Tier 7 イギリス 重戦車
スペック
車体装甲厚(mm) | 152/95/51 | 本体価格(シルバー) | 1,400,000 | |||
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最高速度(km/h) | 前進 | 20 | マッチング範囲(戦闘Tier) | 7~9 | ||
後退 | 12 | 派生元車輌 | Churchill VII | |||
隠蔽率 | 静止時 | 0.12 | ||||
移動時 | 0.06 |
パッケージ
┏ | Caernarvon E:110,000 S:2,520,000 | ||||||
Black Prince E:54,000 S:1,400,000 | ━ | Black Prince Mk I E:10,000 S:32,000 | ━ | Black Prince Mk II E:25,100 S:102,000 | ┛ |
E:必要経験値
S:購入シルバー
詳細
パッケージ名 | エンジン | 主砲 | 履帯 | 砲塔 | HP | 通信機 | |
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出力 | 下記参照 | 車体旋回速度 | 砲塔装甲 | 通信範囲 | |||
出力重量比 | 地形抵抗 | 旋回速度 | 視認範囲 | ||||
Black Prince | Bedford Twin-Six | OQF 77 mm Gun Mk. II | Black Prince | Black Prince | 1,450 | WS No. 19 Mk. II | |
350 | 20 | 240/95/102 | 450 | ||||
6.91 | 1.3/1.6/2.5 | 30 | 370 | ||||
Black Prince Mk I | Rolls-Royce Meteor | OQF 77 mm Gun Mk. II | Black Prince Mk. II | Black Prince | 1,450 | WS No. 19 Mk. III | |
600 | 20 | 240/95/102 | 550 | ||||
12.03 | 1.2/1.4/2.3 | 30 | 370 | ||||
Black Prince Mk II | Rolls-Royce Meteor | OQF 17-pdr Gun Mk. VII | Black Prince Mk. II | Black Prince | 1,450 | WS No. 22 | |
600 | 20 | 240/95/102 | 700 | ||||
12.00 | 1.2/1.4/2.3 | 30 | 370 |
主砲性能 | |||||||||||
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名称 | 弾種 | 弾代 | 貫通 | ダメージ | 発射速度 | AP弾 DPM | 照準時間 | 精度 | 総弾数 | 最高角 最伏角 | |
OQF 77 mm Gun Mk. II | AP APCR HE | 150 7G 75 | 148 208 38 | 140 140 190 | 14.29 | 2,001 | 2.30 | 0.34 1.22 1.43 | 140 | +20 -8 | |
0.34 1.09 1.43 | |||||||||||
OQF 17-pdr Gun Mk. VII | AP APCR HE | 175 8G 75 | 200 244 44 | 150 150 190 | 13.95 | 2,093 | 2.30 | 0.34 1.09 2.04 | 84 | +20 -8 |
※先頭のセルの色は対応するパッケージの色となります。
解説
- 火力
Churchillシリーズ共通の低い単発火力という欠点は解決出来ていないが、最終砲のOQF 17-pdr Gun Mk. VIIはPC版とは異なる調整が施されており、DPMは比較的良好。
また、前身の欠点であった俯角が改善している。
低速である事も手伝って移動中も照準の拡散が小さいため、行進間射撃は当てやすい。
ちなみに砲口径はどちらも76.2mm*1だが、装填棒は大口径用のものが適用される。- OQF 77 mm Gun Mk. II
Churchill VIIから引き継ぐ初期砲。コンパクト版の17ポンド砲である。
発射速度がわずかに低くなっているが、精度、総弾数、仰俯角が向上して使いやすくなっている。
しかし、書記長や猛獣の跋扈する高Tier戦場では貫通力148mmのAPは役に立たない。
