デザインを凝ってみよう!

Last-modified: 2018-08-24 (金) 13:56:13

初めに…

前置

 

本ゲームは非常に自由度の高いサンドボックスゲームです。
当然武装や大きさに関する条約もなければ、PCの限界さえ超えなければどんな物だって作れます

 

その為効率だけ求めれば…

 

・艦首すべてを4mスロープ
・艦橋は小さく空気抵抗と被弾面積を小さく
・艦底面にスクリューを付けまくって浮かせる
・超強力な武装やミサイルをポン付けしまくる
・etc…

 

なんて設計さえすればクリアは簡単にできます。

 

当然性能を追求すれば見た目はそれほど重要ではありません。
しかし自由度の高い本ゲームでデザインを求めないのは非常に勿体無い

 
 

「でもデザインセンスがないから……」
「作りたくてもどう造ればいいか分からないから……」

 

そういう方も多々おられるでしょう。

 
 

そんな人の為に本項目は作られました!

 
 

デザインに関するノウハウやバランスの取り方。
性能の為に不恰好になる見た目を改善する手段。

 

それらを先人達があの手この手でお教えしましょう!

 
 

さぁ!皆でかっこいい戦艦や飛行機を作ろう!

 
 
 

作成開始、その前に…

 

さぁFTDを起動していざデザイナーモードへ!…の前に。
皆さんはどれぐらい設計ができますか?

 

デザインの基本と言うより設計の基本ですが、まずは物自体が作れなければお話になりません

 

「ゲーム起動したばっかです」
「船作ったことはまだ……」
「武装はよくわかんないけどたぶん作れるでしょ」

 

という方々。
まずは「初心者ガイド」や各武装の項目にある「~~構築」を読みながら基礎を学びましょう。
そこ、「説明書読まなくてもできる」とか言ってないで読め、任○堂と違ってコレwiki必読だから。

 

初心者ガイド
 →はじめての方へ
武装構築
 →Missiles構築
 →CRAM Cannons構築
 →Advanced Cannons構築
 →Lasers構築
 →Particle Cannon構築

 
 

…逆に、

 

「見た目はともかくとりあえず戦える船は作れるよ!」
「何とか傾斜しないで戦える船は作れた!」
「武装イカダや不審船レベルだけど作れたよ!」

 

という方なら問題はありません。

 

では、設計に関する授業を始めようと思いますが……
先に書いておきます。

 

『最初から戦艦や飛行機なんていう巨大であったり空を飛ぶような難易度の高い物は設計してはいけません』。

 

巨大な物はバランスが案外難しく、飛行機はまっすぐ飛ばすこと自体が難しい。
それらはある程度の設計を行ってから作る物として考えておきましょう。

 
 

では「デザインを凝ってみよう!」、改めて進めていこうと思います。

 

船のデザイン・基礎編

とりあえず作ってみる

まずは簡単に作れる物からはじめていきましょう。

 

デザイナーモードで始まる場所はご存知、広大な海。
ですので最初の授業の題材は「」です。

 

帆船?外輪船?
これらは帆の配置ゆえにデザインが難しいので省きます。

 

戦艦?空母?
コレも大型であったり艦載機を作ったりで大変すぎます。

 

性能的な物も加味して、まずは簡単で無難な第二次大戦期の「駆逐艦」をイメージします。
とりあえず形状や性能も気にせず、外郭だけだろうと豆腐だろうと何でもかまいませんので簡単に作ってみましょう。

 

2017-01-31_21 04 59_0.jpg
…と、言った手前とにかく形や見た目だけで最低限の性能だけと言う感じで作りました。自分で言うのもなんだけどひっどいなコレ…

 

一部の人は真面目に作ってコレと似た形になる人もいるかもしれません。

 

大丈夫です。
ココから様々な改修を加えてデザインをよくしていきましょう。

船体改修

まずは一旦武装をプレハブで保存し、艦上構造物を退かして艦尾を削り、船底部分を簡単に改造してみます。

 

2017-01-31_21 08 10.jpg2017-02-01_08 32 10.jpg
以前までの底部と側面の角に使用していた「角材」を「スロープ」へ削るように変更。
さらに底部に突起…竜骨(キール)のような物を「鉛ブロック」で追加しました。

 

非常に簡単な小改造だけですが、印象が変わったように見えませんか?

