【フェンブレン】

Last-modified: 2021-01-23 (土) 12:27:58

ハドラー親衛騎団
【ヒム】【アルビナス】―【フェンブレン】―【シグマ】【ブロック】

概要

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【オリハルコン】製のチェスの駒から生み出された金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の一人。 名前の由来は不明だが、紋章や図柄を意味するエンブレム(EMBLEM)辺りだろうか。
奇襲が得意な僧正の駒らしい神出鬼没の戦闘力で、自らを狩人と称する。
 
僧正(ビショップ)の駒より生み出され、全身の8割以上がオリハルコン製の鋭い刃で構成されている。その刃は攻撃してきた並の武器を逆に切断し、【ヒム】のオリハルコンの左腕すら容易く切り裂ける程。
 
また親衛騎団メンバーは生まれつき何らかの攻撃呪文の力を宿しているが、フェンブレンは【バギ系】を極めており、とにかく相手を切り裂く攻撃手段が豊富。
巨大な刃となっている両腕はドリルのように回転し、さらに全身も回転させる事で地中や水中さえ高速で突き進む事が可能となる。この全身を武器に繰り出す錐揉み回転体当たりは【ツインソードピニング】という必殺技でもあり、その機動力は手負いの状態ですら【バラン】への奇襲に成功したほど。
補助的な能力として、生命体やオリハルコンの居場所を感じ取る探知機のような感覚も持っている。視界の通らない地中や水中を利用するフェンブレンには好都合な能力であり、目を負傷したあとも普通に戦闘可能だったのはこの力のおかげのようだ。
 
本作の僧正の駒は三日月の型をしており、それをベースとした体はかなり特徴的。
頭部はロボットのようなデザインで、口や目が動かないため外見から喜怒哀楽を伺うことは出来ない。だが同じく表情の読めない【ブロック】と違い、良くも悪くも感情豊かなキャラクターである。
また、他の騎団メンバーが割と若々しいキャラ付けの中、フェンブレンの一人称は老人のような「ワシ」。
場面によっては非道な手もためらわずに使う点や、奇襲が得意な僧正の駒、ビショップという位の高い老聖職者から来る老獪なイメージを強めているが、激昂すると「オレ」に変わるため、意識的に使っているようだ。

人物

創造者の精神を反映する禁呪法生命生命体の性質から、魔軍司令時代のハドラーを思わせる残酷な性格の持ち主である。
親衛騎団を生み出した時のハドラーは武人としての精神を強めていたが、フェンブレンにはその心に僅かに残っていた負の部分が強く受け継がれてしまったらしく、当のハドラーもフェンブレンにかつての虚栄や功名心を垣間見る所があった。
 
フェンブレン自身、他メンバーとは趣向が異なる事を意識しており、「他の連中は騎士道精神溢れるやつばかり」「だがワシは違う」「ワシは残酷なのだ」と随所でそれを口に出している。
普段はわざわざ足並みを乱すこともないと他のメンバーに合わせているが、勝利と手柄の為に倫理無用の残虐行為を利用する【フレイザード】とも違い、単に弱者をいたぶる事そのものに悦びを見出す生粋のサディストで、更に非常に執念深い一面もある。
また、予想外の邪魔が入った際に冷静さを失い激高する面もかつてのハドラーと似たところがある。
 
とはいえ、命令無視だろうと無謀だろうと功名心とは無関係に宿敵と定めた相手に挑もうとする姿はまさしく「武人ハドラー」の精神が投影されており、命令に背くことはあってもハドラーへの敬意や騎団の仲間意識は心に留めている。
上の命令や意思を無視した独断専行はリーダーの【アルビナス】も行っているのだが、そもそも武人として目覚めた後のハドラーからして、自分の信念やプライドを曲げる事をよしとせずに【ザボエラ】を投獄したり、果ては【バーン】に叛逆までしている。
見方を変えれば私利私欲で立場や大局を顧みない常習犯であり、その点では嗜好や意地を優先する性格ですら「ハドラーらしさ」の反映となっている。
 
残虐ではあっても卑怯者ではない辺りは、かつてのハドラーも持っていたプライドの高い悪党という一面であり、ボロボロに切り刻まれ死の間際に追い込まれても部下を守らんと体を張る【チウ】を「立派だよおまえは」と評したり、命令に背きダイ親子に立ちふさがった際は内心仲間に謝罪して親衛騎団の腕章を捨てる等、歪んだ嗜好こそ持ちつつ性根はまともである。
この手の悪役にありがちな相手をただ見下すような素振りもなくその実力を確かに見極め、自身より格上と冷静に見定めた上で策を練り勝負に挑むなど、確固たる騎士道精神とまでは言えないまでも、他のメンバーが備え持つ崇高な精神の一面もしっかりと持ち合わせている。
 
親衛騎団の中でもダークな側面が目立つキャラであるせいか、彼が散った後のハドラーの反応も、捨て去ったはずの自らの功名心や虚栄心を振り返るなどやや否定的に評されている。
しかし、ダイとの最終決戦で生命の剣を用い最後の技を繰り出そうとする際には「最後の最後でオレは部下に恵まれた」と語って回想し、ちゃんとフェンブレンもその中に含まれていた。
また、他のメンバーも彼が独断専行した後も仲間と認めている。

