性質
バッカス
種類
道具
現在の状態
無力化
クラス
セーフ
最終記録者:
桜庭博士
措置
- なし。
概要
「大円弾」とはとあるグランドピアノである。
対象の異常性は、人間(以下奏者)が1人で対象の高音側、または低音側に座り、演奏をした際に発現する。
奏者がなんらかのピアノ楽曲を弾くと、対象が座っていない側の鍵盤がひとりでに動き、連弾が開始される。六手以上の連弾の場合、奏者は2人以上*1でなければならない。なお、奏者がプリモ*2であってもペダル操作は奏者が行わなければならない。
また、四手連弾で既に奏者が2人いる場合、異常性は発揮されない。
対象は異常物体であってもミスをするようで、特に長らく弾いていない楽曲になればミスは増える。楽譜があればミスの量は減る。
もちろん世間一般で「難しい」とされる曲もミスは多くなる。
放置されると辺りにピアノが弾きたくなるようなミーム性電波を発するので、定期的に演奏することを推奨。
実験記録
実験日時:19██年█月██日
行われた実験:「███████」を弾く
示された結果:難しい楽曲だったのもあってミスが多発した。しかし複数回同じフレーズを弾くと慣れてきたのか上達した。
コメント:成長速度はかなり早いようだ。
実験日時:19██年█月██日
行われた実験:「███████」を弾く
示された結果:得意楽曲のようだ。奏者をリードするように弾くので奏者も演奏しやすいそうだ。
コメント:まるで生きているみたいだな…
実験日時:19██年█月██日
行われた実験:「██」を弾く
示された結果:最初はミスをそれなりの頻度でしていたが、途中からはほとんどしなくなった。
コメント:まるで思い出したかのように演奏する。以前弾いたことがあるのだろうか。
(87件の項目を省略)
ストリートピアノとしてからは実験とは見做されなくなった。
これ以上調べることもないので自由に弾いてくれ。我々にとっても当該DCOにとってもその方がいいだろう。
補足
19██年█月██日追記:
████国の民家から押収された。
数日前に夫を亡くした老婦人がピアノを弾いたところ、弾いてもいない鍵盤の音が鳴ったとして警察が通報を受けたのを機関に受け渡された。
老婦人によれば、夫は生前よくそのピアノを弾いていたらしい。
19██年█月██日追記:
収容室に放置していたところ、対象がミーム性のある電波を放出していることが明らかとなった。これを受けた者は、ピアノが弾きたくなる模様。
ある程度弾けばこれは放出されなくなった。
3日に1回ほど演奏することが推奨された。
19██年█月██日追記:
██機関員が「████」のメロディ部分をを片手で演奏していると、伴奏が勝手に演奏された。
もちろん異常性に上記のことが追記された。
(中略)
20██年█月██日追記:
機関において当該DCOの存在はかなり大きいものとなっている。
言うなれば多数の生物が拠り所にしている巨木だ。
当該DCOを機関の施設内にストリートピアノとして設置されることが検討されている。
20██年█月██日追記:
ストリートピアノとして設置された結果、対象が置いてあるサイトの労働環境が格段に上がった。
他サイトでも通常のピアノを置くことが検討されているが、機関員からは「このピアノじゃないと意味がない」といった声もある。
どうやら対象で演奏していると、えもいわれぬ充足感を得られるらしい。
20██年█月██日追記:
職員███が対象の得意楽曲「███████」を演奏した後*3、対象のミュージックワイヤーが断線するという事案が起きた。
職員はすぐに拘束されたものの、確認のために天板を開けた研究員が天板の裏側に「おじいちゃんおばあちゃん、友達を見つけてくれてありがとう。楽しかったよ、今から探しに行くね」*4と書いてあったため解放された。
なお、最初の所有者に子供がいたという報告はなされていない。
20██年█月█日追記:
対象を修理し、以前のように連弾しようとしてもひとりでに鍵盤が動くことは無くなった。
これを以って対象は無力化されたと判断され、状態が「保護」から「無力化」へ変更された。
20██年█月█日追記:
対象はストリートピアノとしてサイト-██に置かれている。
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