一度見たらアーカイブエリアにも観察記録がないので我が書き起こした。
分岐は色で分けたはいいが、他にいい方法があれば変えてほしいのだ。
始まり
ペルシカ(現実) | 見えてる?… 今、あなたが目にしているのは意識をデータ化した世界よ。 まぁ、その辺は気にしないで、私が処理しておくから。 「ニューラルクラウド計画」に参加した人形たちのように、これからあなたの意識はメンタルデータへと変換される。 そのあとで、私があなたの意識をクラウドの世界へとアップロードするわ。 そう、完全にデータで構築された仮想世界よ。 「ニューラルクラウド計画」を主導していた教授を除けば、生きた状態でそこへ送られるのは、人間ではあなたが初めてね。 3年前、ニューラルクラウド計画の途中で起きたあの事件、それがクラウド世界を一変させたの。 実験に参加した人形のメンタルはすべて失われ、教授も事故のあとに失踪しているわ。クラウド上のデータに至っては、事故が起きる前へとリセットされてしまった。 教授をずっと探していたの。長い歳月が過ぎた、ほぼあきらめかけていたわ。 まさか、微々たる遠隔バックアップが、彼女と人形たちを取り戻す最後の希望になるだなんてね。 あなたの調査のおかげよ、指揮官。 今からあなたには、この一方通行のルートからクラウドへと向かい、彼らを助けてもらうわ。 これが唯一のチャンスなの。 指揮経験の豊富なあなたなら、きっと彼らを率いることができるはず。 以前制定された計画に基づき、その教授の持つ全権限をあなたへと移譲するわ。 そうすれば、人形たちへの指揮が可能になるはずよ。 「オアシス」と呼ばれる基地を起動して、人形たちを保護することもできる。 そうそう、クラウドにいるもう一人の「ペルシカ」 ……彼女があなたをサポートするわ。 私をモデルに造られた人形だけど、性格は全然違うのよね。 あの子と協力するのよ。彼女の知識が、真実を探し出す助けになるかもしれない。 クラウドに入れば二度と現実とは連絡がつかない。どうか任務を覚えていてほしいの。 現実にアクセスする手段を見つけ、私の友達──教授と、クラウドに囚われている人形たちを連れ戻して。 それと安全のためにも、本当の身分は隠しておくのよ、誰にも知られては駄目。 おそらく、長い旅になるでしょうね。 でも、あなたなら、彼らを救えると私は信じてる。 それじゃ、幸運を祈るわ、「教授」…… …… ……意識のデータ化、完了。 |
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システム | ……マグラシアサーバーに接続中。 (10:00,09/23/2063)意識アップロード成功。 |
??? | ……教授…… ……教授……起きてください!! 意識が安定した!教授、大丈夫ですか? |
Player8609 | だ……大丈夫だ…… なんだか、数ヶ月前の出来事を見ていたような気がする…… |
ペルシカ | 数ヶ月前?記憶データがやや混乱しているようですね……ですが、修復している時間はありません。 私たちのオアシスが奇襲を受けました。戦闘モジュールを含むオアシスの全システムが深刻な損傷を受け、すべてダウンしています。 あなたは強引にシステムへアクセスし、戦闘モジュールを強制起動なさったんです……メンタルに多大な損傷を受けてしまわれましたが、あなたはやり遂げた。 一時的に記憶が混乱しただけで済んだのは幸いでした。賭けはあなたの勝ちです。 おかげで、敵の第一波を防ぐことができました。しかし…… |
突如鳴り響いた通信音が、ペルシカの説明を遮った。 | |
ペルシカ | はい、こちらペルシカ。 |
??? | こちらソル、2分後にオアシス外環の指定ポイントに到着予定。ペルシカ、教授の容体は? |
ペルシカ | 目を覚まされました。記憶データの一部に混乱が見られるほかは、至って正常です。 |
ソル | 予想よりずいぶん早いね。すごい回復能力だ、さすがは教授! |
ペルシカ | 外環エリアの状況はいかがです? |
ソル | かなりヤバいね……敵の数が思ってたよりずっと多い。オアシス外縁の防御システムも、持ちこたえられそうにない! |
ペルシカ | クロックさんは? |
ソル | 教授の命令通り、5分後に落ち合う予定だよ。 損傷状況については…… ……途中で仲間は大勢助けたけど、ちゃんとした戦術指揮がないんじゃ、どうしても…… |
ペルシカ | ……教授、目覚めたばかりで、まだ混乱しておいでだとは思いますが…… これまでのように、あなたの指揮があれば、必ずこの危機を乗り越えられると私は信じています! オアシスはまさに危急存亡の秋(とき)。我々はあなたの命令に従い、力の限り戦います! 教授、どうぞご命令を! |
オアシス防衛後
数分後…… | |
ソル | 教授、戻ったよ! |
ペルシカ | サンドボックス障壁が再起動を終えました。あなたの指揮のおかげで、作戦は大成功です。 |
ソル | クロックは先にオアシスシステムを修復しに行ってる。今後はもっとオペランドを割いて、障壁を頑丈にするってさ。 浄化者なんか、二度と入って来れるもんか! |
ペルシカ | ええ。セクター内に残っていた浄化者もすべて殲滅しました。中環エリアの戦いも、順調なようですね。 お疲れ様です、教授。また戦局を逆転してしまいましたね。 |
教授 | 君たちもお疲れ様。はやく休んでおいで。 |
ペルシカ | ご心配なく、教授。すでに治療を済ませていますから、問題ないですよ。 |
教授 | ま、こんなとこかな。褒められるほどのことじゃないよ。 |
ペルシカ | そんなふうに仰らないで。オアシスを救ったのは、あなたなのですから。感謝を述べさせてください、教授。 |
