと、すでに数行前に悲劇を匂わせてしまっている。
フレッドの死のインパクトは、ゆこりん訳と原作とでどちらのほうが大きいかは明白。

今の今まで、「内臓を締め付けられるような」のは、叫んだ人だと思ってた。
これってハリーが感じたことなの?

his insidesだからハリーのはず、と自分は思う。
その文に、叫んだのが男だという描写があれば可能性はありだと。
(その後の文章で実際叫んだのはパーシーかロンだが)

なんか恐ろしい悲鳴を聞いて、身体の内側に引っ張るような感じがした
ということだから、「締めつける」でいいと思う。

ただし、こういうときは「胸がしめつけられるような」と言うのが普通。
内蔵は締めつけられない。ゆうこりんの間違いはここだと思う。

『そのとき、胸が締めつけられるような恐ろしい悲鳴が聞こえた。』でいいのでは?
insideって確かに内臓って意味はあるけど
表現が美しくない。

英語の表現だと、ショックを受けたり、緊張したりするとすぐに
心臓やら胃が「口から飛び出しそうになる」だろ
ハリポでも類似表現がしょっちゅうでてくる
ここの場合、叫び声が悲痛で、それこそ体内から無理やりに
内臓を引っ張り出されるくらいなんだよ。

内臓が引き裂かれ(たように感じ)ているのは誰かじゃなくてハリーだから「身の毛もよだつ」が良いな

「身の毛もよだつ」はホラー系を連想させるときの表現だな。
この場面ではちょっと調子が狂いそう。

ちなみに引き裂かれるんじゃなくて、引っ張られるように感じてるんだよ。

言いたいことは分かるけど、恐怖や驚きで口から内蔵が出そう、というのは
日本人の感じ方じゃないから、そこは言い換えてもいいと思うけど。

日本だと「胃が縮こまる」みたいにはいうけど。

悲痛な叫び→胸が締めつけられる、というのが
日本語の流れとして自然だからいいように思うがなー。
変に内蔵系いれると、ン?て気を取られてしまう。

「身の毛がよだつ」はたしかに、恐怖の「ギャーッ」って悲鳴を感じるな。

あと
>その日一日でこんなに怯えたことはない、(p374)
>more frightened than he had been that day,(UKp512)
というのもぎこちない。

『それは、その日起こったどんな出来事よりハリーを怯えさせた。』とか
こここそ、「ハリー」をいれて文の調子を整えた方がいいと思う。

そんなそんなそんな

その後のパーシーの
「No-no-no!」「No! Fred! No!」はどう訳されてる?

「そんな――そんな――そんな!」
「ダメだ!フレッド!ダメだ!」
31章p374

たしか英語板で原書出版直後
「嘘だろ――嘘だろ――嘘だろ!」「ダメだ! フレッド! 逝くな!」
というのがあったけどそれがよかったな。
なんか日本語の小説ならこうなっていそうと思える。

今回"No"がたくさんあったけど、
上手く訳したと思えるところはほとんどなかった気がする。

ヘドウィグ

そこの邦訳は
「ああっ──ヘドウィグ(大文字+太字)!」「そんな──うそだー(大文字+太字)!」

大蛇

32章の前半で、ハーが I wanna kill Death Eaters - とパーシーを加勢したい
とするロンを引き留めて、ハリーにヴォルの心を覗かせるシーンだって、the snakeが「大蛇」だもの...

珍訳本379頁:
 「ロン、これを終わらせることができるのは、私たちのほかにはいないのよ!
 お願い-ロン-あの大蛇が必要なの。大蛇を殺さないといけないの!」

ハリーたちはやまたのおろちでも退治に行くのかと思ってしまう....orz

原書:
 "Ron, we're the only ones who can end it! Please - Ron - we need the
 snake, we've got to kill the snake!"

「ロン――蛇が先だわ、私達ナギニを倒さないといけないのよ!」とかさあ・・

なんか「俺様の御所望」みたいなところに変な色づけするくせに
意訳が必要なところは、妙に萎縮して愚直に訳してるんだよね。

>大蛇を殺さないといけないの!
「~しないといけない」って普通に使う?
何か年寄り臭い言い方だと感じる自分はちょっと日本語感覚が変か?