 

角の部分を「削る」ことで印象を滑らかに。
竜骨部分を「盛る」ことで船らしい印象を付随しながら重心も少しだけ下げられる。

これらは単純な「削る」「盛る」となる改修です。

 
 

続いて艦首部分…バウの設計を行います。「AMX-107 バウ」を思い出した人、怒らないから手を上げなさい。

 

バウとは船の顔、所謂先端部分の事を指します。
元々は船の走破性、対波性、波の起きやすさ等から様々な種類が作られました。
大和型戦艦や現代護衛艦の艦首形状である「バルバス・バウ」なんかが有名所でしょうか。

とりあえずバウは少なくとも10種類近く存在します。

 

有名所なら…
・FTDで一番作りやすいだろう丸い形の「スプーン・バウ」(天龍型等)。
・艦首喫水下部分が鋭くなった「カッター・バウ」(カッターボート等)。
・手前から徐々に太くなっていく「クリッパー・バウ」(島風型等)。
・底部と先端付近の二箇所が湾曲した「ダブルカーブド・バウ」(暁型等)。
・お馴染、喫水下がしゃくれている「バルバス・バウ」(大和型等)。

他にも…
・装甲巡洋艦時代では一般的だった「ダンブルホーム」。
・突撃こそが正義であったかつての遺物こと「ラム・バウ」。
・空母の艦首形状である「エンクローズド・バウハリケーン・バウとも)」。
・ステルス艦ズムウォルト級のような「X・バウ」。
etc etc…

 

本ゲームにおいても形状次第で走破性も変わりますが、こだわりが無ければ基本は好みで大丈夫。

 

…ただ、バウの設計は案外難しくこだわり始めると数時間所か一日以上かかる場合もあります
FTD民の一部では「エンジン盆栽」と同じく「バウ職人」と呼ばれる極めた方々がいるほど…

 

ですがココは初心者向け、バウを設計するにあたって抑えるべきポイントを明記します。
今回は簡単なスプーン・バウを採用しておきましょう。

 

①最初に輪郭を決めてから作る。
2017-01-31_21 16 27.jpg
輪郭…正確には竜骨部分を決めましょう。
こうすることで大よそではありますが視覚的に分かりやすくなり難易度がグッと下がります。
ゼロから作ろうとはせず、基本から進めましょう。

 

②カーブはなだらかになるように配置する。
2017-01-31_21 24 28.jpg
4mスロープばかりでは形状が単調になりがちです。
その為艦首側面部分のスロープは4m、3m、2mと艦首に向けて角度がきつくなるように作ると見栄えがよくなります。
同様にバウの曲線も平面に近い部分を4m、一番遠い部分を1mのスロープにしてなだらかに。

 

③凹凸を極力作らない。
2017-01-31_21 30 54.jpg
とにかく進行方向に対して全て曲面になるように、実はコレが一番難しい。
側面部分は一部平らでも見栄えは変わりませんが、正面は可能な限り全てをスロープに。
コレが簡単にできるようになれば設計はだいぶ楽になります。

 
 

ここでさらに情報量を増やすためにそれっぽい物を少し増やしてみましょう。

 

艦首と言って思い浮かべるものは何か?
自分は「」と日本軍的な発想から「菊花紋章」でしょうか。

 

碇のような本ゲームで意味のないデザイン、まぁ「アクセサリ」とでもいいますか……
これらは可能な限り「デフォルメ」――簡略化してデザインすることが大事です。

今回は目立つ部分なので3×3位のちょっと大き目ぐらいで作ってみましょう。
逆に小物の場合は2×2、最悪それ以下で再現しないと大きくなりすぎて見た目が悪くなります。

バウや碇を新たに「作る」ことで見た目を整え。
小物や何やらを「乗せる」ことで船らしい情報が増える。

これらも同様「作る」「乗せる」という単純技法と思ってください。

 

2017-01-31_21 35 32.jpg
同様に菊花紋章代わりにRAMを付けてみました。
これで艦首と船体部分がとりあえず完成しましたね。

 

何もなかったバウが情報量が増えただけで船らしくなったでしょう?