戦歴

対魔王軍前線基地の港町【サババ】で他の親衛騎団共々襲撃してきた時、ダイ達一行と戦闘。
他のメンバーがそれぞれ押され気味で戸惑う【ポップ】の前に土中から現れ、彼と対戦。咄嗟にポップが振り回した新品の杖がスッパリと切断され、ポップを恐怖に陥れた。
その後ポップお得意の一点集束した【ギラ】を受けるが、オリハルコンの体を持つ彼には通じずじわじわと攻撃を仕掛け追い詰めていく。
ヒムがダイに対して超熱拳(ヒートナックル)を繰り出そうとするのを見て、自分もポップにとどめを刺そうとするが、【ノヴァ】の闘気を込めた投げナイフの援護によって足止めされる。
体勢を整え直すべく一時集結した際にヒュンケルの【虚空閃】で負傷し動かなくなったヒムの左腕を切り落としてみせた。
フォーメーションの変更で再度他のメンバーと共に襲いかかるが、その時はあまり大した活躍は見せなかった。
なお、この時点でも自身に対して決定打を持たない(と思っていた)ポップをじわじわと追い詰めるなど、台詞の端々からその嗜虐癖が伺える。また一対一のこの状況で速やかに倒さなかったせいで、パーティー全滅の危機を間接的に招いている。
 
それからハドラーの命令で一時撤退後、彼はナイフを数本腕に浅く受けた程度のほぼ無傷だったので、死の大地にネズミ(チウ)が彷徨いている事を察知していたハドラーに一人スパイ狩りを命じられた。
チウが仲間の働きで死の大地の近海底にあるバーンパレスの門を発見した為、その口封じに襲いかかった。単機行動だったため、彼は内に秘められた残虐性を露わにし、仲間を必死に守ろうとするチウをいたぶり続けたが、チウを助けるべく繰り出された【ゴメちゃん】の決死の体当たりにより顔面をひしゃげさせられて逆上。
ゴメちゃんを守ろうとする獣王遊撃隊を斬り飛ばし、それでもしつこく庇い続けるチウごと纏めて刺し貫こうとしたその刹那、突如現れた竜騎将バランの不意討ちにより逆に顔を刺し貫かれて両目を失い、屈辱と復讐心を露にバーンパレスへと撤退した。
 
その後ハドラーから他の親衛騎団ともども再び死の大地の守護を命じられるが、バランへの復讐を果たすべく命令に背き、仲間たちには心の中で密かに詫びながらも親衛騎団の腕章をかなぐり捨てて単身魔宮の門で待ち伏せ、ダイとバランの前に立ちはだかった。
前回までの傷の内、ほとんどの傷は修復されていたが、眼の傷はそのままであった。
眼の修復も可能であったのだが敢えてそのままにしておくことで、視覚と引き換えにバランへの復讐心を絶えず滾らせるためである。
復讐心に駆られていたが冷静さは失っておらず、バランを自身より格上の存在と認識した上で、最も得意とする奇襲策での一撃撃破を狙う。
不気味に静寂を漂わせた次の瞬間、【バギクロス】で大渦巻を巻き起こしてバランの【真魔剛竜剣】を手元から吹き飛ばし、そのスキを突いて自らの最大の必殺技ツインソードピニングを発動。錐揉み回転で姿を消し、剣が刺さった岩盤から奇襲を仕掛けて一気にバランを貫こうとするが、その凶刃が届く一瞬前にダイがバランを助けるべくアバンストラッシュでフェンブレンを一刀両断。
真っ二つにされた彼は、最期の瞬間、自らより強い者が多く存在する事への憤りの念を抱きながら沈み行き海底で爆散し死亡、同時に地上の仲間の元へ送った彼のエンブレムは砕けて焼け落ち、地上のメンバーはフェンブレンの敗北と死、そしてダイ達とハドラーの戦いの始まりを知ることとなる。かくしてハドラー親衛騎団最初の殉職者となった。
「な、なんでワシより強い奴が世の中にこんなに…いやがるんだ…気に…入らねえ…!!」という最期の念は、いくら力をつけても様々な相手にことごとく返り討ちにされてきたハドラーの心の声とも言えるだろう。
彼を倒す際、ダイは初めて意識せずに剣を抜いており、奇しくもダイの成長を促すきっかけにもなった。

余談

海外版DQ5において、【光の教団】の要人は役職名のようにチェスの駒の名を冠しているが、ビショップのポジションにいるのは【ゲマ】である。
冷酷且つ残虐非道な所は共通しているが、卑怯なマネも平気で行う辺りはゲマの方がより悪党らしいか。
またフェンブレンは非道な性格ではあっても親衛騎団の仲間たちや主君ハドラーとの絆は確かに存在していたのに対し、ゲマは(リメイク版では上司も)のことは単なる道具としか見ていないあたりも異なる。

DQMSL

2020年のダイコラボのクエスト「みんなで冒険 激突!騎士と僧正」で登場。
敵として登場するだけでなく、仲間にする事もできる。