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【ザボエラ】

Last-modified: 2018-01-29 (月) 03:10:54

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】

【クロコダイン】―【ザボエラ】―【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】

ダイの大冒険 Edit

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する敵キャラの一人。
アニメでの声優は龍田直樹。
「キィ~ッヒッヒッヒッ」 と下品な笑い声が特徴の齢890歳の小柄の魔族の老人。
実際に同僚のフレイザードにはジジイ呼ばわりされており、【バダック】には妖怪ジジイとまで言われている。
妖魔司教を自称している。息子に妖魔学士【ザムザ】がいるが、妻などそれ以外の家族構成は不明。
 
魔王軍六大魔団長の一人で【魔術師】【悪魔の目玉】【バルログ】など、呪文が得意な魔法使い系・悪魔系モンスターを中心とする妖魔士団を指揮する妖魔士団長を任されていた。
劇場版では【ベルドーサ】という配下もおり、【ダイ】たちへの刺客として差し向けたこともある。
のちに【バーン】に謀反を起こした【ハドラー】から彼を守った功績により、魔軍司令となった【ミストバーン】直属の部下として魔軍司令補佐の地位を授けられた(もっとも、現状元軍団長がミストバーンとザボエラしか残っていない以上、どちらにせよザボエラは魔王軍のナンバー3であったため、実質的に恩賞無しであるとも言える。)。
 
余談だがザボエラは「妖魔司教」の肩書きを持つ割には、専ら軍司令官および科学者として活動しており、宗教家の側面は見られない。
ただし、神官系が部下にいることから、ハーゴンのようになんらかの邪教を用いて彼らを従えている可能性はある。
肩書きを響きだけでテキトーに決められた可能性も否定はできないが…

ゲーム作品では星ドラのダイ大コラボで登場するが、超魔ゾンビを使った彼の最後の戦いはカットされている。

能力 Edit

妖魔団を率いるだけあって優れた魔法使いであると同時に科学者(マッドサイエンティスト?)としての側面も持つキャラクター。
魔法使いの例にもれず肉弾戦はからっきしだが、強大な魔力と技術力をもって他の軍団長からも一目置かれていた。
しかし、後半にて王国サミットでは「残る強敵」扱いもされないどころか名前すら出ず、
魔王軍ですら妖魔士団ごと忘れ去られるという扱いを受けている。
もっとも、これは後述される性格のせいであり彼自身の実力が低いという意味ではない。
 
呪文の面では、【ベギラマ】【ザラキ】【モシャス】やオリジナル呪文【マホプラウス】を使いこなす。
ザボエラのモシャスは自分ではなく他の対象を強制的に変身させることも可能で部下を身代りに仕立てたこともある。
また、バーンに匹敵するほどの力を得たハドラーを、不意打ちとはいえ魔力の枷で動きを止めるという芸当までやっている。
 
そのほか、体内に数百種類にもおよぶ毒素が流れており、これを体内で自在に調合し爪から注入することで
対象を麻痺させたり、意のままに操ったりすることができるという能力も持つ。
その効力は、地上最強クラスの大魔道士【マトリフ】【キアリー】でも即時全快せず、体力がない者だと即死させてしまう程のもの。
また、自らの毒素を瘴気として放つ技【魔香気】も持っている。
 
科学者としては、自軍の妖魔士団配下のモンスターのパワーと生命力不足の欠点を補うべく発案した【超魔生物学】が主な功績である。
これは魔族の肉体をベースに、獣や悪魔といった他のモンスターの長所となる肉体を移植手術を繰り返し行うことで、圧倒的な力を持つ合成獣を人工的に作り上げるというおぞましくも理に適ったもの。
当初は魔族から超魔生物に変身させることを念頭に置いており、変身、肉体維持に魔力を使う結果呪文が一時的に使えなくなる欠陥があった。
しかし、息子のザムザに行わせていた研究により、魔族と超魔生物の相互変身能力を切り捨てることで呪文の問題を克服できると発見。
その結果、魔族の肉体を捨てる代わりに呪文を扱うことができるようになった超魔生物ハドラーが誕生した。
 