しなくちゃならないのよ!とか
しなければいけないのよ!
しなければならないのよ!(ちょっと硬いか)
あたりが自分にはしっくり来るんだが…

「~いけないのよ!」と「よ」がつくだけでだいぶ自然だね。

蛇のような顔は虚ろで、何も気づいてはいない。

ヴォルが死ぬ場面。

トム・リドルは、ありふれた最期を迎えて床に倒れた。
その身体は弱々しく萎び、蝋のような両手には何も持たず、
蛇のような顔は虚ろで、何も気づいてはいない。(36章P537)

とありますが、リドルは何に「気づいていない」のかがよく分かりません。

「翻訳リレー」の訳だと、以下になっている。
 彼の弱弱しい体は縮み、白い手には何もなく、
 彼の蛇のような顔は何もないかのように空っぽだ。

ヴォルが「蝋のような」と形容される箇所が松訳では目についたんだけど、
もしかして原書では単にwhiteだったりするの?

ヴォルが「蝋のような」手という印象はまったくない。白い手で赤い目。
かなり蛇男な書きぶりであって、蝋人形じゃない。

36章UK596p
Tom Riddle hit the floor with a mundane finality,
his body feeble and shrunken,
the white hands empty,
the snake-like face vacant and unknowing.

単にwhiteですわ。
ここのvacant and unknowingは”俺様”なのでアホで死の覚悟が出来ていない
己の死さえ気づいていないかのような顔、だと思って読んでた。

蛇のような顔は虚ろで何も知らないかのようだった。

ありふれた死というのもおかしいね。それじゃ、ガンか老衰で死んだみたい。
mundane finality はホークラックスとか関係無しでフツーに死んだという意味だから
難しいけど「あたりまえの死を迎えた」はどうだろう?

『トム・リドルは床に倒れ、あたりまえの死を迎えた。その身体は弱々しく萎び、
白い手は空をつかんだまま、蛇のような顔は虚ろでもう何も見ていない。』でどかな?

mundane
「ありふれた」は間違いとはいえないかもしれないけどニュアンスが違うよね。
せめて「ありきたり」とか「あたりまえ」とかさ
訳語の選び方がとにかくセンスが無いね。

>何も気づいてはいない
って…死んでんだから、そら何も気づかないだろうよw
書いてておかしいと思わないのかね?

「ありきたり」、それピッタリだ。
どこも劇的なところのない、ありきたりの死を迎えたんだよね。
トム・リドルとして。

死さえ自覚しないで死んだってことかな?
俺様には敗北感と共に死んで欲しかったと思うが・・・

この箇所で一番大切なのはunknowingのとこだと思うよ。
つまり、ヴォルデモートというのは幼い頃から植えつけられた死に対する極端な恐怖心が原因で、
「永遠の命」を手に入れるためにいろんな知識や力を身につけて、
それを武器に社会全体も自分自身のこともめちゃくちゃにしながら人生を費やしてきた。
でもそれだけの知識と力をしても、生命にはかならず終りというものがあって、
どんな生き物も「死」を受け入れなくてはいけない、という一番単純で基本的なことに
気づかないまま死んでいった。
正悪は別としてとにかく「偉大な存在」であったヴォルデモートも最期に迎えたのは
他のつまらない存在と同様の(つまり心臓や脳が停止するという生物学的死)「ありきたりの死」で
あるし、あれだけ大変なことしてきた割には結局、彼の中には何も残らず、人間(魔法使いだけど)の
「人生」とか「生死」に関する最も基本的なことすら理解できずに死んでいった、というのが
vacant and unknowing ってことだろう。
だから死んだときの彼の表情は「虚ろ」で「なにもわかっていない」感じだった。
つまり「蛇のような」というのは単に表面的に蛇みたいな顔というだけでなく、蛇のような高い知能を
持たない動物同様の虚ろさであった、って意味が込められてると思う。

日本語版からは微塵も感じられないハリポタの深遠

ヴォルデモートのボガートについての回転コメント
Voldemort's boggart would be "death, ignominious death .... He would see himself dead."
He sees death as a "shameful human weakness."

ヴォルは死を恥ずべき人間の弱さと考えていたんだね。
人として学ぶべきことを何も学ばずに逝ったと。

でもunknowingのぴったりくる訳は難しいね。
虚ろで無知そのものだった、ちょっと違うな・・・

文学作品というのは書かれてる文章をどこまで深く理解できるかは
要は読む人の能力次第という部分が大きいわけで、誰が読んでも理解できるように
書く必要はないと思うんだよね。
だから、若い頃読んだ本を大人になってから読み直してみると、前にはわからなかった
深い意味がはじめて見えてきたりすることもあって、それが本を読む楽しさでもあるわけでしょ。
わかりにくい部分はわかりにくいまま残しておく、というのも大切だと思うよ。
vacant and unknowing.という単純な言い方にして、あとは読者にそれがどういうことなのか
投げかけた、というのが回転女史のあの書き方だったのでは?

