異常エリア
明日を訪ねて
提案《吊るされた男》
各方面からのプレッシャーが、新たな企画プランの誕生を促した。
- 初め、A-PST(Di)は占い番組の司会者として開発されたわけではなかった。A-PST(Di)の開発記録を遡れば、最初期のコンセプトは司会者人形だったことがわかる。
新世代の司会者人形の開発がまだ図面段階だった頃、開発チームはサイバーメディアから人気番組『ザ・サインズ』のために、占いと司会、両方の機能を併せ持つ「占い番組の司会者人形」を開発してほしい、というリクエストを受けた。
しかも納期はたったの三ヶ月。
とんでもないリクエストだな
- 開発チームは人間の嗜好データをかき集め、人々の思い描く占い師のイメージを統計し、一人のプロトタイプを造り上げた。コードネームはA-PST(Di)。
開発チームは事前に大量の言語学、心理学、神秘学に関する内容を彼女にインプットした上で、新世代の司会者人形の開発骨子と組み合わせ、A-PST(Di)の音声と動作モジュールを最適化し、表情により豊富な変化をもたせた。
プロトタイプの開発は順調だったようだ
- A-PST(Di)の初回テストでのパフォーマンスはいまいちだった。理由は簡単。開発チームは占い機能研究のボトルネックに差し掛かっていたのだ。
ボトルネックとは?
「占いって一体なんなんだ?まさか神秘のパワーを感じ取れるのか?『ドクター・ホワイ』のソニック・ハンマーを開発してたほうがよっぽどマシだ!」
「UASが似たようなモデルを開発してるらしい…話を聞いてみたら?」
「なんだと?UAS!?ダメだ、絶対にダメだ!正しい答えが出せればいいんだろう?ビックデータの分析モジュールを組み込んで、データバンクの権限を解放してやれ!統計学が奇妙な占いなんぞに負けてたまるか」
――開発チームの会議記録より
新しい分析モジュールを追加して、分析能力を上げよう - 新たにビックデータ分析モジュールと、最新のデータバンクを与えられたA-PST(Di)は、次のテストで驚きの「占い」能力を示した。データバンクにアクセスし、キーワードを入力、検索、その結果を分析することで結論を導き出し、それにわずかな装飾を加えて答えを提示する。A-PST(Di)による「占い」の正答率は75%にのぼった。
方向性は悪くない、これでいこう
「これだけのデータバンクを搭載したんだ、彼女の情報収集と情報を整理する能力を改善しておくといいかもな。算法の最適化だとか、キャッシュだとか…そういう機能があれば、A-PST(Di)の正答率を90%以上にできるはずだ」
開発チームは42Labと提携し、A-PST(Di)にさらに膨大なデータバンクと分析能力を与えようとした。だが開発スケジュールとコストの関係で、理想的な改善には至らなかった。
司会者の業務範囲を超えてないか?次は射撃管制システムでも加えるつもりか?
- 新たに改良を施されたA-PST(Di)は初期テストを難なくクリアし、人間の占い師を凌ぐほどの正答率を叩き出した。
無数のリテイクを経て、A-PST(Di)は自分だけの姿――人気占い番組の司会者たちの平均データと、膨大な人間の嗜好データをもとに造られた、フレンドリーで信頼のおける、それでいてミステリアスな女性の外見を手に入れた。
最後の一歩だ、彼女に良い名前を授けてあげよう。
名前はイェレナにしよう
- 占いの能力はすでに証明されてはいるが、一番重要なのは実戦データだ。イェレナはサイバーメディアの主催する占い番組『ザ・サインズ』の司会者として、現場へと投入された。
番組の宣伝に人形の司会者が現れた時、人々は彼女に疑いの目を向けた。人形に人間のような素質があるのか、占いの結果は正しいのか、占い対象の期待に応えられるのか、多くの者が疑問に感じていた。ある程度の歴史を持つ人気番組『ザ・サインズ』ならなおのこと。
だが一部には、占いには一定の法則と解読テクニックがあると考える者もいた。人工知能占いが存在する時代に、人形をより高度な存在として捉えるのも悪くはないと。
そういった疑いや応援、あるいは中立的な意見の数々が、イェレナという新人占い司会者人形を話題の絶頂へと押し上げた。
試用期間はたったの六ヶ月。成功あるのみ、失敗は許されない
- イェレナは試用期間で凄まじい成果を挙げた。
美しく親しげな容貌と、スタイリッシュな司会能力。サイバーメディアの宣伝も合わさって、イェレナは瞬く間に多くの観客たちに愛される司会者となり、特に低年齢層からは絶大な支持を得ていた。しかし、番組でのイェレナはほとんどの時間を司会業務に割き、彼女が占いに関わることは少なかった。
多くの観客が、彼女の占いを期待していた
業界の事情を知る者は、サイバーメディアと『ザ・サインズ』が、依然としてイェレナの能力の改善について討論を交わしていると述べている。
まだ何かが足りないというのか?