 
 

基本は上記の「削る」「盛る」「作る」「乗せる」を含めた4つを組み合わせて作業することでデザインはグッと引き締まるようになります。

 
 

さて、とりあえず船体部分は一旦終了です。
艦尾部分は艦上構造物の増加に合わせて延長しようと思うので今回はまだ作りません。

 

では続いて戦闘艦の「キモ」、武装の改修を進めていきましょう。

武装改修:砲塔編

さて、続いて武装改修ですが、先ほど作った物…砲塔を再度プレハブで甲板に用意してみます。
2017-01-31_21 38 04.jpg

 

ご覧の通り、ほぼ真四角ののっぺりとしたデザインです。
ですがこれも先ほど上記にあった基本を流用すれば、見た目がグッとよくなります。
では基本にあわせて少しずつ改修してみましょう。

 

①削る
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まず砲の仰角部分を削り砲身が上を向くように。

 

②盛る
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砲塔の前と後ろを盛りました。
さらに再度削って後方は丸みを、前方は傾斜を付けるように。

 

③作る
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ほぼ全ての史実の砲塔にあるように、砲塔側の観測窓を追加。

 

④乗せる
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アクセサリとして柵や梯子を付けたり、観測窓にスコープ代わりに窓を付けたりと改修。

 

さて、改修前と改修後がこちらになります。
2017-01-31_21 47 11.jpg

 

どうでしょう?
少しの改造を複数足しただけでここまで印象が変わりました。

 
 

…さて、これを見て「後の物も小改造だけでいけるだろ!」と調子に乗った方。正直に手を上げなさい。
残念ながらこれ以降も小改造ではありますが、これだけだと逆に印象が悪くなる場合があります。
それが以下の悪例です。

 

①削りすぎ
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一部を削り印象を変える物をすべての角に適用してみたものです。
曲線ばかりでおもちゃみたいになっています。

 

②盛りすぎ
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もともと小型の砲を大きくしてみたものです。
どうにも大きすぎてバランスが悪くなっています。

 

③作りすぎ
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観測窓も片舷1つのみや少しなら印象がよくなりますが、それを多く付けてみました。
窓ばかりで兵器というより観測装置になっています。

 

④乗せすぎ
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印象追加の為にアクセサリを大量に装着してみました。
ごちゃごちゃしすぎて汚くなっています。

 

確かに改修すれば印象は変わりますが、加減なしに改修し続けると今度は逆に悪くなります。
それこそ「いい加減」な改修ではなく「ちょうどいい、加減」を見極めましょう。

 

ではどのぐらいがちょうどいいの?となりますが……
これは実は運用思想から逆算していけばバランスは取れます

 

例えば砲塔後方を丸みを付けたのは「角が引っかからなくする為」。
例えば砲塔正面に傾斜をつけたのは「傾斜装甲とする為」。
例えば砲塔側窓を付けたのは「艦橋側の指示がない場合独自攻撃する為」。
例えば梯子や柵を付けたのは「上に登った際の為」。

 

今回改修した砲は所謂「効率化されたデザイン」という形で設計しました。

 

もちろん別の史実の砲デザインを流用するのもありです。
ただ今回は箱形からデザインを改修した為に「米5インチ連装両用砲」に似たデザインになりました。

 

ですが最初と比べると武装らしくなったでしょう?

