編集時Ver3.5.2.6 alpha
概要
スチームエンジンによって駆動できる大出力の水中プロペラの使い方について述べる。
おまけでスチームドリルとスチームジェットも。
スチームプロペラ
競合するwaterインベントリの水中プロペラ(ノーマルプロペラ)と比較するとスチームプロペラには三つの大きな特徴がある。
- 大推力
- ノーマルプロペラより約11%高い効率(推力/動力)
- 制限速度(top speed)がノーマルプロペラよりも低い
大推力、高い効率と来ると、ガン積みして超高速水上艦を造りたくなってしまうが三番目の特徴がそれを許さない。超高速水上艦がダメならどう使えばいいのか?それは、
「ノーマルプロペラだと大量に配置する必要があるほどの大型水上艦を少ないスチームプロペラで高い燃料効率を台無しにしない程度のそこそこの速度で機動させる」
ニッチすぎませんかねえ…
速度が欲しいなら水中抵抗という巨大な枷のつくお船ではなく、飛行ビークルや宇宙艦を造るのをオススメする。
なお、最も推力/消費マテリアルが高い推進器はスチームプロペラではない。
最速を叩き出せるわけでもなく燃料効率が最良でもないスチームプロペラは、ともするとズルとも言われがちなほどに効率的な推進器を忌避する場合の選択肢になる。
- 大推力
- 一つのプロペラで大きな推進力を得られるので重心線近辺に集中させやすい
- 推力の割に部品コストが安い、シャフトやトランスミッションといった関連パーツ込でも
- ノーマルプロペラより約11%高い効率(推力/動力)
- ノーマルプロペラの推力/動力効率26.7、蒸気エンジン接続スチームプロペラ30
- 注意深く設計した蒸気エンジン接続のスチームプロペラは推力/消費マテリアルが2万台までとどく
- 構成によるがカスタムジェットは1万ぐらい
- 制限速度(top speed)がノーマルプロペラよりも低い
- スチームプロペラの制限速度80m/s、ノーマルプロペラ100m/s
- 大推力にまかせて高速を狙っても制限速度により実効推力は低くなってしまう。
- 制限速度は"絶対に越えられない速度"ではないので、実効推力の低下による燃費の悪化を受け入れれば制限速度以上の速度も出せはする…出せはするが費用対効果が悪すぎる。
デメリットも挙げておくと
- ポン付で動くノーマルプロペラより部品数が多く考慮すべき条件も増え、設計の複雑性がすこし増える。
- ノーマルプロペラは中心1m^3の後方に障害物がなければ全力発揮できるが、スチームプロペラはスクリュー全面のずっと後方まで障害物が無いことが求められる
- ノーマルプロペラと違い回転数(RPM)の要素がある。
つまり面倒くさいってことだ
パーツ解説
蒸気エンジンと同じようにsmall, medium, largeの3サイズに分かれておりサイズの異なる部品は接続しても機能しない。
ここではサイズmediumのパーツだけを挙げる。サイズ毎に本質的な違いはない。
Medium 5m propeller/スチームプロペラ | ||
原文 | 5m Propeller that connects to a medium shaft. | |
---|---|---|
訳文 | mediumシャフトと接続できる5m径プロペラ | |
解説 | ||
いわゆるスチームプロペラ。 mediumには3m径のプロペラもある。 small, medium, largeのそれぞれに大小の径があって合計6種類のスチームプロペラがある。 |
Medium crank motor/クランクモーター | ||
原文 | Converts power to the rotaion of connected medium shafts. | |
---|---|---|
訳文 | 動力をシャフトの回転に変換する。 | |
解説 | ||
動力をシャフトの回転に変換する(二回目)。これがあると蒸気エンジンに接続しなくてもスチームプロペラやスチームドリルが使える。変速機の機能を兼ねている。 |
使い方
crank motorに接続して使う方法とスチームエンジンの軸に接続する方法の二つある。
前者は最小部品数3で構築できシンプルだが燃料効率面で劣る。後者はちょっと複雑だが高い燃料効率が狙える。
Crank Motorに接続して使う
crank motorを設置してシャフト、スチームプロペラの順で接続する。以上。
部品数の少なさから設計配置が容易である。
スチームプロペラを配置するときだけ、パーツを前後反転させないと正しい接続にならずに機能しないので注意。
crank motorがトランスミッションの機能を兼ねていて自由に加減速、逆進が行える。