その後はさらに研究を重ね、対超魔生物(ザムザ)戦で猛威を振るった武神流【閃華裂光拳】や、超魔生物改造による生命力の大幅な消費を克服すべく、超魔生物の完成型【超魔ゾンビ】を開発し、ミナカトール攻防戦で使用している。
これは数多のモンスターの死体を合成・凝縮して死肉のパワードスーツを作り、中に乗り込み直接魔力で操るという、自らの手を汚したがらないザボエラの卑劣な理念に大きく裏打ちされたものであった。
また、その直前には、自身の能力で作った毒素を仕込んだ投擲武器【毒牙の鎖】でポップの暗殺を狙ったり、
使い捨てながら一度に何十匹ものモンスターを詰め込める【魔法の筒】の改良版【魔法の球】で超魔ゾンビの材料となるモンスターを召喚しているが、
これらのアイテムもザボエラが自分で開発したものと思われる。
 
ちなみに、ザボエラは超魔ゾンビ発動の際に「前回の課題をすべてクリアして初めて“改良”という…!」と語っている。
これは彼の唯一の建設的な名言であり、科学者としてあるべき姿勢というものを読者に見せている。

性格 Edit

ヘタレでギャグキャラっぽい描写が目立つが、実際には利己心と出世欲の塊のような人物。
自分の息子であるザムザを含め、自分以外はすべて自身が出世するための道具としか見ておらず、利用価値がなければただのゴミとしか思っていない。
ザムザ自身も「自分が死んだとしても父は涙一つ流さない」とわかっていた。
予想通りザボエラは涙どころか悲しんだ様子すら見せず、研究成果を送ったことには感謝して狂喜していた。
また、自分の身に危険がおよぶとモシャスを部下にかけ、身代わり(影武者)にしてさっさと逃げることを平然と行う卑劣漢。
彼をスカウトしたハドラーですら「最も狡猾で残酷な頭脳を持ち、油断も隙もない男」と評している。
つまり奸計を練る頭脳の高さを評されつつも当初から上司からの信頼は無いのである。
 
【ダイ】たちとの戦いにおいては、ダイの育ての親である【ブラス】を捕まえて【クロコダイン】に人質作戦を持ちかけたり、
ハドラーと組んで【魔香気】を使って夜襲をかけ、【ポップ】の思い人【マァム】にモシャスで化け罠に嵌めたりする等々、
老獪ともいえる自ら手を下すことのない、他人の力を利用した卑怯な手段ばかりを用いていた。
さらに(イソップ物語の蝙蝠のように)強者には媚びて取り入る姿勢を見せるが、利用価値が無いとみるや否や掌を返すため、次第に味方から信用を無くしていった。
特にハドラーの離反後、魔軍司令となったミストバーンの前でハドラーを卑下したため彼の逆鱗に触れ、
「カス」だの「人から人へ 自分の成り上がりだけを目あてにうろつくドブネズミ」だのと言われる始末である。
また、【ヒュンケル】【アルビナス】からは当初から「ダニ」呼ばわりされて全く相手にされていなかった。
 
魔王軍での地位喪失を恐れて自ら出陣した際には、必殺のマホプラウスでダイを仕留める一歩手前まで行ったが、ハドラーの意を受けた【ヒム】に妨害され、連れ戻され投獄される。
その際アルビナスは「いずれ彼はハドラー様に災いをもたらします。一刻も早く処刑するべきです」と進言までしている。
もっとも、当のハドラーはかつての【アバン】やダイ達との度重なる戦いを通して魔王から武人へと考えを改めるようになっていたため、
ザボエラに対しても、曲がりなりにも自らを超魔生物に改造してた張本人という意味では確かに恩人にあたり、
当人はまったく気にしていなかろうと先の戦いで息子のザムザを失っていることを汲み取り、魔牢に閉じ込めておくに留めていたわけだが……。
アルビナスの進言は的中し、ザボエラはバーンにトドメを刺すあと一歩のところで動きを封じられる形で災いをもたらしている。

末路 Edit

最終決戦においても自軍が劣勢に陥ると、ミストバーンにその場を任せて、自身は【バーン】の護衛という名目でバーンパレスに逃げ帰ろうとしたが、これまでの経歴が災いして信用は皆無だったため、遂には捨てられるように突き放され孤立してしまう。
この時のミストバーンは去り際に、敵であるはずのノヴァ達に深い敬意の言葉を残して去っていったが、ノヴァ達は一人置き去りにされたザボエラを「味方のくせに尊敬されなかった奴」と思わず同情してしまう。
そしてクロコダインに降伏を持ちかけられるがザボエラは開き直り、切り札として周りにいる瀕死の部下を皆殺しにして、自身の最高傑作たる超魔ゾンビを生み出し、
それに乗り込んで圧倒的な力をもって戦うも、【ロン・ベルク】の渾身の必殺技【星皇十字剣】によって倒されてしまう。
 