 

砲正面は防御の為に傾斜、背面はすこし滑らかな曲線にする。
砲身稼働部分を意識して削り観測窓を増やすだけでも印象は変わります。

いかにして現実的にするか」と設計するだけでデザインはグッとよくなります。

武装改修:魚雷編

続いては魚雷発射管です。
これは配置と設計次第で目立つ物にも目立たない物にもできます

 

日本艦のような艦中央部に載せた大型旋回式の発射管。
米艦や現代艦のような小型片舷配置式の発射管。
場合によっては船体内部に隠れるような配置もあります。

 

これらは配置とバランスをとる様に設計するのが重要です。

 

まずは現実の発射管配置をイメージしてミサイルの配置向きを上下変更する。
これだけでも見た目がよくなります。

 

さらに艦側面に配置するのであれば大きさは5ブロック程度に、数は単装か並列連装程度に抑えるのが吉。
3、4連装にする場合は見えないような内臓配置(高雄型重巡洋艦の魚雷配置等がいい例)がいいでしょう。

 

艦中央に配置するのであれば大きめで開放式、もしくはシールド付で設計しましょう。
…ただシールド無しで設計する場合、魚雷を詰めて配置する場合はジグザクに配置。
シールド付の場合は並列で1つあけて配置するのがお勧めです。

 

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シールドが無い分、何かでイメージを付け加えないとのっぺりとした印象になります。
そこで交互ジグザク(3本なら逆V字配置)にすると凹凸故に印象が変わります

 

必ずそうしろとは言いませんが、パッと見て「スッキリしすぎてるな」と思ったら凹凸で印象を加えましょう。

 

今後の設計でも平らな面に凹凸を加える、という改修は重要です。
技術として覚えておきましょう。

艦橋改修

続いては艦橋の改修となります。
艦橋は砲塔についで目に付く場所になりますので、こちらも気合を入れて作っていきましょう。

 

…さて、艦橋を作るとは言いましたが、まずはその高さに関する物を学びましょう。

 

今回は駆逐艦という形で進めていますが、これらの艦橋サイズはどの位が正しいのか?
史実の船を見て判断すると…

 

・幅は船体より少し小さく、上部艦橋は下部より大きく船体より小さい程度
・高さは甲板から船底の長さと大体同じ程度(艦橋上構造物は除く)
・艦橋窓の高さは前が見えるよう、砲の天板より上の位置

 

これらが基本となります。※戦艦等は当てはまらない物とする

 

上記の基本を理解した上で進めると、最初に作った作例では艦橋前砲塔は2基。
つまり2番砲塔天板より上に窓が存在し、それでいて船体高よりちょっと長い程度にとどめる形でしょうか。

 

では簡単にそれっぽく作っていきましょう。

 

①まず仮配置でもいいので砲塔を置きます。
2017-01-31_22 00 25.jpg

 

②船体幅より少し小さい位の艦橋基部を作成。
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③窓の位置を設定します。
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…とりあえず形にはなりました。
さて、ここからどんどん盛っていく形になります。

 

上記にあった基本「削る」「盛る」「作る」「乗せる」。
実際に使うにあたって「どのような意味があってこの形になるのか」。

 

艦橋も同じです。
そこから導き出される答えから、各々自由に造ってみましょう。

 

…まぁそれだけでも難しい!という方もいると思うので、とりあえず押えておくべき点をクローズアップしてみましょう。

 

①艦橋下部も傾斜配置
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下部正面に傾斜や斜めに延ばしてそれらしく。

 

②艦橋は下部と同じではなく箱を積む
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同じ形状よりハッタリを利かすと印象がグッとよくなる。

 

③正面部分の角は丸みをつける
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下部も艦橋部分も、正面は角を丸くするだけでそれっぽく。

 

④途中で変化を付ける
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箱組み艦橋も、途中で凹凸を付けたりするだけで豆腐から建造物に進化する。

 

さぁ、上記の4点を使って設計できたでしょうか?
ちなみに完成品がこちらになります。
2017-01-31_22 13 40.jpg

 

印象がただの箱から艦橋らしくなったのではないでしょうか?
ここにさらに索敵装置やレーダー、測距儀等の情報を盛ればさらに艦橋らしさが出てきます。

 
 

