ストーリーミッション/クラールフの神殿

クラールフ

──創造神による、世界の創世。
この世界の始まりの時に、
我らも無数の生命をこの世界へ送り出した。

己に奉仕する種族を作る者もいれば、
自由意志を持つ、新たな生命を作り出した者もいた。

そして我とポセイオスは、共に水を司る神として、
この大海に水の民を作り出したのだ。

キュステ

……えっと、友だちだったということですか？

クラールフ

で、あれば良かったのだがな。
あやつは己の領域を広めるために、
他の生命を滅ぼすことを躊躇しなかった。

海の残り半分を手に入れ、その後には
乾いた地の全てを、海に沈めんとしていたのだ。

ゆえに、我は神としての力の全てを注ぎ、
あやつから神の力を剥奪したのだ……。

シャディア

……その恨みゆえに、
ポセイオスはこの海底都市を狙っていると？

クラールフ

──否、それ以上を望んでいることだろう。
天界の暗躍、突如現れた冥界軍、
そして此度の事変と、あまりにも時が揃いすぎている。

おそらくは、偶然ではあるまい。
かの三亜神の企み、
世界を揺るがす動乱に繋がるものであるはずだ。

ハルフゥ

神の座を追われた亜神、ですか……。
力を奪われたとなれば、それを取り戻すために……？

クラールフ

もしそれが目的であるならば、
人類にとっては避けられぬ戦いとなることだろう。

……神の力を取り戻す手段は、そう多くない。
現実的な手段を選ぶならば、
数多の命を己に捧げさせようとするはずだ。

ハルフゥ

……そんなことは、絶対にさせません。
こっちにはクラールフ様と王子さまがいるんですから！
絶対大丈夫──

衛兵マーマン

──伝令！　伝令！
クラールフ様、海底都市に向けて、
無数の軍勢が接近中です！

クラールフ

随分と動きが早い……。
先手を打ってきたのは、あやつの方だったか。

アンナ

王子、迎撃に出ましょう！
ポセイオスの企みを砕くために！

リバン

ロブスナイトまで出てくるなんて。
この海域にはいないはず、ですわよね……？

ハルフゥ

あれはもっと深い場所に棲息しているはず。
……間違いなく、何者かに率いられた軍勢ですね。

？？？

グワッハッハッハ！
クラールフよ、随分な歓迎じゃなぁ！

旧友が訪ねて来たのだぞ？
歓迎どころか、銛を向けてくるとは酷いではないか！

クラールフ

我を友だと思ったことが、一度でもあったのか？
亜神ポセイオスよ、戯言もそれくらいにしておけ。

ポセイオス

私はお前を友だと思っていたのじゃぞ？
裏切り、私から神の力を剥奪したあの時まではのぅ！

海を統べる者同士、世界を沈めた後には
その半分くらいは分けてやろうと思ったものよ！

しかし、それにしてもあのクラールフが、
まさか溺れる民の手を借りるとは……。
とうとう誇りまで無くしたかのう？

クラールフ

此れなる者は、我が盟友だ。
侮辱しないでもらおう、ポセイオスよ。

ポセイオス

……盟友？　ほう、よく見ればその顔、
ガリウスを滅ぼしたという人間の王子か？

グワッハッハッハ！
臣下の言葉は冗談だと思っていたぞ！
この深海に、例の王子が来ているとはのぉ！

王子よ、私は他の亜神とは違う。
貴様を殺そうなどとは考えておらぬ。

そう、神に仇なす程の人間となれば、
その偉業を愛で、可愛がってやるのが筋というもの。
貴様も私のもとで、永遠の寵愛を授けてやろうぞ。

王子

…………。

ポセイオス

なんじゃ、その反抗的な目つきは。
……神の寵愛を断るとは、今の時代の人間は
本当に度し難いのう……。

なれば貴様にも、身の程というものを教えてやらねば。
我が配下共よ、進軍せよ！！