異常エリア
真紅の葬儀
黄昏の独白
廃墟の煙はもくもくと、還らぬ魂は粛々と。
- あらゆる者の血が枯渇し、
荒れ地には草花の残骸が残され、拾う者はいない。
氷雨や冷たい風、砂埃に煙は沈んでいく
そこの黒服のお嬢さん……何が言いたい?
???:「死だけが平等かつ公正」だと、人々は口々に言う。けれど現実では、死した者たちの多くは安息の地を得る資格すら与えられない。
…… - 四騎士が巨大な鎌を振り回すと、
そこには荒廃と泣き叫ぶ声だけが残った。
???:兵士は志願者とともに、亡骸を野外の広場へと並べ、印に白い布を被せた。
???:言いえない複雑な感情が心に浮かぶ。疲労と倦怠感。亡骸を目にした時の恐怖。耳元からは生存者たちのすすり泣く声が聞こえる。
そんな光景、想像するだけで耐えられない - ヴェールを紡ぐはクロト、彼女が糸を引き寄せる。
測量せしはラケシス、彼女が糸の長さを測る。
切り落とすはアトロポス、彼女が糸の終焉を定める
???:災禍に遭難し死した者たちの最期を看取るのは、数名の人形であると誰が知っただろう。
葬儀用の自律人形なんて、珍しくもないだろう?
???:ええ、今は。けれど昔は違う。
???:数名の臨時改造を施されたUAS人形たちが、慌ただしく葬儀用の礼服に着替え、野外の広場で弔辞を述べる。
立派な葬式は、死者への最高の手向けだ - 万物はやがて凋落し、朽ち果てる。
???:あの惨禍から約半年が経った。臨時改造を施された人形たちは、今やボランティア団体の一員として特殊な責務を果たしている。
特殊とは言えない、人間なら誰しも経験することだから。
それは死
???:彼女たちはともに仕事に勤しみ、ともに死者を送り出す。普段はまるで姉妹のようだ。
???:しかし、人形にもその日は訪れる。鋼鉄の躯体は死への免罪符にはならない。
ああ……彼女たちはもういないのか? - スピンドルに綿糸を巻き付け、純白の糸を紬ぐ。
ほら、あれが命よ
???:彼女たちはまだ生きている。死と踊る彼女たちは、新たな生命を手に入れたというべきか。
えっ?
???:ボランティア団体はUASから3つの素体を買い取り、彼女たちに全く新しい姿を与えた。
死を象徴する者が新たな生を迎えるなんて、意味深だな - 平等の種を、地上の民へとふり撒く。
???:すべての家庭が専門的なチームや神職者を雇えるわけじゃない。
???:けれどそれとは無関係に、あるいはより体裁の整った方法で、彼らは肉親を送り出すことができる。
前に言ってた、人形たちのおかげだな
???:ええ。
???:新たな素体に替えるまで、彼女たちいn名前はなかった。そして優雅で魅力的な名前を授かった。
当ててみよう……クロト、ラケシス、それにアトロポス? - 生と死はけして逃れられぬ終極の問題。
???:長年、生死や離別を目の当たりにしていれば、鉄の心も疼くようになる。
???:感情システムを持つ人形なら尚の事。長らく悲しみに浸っていると、ネガティブな情緒が他の感情モジュールを押し殺してしまう。
彼女たちは変わってしまったのか?
???:そう、「彼女」だけを除いて。スピンドルを使い綿糸を紬ぐ者。人間の感情と理論に当てはめるなら、一番下の妹。彼女が姉たちのように心を崩壊させることはなかった。
???:でも…それは精巧なヴェールを纏っているだけ。まさか、UAS人形の感情がここまで変化を遂げるとは。最も変化が顕著なのは彼女なのかもしれなかった。
…… - 感情は、さながら永遠なる名伏しがたき
混沌のように、不可思議なものだ。
???:姉たちは消えた。
???:彼女がこれほど寂しさと孤独を露わにすることは、今までなかった。特に、悲しみに心を壊された「姉」たちの運命を彼女が知った時――
まさか……廃棄処分に?