- だが、何事にも終わりはある。番組のとある回で、イェレナは突然観客たちに別れを告げた。
彼女がなぜ唐突に番組を離れたのか、知る者はいない。占いを禁止されただとか、試用期間が不合格であるとか、彼女の才能に嫉妬した者の仕業だとか、様々な憶測が飛び交った。
『ザ・サインズ』の制作チームからは何の反応もなかった。そうしてイェレナは人々の視界から、『ザ・サインズ』の舞台から忽然と姿を消した。
……
しばらくして、イェレナという名の人形が金融業界に現れる。
その人形には強大なデータ収集能力や、精確な分析機能、豊富な心理学、生理学、言語学の知識、そして極めて高い作業能力が備わっていた。だが最も驚きなのは、彼女が金融向けの人形ではなかったという点だ。
イェレナがかつて『ザ・サインズ』の司会者だったのではないかと疑う者もいたが、金融業界での出来事はあまり話題にのぼらず、結局、真実はわからずじまいだ。
彼女のキャリアは続く
- 「製品コード:A-PST(Di)」
「素体コード:AX700-Wizard」
「製品シリアル番号:STP0950F93」
「アクティベート時刻:8月12日」
「製品名:Yelena」
「メンタル活性度:??(メンタルプログラムは暗号化処理が施されているため、検測不可)」
「A-PST(Di)、CALL NAME:イェレナ…システム認証完了」
ニューラルクルラウド計画に加わる。
「オアシスへようこそ、イェレナ。ここでなら制限なしに、好きなことに打ち込める」
リハーサル《星》
本来、全面的なリハーサルの準備は演者のミスを許容するためのもの。
- 「基準テストの結果が芳しくないな」
「はい、次のテストまでに整えておきます」
新しい知識を学んでみたほうがいいかも?
司会者について学ぶ(CCを25獲得)
神秘学について学ぶ(ランダムに関数を1つ獲得) - 監督とイェレナは占いのプロセスを再度確認した。
「すみません、占いへの理解が足りなくて」
「この本が役に立つかもしれない」
監督が占いの書籍を紹介してくれた。どれから読もう?- 『タロットの極意』(CCを20消費してバフモジュールを獲得、確率で戦闘2回分持続)
- 『78枚に秘められた知恵』(全員のHPを20%消費してバフモジュールを獲得、確率で戦闘2回分持続)
- 『タロットリーディング』(直接バフモジュールを獲得する、失敗する可能性あり)
- 「ご視聴ありがとう、また次回お会いしましょう」
「カット。みんなお疲れ様」撮影に6時間かかった。
どこかで気晴らしでもしようかしら?- レストランで食事を楽しむ(交易エリアを生成して入る)
- 書店で知識を学ぶ(関数エリアを生成して入る)
- 宿舎に戻ってゆっくり休む(異常エリアを生成して入る)
- 「心を解き放ち、己の開くべきカードを直感で…」
イェレナはタロット占いの入門書を読み終えた。
「となれば、財運を占ってみましょうか?」
No.19、太陽の正位置(【報酬2倍】状態を獲得。今から3つの衝突エリアでの獲得CCが2倍になる) - 「イェレナさんの番組大好き!頑張って!」
「ありがとう、あなたの応援が一番のエネルギーよ」
返信を終えると、すでに時計は深夜を回っていた。
デスクには山のようなファンからの手紙が。
徹夜してでも手紙を返さなきゃ(関数上限を増やす代わりに、全員の最大HP-10%)
明日は番組もあるし、少し休みましょう(全員のHPを15%回復)
収録《月》
収録中の交流やぶつかりあいは、衝突にして啓発であり、巡り合わせでもある。
- ルナに撮影スタジオを案内するよう頼まれた。
それと彼女のお目付け役として。
「イェレナ。スタジオの面白い場所ってどこ?」
どこから案内しよう?- カジュアルレストラン(交易エリアを生成して入る)
- プロジェクトルーム(関数エリアを生成して入る)
- ルナがいなくなった!(異常エリアを生成して入る)
- 自動販売機の前で、ルナが考え込んでいた。
「初めての飲み物もあるな…占いで決めよう!」
占いで飲み物を決める?占い師らしくもない。
自分で選べばいいのに(CCを30支払い、ランダムに正のプロトコルを1つ獲得)