自分の場合、原書でその箇所を読んだときには疑問も無く納得できた。
「ヴォルはあれだけ永遠の命に執着してたのに結局何も得ず
 何も知りえず愛の何たるかも知らずほんとありきたりな死に様」という。
しかし、日本語訳ではやはり同じく疑問が湧く。

unknowing XのXが省略されているから
何をunknowingかは読者の読み方ってことか

去年海外で最終巻でたとき、ハリポタと関係ないブログとかで
唐突に「a mundane finality」って良く出くわしたんだよね。
ハリポタの「best line」だって注釈つきで。
日本語訳読んでそう思う人はいないだろうなぁ・・・。

この mundane finality と vacant and unknowing は意味も深いが文の味わいの上でもきまってる。
訳文の方もどこまで理解させるかはともかく、文として形をつけるのも大事では。

たしかにわかりやすくしすぎるのは野暮ってもんだけど
日本語の文として調子が整ってないと心に残らないよね。

そういうこと。特に原書の英語があれだけすばらしいんだから、
日本語訳のほうもそれに見合ったレベルにしてもらわないと。

和文としての調子考えた場合も原文の言い回しを変えざるを得ないと思う。
>the snake-like face vacant and unknowing.
「~蛇によく似た虚ろな愚かな顔がそこにあった。」なんてどうかな?
これなら子供は「愚か者だったから頭の悪い作戦で失敗したんだよな」
と思うかもしれないが、(それも言えてるが)
大人は「生きることの意味もわからず愚かなまま死んだんだな」と
理解してくれるかもしれない。そこは読者の精神年齢しだいということで。

命を弄び愛を無視した野望の果てに、惨めなトムリドルとして
凡人並に死んだだけ、蛇似の死に顔に残ったのは空虚と無智。
文学者肌の翻訳家なら、かなり練ってくるのかな。
それでも原文を見た人の賛否は分かれるみたいになりそうな文だ。

蹴りを入れた(ジェームズ)

常識のない母親は困る、とばかりに頭を振りながら、ジェームズは気持ちのはけ口にアルバスめがけて蹴りを入れた。(終章p555)
Shaking his head at his mother's foolishness, he vented his feelings by aiming a kick at Albus.(UK版p606)

ジェームズはひでぇ兄だなあ、誰に似たんだ?w と思って原書を確かめたんだけど、
aiming a kick は狙いをさだめただけじゃないの? 
「蹴りを入れた」では本当に弟を蹴ったとしか思えないんだけど。

そこのaiming a kickってのは、別に蹴ったわけでも、蹴ろうとしたわけでもなくて、
「リリーへのフラストをアルバスに向けた」って意味だと思うよ。
だから、次のせりふで「じゃ、アル、またあとで!Thestralに気をつけろよ!」とアルバスをわざと脅してからかってる。
またゆうこりん、完全誤訳。

kickって別に「蹴る」って意味だけじゃないから。(もちろんそういう意味で使われる事が一番多いけど)
なんか文句を言ったり、抗議したり、議論ふっかけたりって時に俗語的に使うこともあるし、
麻薬とかで急にハイになったり、すごく楽しいこととか、興奮すること、スリルを感じることもkickというし・・・・・。
なんかジェームズってすごく快活で頭も切れそうだけど、若干ハイパーというか、いつも回りに刺激とか
楽しいことを見つけたい、って感じのキャラでしょ。
上の場合も、いつまでもやりあっててもラチあかないから、アルバスに矛先を向けてからかってみた、
って感じだと思うよ。
特によくある常套句的な使い方ではないけど、
普通に英語使って生活してる人が読んだら、そういう解釈になるような表現だと思う。
蹴ってない・・・・orz

おいおい、aimingを訳してないって…
完全な誤訳だな。
本当に蹴ったんだったら、by kicking Albusになるはず。
中学生でも辞書引けばわかるところをなぜ…
kickingの意味は「フラストをアルバスに向けた」に賛成。
ゆうこりんはこれもまた辞書に載ってる1番目の意味を採用したのか。
つかkich=蹴るって条件反射的に訳したんだろうな。