この砲を使うなら金弾のAPCRを大量に使う事になるが、それでもTier8以上の重装甲車輌には通用しないことも。 - OQF 17-pdr Gun Mk. VII
Centurion Mk. Iと互換性のあるBlack Princeの史実砲。
上述の通り、PC版とは異なる調整が施されており、FireflyやArcherに搭載出来る同名の砲とはTierが一つ上のVIIIで別物扱い。互換性が無いので開発の際には注意。
この砲は高い精度と良好な照準時間、高めの発射速度といった今までのChurchillシリーズの主砲と同一の操作感を持ちつつ、貫通力が通常弾のAPは200mm、金弾のAPCRは244mmに向上している。
しかし、発射速度に優れDPMはそこそこ高いので、高貫通力と厚い装甲、高いHPを活かし絶え間なく砲弾を撃ち続けて粘り強く戦いたい。
もっとも、強引に押し込まれて肝心の装甲が無意味になる事も珍しくないので、他車輌との連携は必須である。
- OQF 77 mm Gun Mk. II
- 装甲
これまでのChurchillシリーズに比べて一回り大型となった。
車体・砲塔ともに天板は19.1mmと相変わらずの弱点である。自走砲への警戒はもちろん、日本重戦車などの車高が高い戦車に榴弾で天板を抜かれる事もあるので注意が必要だ。
耐久力はTiger (P)と同じ数値で、Tier7重戦車としては良好。
敵の射撃機会を率先して引き受け、いかに多くの無駄弾を撃たせるかが肝要である。- 車体
前面152mn、側面95mmの垂直装甲で、大まかな装甲配置にChurchill VIIから変化はなく、Tierが上がったことで相対的に弱体化しているといえる。
ただし履帯裏側部分の車体装甲は140mmに改善されており、Churchill IやChurchill VIIで苦しめられた履帯貫通による車体へのダメージという弱点は緩和された。
正面から狙える弱点は円形のハッチと機銃装備部、車体下部などがあるが、これらの箇所の装甲も140mmあるため格下では全く歯が立たないこともある。
とはいえ、同格以上ならば履帯部分も正面から十分貫通が見込めるので、安易に車体を晒す事は避けるべきである。
重戦車らしい防御力を発揮するためには豚飯やハルダウンなどのテクニックが必要。 - 砲塔
Matilda以来の外装式防盾が復活し、Churchill VIIから大幅に防御力が向上している。
同格の中でもT29に次ぐ石頭と言える。
防盾の装甲数値は240mm、防盾周りの砲塔も殆どの部位が240mm厚。傾斜や空間装甲に阻害される複雑な形状も有し、上位車輌でも安定して貫通させることは困難。
おでこも50.8mmあり、155mm以上の大口径APか高貫通HEATでもない限りは、平地において射抜くことは不可能。
キューポラは垂直95mmと脆弱だがかなり小型なので、距離を取るか小刻みに揺さぶれば狙われにくい。
悪くない俯角もあり、うまく車体を隠せれば一方的にダメージを与え続ける事も可能となっている。
ちなみによそ見をすると切り欠きが垂直に露出するので、出来るだけ真正面を向くのが望ましい。
- 車体
- 機動性
Cromwellと互換性がある改良エンジンは初期エンジンと比べて重量半分で馬力2倍という破格の強化がなされるため、実際の車体旋回速度は30度/秒程とスペック値より早く、キビキビと動ける。
また、地形抵抗はやや高めであるものの、最高速度に対して出力重量比が非常に高く、上り坂や軟弱地、水の中でも速度低下が少ない。
しかし、肝心の最高速度は相変わらず20km/hであるため、致命的なルート選択ミスをすれば取り返しが付かないのは今までと変わりはない。
熟練を要する為、頻繁にマップを見てある程度展開を予測して動けるようになろう。
それが出来ないと砲弾を一発も敵に向かって撃たないまま初回勝利経験値2倍ボーナスを消費しまったり、決して妨害が間に合わない位置で自軍基地占領のサイレンを何度も聞く羽目になる。
遅いからこそ無駄の無い洗練された立ち回りを要求されるのである。
- 総論
Churchill VIIの低速で重装甲という特徴をより先鋭化した重戦車である。
これまでのChurchillシリーズにあった防御面での弱点や俯角、加速力、走破性など一部の欠点が改善されたものの、最高速度や単発火力に関しては殆ど据え置きといった問題が残された。
分厚い装甲と高いHPを持つ為、前線での壁役として活躍が期待できるが、快速戦車に弱いのはこれまで通りなので、前線で孤立しないように注意すべきだろう。
良くも悪くもChurchillシリーズの発展型であり、これまで培ってきたテクニックを活かして戦果を上げていこう。
そして、次はいよいよ歩兵戦車の呪縛から開放されたCaernarvonとなる。
史実