…さて、ここまで説明しましたが「艦橋と言われても形がよくわからない…」と言う方も結構いると思います。
ですが艦橋形状は史実で見ると結構適当な形が多いんです

 

秋月型はほぼ円筒形な塔ですし、フレッチャー級もほぼ小屋みたいな形状です。
逆に「戦う違法建築」の異名を持つ扶桑型は明らかに「盛り過ぎ」、「異形」ともいえる奇怪な形状の塔と化しています。
なので「コレ!」と言った形は実はそう無かったりします

 

かっこよく!、という点で言えばそれっぽく見せることが艦橋において一番重要なのではないか、と思います。
実際筆者の作成した駆逐艦の艦橋はSFチックな物が多くありますし、本艦もそれに習った設計になっています。
駆逐艦では「指揮所」程度に考えるべきなのかもしれません。

 
 

まぁ極端な話…

 

「よっぽど頓珍漢、或いは艦のサイズやクラスに似つかわしくないアンバランスなものでない限りは、8割ハッタリでも最終的にかっこよく出来上がればそれで良し

 

…となります。

とりあえず好きなように作って、「なんか物足りないな・・・。」「いくら何でもクドい!」と試行錯誤を繰り返しましょう。
最終的には自分なりにいい塩梅の艦橋が作れるはずです。

 

…そもそも地味に遠大な目標なので、じっくりと腰を据えてやりましょう。

煙突改装・マスト作成

ある程度の物が出来上がったから次は積むだけ?
いやいや、船にはまだ色々な要素が詰まっています。

 

エンジン排気の為の煙突、通信マストや電探装置と艦上構造物はまだ存在します。
今度はこれらに手を出していきましょう。

 
 
  • 煙突
     
    まずはエンジン排気用の煙突からです。
    まぁ煙突と言ってもデザインは多種多様ですので悩むポイントでもあります。
     
    ただ必ずといっていいほど円筒型ですので、角を削って作るだけでそれらしくなります。
    さらに大きさは艦橋と同じか少し低いぐらいがバランスがいいでしょう。
    そこに傾斜を加えたり集合させたりと形を整えるだけでOKです。
    最後に先端部分も丸みをつけると印象がよくなります。
     
    2017-01-31_22 19 27.jpg
    今回は傾斜煙突を採用して作ってみました。
    3mスロープ2つの緩めの傾斜に先端部分に丸みをつけた形です。
    今回はコレを2本配置しようと思います。
     
    さて、配置に関してですが…「エンジン1つだし煙突も1本でいいやん」というのはコストを抑える場合でもない限りお勧めしません
    小型の煙突(3×3)なら小型船で2・3本、大型煙突(3×5等)なら小型船でも2本、一つに纏めるならばハッタリ利かせて大きく作る、これが鉄則です
     
    ただし駆逐艦クラスの小型船では集合、または並列配置はスペースを取るばかりで左右スペースも圧迫するのでお勧めしません。
    大型駆逐や巡洋艦以上なら集合配置やV字並列煙突も選択肢に入るでしょう。
     
    さて、煙突の基部――根元の部分。
    それこそ甲板から直接煙突が生えているというのはデザイン上あまり美しくない
     
    2017-01-31_22 23 19.jpg
    そこで台座と基部の増強を簡単に用意してみました。
    安定感が出た感じがしませんか?
     
    上に長いものは基部をしっかりと作ると安定感がまして印象がよくなります
    当然台座部分も変化を付け、艦橋基部や他にも設置すると印象が引き締まります。
     
     
  • マスト
     
    戦闘艦にはほぼ必ずあると言える物。
    現代では集合レーダーとして存在しているマスト。
     
    本ゲームでは索敵装置の索敵範囲に艦橋や煙突を入れないように設計するのに重宝します。
     
    さて、マストとして使うパーツの候補としてはAdvキャノンのバレルを採用する方が見られます。
    ですがAdvキャノンコアを使うと細く、逆に使わないと太くなりすぎます。
    それ以外にも重かったりコストが少し多めであったりと欠点が無い訳ではありません。
     
