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【シグマ】

Last-modified: 2019-06-02 (日) 15:54:19

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【オリハルコン】製のチェスの駒から生み出された金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の一人。
騎士(ナイト)の駒より生み出された馬頭の槍使いで、【フェンブレン】【ブロック】のような完全な無表情ではないものの、馬の彫像そのものの顔をしているのでやや表情は読みづらい。
名前の由来はギリシャ文字の「∑」だろうか。
 
高い機動力と跳躍力で【疾風の槍】を自在に振るっての格闘戦を得意とし、他の騎団メンバー同様、生まれつき特定の攻撃呪文の力を極めている。
シグマはその身に【イオ系】の力を宿しており、右手首を外した穴を発射口として呪文のエネルギーをチャージすれば、本来は両手でなければ撃てない極大呪文【イオナズン】と同等の破壊力を片手で扱うことができる。
自慢の機動力で相手に接近し、この右手の爆発魔力を直接叩き込む【ライトニングバスター】が彼の切り札であり、あらゆる間合いに対応できる隙のない戦闘力を持つ。
 
また、胸の開閉式装甲の中にはあらゆる魔法を跳ね返す伝説の武具【シャハルの鏡】が仕込まれている。
騎団メンバーはオリハルコンの身体を持つためもともと並の攻撃呪文は通じないが、シグマはこのシャハルの鏡を利用することで、魔法を反射して相手に打ち返す攻防一体の能力を使いこなす。シャハルの鏡は腕にも装備可能で、胸の装甲を開閉する余裕の無い高速戦闘でもその能力は妨げられない。
オリハルコンボディー自体にさほど強度の差がないと考えれば、MP消費なしで常時【マホカンタ】状態のシグマは騎団メンバー随一の守備力を持つと言える。
実際に作中では、低温で金属の強度を低下させる可能性のある【ヒャド系】系をはじめ、彼らの防御力を破りうる一部の呪文から騎団メンバーを守る役割を果たしており、神出鬼没な騎士の駒らしい攻守両面に跨がる働きを見せた。
【胸部が展開して反射板が現れ、正面からの光線技を反射する】というギミックに関しては、『ウルトラマン』第16話にて登場した二代目バルタン星人の1体目が用いる「スペルゲン反射鏡」を元ネタと推測する特撮ファンも。
 
同じ馬面であるどっかの幽鬼の部下と違い、正々堂々とした戦い方を信条とする漢で、直情的な【ヒム】とは反対に冷静沈着で読みが深い。
知性は高いが私情に走りがちでもある【アルビナス】【フェンブレン】、理知的ではあるが言葉を喋れないため仲間との意思疎通に難がある【ブロック】と、いずれも一癖ある親衛騎団の中では最も大局観に優れる。
その洞察力は、侮られがちで他の親衛騎団メンバーも注視せずにいた【ポップ】の実力と潜在的脅威を早々に見抜き、「君のようなタイプが最も危険」と一切の油断なく対峙する所からも窺え、当のポップも「今までで最もやりにくい相手」と評している。
【サババ】での戦いでも、【マァム】に対して優勢に立ちつつ決め手を与えられない状況を冷静に受け止め、ダイのパーティーは既存の情報よりはるかに成長しており、こちらが能力で勝っていても油断できないと高く評価した。
同じチェス駒モチーフのキャラクターである【マキシマム】が既存の情報に頼り切って油断し、情けない末路を迎えたのとは対照的である。
 
ナイトだけに誇り高く紳士的な騎士道精神を持ち、敵との会話であっても態度は礼節を重んじる。
バーンパレスでポップと戦う時も、ハドラーの守護という命題を掲げる一方で、魂の昂りが力を生むのだという考えを自ら肯定し、決意を新たにしたポップの心意気に打たれて敢然と決戦に応じている。
こうした精神はハドラーのそれを如実に反映させたものであり、騎士道精神を強く推すダイの大冒険の世界観の演出に則った人材とも言える。
  

戦歴 Edit

対魔王軍前線基地の港町サババを他の親衛騎団共々襲撃。
【ノヴァ】の放った【マヒャド】をシャハルの鏡で跳ね返し、【メドローア】を準備していたポップを戦慄させる。
【ダイ】達一向が全員揃った所で初めにマァムと対戦。「天馬とて超えるのは不可能」と称する自慢の機動力をフルに活かし、スピード差で優位に戦いを運んでいた。
互いの陣営が再集結し、フォーメーションの変更で今度はクロコダインを相手取るが、【獣王会心撃】で足止めされた後、【獣王激烈掌】を繰り出された事でシャハルの鏡を左腕ごともぎ取られる。
その隙を突かれポップからメドローアを撃ち込まれるが、傷を負うことも厭わない【ブロック】の機転で、ブロックを除くメンバー全員が辛うじて事なきを得た。
この時はハドラーから撤退を命じられたものの、メドローアの威力を目の当たりにしたことでポップを自らの好敵手と認識、素晴らしい威力と賛辞を贈りつつ、「意地でも弾き返す」と宣言した。
 