crank motorがビークルの動力を使ってシャフトを回転させて運動エネルギーに変換する。スチームプロペラはその運動エネルギーをシャフトから貰って推力に変換するという機序になっている。
crank motorはサイズ種別によって取り出せる動力の上限が異なる。smallは200、mediumは1000、largeは4000である。また、largeのみ3x3x1の9ブロックで他は1ブロックである。
スロットルオフでcrank motorへの動力供給を0にしても、推力は即0にはならない。シャフトに残っ動エネルギーを使い尽くすまで(回転が止まるまで)プロペラは推力を発生させる。
シャフトを長くして蓄積できる最大運動エネルギーを多くするとそれが体感しやすい。
動力源はなんでもよい、蒸気エンジン以外でも。
crank motorの運動エネルギー/動力の変換効率は0.6である。つまりcrank motorを使うと動力源にしているエンジンのPPMがどんなによくても、40%効率悪化を経て推力に変換される。
PPM1000の超高効率エンジンでも最終的な推力からみるとPPM600相当になる。
この為にcrank motor接続は燃料効率で劣る。
crank motor接続時のスチームプロペラの推力等
crank motor | 最大使用動力 | スチームプロペラ | 連続最大推力(実測値) |
---|---|---|---|
small | 200 | small 1m | 3375 |
small 3m | 4378 | ||
medium | 1000 | medium 3m | 19286 |
medium 5m | 21094 | ||
large | 4000 | large 5m | 67498 |
large 7m | 79410 |
なぜ最大推力ではなく連続最大推力なのかというと、スチームプロペラを水面上に出して回転数を限界まで上げてから水中に突っ込むと瞬間的にもっと大きな推力を発揮できるから。
スチームプロペラは回転速度と推力が比例する。また、回転速度が上がるほど摩擦は大きくなっていくので、高い回転数ほど回転数の伸びが小さくなっていく。この為、厳密な最大推力=最大回転数に到達するのには滅法時間がかかる。
上記の連続最大推力の90%程度に到達するのは割とすぐでせいぜい数秒だが、連続最大推力100%に到達するには数分かかる場合もある。
蒸気エンジンに接続して使う
蒸気エンジンの軸を伸ばしてトランスミッションをつけてシャフトをつけて最後にスチームプロペラを接続する。
Steam Enginesインベントリにプリファブが複数用意されているのでそれらが参考になるだろう。
トランスミッションはギア比を設定できる。初期設定は1になっているので最大の2に変更しておこう。ギア比2だと蒸気エンジンのRPMの最大2倍でスチームプロペラ側のシャフトを駆動できる。
スチームプロペラは回転数で推力が決まるのだが、蒸気エンジンは高RPMになるほど摩擦損失が増える。大きいギア比(といってもせいぜい2なのだが)なら低いエンジン回転数からでも、より大きな推力を絞り出せて有利である。
かつては蒸気エンジン1台につきスチームプロペラ1基しか接続できなかったが、アプデによりエンジン部品のwheel同士をベルトで接続すること(以下ベルト接続)が可能になりスチームエンジンとスチペラの構成の自由度は格段に増した。
1台の巨大なエンジンに複数のプロペラを接続して駆動することもできる。
Mエンジンに5mプロペラ1基、3mプロペラ2基、5mプロペラ2基を接続した例
蒸気エンジンを効率よく使う
蒸気エンジンには部分負荷だと燃料効率が悪化し、最大出力時が最も燃料効率がよくなるという特性がある。
当たり前だが、蒸気エンジン接続の場合は接続された蒸気エンジンの動力しか使えない。
よって、スチームプロペラの効率(推力/消費マテリアル)を向上させるには接続先の蒸気エンジンが最大出力を発揮するようにしてやればよい。
蒸気エンジンの動力を最大出力まで使い切る為には、まず最大出力がどれぐらいなのか知る必要がある。
ただし、蒸気エンジンの可能な構成すべてを調べる必要はない。シンプルな1:1構成の多段直列ピストンエンジンを調べれば十分である。
ピストン数(段数) | 最大出力 | 最大出力時PPM | 毎秒消費マテリアル | |
---|---|---|---|---|
Small | 1 | 1330.5 | 302.1 | 4.4 |
2 | 1405.8 | 472.4 | 2.97 | |
3 | 1402.6 | 563.6 | 2.49 | |
4 | 1383.7 | 609.8 | 2.27 | |
5 | 1324.6 | 616.4 | 2.15 | |
6 | 1300.8 | 623.4 | 2.09 | |