???:壊れたメンタルはリセットされる。
???:なんて皮肉だろう。かつて彼女たちは新たな躯体と生を手に入れた。だが今や、その魂は拭い去られ書き換えられようとしている。
たとえ姉たちが戻ってきても、記憶の中のかつての姉ではないと、彼女は知っていたのかもね - 「私の物語はこれでおしまい」
「他に聴きたいことは?」
もう十分だよ、クロト
「そう。あの痛みは、もう二度と味わいたくない。だから私はここへと降臨した。深邃なるデジタルの海で、悲しみを癒す秘薬を探し求めるために」
「永遠に、かつての彼女たちと共にあるために」
「製品コード:Mortician-03」
「素体コード:SSD-56SE-2」
製品シリアル番号:MOIRAI23224」
「アクティベート時刻:2056.12.31」
「製品名:Clotho」
「メンタル活性度:??%」
「Mortician-03、CALL NAME:クロト…認証完了」
それじゃ、ここにサインを
夕暮れの序章
山の西日はゆっくりと、壠上の雲は朦朧と。
- 廊下の向こうから、数名の兵士が歩いてくる。
「その棺桶担いで目の前から失せろ、不吉な奴め!」
無視すると、乱暴な兵士に壁に押し付けられた(関数上限+1、代わりに全員の最大HP-10%)
俯いて、彼らが通り過ぎるのを待つ(全員のHPを15%回復) - 新たな任務が与えられた、死体の回収だ。
【地理識別コード:N273201W992852】
【L軍のエリアに帰属、納棺目標:1】
【目標にバイタルサインがなければ回収せよ】
行きましょう、ヘル(【報酬2倍】状態を獲得。今から3つの衝突エリアでの獲得CCが2倍になる) - 死屍累々の戦場、一名の負傷兵にはまだ息がある。
「ティナ……僕が死んだら、君はどうするんだろう?」
「私が死んだら…どうなるの?」(CCを30支払い、ランダムに正のプロトコルを1つ獲得)
「私たちが魂の引導を渡してあげる」(中性プロトコルを1つ獲得して立ち去る) - 任務の遂行時に分かれ道にたどり着いた。
「クロト、あっちから砲撃の音が聞こえるぜ……」
砲火をくぐる(次の衝突エリアでの敵の最大HPと攻撃力が上昇する代わりに、報酬が4倍になる。出力端末を除く)
他の道を行く(CCを40獲得) - 戦場、激しい爆発の後。
「クロト、ダイジョウブか?」
「平気よ」「けど、背中が…」
爆弾の欠片を抜く(CCを60獲得する代わりに、全員がHPを20%失う)
このまま前に進む(CCを30獲得して立ち去る)
葬月の詠嘆
玲瓏な心は細々と、碧空の痕はきらきらと。
- 兵士はセンタウレイシーを呼び止めた。
「おい、俺の部屋を掃除しておけよ」
「清掃完了いたしました、他に何か問題は?」
「嘘だろ、まだ10分しか経ってないぞ!?」
「責任は果たしました」(【報酬2倍】状態を獲得) - 兵士はセンタウレイシーの前に立ち、
挑発するように彼女を見た。
「おい、鉄クズ!足踏んでんだよ!」
踏んだつもりはございません、もう一度勝負なさいますか?(戦闘開始、撃破後に専用関数【治療減衰】を獲得)
靴を扉の前に並べておいてください、翌朝に磨きます。仕事があるので失礼
- 士官はセンタウレイシーを呼び止めた。
「ドイツ人の誕生日だ、ドイツ料理は作れるか?」
「もちろん、以前はドイツで暮らしておりました」
「今夜の夕飯は期待できそうだ」- アイスバインのザワークラウト添え(ランダムに関数を1つ獲得)
- シュニッツェルとヴァイスヴルスト(ランダムに関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを20%失う)
- 牛肉のグラーシュ(CCを10獲得)
- 「クロト、オマエ、顔色が……」
メンタルデータを整理する(戦闘開始、撃破後に専用関数【広域衝撃】を獲得)
任務を続ける
- センタウレイシーがメンタルデータの整理を始めた。
ヴェーネが布団にくるまり、小さく泣いている。
「パパとママ、もう戻って来ないのかな…」
なぜあんなに悲しんでいたのだろう?(CCを30支払い、ランダムに正のプロトコルを1つ獲得)
メンタルデータの整理をやめる(中性プロトコルを1つ獲得して立ち去る)
憐星の間奏
銀河に星が堕ち、花は草木の心に馴染む。
- センタウレイシーが宿舎に戻ると、
クロトは窓の前で呆然としていた。- ヘルに声をかけて、一緒にゲームを遊ぶ(交易エリアを生成して入る)
- 午後の紅茶を用意してあげる(関数エリアを生成して入る)
- ケーキの作り方を教える(異常エリアを生成して入る)
- クロトはメンタルデータを整理し始めた。
「見解:クロトのメンタルモジュールは、かろうじて正常に稼働できている。リセットする必要はない、メンタルデータをコピーして戦闘エリアに引き渡せ。
――PH.D ロメロ」
何も変わらない毎日……(関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを20%失う)
……死はまだ訪れない。では、今日の仕事を始めよう。(関数を1つ獲得)
- クロトはメンタルデータを整理し始めた。
葬儀の後、姉が虚ろな眼差しでこちらを見ている。
「私が死んだら、あなたたちはどうなるの?」
「わからない……」(CCを30支払い、ランダムに正のプロトコルを1つ獲得)
メンタルデータの整理をやめる(中性プロトコルを1つ獲得して立ち去る) - クロトが任務を終えて、宿舎へと戻ってきた。
傷だらけのクロトを前に、センタウレイシーは黙った。
砲弾の破片を取り出し、傷口を丁寧に処理する(【報酬2倍】状態を獲得。今から3つの衝突エリアでの獲得CCが2倍になる) - 任務中に敵に遭遇!