さすがの彼も、超魔ゾンビが負けたときの対策までは考えていなかった。辛くも脱出するもその影響で本人は全魔力・アイテムを使い果たして逃げるのが精一杯であり、
すぐに発見されるような場所を這いずって逃げようとしていたが、それを察知していたクロコダインに見つかってしまう。
ハッタリをかけるも歩いて見つかるような場所にいる時点で手札切れとあっさり見破られる。
なおも命乞いを装い彼を騙し、その隙に体内で調合した「相手の意識を奪い意のままに操る毒」で彼を操ろうとしたが、
既にそれを見越して爪先から毒が滲み出ていた様子を見て演技である事を確信したクロコダインは、
【グレイトアックス】の柄を使って両腕を下敷きにして阻止し、計略は失敗。
更にそこへ闘気弾を上から撃ち込まれ本当の命乞いも空しく、絶命するという惨めな最期を迎えた。
このあたりのくだりは特にロトの紋章の【冥王ゴルゴナ】に非常に多く共通するものがある。
 
なお、止めを刺す際に「本当に煮ても焼いても食えぬ奴」と吐き捨てたクロコダインだったが、
友人のバダックには、ザボエラが本来は高い実力を持ちながらも出世欲に目が眩み、他人の力ばかりを利用しているうちに、
いつの間にか下衆になってしまった姿には軽蔑を取り越して、むしろ哀れみすら感じていたこと、
そして自分もダイたちと一番初めに戦っていなかったら同じ様になっていたかもしれないという心情を語っている。
それに対しバダックは、自分の誇る良き友人クロコダインは例え敵のままであったとしても、決してそうはならないと断言した。

凋落の原因 Edit

作中、半分の軍団長がダイ達に寝返っていった魔王軍の中、ザボエラは実は最後まで(忠実であるかどうかは別として)魔王軍に尽くした軍団長である。
科学者としての姿勢も彼の高い実力そのものであり、超魔生物、超魔ゾンビ、魔法の球などの技術力による魔王軍への貢献も大きい。
しかもその後バーンに一時優勢に立ったハドラーを抑えたのも、魔王軍への重要な貢献だっただろう。
 
そして、ザボエラが提案・主導した個々の作戦は、実際には有効な作戦が非常に多い。
 
ブラスを人質にとった作戦も、ダイの親を想う心を上手く利用したものであり、ポップが【マホカトール】を使うという想定不能な事態がなければ成功していたはずだった。
また、クロコダインがポップの命がけの行動に心打たれてためらっていなければ全滅させることもできたはずである。
そんなクロコダインを蘇生液によって死の淵から復活させたのはザボエラなのだが、恩を仇で返される形で人間側に寝返られている。
 
バラン戦後にハドラーとともに行った闇討ちは、弱った敵を狙うという実に合理的な作戦である。
実際ダイのパーティーはポップ以外ザボエラの毒で眠りにつき、ダイ以外地面に大穴が開いても起きてこないほどで、唯一戦えたポップもザボエラが巧みに隙をついて戦闘不能にした。
マトリフが乱入するという想定不能な事態さえなければ、パーティー全滅さえあり得たのである。
 
ハドラー戦後、ザボエラがダイを捜索して倒そうとしたのも、バーン自ら魔王軍最大の障害と認めたダイを倒すこれ以上ない絶好の機会だった。
軍の秩序維持という視点から、作戦に成功しても命令違反を処罰すること自体は一理ある。
しかし、ハドラーの実質的な目的は自分がダイを倒すという悪く言えば自身のエゴでしかない理由で、その後のフォローもなかった。
武人としては一皮むけたハドラーであるが、ザボエラに対する仕打ちはよく考えてみると身勝手としか言えないものであった。
 
ミナカトール防衛戦ではポップを殺そうとして【メルル】に妨害され結果としてポップの覚醒に繋がったが、
作戦自体は最大戦力のミストバーンがロン・ベルクと交戦中で行動不能である中、
ミナカトール妨害の為に唯一守られていなかった術者を狙って殺すというもので、間違いなく最良手の選択をしている。
 