バーンパレスでハドラーがアバンの使徒の前へ立ちはだかった時には、特技の相性も良く自ら好敵手と認めたポップと対峙。
互いに読みと戦術に長ける二人は様子を伺うように淡々と牽制し合っていたが、一撃必殺の呪文攻撃を持つポップに呪文を跳ね返す装備を持つシグマが当たる戦いは、次第にメドローア直撃とその反射を競り合う頭脳戦となっていく。
シャハルの鏡によるメドローア反射を警戒したポップは、まず自在に変形する魔法の杖【ブラックロッド】でシグマの胸からシャハルの鏡を引き抜き、更にロッドの変形機能で動きを捕らえる作戦でメドローアの必中を狙う。
拘束に成功し、貰ったとばかりにメドローアの発射体勢に移るポップだったが、ロッドに挟まれた右手首はシグマの切り札「ライトニングバスター」の発射口として着脱可能だった為、シグマは右手首を外して高速移動でポップに接近。胸元にライトニングバスターを撃ち込む強烈なカウンターをお見舞いした。
直後にシグマは、捕らえられたのが左手首であったならば、脱出できずにそのままメドローアの直撃を受けていたと語っている。
互いに頭脳戦を得意とする者同士であったが、この時ばかりはシグマに運があったと言えよう。
 
体の中心にライトニングバスターを直撃させ、骨が砕ける音を聞いて好敵手の死を確信したシグマだったが、直後にポップは【ベホマ】で全快して立ち上がる。
魔法使いであるはずの彼が回復呪文を扱うのを見てシグマが驚き、賢者だったのかと問うのに対して、ポップは凄味たっぷりに「大魔道士だ」と返し、シグマは改めて闘志を滾らせた。
 
仕切り直して再び激突する両者は、メドローアの発射のチャンスを伺うポップに対し、
スピードでかき回しつつ改めてライトニングバスターをお見舞いしようとするシグマという、互いの切り札の狙い合いにもつれ込む。
さらにポップは遠ざけられたシャハルの鏡まで利用し、反射まで計算に入れた軌道でメドローアを放つ。
しかしシグマはそれさえ見越してひらりとメドローアをかわすとポップを捕え、逆に反射された呪文の光弾にポップを蹴り飛ばしてぶち当てた。
 
直撃を確認し、ちょうどその時戦いの場へ駆けつけたマァムに、「…仲間か!一足遅かったな!今彼は燃えつきる…!!」と勝利を宣告するも、何故かポップは”対象を消滅させる呪文”の光弾を受け燃え上がったにも関わらず消滅していなかった。
ポップはダメージを負いながらも改めて化かし合いの勝者は自分だと宣言。想定外の事態に虚を突かれたシグマは、ポップが新たに放ったメドローアを避けられず、胴体もろともコアを消滅させられバラバラになってしまう。
 
コアを失い力尽きる寸前のシグマにポップが明かしたのは、「偽のメドローア」を利用した作戦だった。
シャハルの鏡を引き剥がしたとしても、シグマの高い判断力と凄まじい機動力は健在であり、少々の裏をかいた所で命中させるのは難しい。
そこでポップは、魔法力を調節して見た目と構えをメドローアに似せた【ベギラマ】をシャハルの鏡に向けて撃ち、その反射攻撃さえ読まれ利用されることまで見越した二段構えの撹乱を仕掛けていた。
漫画の読者を含め、メドローアの詳細な効果を知る者なら、冷静に見れば、当たったポップの体が燃え上がるという状況に違和感を覚えただろう。しかし、メドローアはポップの師匠【マトリフ】が独自に編み出した呪文であり、独特の構えや光弾の見た目はともかく、当たったものを「一瞬で」消滅させるその必殺の効果は、使い手とそれを目の当たりにした者にしか解らない。
唯一シグマがメドローアを目撃する機会があったのはサババでの戦いだが、このときは騎団メンバー全員を直撃しかけたメドローアに対し、とっさに巨漢のブロックが地面に皆を押し込むという荒業で全滅の危機を凌いでいたため、彼はメドローアの破壊力は知っていても、具体的な効果を目にしてはいなかった。
これまで自らの力量を誇る発言こそあれど油断を見せることはなかったシグマも、「情報の少なさ」という不利にポップが策に策を重ねて作り出した僅かな隙が命取りとなったのである。
戦いの中でも「幸運の女神」について言葉を交わしていた二人だが、過去の出来事の積み重ねまで利用してみせ、最終的にその微笑みを受けたのはポップであった。
 
戦いには敗れたが死力を尽くした勝負に満足し、改めて好敵手として互いを称え合い、「横っ面をひっぱたくという君の女神にもよろしく」と言い遺して死亡、親衛隊最後の殉職者となる。
最終決戦において、死にゆく自分に代わって行く末を見届けてほしいと、シャハルの鏡をポップに託していたことも明らかになった。
奇しくもシャハルの鏡はバーン戦でポップの秘策の要として使用されることとなり、大役を果たし砕け散った鏡を見たヒムは互いに好敵手を見出だした仲間として「自分たちが認めた相手はやっぱり本物だった」と漏らす。
死した好敵手の遺品が土壇場で相手の必殺技を破るという展開は、ポップの師匠アバンとシグマの王ハドラーの顛末とも共通しているか。