チャーチル歩兵戦車に強力な主砲を載せるプロジェクトは、まず1941年9月にチャーチル3インチ砲搭載型として実を結んだのですが、主砲が6ポンド砲へとシフトできるようなったため、すぐ用を為さなくなってしまいました。
1941年以降、ヨーロッパ反攻時にドイツ戦車の重装甲化に対して、イギリス軍が開発した強力な17ポンド対戦車砲搭載の戦車を多数計画してきました。
まずは、クロムウェル巡航戦車に17ポンド砲を積んだチャレンジャー巡航戦車を開発しましたが、欠陥が多発して1943年9月には早くもオーバーロード作戦に間に合わなくなる可能性が出てきました。
(ノルマンディー上陸からパリ開放までを統合的に見据えた大規模作戦名、ノルマンディ上陸作戦も正式名称はオーバーロード作戦とされたそうです)
とはいえ、17ポンド砲搭載新型戦車のセンチュリオンも設計が始まったばかりで、これに間に合わせるのには無理があり、既存戦車から改造する計画が持ち上がりました。
そこで、チャーチル歩兵戦車に17ポンド砲を搭載してはどうかと、ヴォクスホール社(Vauxhall:英自動車メーカー、現GM系列)が提案した結果、その候補として白羽の矢が立ち陸軍固体識別番号のA43が与えられました。
初期試作名称はスーパーチャーチル、またはブラックプリンスの名称でイギリス陸軍最後の歩兵戦車として開発が進められました。
実は既にこの改造案は2年前に真剣に検討されたものの、チャーチルの車体幅ではターレットリングが狭く搭載不能として諦められた案だったのです。
ベースはチャーチルではありますが、チャーチルMk.VIIのコンポーネントを極力流用しつつ、車幅を0.70m、全長を1.37m拡大して解決を図りサスペンションも強化、履帯も250mm広げて24インチの幅広となり転輪が1つずつ追加されました。
装甲も152mm厚と強化されましたが、車重が50tにもなる重量増加に対しエンジンは350馬力のままだったため時速17km/hに低下してしまいました。
エンジンのエアインテイクは車体上面、排気口は車体後面に移されているのも変更点の1つです。
全高は0.5m低くして被発見率を低下させた砲塔は溶接構造で角ばった六角形をしており、この大型砲塔にオードナンスQF17ポンド砲と同軸に7.92機銃を備えていましたが、従来と逆の配置で右側に砲手、左側に装填手に改められ、この配置が以後のイギリス戦車において全てこの配置となりました。
1944年9月にモックアップが完成し、6両の試作車が発注され1945年1月に初号車が完成、1945年5月~6月までに6両の試作車が完成して、6月(先に生産されたものが5月からとも)からテストされましたが、ヨーロッパ戦線での戦いが終わってしまい、同時に開発されていた同じ17ポンド砲搭載のセンチュリオンの性能が統合的に勝っていたため、ブラックプリンスの正式化は見送られてしまいました。
やはり、同じ17ポンド砲を使用したTOG II*も正式化には至らず、歩兵重戦車の歴史はこれにて幕を閉じ、巡航戦車と歩兵戦車の統合が行われた主力戦車センチュリオンへと主役の座を譲ることになったのでした。
イギリスRAC(王立機甲師団:Royal Armourd Corps)博物館のタミヤホールに、TOG II重戦車、トータス重駆逐戦車と共に展示されています。
(このホールは、プラモメーカーのタミヤが建築費を寄贈した事に由来しています。)
ブラックプリンス(黒太子)の名は、エドワード黒太子(こくたいし)(Edward, the Black Prince)に起因していて、イングランド王エドワード3世とフィリッパ・オブ・エノーの長子にして太子、エドゥアール4世を指しました。
彼は優秀な軍人で、黒っぽい鎧を着ていたために後に黒太子と呼ばれたそうですが、諸説が多くあり実際のところは分かっていないようです。
多くの戦争(主にフランスとの100年戦争など)に参加し、勝利し続けましたが後年は病に罹りながらも無理を押して戦争に参加、そのためか王になることなくこの世を去りました。
なんとなく、戦車のブラックプリンスにも重なる部分もあるという数奇な運命が見て取れます。
太子の身分で、王に匹敵する豪遊生活を送ったり「自分のしたいときに大軍を率いて戦争する」と言ったり、占領したフランスの領土が奪還された時、フランスに対して無血開城した領地の住民3,000人を虐殺したりという、強烈な性格でもあったようで敵側のフランスからNoir(ノワール・黒)とも呼ばれていたようです。
彼を蝕んだ病が当時はまだ不治の病であるペスト(黒死病)であり、彼の歴史は黒にまつわる事には欠かなかったようでした。
一部の資料で、ヨーロッパ戦線を行軍するブラックプリンスの写真が掲載されていますが、チャーチルVIIと誤認していると思われます。