超魔ゾンビで敗れ去ったのは、ロンが超魔ゾンビを倒せる必殺技を持っていたからだが、結果的に彼の両腕を破壊、戦闘不能にしたことは評価されるべきものだったはずだ。
(ロンの両腕が健在のままバーンの下に行けば、ヒュンケルやラーハルトに並ぶ強大な戦力になっていた可能性が高い。)
また、超魔ゾンビが敗れたときのための予備を用意すべきだったのでは…とダメ出ししたらキリがない。
クロコダインが指摘するとおり、彼はピンチになると逃げる思考なので、何かの予備なり逃げる方法なりを用意していた可能性も十分あるが、
ロンという想定外の参入者によって、ルーラ1回分のMPすら使い果たすことになり、その選択肢を削いだとも考えられる。
 
こうして見ると、魔王軍に対して決して小さくない貢献をしているし、敗北も不運、時には味方に足を引っ張られたということによるもので、決してザボエラが無能であることが原因ではなかったと言える。
にも関わらずザボエラばかりが非難され凋落の一途をたどったのは、その出世の方法だった。
 
ザボエラは絶大な魔力の他に智謀を買われていたのだから、各軍団長やハドラーを補佐し智謀を発揮することこそが期待されていたともいえる。
ところが、元来軍団長自体が互いに競い合うことを称賛するバーンの思惑だった事もあって、連携プレイを取ることには慣れていなかったため、ザボエラの智謀は孤立してしまった。
そうして単純な実力では大きく劣るザボエラは、必然的に肩身が狭くなっていく。
その上、幹部の度重なる脱退で責任が重くなった分、逃亡や失敗が許されないリスクまでも抱えることになるのだが、これは、ピンチになるとまず逃げる思考の彼にはあまりにも重過ぎる。
 
そんな「無理」の中で、誰かに取り入るというのは、彼にとっては生き馬の目を抜く大切な手段だったのだろう。
そして、取り入った幹部と信頼関係を保てれば、その頭脳で補い合い見合った働きは出来たかもしれない。

しかしその為には対象をきちんと観察し、その価値観にあった接し方をして信頼関係を築かなければならない(クロコダインや超魔生物になった後のハドラーならばその武人としての誇り、ヒュンケルならば青年が抱く女性への純情、ミストバーンならばバーンに対する絶対の忠誠並びに強い意志と強靭な肉体を持つ者への敬意。)。
ザボエラはその意味で取り入り方があまりに下手だったと言える。
特にハドラーに関しては他の幹部よりも行動を共にした時間が長かったにもかかわらず、彼の「アバンの使徒と自らの手で決着を付けたい」という心情を図り切れずに独断専行に出ている。それも、ハドラーがそれをバーンに願い出ている場面をザボエラは盗み見ているにもかかわらず、である。ハドラーのザボエラへの仕打ちに全く問題がなかったとは言えないが、ザボエラもザボエラで空気を読めていない……
そもそも、ハドラーのパワーアップはザボエラの研究あってのものなのだから、ハドラーの活躍を自らの手柄として主張してもよさそうなものである。ハドラーもザボエラの独断専行に(本人なりの)温情を与えるくらいなので、それくらいは普通に許してくれると思うのだが…
 
その上、彼は智謀を軍団の為に活用するよりも、自らの手柄を立てることを優先していた。
他人を利用したあげく切り捨てるという思考が終始一貫していたため、周囲にバレバレだったのもミソだろう。
確かに彼自身の作戦は合理的で、魔王軍の利益になるものだったが、そこで私利私欲が見え見えでは敵を増やし、いつまた手のひらを返し出すかと思われるだけ。
もともと取り入り方が下手で反感を買いやすいところへ、更に手のひら返しをすると思われれば、誰の信用も失い、せっかくの智謀も生かせなくなるのは火を見るより明らか。
皮肉にも、出世した後の自分の生き方には智謀が働かなかったのだ。
せめて、例え演技であれ魔王軍への忠誠心を表に立てていれば、ミストバーンもザボエラを無碍には扱えなかっただろう。
 
