インテリジェントデバイス(1期・A's)

Last-modified: 2024-03-03 (日) 20:57:43

インテリジェントデバイス (Intelligent Device)

ミッドチルダ式魔導師の一部が扱う意志を持ったデバイス。
ストレージデバイスは魔法を詰め込んでおく記憶媒体でしかなかったのに対し、インテリジェントデバイスは発動の手助けとなる処理装置、状況判断を行える人工知能も有している。
意志を持つ為、その場の状況判断をして魔法を自動起動させたり、主の性質によって自らを調整したりする。
その上、人工知能を有しているためかインテリジェントデバイスは会話・質疑応答もこなせる。
意思疎通出来れば、魔法の威力や到達距離の強化や同時発動数の増加、無詠唱での発動、魔導師との同時魔法行使など、実用性を超えた高いパフォーマンスが期待できる。 1+1を5にも10にもする可能性を秘めている。(小説)
一方でその扱いは基本的に難しい(公式)。 主の力が弱かったり扱う能力自体がなかったりすると、デバイスに振り回される何とも情けない魔導師となってしまう。
機体が高価なことも相まってさほど一般的ではない。(VFB)

レイジングハート(Raising Heart)

CV:Donna Burke
使用者:高町なのは

『魔導師の杖』。魔法戦闘経験の少ない主なのはの為、砲撃魔法に特化したデバイスとなった(なのはの為に自らを微調整しているという記述は、小説版や公式ページで出ていた)。
元々はユーノが遺跡より発掘し、そのまま所持していたデバイスだが、彼は完全には使いこなせていなかったようである。
1期第1話で、なのはに譲られ、彼女の潜在的な魔力資質を目覚めさせる鍵となった。
レイジングハート自身もなのはのことが気に入っている模様で、1期後半やA'sでは完璧な信頼関係が築かれていた。
起動呪文(正確には、起動用パスワード)は以下の2種類が確認されている。

「我、使命を受けし者なり。契約のもと、その力を解き放て。風は空に、星は天に、そして不屈の魂はこの胸に。この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ!」(1期第1話)
「風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に! レイジングハート、セットアップ!」(1期第9話)

ただし、なのはは初回以降はほとんどこの起動呪文を省略して起動させている。 これはレイジングハートがなのはをマスターと認めて、本人認証のプロセスを簡略化させたためという仮説がある。
また、「お願い、レイジングハート」や「レイジングハート・セットアップ」でも起動する。
名前の意味は本編中では明言されていないが、起動呪文にもある「不屈の心」というのが、現在のところ一般的な見解である。(英語からの和訳もそのままである事からほぼ合っているものと思われる)
A's第1話で、ヴィータのラケーテンハンマーの直撃を受け、大破しながらも第2話ラストまで戦い抜いた。
なのはを「master」と呼ぶ。

なのは専用に設計されていないにも拘らず最高レベルの使い魔によるコスト度外視で作られた専用機のバルディッシュに勝るとも劣らない異常な性能を持つ。
さらに出自に関しては3シリーズ経過した今でも具体的に語られてはいないなど不明な点も多い。

  • スタンバイモード(Standby Mode)
    紅く小さな丸い宝石形。直径1.5cmぐらい。 なのははこれを常時ペンダントにして持ち歩いている。 ただし完全に服の中に入れているので普段は見えない。
    1期DVD第1巻のブックレットや設定資料集ではウェイトモードとなっている。 この呼称はここでしか出ていないので、正式名称ではないと思われる。
    この状態でも、若干の魔法の補助(1期初期の魔法に不慣れな頃の、なのはの念話の手伝い)や、魔力に対する負荷をかける事、イメージトレーニング用の仮想データ送信(漫画版Report1)等が出来る。
    1期第1話冒頭で、ユーノはこの状態で封印を行おうとしたが失敗した。(しかし本編開始以前に封印を成功させている。)
  • デバイスモード(Device Mode)
    起動した後の基本形態。
    この形は、なのはが魔法の杖と聞いてイメージした形である。
  • シューティングモード(Shooting Mode)
    砲撃魔法を放つ為の形態。初披露は1期第3話でのディバインバスター発射時。
    前方に魔力を集中させるために、ヘッドが音叉状の形態に変形し、ブームが多少伸び、光の羽根を広げる。
    なのはの主砲ディバインバスターを撃つときなどに使用される。
    1期第6話ではこの状態で封印を行っている。
    ※光の羽根を広げている状態は、実はシーリングモードだという説もある。
    この説に従うと、シーリングモードはシーリングモード:デバイス形態とシーリングモード:シューティング形態の2モードある、ということになる。
    また、A's第2話ではレイジングハート自身が光の羽根を伸ばす時に「シューティングモード・アクセラレーション」と告げていた。このため、ファンの間ではこの光の羽根を伸ばしたシューティングモードを前述の「シューティングモード・アクセラレーション」と呼ぶこともある。
  • シーリングモード(Sealing Mode)
    ある一つの魔法に魔力をすべて向ける為の形態。
    デバイスモードから光の羽根を広げた形となるが、シューティングモードのままこのモードになる事も可能。(前項参照)
    ジュエルシード封印には多大な魔力を浪費するので、主にジュエルシード封印の時に使用される。
    また、1期最大の魔法と言えるスターライトブレイカーもこのモードで使用されていた。
    「魔法少女リリカルなのはA's」では、レイジングハート自体が2話で早々に大破したこともあり、このモードは登場していない。