誤訳により日本語版ではまたひとり登場人物が嫌なヤツにされてしまいますた。

Shaking his head at his mother's foolishness, を
「常識のない母親は困る、とばかりに頭を振りながら」というのもなんか下手だ。
微妙なとこだけど、常識は関係ないわけで・・・
「ママはバカだなあと言わんばかりに頭を振って、」とかのが自然じゃないかな。

おかんは何も分かってないねと首ふりながら、次のからかう相手をアルに定めるのと
おかんは常識がないねと首ふりながら、いきなりアルに蹴りを入れるのと
ずいぶん違うよね

チビジェイムズってイライラっとすると、悪戯したりぱっとはじけて
発散するタイプなんだな。それで弟からかったのか。なるほど。
弟を蹴るにしても両親の前ではやらないよなあw

そう、本当に蹴り入れたんならその前からの流れから見ても
ハリーやジニーがジェームズをたしなめていたはず。
叱ってないって時点でDQN両親にもなってしまってる翻訳版。

そのすぐ後、アルバスが「セストラルは見えないって言ったじゃないか!」
って言うのに対して、"But James merely laughed, "というのは
アルバスが思ったとおりの反応したから、してやったりって感じで笑ったんじゃないかな。
で、そのあと両親とぱっとお別れのキスとかしたあと、汽車にさっと飛び乗って、
手を振ったと思ったら、次の瞬間にはもう仲間を探して汽車の通路を走っていった、という
感じで、とにかくいつもいつも楽しいことを探しながら動き回ってるって感じの子なんじゃないかと思う。
だからアルバスに矛先向けたのも、気持ちがおさまらなくて八つ当たりしたというよりは
面白そうだから軽い気持ちでからかってみた、という感じじゃないかと思う。
ロンも入学する前、フレッドに「組み分け帽は痛い」ってからかわれてたよね。
そんな感じ。

双子と似た性格だと思うとよくわかるよ。
イライラしたら怒るよりは楽しみ見つけて憂さ晴らしするんだね。

フレッドは若くして死んじゃったけど、ジニーを通して彼の魂みたいなのは
ジェームズに引き継がれてるという作者の親心みたいな感じなのかもね
なんかじーんときた

全然違う人格になってるな。

母親に常識はずれなことを頼まれて、
弟を蹴って憂さ晴らしをする松岡版ジェイムズ

弟をからかって笑い飛ばし、陽気に客車に乗り込み友達を探しに行く原作ジェイムズ。

しかしこのエピローグの短い描写でハリーの子ども達の
性格の違いや特徴を描ききってるのがすごいな。>作者
ジェームズは乱暴ですごくしつけがなってないと呆れてたけど
皆のレス読んだら、やんちゃではつらつとしてて双子っぽく
気持ちもわかるところがあると思えてきた。

母親と話が合わないから弟に蹴りいれるようなやつにはじーんとしないよね 
なんだ誤訳のおかげであのシーン、ぜんぜん違う雰囲気になっちゃてるじゃないか
松岡先生、またやってくれました

私も、あの子はなんか乱暴な子なんだなってイメージでした。
またここで一つ賢くなって、かつ、一つ怒りのタネが増えたわ#
ほんとにいい加減にしてほしい。

作者インタビューを読むとよくわかるけど、あの短い章に回転女史、
すごくいろんな思いを込めてるんだよ
あそこで垣間見れる登場人物たちの大人になった姿とか、あの章で
初めて出てくる子供たちや人間関係は、それまでの7巻全部の総括みたいなもの
だから・・・・。
シリーズ最初から最後までをきれいにまとめあげて full circle的な感じに
したかったって言ってる。

そしてそのジェームズをもってしても
両親からの挨拶(原書ではloveだけど)の伝言を校内では気軽にしづらいネヴィル。
きっと生徒からも一目置かれてるherbologyの権威の教授なんだろうな。
短いセリフに込められたネヴィルの出世ぶりにもジーンと来る。

なるほど、カラっと明るいジェイムズ君が
ゆうこりんのせいでキレやすい乱暴者にされちゃったんだな
しかもそんな息子を放任するハリー・ジニー夫妻
実在の人物だったら、今頃名誉毀損で訴えられてるな>松岡

またやってくれちゃってたのかこりんタン。
最終巻の最後の章まで・・・
このエピローグって回転さんがずっと金庫にしまっておいた原稿だよね?
(少し手直しはしたそうだけど)
それだけ思い入れもあるだろうに回転さん。
こんな訳にされてて不憫・・・