私も試してみようかな?(ランダムに中性プロトコルを1つ獲得)
- ルナの占いを間近に見て、イェレナは考え込んだ
「私とはまったく違う…あれが本当の占い師の姿?」
「データ分析の結論は占いじゃないの?」
彼女の方法を試してみるべき?(【脅威上昇・OC】状態を獲得。次の衝突エリアでの敵の最大HPと攻撃力+15%。その代わり報酬が4倍になる。出力端末を除く)
自分のやり方を貫く(CCを40獲得) - 「お疲れ様、休憩にするか!」
それを聞いてルナは一足先にその場を立ち去った。
せっかくの休憩時間だし、何をしよう?- ファンからの手紙に返信する(ランダムに関数を1つ獲得)
- ルナを見つけて占いについて話す(ランダムに関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを10%失う)
- 休憩する(そのまま立ち去る)
- 「ルナってすごいの、AirDots見つけてくれたのよ」
「無線イヤホン失くしやすいもんね」
「ルナとイェレナ、どっちがすごいと思う?」
「うーん…なんとも言えないな…」
もっと頑張らなくちゃ(【報酬2倍】状態を獲得。今から3つの衝突エリアでの獲得CCが2倍になる)
編集《教皇》
- 男の子はまだ見つからない
「冷静に、きっと方法があるはずよ…」- 男の子の家族に連絡する(ランダムに関数を1つ獲得)
- 男の子から情報を引き出す(ランダムに関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを20%失う)
- 警官にもう一度連絡する(CCを10獲得)
- 「うぇぇ~ん…イェレナお姉ちゃん…たすけて…」
男の子は泣き出してしまった。
男の子をなだめる(CCを25獲得)
重要な情報を引き出す(ランダムに関数を1つ獲得)
- 「今ある情報じゃデータバンクが結論を出せない」
「精確な位置が特定できないなら…この工場の機能を推測して捜索範囲をすぼめてみれば…」
工廠よ(関数上限を拡張、本探索での関数所持上限+1)
食料工場よ(CCを50獲得) - 「うぁぁ~ん…イェレナお姉ちゃ~ん…」
男の子の泣き声が通信端末から響いた。
どうすれば男の子を見つけられる?
情報分析モジュールにより多くのオペランドを割く(所持関数を昇格)
ルナと協力してみる(CCを30獲得)
- 男の子は周囲の景色を教えてくれた。
機械工場、イエローエリア付近。
「この情報に補足をインプットすれば…」
他にどんなキーワードを入力するべき?- 男の子の自宅の住所(ランダムに関数を1つ獲得)
- 悪天候(ランダムに関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを10%失う)
- 簡単には決められない(そのまま立ち去る)
旋盤モード
夢への疑惑
鏡の世界
夢は現実の鏡、鏡は真相の影――その中に、君は何を見る?
イェレナ | 教授、戦闘テストに参加してくれて助かるわ。どうぞよろしくね。 |
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イェレナ | 私とルナの占いデータから、アンナさんが新しい戦闘補助システムを開発してくれたの。その名も「占いシステム」。 |
イェレナ | 今回の作戦では、この「占いシステム」を使って教授をサポートするわ。 |
イェレナ | せっかくの機会だし、作戦を始める前に、教授の運勢を占ってみましょうか。 |
イェレナ | 教授、自分の部隊を選んで。 |
イェレナ | 「占い」ボタンをタップして。 |
イェレナ | あら?似たような空間ね…最初の場所に戻ってきたのかしら? |
イェレナ | データバンクと照合中…データシンクロ率35%。新しいエリアのようね。いくつものエリアが重なっている…? |
イェレナ | データバンクに接続、モジュール分析、占いシステム起動…推測によると、転送ゲートをくぐり続ければ、重なり合うエリアの出口にたどり着けるはずよ。 |
イェレナ | 慎重な者に幸運は訪れる。教授、どうか気をつけて。 |