    それ以外にも燃料エンジンの排気パイプやCRAMの砲身も候補としてはありではあります。
    …が、こちらも細すぎたり太すぎたり、重かったりコストであったりと同様の欠点が付きまといます。
     
    本項目ではそれらの欠点が無い比較的バランスのいい太さの蒸気パイプをお勧めします。
     
     
    …とは言っても、マストの形も千差万別。
    最初から大和の電探マストなんかではスピンブロックを多用して再現する必要があり難易度が高くとても初心者向けではありません。
    なので今回はフレッチャー級の単純な十字マストを再現します。
     
    索敵機能を搭載して実用性を持たせたマストにすれば無駄無く搭載できます。
    とは言えただ伸ばして十字に配置するだけでは印象が悪くなりがちです。
    可能ならばスピンブロックを併用して傾斜配置(傾斜角10~15度前後)にするのがオススメ
    ※燃料エンジンの排気パイプを使用する場合、スピンブロック上に乗りませんので注意する事
     
    傾斜の設定はACB(Automated Cotrol Block)の
    ・条件(Inputs):Activate on spawning(スポーン時にACBを稼動させます)
    ・動作機構(Affected):Spin Blocks(スピンブロックを操作します)
    ・操作(Affect):Rotate to [affect var] degrees(設定された角度に固定します)
    の設定で問題ありません。
    別のスピンブロックを稼動させない為に隣接配置し、稼動範囲(Affect range)を2に設定しましょう。
     
    2017-01-31_22 27 04.jpg
    完成した物が上図です。
     
    角度を付け左右に今回はMunition warnerを、最上部に測距儀とPassive Radarを搭載しました。
    場合によってはHeat Decoyや通常の索敵装置を搭載するのも有でしょう。
    ※測距儀に受信アンテナをつけた場合、上に載せた索敵装置も機能します。
     
    また、根元はスピンブロックで重ねて設置して隠してあります。
    スピンブロック上の物は別のスピンブロック上の物と干渉しない特性を利用しています
    ちゃんと根元を太くして安定感を持たせつつ隠すようにしましょう。

艦上配置

ある程度の物が完成しました。
ではとりあえず艦上構造物を仮設置していきましょう。

 

と、言う前に……

 

実はこの配置の仕方もある種のルールがあり、そのルールが守られるような配置であると印象が良くなります

 

何も考えず無秩序に設置するのは不恰好になり見た目が悪くなる。
そこでまず以下のルールを理解しましょう。

 

・艦首先端、砲塔天板、艦橋天井、煙突先端、艦尾を点とする
・艦首側から順次、設置された点に合わせて線を繋いでいく
・繋ぐ際、必ず「現在の位置から見て高い点、次もしくは1つ先の同じか現在の位置から二番目に低い点を繋ぐ」
・そうして出来た線が、例え平坦な部分があっても、谷が出来ず山形になるように配置する

 

上記ルールが大前提となります。
例え煙突の間に砲塔があっても、逆に艦橋と砲塔の間に魚雷管があっても大丈夫。
因みに戦艦や空母などでも有効です

 

「なるほどわからん」と言う方に説明するならば……
前から高さが徐々に上がり、そこからまたゆっくりと下っていく形がデザイン的に綺麗になる形となります。

 
 

某氏曰く

 

艦橋それ単体で考えるとどうしても変になるから、「山型の艦影である」っていうのを意識するとよし。
要素さえ抑えれば豆腐の小船だってドイツ風味。
適当に(艦橋を)もってあげればあっという間に日本風味、細かい形にこだわらずに、印象を整えるのが大事

 

との事。だからって某氏の如く山形県型の何かを作るなよ?いいな絶対だぞ!

 

駆逐艦でも史実でもほぼ同じ。
遠目で見て山形の艦影になるように配置しましょう。

 

2017-01-31_22 42 42.jpg
上記のルールに合わせて配置したものがこちら。足りない船体は延長した。
遠目で見て山形なのがわかるでしょうか?