一応、念のため、知り合いのネイティブに確認したら、
ジニーとの会話がラチあかないんでたまたまそこに居合わせた
アルバスに矛先向けてからかってみたという感じは間違いないんだけど、やっぱり
ちょっと蹴るようなふりはしてるんじゃないかと・・・・。
ただ、実際には蹴ってはいないだろう、そういう動作をしてみただけじゃないか、とのことでした。

英語では 「kickの狙いを定めた」だけなんだよね。
確かに文脈によっては文字通りに「蹴りをいれようと狙った」場合もあるけど、
ここはその後すぐに、セストラルに気をつけろや、とか言ってアルをからかってる。
だからフツーに読めば、アルを「からかおうとした」としか読めない。

aiming a kick は本当に「(蹴る為に)狙いを定めた」という意味です。
比ゆ的な意味はなし。
ただし、実際には蹴ってない。というわけで「蹴りを入れた」はやはり誤訳。

もう死んでいた

36章532ページ
「しかし、スネイプは、おまえが母を脅かしたその瞬間から、ダンブルドアのスパイになった。
そして、それ以来ずっと、おまえに背いて仕事をしてきたんだ!
ダンブルドアは、スネイプが止めを刺す前に、もう死んでいたのだ!」

アバダの前に死んでた? そうでしたっけ?

>ダンブルドアは、スネイプが止めを刺す前に、もう死んでいたのだ!

Dumbledore was already dying when Snape finished him! (UK版P593)

「ダンブルドアはスネイプが止めを刺したとき、すでに死にかけていたのだ!」
と原書にはあります。

dying をもう死んでるって誤訳しちゃったんだね。
死にかけてるだけなのに・・・

なぜ、もう死んでるにしたんだろうね。
北斗の拳のファンだったんかなw

be dying で「死にかけている」よく使われる英語だ。
「ダンブルドアはあのときすでに死にかけていた」
日本語でもこういう場合はこう説明するしかない。
あたりまえの訳。あたりまえの説明。重さも軽さも関係ない。

「死にかけてる」というのもなんだから、
「すでに死が(近くに)迫っていた」というのは?

もう死の瀬戸際にあったのだ

相手にバンと投げかける言葉だから
「~すでに死にかけていたんだ!」と強い方がいいよ。

ゆうこりんはレトリックで「死んでいた」としたつもりかもしれないが
あまりにもその他の不手際が多いので、いい加減に訳したと疑われても
仕方のないところがある。

他の部分の日本語が見事で高度に文学的で
ストーリーやエピソードの把握も抜かりがないというなら
多少筆を滑らせたレトリックも受け入れられるが
まっっっっったくそうじゃないからねw

免許

下巻552pの3行目ロンとハリーの名前が逆じゃねぇか

そこは他のスレでも何回か言われてたけどロンがハリーに聞いたでおk
でも訳し方が下手で逆にしか思われないらしいね。ちなみに原文は↓
"Parked all right, then?" Ron asked Harry. "I did. Hermione didn't believe
I could pass a Muggle driving test, did you?"(UKp604)
「うまく駐車できたか?」ロンがハリーに聞いた。「俺はうまくいったぞ。
ハーマイオニーの奴、俺がマグルの運転テストに受かるとは思ってなかったんだ。

2ちゃんだけで君以外にも何人かの人がそこのハリーとロン、
逆じゃないかと言ってたからかなりまずい訳し方であるのはたしか。
すごく簡単な文章だけど「うまくいったかい?」「僕はおkだったよ」という
ロンの自問自答に近いところだから、文の配置によっては変になる。
最後までそういう訳のコツがわからなかったゆうこりん…

その部分は俺も疑問に思ってたところだったわ。
「よぉハリー、お前ちゃんと駐車できた? 俺はちゃんとやれたよ」
ってことか。

「駐車はうまくいったかい?」ロンがハリーに話しかけた。
「こっちはバッチリさ。ハーマイオニーのやつ、僕がマグルの運転テストに受かるとは~

みたいな感じなら一回改行してもわかりやすいと思う。
askedを杓子定規に「聞いた」と訳さないとか、基本のテクニックも最後まで
身につかなかったようだね。>ゆうこりん

そこは「ハリーがロンに聞いた」の間違いじゃないかという質問が
本スレでも何回かあったから、かなりわかりにくい書き方してあるみたい。