レイジングハート・エクセリオン(Raising Heart Exelion )

CV:Donna Burke
使用者:高町なのは

ヴォルケンリッターとの初回戦闘時の惨敗を受け、レイジングハート自らが望んでベルカ式カートリッジシステムCVK792-Aを組み込んだ後の形態。
6連装オートマチック型カートリッジシステムを装備。(CVK792-Aの末尾のAは、Automaticの略かと思われる)
A's第4話から登場。エクセリオンの語源には諸説あるが、いずれも架空の造語である。Excellentからの造語かとも推定されるが、正確な語源は現在のところ不明。 本項の綴りは、A'sDVD3巻初回特典からである。レイジングハートの表示は"Excellion"に見える。

  • スタンバイモード
    レイジングハートのスタンバイモードと形状、機能ともに同じ。
    なのははヴィータに話し合いを求めたときに「和平の使者は槍を持たない」と拒絶された(A's第5話)。 それから後、なのははヴィータに対して、最初はレイジングハート・エクセリオンをスタンバイモードにしたままで声を掛けているのは、それが理由ではないかと考えられている(A's第7話)。
  • アクセルモード (Accel Mode)
    レイジングハート・エクセリオンの基本となるモード。レイジングハートのデバイスモードに相当する。
    中距離射撃と誘導管制、強靭な防御力を含めた中距離高速戦専用モードとなっている。
    なのはの特性に合わせて、魔力弾を加速(Accel)させることに特化したところからこの名称がつけられた。
  • バスターモード (Buster Mode)
    レイジングハートのシューティングモードに対応するモード。
    なのはの主砲ディバインバスター・エクステンションなどを撃つときに使用される。
    射程・威力の強化に特化し、アクセルモードとの違いをさらに明確にした。
    長距離砲撃ではレイジングハート自体が精密照準の補助をしている。 さらにマガジンをグリップする事で照準のブレを抑えているらしい。
    A's第7話から登場した。
  • エクセリオンモード(Exelion Mode)
    A's第11話にてその姿を現した、レイジングハート・エクセリオンのフルドライブモード。
    本体破損を防ぐ出力リミッターを解除した状態で、魔力消費と引き換えに爆発的出力を生み出し、術者の全能力を底上げする。
    位置的にレイジングハートのシーリングモードに対応するモードだが、形状はまるで違い、もはや杖というより槍である。
    起動時のカートリッジロード数は1発。
    使用時は、なのはの魔力消費と攻防におけるカートリッジ消費量が激しく、本来の機体耐久性を超えた出力は自壊の危険を伴う。 このため、フレーム強化まで使用禁止と、エイミィに念を押されていた(A's第5話)。 しかし、レイジングハート・エクセリオンはなのはを信じてフレーム未強化ながらこのモードの起動を要請し、なのはもレイジングハート・エクセリオンを信じて起動させた。 実は、レイジングハートからモード起動要請を行ったのも、なのはがレイジングハートに対してモード起動を口に出して命じたのも、この時のみである。
    主砲エクセリオンバスターのバリエーションと、瞬間突撃システム「A.C.S」の存在で砲撃戦の戦術の幅を広げている。
    漫画版Epilogueでは、なのははフレーム再強化と微調整が終わったレイジングハート・エクセリオンを受け取っており、その直後の模擬戦ではエクセリオンモードで使用しているところから、エクセリオンモード使用に関する制限は無くなっているものと思われる。
    • A.C.S展開状態
      A's第11話で登場。
      「A.C.S」は「Accelerate Charge System」の略。瞬間突撃システム。
      レイジングハート・エクセリオンのエクセリオンモードでのみ使用可能。
      システム展開時は、6枚の光の羽根を大きく広げる。 また同時に、先端には半実体化する魔力刃「ストライクフレーム」を形成する。 この状態を、「エクセリオンモード(A.C.S展開状態)」と呼ぶ。
      この状態から、エクセリオンバスターA.C.Sを放つ。
  • マガジン(Magazine)
    いわゆる弾倉。 カートリッジを補充するために、あらかじめ用意しておくストック。
    本編中で正式名称は出ていないが、なのははA's第11話でマガジンと呼んでいた。
    レイジングハート・エクセリオンは、最初からこのマガジンが1つ装備された状態で起動する。
    マガジン1つにつきカートリッジは6発装填されており、カートリッジを使い切った際は、マガジンごと入れ替えることでカートリッジの補充を行う。
    A's第9話~第12話の決戦では、なのははこのマガジンのストックを4つ(A's第11話前半時点で補給に使ったのが1つ、このときの台詞で「残り3つ」)用意していた。 話の流れから見て、普段から携行していたと思われる。 しかし、大きさのあるマガジンを4つもどうやって持っていたのかは不明である。 このストックが4つある場合、あらかじめセットされているものと合わせて、なのはは30発のカートリッジロードを行うことができる。
    マガジン交換の際、不要になったマガジンについては描写がない。 おそらくはそのまま廃棄していると思われる。
    また、前述したように、バスターモード時にはこのマガジンをサブグリップとしても使っている。