 

このルールで配置できれば遠目からの見た目は大丈夫です。

船尾設計

ここまでくれば後は船尾だけです。
まず船尾下部、スクリューや舵がある部分は、史実の船を参考に造形してみましょう。

 

形状としては後部砲塔基部後方あたりから船底を、喫水より少し下まで傾斜させた後に水平に延長。
そうすると以下のような形になります。

 

2017-01-31_22 45 31.jpg
実際にある船らしい形状になりました。
後は喫水上船尾構造です。

 

ただ、実は船尾構造体もけっこう種類があります。

 

ダブルエンダー:船首と同じような鋭い形状
クルーザー・スターン:なだらかで丸い船尾、一番簡単
デストロイヤー・スターン:なだらかではあるが爆雷軌条の為に角だけ丸い
トランサム・スターン:船尾が垂直に角ばっている
カウンター・スターン:角ばっているが上から下にかけて艦側に傾斜
リバース・スターン:こちらも角ばっているが上とは逆方向に傾斜

 

ちょっとわかり辛いかもしれませんが、上から3つの太字は丸く下3つの斜め文字は角ばっているタイプです。
まぁこの形状もバウと同じく好きな形で問題は無いでしょう。

 

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今回は駆逐艦なのでデストロイヤー・スターンを採用。
後はスクリューと舵を配置する事で完成です。

 

ただしスクリューの位置は船体に直付けでは不恰好ですので軸を付けて延長しましょう。
今回軸として採用するのはCRAMのバレルを採用してみます。

更なる改修

 

くぅ~疲れましたw これにて完成です!

 
 

…とはいきません。

 

今現在の配置は簡易的なもの。
それを本格的な配置にする必要があります。
それ以外にも機銃座や爆雷投射機等色々とあります。

 

さて、ここまで解説してきた基本を思い出して装飾して行きましょう。

 
  • 台座等艦上構造
    艦首2番砲塔の台座部分、これも砲塔と形状を変えると印象が変わります。
    同様に煙突の基部や艦橋等と別の構造物で繋げたり。
    あえて煙突基部を大きく囲うような構造もありでしょう。
     
  • 艦橋上部観測装置
    全方位へのカメラの配置、索敵レーダーアンテナを配置します。
    この配置は手前から順に盛る、艦影と同じく山形に盛るときれいに収まります。
    また索敵アンテナも配置の仕方次第で回転式の防空レーダーにも早変わりです。
     

  • 搭乗員が落ちない用に落下防止柵を配置してみます。
    小型船ならいらない、と言う方もいるかもしれませんが、あるのと無いのでは印象は一変します。
     
  • 機銃座
    駆逐艦…と言うより、第二次大戦の艦船は機銃マシマシな印象はないでしょうか?
    やはり開いたスペースに積めるだけ銃座があると兵器らしさが増えます。
     
    とは言えミサイルもありますし人によってはあまり付けない人もいるでしょう。
    ただ、単装・連装問わず防空機銃は少なからずあると見た目も良くなります
     
    種類が複数あるとなおよし
    搭載方法として台座を作るもよし、艦橋脇に銃座を追加するもよしです。
     
  • 爆雷
    駆逐の駆逐たる装備は対潜爆雷だ、という方もいるでしょう。
    爆雷は爆雷軌条が搭載できない関係上それっぽくしか作れません。
     
    ただし、完全に無いわけではありません。
     
    左右射出式の投射型やレールっぽく配置した物も考え方次第です。
    ただしヘッジホッグのような多連装ロケット式はお勧めできません
    何故なら…(以下に続く)
     
  • その他小物
    小物を再現しようとすると如何せん大きくなりすぎてしまいます
    本ゲームではミサイルもブロックも共に1m幅があり、小さく作ることが困難です。
     