戦闘開始!(撃破後、専用関数【広域衝撃】を獲得)
こっそりと立ち去る
- 「クロト、砲撃だ!」
スピードを上げる(CCを60獲得する代わりに、全員がHPを20%失う)
その場に伏せる(CCを30獲得して立ち去る)
絶響探求
天低く雲野に近く、夕刻はくっきりと浮かび上がる。
- 攻撃が激しすぎる、どうすれば?
- 低い地形を探して、そこで死体のふりをしよう(ランダムに関数を1つ獲得)
- ヘル、頑張って……(関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを10%失う)
- 遮蔽物は目の前だ!(CCを10獲得)
- キャノン砲の唸る声が聞こえる。
ヘル:「あぶねェ!」- 左に避ける。着地した砲弾が巨大な砂埃を巻き上げた(ランダムに関数を1つ獲得)
- 避けられない。着弾した衝撃に勢いよく吹き飛ばされる(ランダムに関数を2つ獲得する代わりに、全員がHPを20%失う)
- 右に避ける。砲弾は命中しなかった(そのまま立ち去る)
- センタウレイシーの隠れていた遮蔽物に、
砲撃が命中した。
呼吸を整えてから身を起こす(CCを30支払い、ランダムに正のプロトコルを1つ獲得)
他の遮蔽物へとすぐ移動する(ランダムに中性プロトコルを1つ獲得) - 砲撃が止んだ。敵が進軍してきた!
- 敵に見つかる、隠れる場所を探そう!(交易エリアを生成して入る)
- 彼らの進行ルート上にいるみたい、道を変えよう!(関数エリアを生成して入る)
- 敵がリロードを済ませるまで時間がある、このまま進もう!(異常エリアを生成して入る)
- 前方に数名の敵を発見!
速戦即決!(撃破後、専用関数【広域衝撃】を獲得)
あっちに行こう!(立ち去る)
- 稼働停止する前に、センタウレイシーは自身のエネルギーをクロトに託した。今や、動ける者はクロト一人となった。
この希望を受け取って、前へと進む(部隊を切り替える)
センタウレイシーのエネルギー源を受け取る。
ずっしりとした希望は、まだ温かい……
行こう、生き残るために(立ち去る)
旋盤モード
墓園の廻響
霊墓の音階
人々の物語、数々の意志。
クロト | 魂の墓……死したエージェントのメンタルは崩壊し、躯体は散逸し、やがて人知れぬ墓となる…… |
---|---|
クロト | 私が、この魂の墓園の案内人となろう。 |
クロト | 焦らなくていい。魂の墓を通り過ぎるたびに、私には死の瞬間の情緒と記憶を感じ取れる。今進めば、転んでしまう…… |
クロト | 悲しみ、思念……そういうことか。願わくば、あなたの魂に安寧が訪れんことを。 |
クロト | 先へ進もう。 |
クロト | わかってほしい。私が魂の墓を通り過ぎれば、魂は消え失せ、墓は生者を拒む危険な場所と化してしまう。 |
クロト | 先へ進もう。 |
クロト | 逝者の魂が、残された一つの秘宝を紐解いた…… |
クロト | 新たな魂の墓園…… |
---|---|
クロト | 私ともうしばらく、この霊園を歩んでくれる?彼ら魂を天国へと導くことは、私の責務。 |
クロト | こちらへ。 |
クロト | 道は果てしなく、何度も立ち止まる…… |
クロト | これで逝者の魂が安寧を得られるのなら、そう疲労は感じない。 |
クロト | すべての魂が告解を得たようだ……ここを離れよう。 |
クロト | すべての魂によって、運命の綱は完璧に紡がれる……残された二つの秘宝は開かれた。 |
クロト | できる限り多くの墓へと、私を導いてほしい。彼らに彼岸への引導を渡そう。 |