バルディッシュ (Bardiche)

CV:Kevin J England
使用者:フェイト・テスタロッサ

『閃光の戦斧』の異名を持つ、フェイトの愛杖。杖というよりは、斧、鎌、槍の3形態を持つ近接武器のイメージの方が近い。
色は漆黒で、宝玉は金色。ベースの素体(フレーム)は斧形態。 この宝玉には、起動時などに猫の瞳のような模様が浮き出ることがある。
"Yes sir!"のセリフが印象深い。
作成者は母プレシア・テスタロッサの使い魔、リニス(1期)。
設計時から徹底的にフェイト専用として作られ、近接戦闘に特化しており射撃・放出用の専用形態を持たない。
作成時にリニスはプレシアから、材料費がいくら掛かっても良いという言質を取っている。
リニスがフェイトのための杖で遠慮するとは考えにくいことから、おそらくはすさまじく高価なものになっていると思われる。
作成の経緯は、1期SS02で詳しく描写されている。

「闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧」(リニス談)

フェイトにとっては、アルフとは別の意味で代え難いパートナーである。
主人が無口気味なためか、特に命令しなくても、その意を汲んで自動的に対応するシーンが多く見られる。
バルディッシュ自身も無口がちで、その事をフェイトが気にすることもあった。(A'sSS01)
過去にも数回中破してはいたが、A's第2話でシグナムの紫電一閃を受けて大破する。 1期では2回中破したが、いずれもなのはとの戦闘ではなく、ジュエルシード暴走に巻き込まれたときと、プレシアの次元跳躍攻撃を受けたときであった。
バルディッシュは実在する武器(ポールウェポン)の名称でもあり、特にクレセントアクスとも呼ばれる型の物に、デバイスフォーム時の形状が酷似している。

  • スタンバイフォーム(Standby Form)
    金の台座に乗った三角形の黄色い宝石型。 フェイトはバリアジャケット着用時はこれを右手のグローブに付けているが、破損時や普段着では外しているところを見ることができる。 また、フェイトのバリアジャケットの左手と胸元に同じ形状の宝石が付いているが、これらはデバイスではないらしい。 (1期設定資料集)
  • デバイスフォーム(Device Form)
    起動した後の基本形態。「閃光の戦斧」の名が表すように、斧の形状をしている。
    中距離以上の魔法はこのフォームで使用することが多く、サイズフォーム(後述)から戻す局面も見られる。 また、格闘戦もこのフォームでこなすが、相手の防御力が高くこれではダメージが与えられない場合には、数合打ち合ってからサイズフォームを起動するというパターンが多い。
  • サイズフォーム(Scythe Form)
    近接戦闘特化した形態。ヘッドを本体とは直角に展開させ、先端に魔力光を発生させたその姿はさながら鎌(サイズ)のようである。
    また、魔力刃を飛ばすアークセイバー等の魔法により、中距離戦もこなすことが可能。
    フェイト自身が近接戦闘を得意とすることから、このフォームの使用頻度はかなり高い。
  • シーリングフォーム(Sealing Form)
    ある一つの魔法に魔力をすべて向ける為の形態。 ヘッドをデバイスフォーム時とは反転させ、光の翼を広げる。 形状は槍と言われるが、デバイスフォームやサイズフォームの時とは違って実際に槍として使用したことはなく、魔法行使にのみ使われている。
    ジュエルシード封印に多大な魔力を浪費するので、主にジュエルシード封印の時に使用される。
    また、他にはフェイトの1期時点での無詠唱最強の魔法サンダーレイジがこの形態で使用されている。 「魔法少女リリカルなのはA's」では、バルディッシュ自体が2話で早々に大破したこともあり、このフォームは登場していない。