    特に探照灯やカッターボート、上記の多連装ロケット等がそうです。
     
    これらは小さいからこそアクセントとして輝きますが、大型になるとそうはいきません
    可能な限りデフォルメし、遠目で見てそれっぽいものを作るに留めましょう。
     
    逆に碇のような印象に残る物は少し大きく作るとグッド
    同様に碇に合わせた鎖なんかも甲板に配置するとなお良い。
     
    他にも時発装填装置のような物。
    ハンモックを丸めた防弾装備(マントレット)。
    日陰や飛沫用の布を付ける為の柱等々…
     
    探せばまだ腐るほどあります。
     

空中線やら艦首の盛り上がり等まで再現すると今度はスピンブロックを多用する必要があります
それらはまた別の知識が要ります、必要ならばこちらの「こじゅ氏」の記事へ → AARビークル作成/造形勢になりたい! ~スピブロ造形指南~

 
 

ここで説明できる事としてはただひとつ。

 

全てのパーツは作者の発想次第で造詣部品として扱える。

 

この一言に尽きます。

 
 

尤も、あまりやり過ぎるとゴテゴテしたクドい一品になるのは言うまでもありません。
ハッタリが過ぎて性能に対してコストが高くなりすぎたりと、実用性に疑問符が付くような艦になってしまいます。

 

必要ない装飾を極力排して性能を優先した剛毅な艦に仕上げるか。
多少性能を犠牲にしてでも装飾を優先した美麗な艦に仕上げるか。
或いは構成難易度は高いが性能と装飾をバランスよく取り入れた秀才的艦に仕上げるか。

 

全てはあなたたちの自由です。

完成へ…

さぁ、ここまで長かった…程ではないかもしれませんが。
とりあえず完成となります。

 

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最初の物と並べてみました、皆様の改修した船はどうですか?
ずいぶんと船らしくなったのではないでしょうか?

 
 

最後に…

…さて、今回の授業はこれにて終了とさせていただきます。
次回はいつになるかは分かりませんし、別の誰かが書くやも知れません。

 

ですがデザインに終わりはありません

 

自分のコレと思う形が出来上がっても他人の作った物から新たな発想が浮かぶかもしれません。
果ては全く関係なさそうなことを考えていたりぼんやり夢想に耽っていたりしているうちに新しいアイデアが降りてくることも有ります。
デザインとは、何かを真似て己の物とし昇華する
これが大原則です。

 

最初は基礎を学び、その基礎から己の腕を磨き発展させていってほしく思います。

 

ではまた会う日まで。

 
 
 
 

お粗末…

著:神風 翼
 

 
 
 

 ~~何れ戦艦編や航空機編、もしかしたらバウ編とかやる…かも?

コメント

  • 今まさにとりあえず戦える船が作れたレベルなので非常に期待 ゆっくり待ってますー -- John.C.Bad? 2017-01-25 (水) 21:30:37
    • 牛乳パックしかつくれないのを悩んでいるのでありがたいです 同じくお待ちしております -- FR? 2017-01-26 (木) 02:58:18
      • これは逃げられませんわ…(がんばって書いてるんでもう少しお待ちを!) -- 神風 翼? 2017-01-26 (木) 06:33:07
  • 頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧艦首部分とか艦橋とか悩む……w -- 2017-01-28 (土) 11:44:19
  • 時間が無いんで今回は武装辺 -- 神風 翼? 2017-01-31 (火) 23:47:38
    • 明日には完成させるんで! -- 神風 翼? 2017-01-31 (火) 23:48:13
      • とりあえず完成しました。 -- 神風 翼? 2017-02-01 (水) 09:52:59
      • お疲れ様やで∠(`・ω・´) -- 管理人/びんせんとー? 2017-02-01 (水) 14:05:25
      • お疲れ様でした 船首や船尾にこれだけの種類があるとは知りませんでした…一つ一つ試してみようと思います! -- FR? 2017-02-01 (水) 21:40:54
  • 日本戦艦の艦橋、あれは魔改造で機能を付け足した結果できたものなので、普通に作るのは難しそうですね -- 2017-07-24 (月) 01:45:49