【ブラックロッド】

Last-modified: 2020-01-25 (土) 06:38:15

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する武器で、魔界の名工【ロン・ベルク】【ポップ】の為に作った杖。
普段は片手で扱える約30cmの長さで、両端は小さな二股の刃状。刃の根元部分には小さな青い宝玉が嵌め込まれている。
「ブラック」という名前の割に黒いのは持ち手となる杖部分だけで、刃状の部分は銀色で表現されることが多い。
 
劇中では、ポップが【アバンのしるし】を光らせる事が出来ず苦悩している所へ、気遣いついでに恋愛相談に訪れた【マァム】から説明書と共に渡された。しかし気の立っていた彼はマァムの相談を撥ね付け、自らのやるせなさを爆発させると同時に八つ当たりでこれを岩に投げつけたところ、岩をも砕く威力を発揮したことで、ロンを含めた皆が自分を信じてくれている事を実感したポップは新たに決意を固めた。
 
杖だが呪文の補助には使えず、装備者の魔法力を打撃力に変換する機能を持つ、本編シリーズの【りりょくのつえ】に連なる魔法使い用の格闘武器で、前述のように岩をも砕く破壊力を発揮する。
魔法力を変換した光の刃を生み出して斬り付けることもできるなど、基本的にかつてロンが【バーン】に献上した【光魔の杖】と同じ設計思想の武器だが、後発品らしいさまざまな改善が加えられている。
光魔の杖にあった「魔法力を無尽蔵に吸収」という、破壊力は出るが純粋な魔法使いにとっては扱いづらく魔力切れのリスクとなる機能は無くなっている。
魔力を吸収するため術者の腕に絡み付く大仰な鎖も無くなっており、杖に触れるだけで魔法力を注入できる。
それでも燃費も向上したのか、無意識で込められた程度の僅かな魔法力で岩を粉砕したり、【オリハルコン】の体を持つ【シグマ】にも有効打を与えるほどの威力を生み出している。
 
それ以上に大きな光魔の杖との違いは、ポップの意思で自由自在に形を変える機能を持つ事。【如意棒】の如く伸ばしたり、先端の刃を伸ばして二股の槍状に変形させ敵を拘束するなど、様々な応用が利く。敵を直接打撃する場合、杖というよりに近い長さに変形させる事も多い。初の実戦投入となった【バーンパレス】におけるシグマ戦では、ロッドを伸ばしシグマの持つ伝説の盾【シャハルの鏡】を胸から引き抜き、追撃を食らわせて回収を阻止。非力なポップがこの杖で突いたり薙ぎ払ったりするだけで数十mも吹き飛ばす威力を見せた。
更に先端を二股に分けたロッドを投げつけ、右手首を壁に捕らえて動きを封じている。そのまま【メドローア】で勝負を決めようとするもシグマの右手首は着脱可能だった為、脱出されて手痛い反撃を受けてしまう。しかしシグマ自身が「逆の手だったら着脱出来ないので危なかった」と言うほどに、破壊力だけに留まらない杖の機能で追い詰め、その使いこなしぶりを賞賛までされている。
 
また【ミストバーン】の足止めを買って出た際には【ビュートデストリンガー】からダイを庇い、【闘魔滅砕陣】が来れば棒高跳びの要領でマァムと共に回避、更にそこから連係プレイに繋げていった。
 
真・大魔王バーンとの戦いでは渾身の魔力を込めて光の刃を展開して爆発呪文と同時に使用、【天地魔闘の構え】【カラミティエンド】に砕かれてしまったものの、計算通り奥義を打ち破る為の一手となり役目を終えた。
ロンが制作した武具には基本的に自己修復機能が付いているので、砕かれたとはいえ粉々になったわけではないブラックロッドも時が経てば元通りになっていた可能性はあるが、劇中では特に描写がない。
 
このように、直接の破壊力と応用力を併せ持つ非常に強力な武器だが、ポップは乱用を控え、ここ一番の場面で効果的に使用していた。
如何に燃費が良くなろうとも操作には魔法力を消費する事に加え、本来は接近戦が不得意なポップだけに、武器自体を警戒され対策されないようにという考えがあったと思われる。魔力とともに、使い時を見極める知略も問われる魔法使いらしい扱い方であり、莫大な魔力に任せて光魔の杖を振るい捩じ伏せるバーンとは対照的である。
 
武器としては素晴らしい性能を発揮しているが、製作の面で見ると最終決戦直前で他と一緒に短期間で作られており、ロンからすればそこまで製作困難な武器では無いようだ。
兄弟武器と言える光魔の杖も大した武器ではないとロンは称しており、そんな武器を「最高傑作」と評価したバーンの鑑定眼に失望したロンの心情も理解できるというもの。
二振りの杖が直接ぶつかり合う場面は無かったが、「光魔」と「ブラック≒闇」という対比のようなネーミング、魔力さえあれば莫大な力と防御壁を生み出しての力押しが可能な光魔の杖に対して、ブラックロッドでは魔力吸収を抑えて変形による応用力を追加しているなど、バーンへのアンチテーゼを意識して作られたのではないかという考察もある。
 
使い手が戦術と発想に長けるポップであったからこそ、少しの魔力で力を発揮し応用も利くブラックロッドを効果的に扱え、莫大な魔力を誇るバーンだからこそ、魔力が多ければ多いほどその力を青天井に高める光魔の杖を使いこなせたとも言える。
仮に使い手が逆だったなら、魔力を際限なく吸い上げる光魔の杖は切り札となる呪文を持つポップの魔法力を目減りさせる本末転倒な機能となるし、ポップは戦闘能力も魔力もバーンに劣るため出力に任せた戦いは出来ない。
バーンがブラックロッドを使っても燃費の良さはあまり意味が無く、せいぜい槍のように長くして振り回す程度で、絡め手の得意なブラックロッドの長所は活かされないだろう。
作劇にまで目を向ければ、大魔王が小振りな杖を片手に持っても迫力に欠けるという欠点もあると言えるか。武器は使い手を選ぶいい例といえる。
 
因みに集英社刊「ダイの大冒険 PERFECT BOOK」によると、この武器の攻撃力は+60となっている。
岩を砕いたりシグマを吹き飛ばした作中の大威力とは裏腹に、数値で見ると理力の杖(ゲームシステム上で+55)と大差が無いのだ。
もっとも、逆に言えばシグマの胴体に攻撃を直撃させても吹き飛ぶだけで傷はついていない。ダイやヒュンケルの攻撃が、あるいは光魔の杖による攻撃が同じように直撃すれば致命傷を与えるだろうから、純粋なダメージとしての威力はそんなものかもしれない。
実際に、威力の高さに物を言わせるより絡め手で効果的に使用されるシーンが多い武器ではあった。
破壊力の増減については、劇中で「光魔の杖と同じ」とも言われているが、文字通り魔力を注いだだけ無限に威力が上がるのか、専用武器としてポップの魔法力に合わせた高いリミッターがあるのかは明確になっていない。
どちらにせよブラックロッドは注ぐ魔法力と攻撃力を任意に変えられるので、さほど突飛でもない+60とは、ポップが威力と消費をバランス良く扱った時の数値なのかもしれない。
 
星ドラにも登場しているが、素の攻撃力では光魔の杖の方がだいぶ上、魔力ではブラックロッドの方が上がるという設定になっている。