バルディッシュ・アサルト(Bardiche Assault)

CV:Kevin J England
使用者:フェイト・テスタロッサ

ヴォルケンリッターとの初回戦闘時の惨敗を受け、バルディッシュ自らが望んでベルカ式カートリッジシステムCVK792-Rを組み込んだ形態。
6連装リボルバー式のカートリッジシステムが印象的。(CVK792-Rの末尾のRは、Revolverの略かと思われる)
A's第4話から登場。
A's第11話では、距離をヤード法で喋っていた。

  • スタンバイフォーム
    バルディッシュのスタンバイフォームと形状、機能ともに同じ。
  • アサルトフォーム(Assault Form)
    バルディッシュのデバイスフォームに対応する形態。 元のデバイスフォームより剛性を高め、より白兵戦(アサルト)に特化した。 強度と堅牢性に重点を置き、より純粋な近接武器となった。
    フェイトの特性に合わせ、打撃・斬撃の打ち合いで破損することのないようにセッティングされている。 またリボルバーユニットを覆うコッキングカバーは撃鉄の役目とともにユニット保護も兼ねている。
  • ハーケンフォーム (Haken Form)
    近接戦闘に特化した形態。バルディッシュのサイズフォームに対応するフォーム。 変形プロセスもサイズフォームとほぼ同様。
    魔力刃のサイズアップと魔力密度・切断力の強化とともに、後方に姿勢制御を行うフィンブレードを3枚増設してフェイトの体感重量をより軽くすることで鋭い取り回しを可能にしている。
    ハーケンとはドイツ語で「鉤」の意味。
    A's第5話で早々に披露された。
    起動時のロード数は1発。
  • ザンバーフォーム(Zanber form)
    バルディッシュ・アサルトのフルドライブフォーム。閃光の刃の一つの完成系。 名称だけはA's第5話のエイミィの説明で出ていたが、実際に登場したのは第11話。
    綴りは本編映像でバルディッシュの表示からの推定である。
    位置的にバルディッシュのシーリングフォームに対応するフォームだが、こちらもエクセリオンモード同様かつての原形をとどめていない。
    本体破損を防ぐ出力リミッターを解除した状態。 半実体化した魔力刃を持つ大剣の形をしている。
    起動時の使用カートリッジは二発。
    映像を見る限りこの魔力刃は通常時でもフェイトの身長よりも長く、ジェットザンバー等の魔法の行使時には、さらに伸ばしているシーンが見られる。 もはやこれを見て「杖」とは誰も言わないだろう。 その性能の大半は攻撃に向けられ、無詠唱の結界破壊や巨大な威力の斬撃・砲撃が可能。 威力・範囲・距離の応用性能は高く、集団戦でも能力を発揮できるように設計されており、実際にこのフォームから様々な新魔法を使用している。
    第12話及び漫画版Epilogueでは、フェイトはなぜか「バルディッシュ・アサルト」ではなく「バルディッシュ・ザンバー」と呼んでいるが、今のところその理由は語られていない。
    名称の由来は本編中では明言されていない。斬馬刀に由来するとの説がある。
  • スピードローダー(Speedloader)
    正式名称は本編及び各種資料においても明言されていない。 この「スピードローダー」はあくまで一般名称である。 本来の意味では、リボルバーで弾を一度にシリンダーに装填するための装置。
    ここでは、バルディッシュ・アサルト用のカートリッジを一度に全弾(6発)装填するためのもの。
    A's第7話での出撃時に、フェイトが無造作に2つほど掴んでいった。 また、第13話でもちらっと画面に映ったが、これを実際に使用しているシーンは遂に登場しなかった。