7 | 1277.0 | 622.8 | 2.05 | |
Medium | 1 | 1539.0 | 349.7 | 4.4 |
2 | 1645.0 | 553.7 | 2.97 | |
3 | 1667.5 | 670.0 | 2.49 | |
4 | 1646.8 | 726.4 | 2.27 | |
5 | 1636.3 | 761.5 | 2.15 | |
6 | 1625.2 | 779.6 | 2.09 | |
7 | 1597.8 | 780.0 | 2.05 | |
8 | 1588.5 | 782.1 | 2.03 | |
9 | 1576.2 | 780.9 | 2.02 | |
10 | 1551.8 | 771.7 | 2.01 | |
Large | 1 | 12716.8 | 361.1 | 35.2 |
2 | 13651.3 | 573.6 | 23.8 | |
3 | 13873.9 | 696.5 | 19.9 | |
4 | 13790.9 | 760.0 | 18.1 | |
5 | 13742.0 | 799.2 | 17.2 | |
6 | 13686.2 | 820.2 | 16.7 | |
7 | 13623.4 | 824.7 | 16.4 | |
8 | 13477.7 | 829.2 | 16.3 | |
9 | 13403.9 | 829.7 | 16.2 |
ここで、ピストン数2であれば1-1構成の二段ピストンエンジン、3であれば1-1-1構成の三段ピストンエンジン、6であれば1-1-1-1-1-1構成の六段ピストンエンジンである。
蒸気エンジンのクランクが最小になるように、クランクの最大ピストン接続数まで埋まってから次のクランクを追加していった。
実用に際しては設置スペースの関係から、1クランクに最大の3基(smallは4基)までピストンを繋がずにピストン1基接続のI字型、ピストン2基接続のL字型あるいは扁平型にすることもあるだろう。
ただ、クランク数が増えると摩擦損失が増えてPPMが若干低下することを憶えておいてほしい。特にsmallの場合それが顕著である。largeが最も摩擦が少ない。
1クランクあたりのピストン数を最大化して燃費効率を最大化した場合、
small, medium, largeの軸方向の投影面積は、small 7x7、medium 7x11、large 8x13。
smallとmediumはピストンの蒸気投入口がどうしても軸と直交する方向に来るので配管で+1される。largeは蒸気入口が軸と同じ方向なので配管が張り出さない。
ベルト接続で空隙が少なく幅を取らない蒸気エンジンが組みやすくなった。
1クランク1ピストンでピストンを上方向に生やした門松🎍型(と勝手に呼んでいる)エンジンなら幅3m程度に収まるので、
「スチペラだと最小でも幅7mの機関?…うちの船に幅7mの機関が入るわけねえだろ!」とスチペラを敬遠していた向きにも
再考の余地があるかもしれない。1クランク1ピストンだと極僅かに燃料効率は悪化するが、構成次第で20000推力/消費マテリアルには届く。
さて、スチームプロペラの推進力とその消費動力を確認しよう。
スチームプロペラ | 直径 | 最大推力 | 消費動力 | ギア比2倍での最大推力 | 消費動力 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Small | 1m | 1800 | 60 | 3600 | 120 | |
3m | 21600 | 720 | 43200 | 1440 | ||
Medium | 3m | 18000 | 600 | 36000 | 1200 | |
5m | 45000 | 1500 | 90000 | 3000 | ||
Large | 5m | 36000 | 1200 | 72000 | 2400 | |
7m | 90000 | 3000 | 180000 | 6000 |
燃料効率の為に蒸気エンジンは最大出力で動かすには、蒸気エンジンの最大出力を超えるように必要な数だけのスチームプロペラをつなげばよい。
エンジンの最大出力とぴったり同じだと、スチペラが最大推力を出すには接続先の蒸気エンジンも最大回転数でブン回す必要があるのでそうすると回転数と比例して摩擦損失が増えてしまう。
よって燃料効率を考えると、エンジンの最大出力よりはやや過大にスチームプロペラを接続しておくとよい。
スチームプロペラをゆっくり回すのが高い推力/消費マテリアルの秘訣である。
実用範囲が広いであろう幅3mの門松型エンジン・スチームプロペラを9種搭載のイカダbpを上げておく。
smallが1種、mediumが7種、largeが1種。ベルト接続を使っているためFtD v3.5.2.6以降でないと機能しない。