教授 | (頷く) |
ソル | それにしても、さっきの戦いでかなり消耗したね…… ……コンディションを取り戻すには、かなり時間がかかりそうだ。 うわっ!なんでいきなり真っ暗になってんの!? |
ペルシカ | クロックさんがオアシスのシステムをオフにしたのでしょう。システムの修復も、終盤のようですね。 修復を終えれば、浄化者のせいでオフラインになってしまったシステムも、少しずつ復旧できるはずです。 |
システム | システム準備完了(セーフモード) |
ソル | こ、怖がらなくて、いいからね……手、つないだっていいんだよ? |
ペルシカ | もう大丈夫ですよ。 |
システム | 機動コマンド確認 グラフィックシミュレーター稼働率34%、人物レンダリング起動 背景レンダリング起動 |
ソル | あっ!見えるようになった! |
着色開始 | |
ソル | さすがはクロック、仕事が速い!これでやっと一息つけるよ。 |
ペルシカ | オアシスのコアシステムを再起動した後は、教授の権限で各モジュールを再起動・再点検しなくてはなりません。 浄化者による攻撃は続いています。今後のためにも、作業を早めにおわらせておきませんと。 このあとの任務は手配しておきました。よろしく頼みますね、教授。 |
クロック | きょうじゅ!ペルシカ! |
ペルシカ | クロックさん、ちょうどいい所に。先ほど、個別のシステムを起動し終えました。サンドボックス障壁のほうはいかがです? |
クロック | 良くない……かなりヤバいことになってる。 |
ソル | えっ!? |
クロック | 浄化者に壊されたせいで、オペランドが大量に失われてる。もうほんの少ししか残ってない。 あいつら、まだ外から攻撃してる。サンドボックス障壁を維持するには、かなりの量のオペランドが必要になるよ…… |
ペルシカ | つまり、オペランドが足りていないということですか? |
クロック | 「足りてない」どころの騒ぎじゃない。オアシスの状況を表にしたから見て。 |
ペルシカ | ……オアシスのオペランド消費って、こんなに速かったんですか!? 今いる浄化者の戦力から計算すると、残りのオペランドで障壁を維持できるのは、もって2時間…… |
ソル | ちょっと待った、あれだけ苦労したのに、あと2時間しか生きらんないってこと!? |
クロック | まさか、浄化者がこうもいきなり増えるなんて…… |
ペルシカ | つまり、2時間以内にオペランドを確保できなければ……オアシスは陥落することに…… |
ソル | そうなったら、もう戦いに使えるオペランドなんて、残ってないだろうね…… |
クロック | 唯一の方法は、マグラシアの他セクターからオペランドを「ハイシャク」すること。 |
ペルシカ | ……そんなことが可能でしょうか? 各セクターは独立した仮想都市国家の形を取っています。その中のエージェントたちが、貴重なオペランドを分けてくれるとは思えません。 失踪した仲間を探すために、忍び込んだことはありましたが…… オペランドを持ち出すとなると……さすがに無理があるのでは…… |
教授 | 試してみなきゃわからないよ。 |
ソル | そうだよ、教授も一緒に探検しに行けるしね! |
ペルシカ | ……ふふ、確かにそうですね。なにせ、オアシスの運命がかかっているのですから。 情けないところをお見せしてしまい、申し訳ありません。 |
ソル | まったく、心配性なんだよ、ペルシカは。 |
教授 | 今となっては、他に方法はない。 |
クロック | その通り、もう後戻りはできない。とにかく試してみないと。 せっかく造ったオアシスが壊されちゃうなんてヤダよ……ここには大事な機兵が…… あっ、な、なんでもない。 |
ソル | ん~~?クロック、ま~た隠れてなんか研究してるな~? |
クロック | ……オペランドの話に戻ろう。 |
ペルシカ | クロックさん、確かオアシスが襲撃を受ける前、シーモさんと一緒に周辺を探査していましたね? なにか発見はありましたか? |
クロック | 途中できょうじゅの命令を受けて、あたしだけ増援に戻ったの。でも、シーモとはさっき連絡したよ、収穫アリだって。 オアシスの周辺で言えば、今のところ見つかっているセクターは三つ。その中で一番適しているのはロッサムセクターかな。 |
ペルシカ | ロッサム……名前は聞いています。42Labに属するセクターでしたよね? |
クロック | そう。知ってるんなら話は早い。 ロッサムはそう遠くないよ、オペランドも豊富だし。 残りの二つは、片方は距離があって、もう片方は規模が小さい。やっぱ、ここはロッサムっしょ。 |
ペルシカ | シーモさんもロッサムに? |
クロック | ううん、シーモは他のセクターでオペランドを探してる。 |
ペルシカ | わかりました。教授、どうやらまだ休むわけにはいかないようです。 |
教授 | 大丈夫、もう戦いの準備はできてるよ。 |
ペルシカ | そう聞いて安心しました。 |
教授 | すべてが終わったら、ちゃんとした休暇を取らせてくれ! |
ペルシカ | ふふ、もちろんです。 |
教授 | (頷く) |
教授 | クロック、君はオアシスに残って、サンドボックス障壁を維持するんだ。 ペルシカ、ソル、私とロッサムへ向かおう。 |
ソル | えっ!あたしたち三人だけで? |
ペルシカ | なにしろ、浄化者とは敵対していますからね。人数が増えれば、その分、敵に見つかりやすくなります。 |
ソル | そっか。ま、教授もいるし、三人だけでもなんとかなるよね |
ペルシカ | 時間がありません、さっそく出発しましょう! |