そうして取り入るべき相手を無くし続けた結果、彼の「無理」は、ミナカトール攻防戦にて堰を切ったかのように逆流してきた。
結果、彼は頼るべき味方を全て失い、自身も敗北して追い詰められ、ついには自分に対して疑念しか持っていないクロコダインを利用できると思い込むまでに堕ちてしまった。
頭が悪いと自認するクロコダインだが、彼はあくまでも策略を好まない性格というだけで、とっさの判断力などはかなり優れており、決して馬鹿ではない。おまけにザボエラの手口や性格は既に知り尽くしている。
最初のハッタリに乗ってこない時点で謀略は通用しない相手と気付くべきだった。
上述のように、ザボエラは曲がりなりにも魔王軍時代のクロコダインを助けている。
観念して心の底から命乞いをしていれば、義理堅いクロコダインは命だけは助けてくれたかもしれない。
実際、クロコダインがザボエラを即座に殺さなかったのは、情けをかけるべきか警戒しつつも迷っていたからという可能性は十分にあった。
しかし、前述のように人を見る目がないザボエラはそれもできず、最後のチャンスを自らフイにしてしまった。
溺れる者は藁をも掴むというが、ただ浮かんでいるだけの藁と恐ろしいワニの尻尾の区別も付かずに無防備に掴もうとしたことが命取りになったのである。
 

 
最後に、メタ的な指摘をしておこう。
ダイの大冒険という作品自体正々堂々、真っ向勝負、友情努力勝利の「騎士道精神」を良しとする作品である。
だからこそ今日まで高い評価を維持する名作となったわけだがその反面、「一見騎士道精神に反する卑劣な行いを含むが、トータルで考えると合理的」な戦法を正解とする展開にする事が出来なかったのだ。
そのため、ザボエラが考えた有効な作戦は何とかしてでも葬られなければならなかった。
ザボエラが不運な作戦失敗にたびたび見舞われたのは、こうした騎士道精神推しの作品世界故にかけられた補正であったと言える。
事実、作中ザボエラの戦法や策略に対しては敵味方問わず「卑劣だ」「こんなの間違っている」「愚か」…など悉く否定されてばかりで、
同じ魔王軍内でさえ賛同するキャラがほぼ居なかったというのも、本作がどういう方向性の作品なのかがよく現れている。
ザボエラとて、これらの作戦が成功し続けていれば、取り入りという方法にこだわり続ける必要はなかっただろう。
ある意味では、ザボエラは世界観に合わない考え方ややり方を取った故に葬られた「作品世界の犠牲者」ともいえる。
同時に、ダイの大冒険は優れた実力者、インフレした個人の価値が大き過ぎて、「数が多く集団である事」そのものの価値を描き切れておらず、最終的に「軍団長、あるいは彼等に準じる実力者が無傷ならばどれだけモブのモンスター達兵隊を消費しても国力の消耗に至らない」事がザボエラの作戦を必要以上の美化させている事も忘れてはならない。
もしダイの大冒険がもう少しブラックでアウトローな路線の作品だったなら、ザボエラの戦略は大きな脅威として、「悪の美学」としてクローズアップされていた…かもしれない。これは、同じく作中屈指の卑劣漢で非常に高い実力を備えながら誰一人暗殺できなかった【キルバーン】にも同様の事が言えよう。
尤も、「自らの手で」作戦を実行するキルバーンと異なり、部下も信頼もこき使いつつドブに捨てるスタイルはやはり褒められたものではなく、「美学」の境地に達するかどうかは微妙なところである。先述の周りの評価も「自分以外全て道具」というポリシーに対して言及されている可能性もある。

余談 Edit

上述のとおり、「キィ~ッヒッヒッヒッ」という特徴的な笑い方が有名だが、実は作中で最も笑い方のバリエーションが豊富なキャラでもある。
キヒヒヒやヒッヒッヒッといった基本の笑い方の他にも
キキキ
クククク
クヒヒヒ
グヒェッヒェッヒェッ
ギェッヘッヘッヘッ
ギョヘヘ
ヒョエッヘッヘッ
キョエ~ッヘッヘッヘッ
ギョニャァァァッ
など、下品な笑い方については枚挙に暇がないほど。
自分は安全なところにいて、不利な状況の敵をあざ笑うシーンが多いザボエラの特徴とも言える。
 
ただし中盤以降はザボエラの笑い方のバリエーションも減って、「キィ~ッヒッヒッヒッ」に統一されていった。
また、ザボエラ自身も物語後半以降になるとさすがに肩身が狭くなっていったため、あまりこの笑う事もなくなった。
ちなみに、この笑い方は、ザボエラと【ザムザ】が親子であるという事を示す要素ともなっており、ザムザが人間に化けて、まだ正体を現していないときにも、この笑いを発してほくそ笑んでいた。