Kadomatsu_SteamProps_9samples_ForV3526alpha.blueprint
medium6段ピストンエンジンとmedium 5mプロペラの例。ベルト接続が実装される前のもの
L字medium4段ピストンエンジンとmedium 5mプロペラの例。これもベルト接続以前のもの。シフトギアで1mずつシフトさせて水上の軸から水中のスチペラまで繋いでいる。
細かい話
- スチームプロペラの蒸気エンジン接続はトランスミッションを省いた直連結でもスチームプロペラは推力を出せるが、加減速も逆進もできず蒸気エンジンと同じRPMで回転し推力を生み続けるだけの扱いにくい推進器になってしまう
- スチームプロペラを接続している蒸気エンジンを贅沢に多段化して高PPM低PPVの燃費追求型にしておけば非戦闘時の消費マテリアルを抑えて巡航できる
- 戦闘時のシールドやレーザーポンプの動力を手当する別の戦闘出力用のエンジンは別途配置する
- 蒸気エンジンを船体中央部に配置して船体後部のスチームプロペラまで長ーいシャフトで延長すると、エンジンの素性として最大出力時の回転数が低下する。ひいてはスチームプロペラの最大推力までの立ち上がりが遅くなる
- 被弾時のシャフト破壊等もあるので過度に長くするのは不利
推進器に動力がr PPMで供給されていて最良の条件での推力/消費マテリアルは、
推進器 | 推力/消費マテリアル |
---|---|
ノーマルプロペラ | 26.7r |
crank motor接続スチームプロペラ | 18r |
蒸気エンジン接続スチームプロペラ | 30r |
制限速度による実効推力で計算すると46m/sぐらいでノーマルプロペラと蒸気エンジン接続プロペラは並ぶ
スチームドリル
スチームプロペラと同じく、crank motorに接続する方法と蒸気エンジンに接続する方法がある。
crank motor接続の方が使いやすい。
シャフトを挟まないでもcrank motorから直接ドリルパーツを配置できる。
戦闘時にしか使わないのでcrank motorの運動エネルギー/動力変換効率の低さがあまり問題にならない。
大型ドリルパーツとしてMには3x3のものが、Lには3x3,5x5,7x7の各種がある。付属部品をごちゃごちゃつけないでも高速回転してくれる。
2軸ターレットを用いた多関節アームの先にcrank motorごと設置すれば歯医者ごっこができる。
スチームジェット
蒸気を噴出して推力を発生させる。推力は放出する蒸気量の数値をそのまま2倍した値になる。
蒸気放出量は蒸気圧力と比例し、蒸気圧力x1000の推力になる。
最大で蒸気5000を噴出して推力10000を生じる。ボイラーは1マテリアルで蒸気1000をつくっているので、推力/消費マテリアルは2000になる。
コスト1000マテリアルと性能の割には高い。
蒸気放出量は蒸気圧力と比例する為、ピストンエンジン最終段の蒸気排出口から捨てられている蒸気をスチームジェットに配管して幾らかでも実用的な推力を得るのは難しい。
最終段の蒸気排出口圧力の1.0未満程度だと、得られる推力は1000程度、処理できる蒸気も500程度なので、
よほど小規模なピストンエンジンでない限りすぐさま最終段の排気を阻害してエンジンの出力と燃料効率を大幅に低下させる。
ピストンエンジンの規模に比して大量のスチームジェットを配置すれば性能悪化は緩和できるが、スチームジェット1個1000マテリアルは高すぎる。
コメント
- 書いてくれた人ありがたいありがたい!steam構築のほうにこちらへのリンクと、必要性はともかくテンプレートとしてコメント欄を設置させていただきました。 -- kuramubon? 2020-12-29 (火) 17:02:59
- こちらこそ~フォローせんきゅ~>コメ欄設置 -- 書いた人? 2020-12-30 (水) 01:11:21
- ノーマルプロペラを大量に装備しないでも(4軸以内?)そこそこの速度だせるなら、高PPM低PPVのスーパーチャージャーマシマシ燃料エンジンを1000PPM以上で出力させたほうが簡単だし推力効率もいいなあ…部分負荷を気にする必要もないし。やっぱスチームプロペラは大型艦向けってことで… -- 書いた人? 2021-01-06 (水) 18:00:22
- ベルト連繋とcrank motorの効率悪化0.75→0.6を盛り込んで更新。後で絵を追加する。 -- DD1392@書いた人? 2022-06-02 (木) 22:04:33
- 画を追加してサンプルbpを追加してヨシ!3.5.2.6対応はこれでいいや -- DD1392@書いた人? 2022-06-03 (金) 13:38:43