【アルビナス】

Last-modified: 2020-08-25 (火) 13:00:21

ハドラー親衛騎団
【ヒム】―【アルビナス】―【フェンブレン】【シグマ】【ブロック】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【超魔生物】と化した【ハドラー】が率いる金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の一人。 女王(クイーン)の駒より生み出された親衛騎団のリーダー格を務める高潔な紅一点。元々は【マキシマム】が率いるチェスの駒を模した【オリハルコン】戦士軍団の一員だったようだ。
チェスにおける最強の駒の名を持つにふさわしく、作中トップレベルの素早さを誇るものの、油断を戒めるためか普段は両手両足をマントのようなもので覆い、団の司令塔に徹する事が多い。頭部は兜を被った人間の女性のような形状になっており、意外と表情豊か。
また、当時リリースされていたドラクエのゲームの中では「悪の女幹部」的なキャラクターがほとんどおらず、非常に珍しい存在だと言える。
 
普段はハドラーの副官、秘書ポジションであり、ハドラーが戦場にいない時は司令塔でもあるため、リーダーとして冷静に振る舞い、指示も的確。ハドラーへの忠誠心も極めて高く、盲信とさえいえる程である。ただし血気盛んな性格の【ヒム】の扱いには苦労しているようだ。
女王の駒特有の高い実力を簡単に披露しない強かさと、強力で高価値なピースとしての驕りも併せ持っている女傑。
 
主君であるハドラーは長命で蘇生も比較的容易な魔族として生まれたのだが、ダイ達との力量差を埋めるため超魔生物へとその身を改造、無理が祟りあまり長くは生きられない身体となってしまった。
その事もあってかアルビナスは、ハドラーの命令を第一として行動する他の団員達とは違い、主の意思に逆らう事になってもハドラーの存命こそを至上のものとする独自の考えを持っており、自らが要注意人物と認識していた【ヒュンケル】【バラン】が決闘しているのを見つけるや好機として先走って始末しようとしたり、ハドラーが【バーン】に反旗を翻した後も、主の意思に背くのは明らかとしながら独断でアバンの使徒を全滅させその功績をもってバーンにハドラーの延命を願い、救って貰おうと考える等、ある種の独善的な考えを持つに至った。
このようにとても忠誠心が高い優秀な親衛騎団のブレインではあるものの、自分の考える最良の為には主の意をも蔑ろにすることすらあり、主君に仕える身としては完璧とは言い難い。
ただし、これらの独断専行は全てハドラーへの忠誠、存命が動機であり、【ザボエラ】のように利己的な目的で独断専行に走ったことは一度もない。
 
また「女王」という駒の性質とリンクしたのか、気分が高揚すると高慢になり高笑いしながら相手を見下す節があるので、【フェンブレン】程でないにせよ、親衛騎団の中では嗜虐性の強さが浮き出た一面も見受けられる。その上戦いに無意味さを感じて敵に和解を申し出たマァムの言葉にも耳を貸さないどころか「虫唾が走る」と一蹴するなど高飛車な部分もある。そういった部分はかつてハドラーが抱いていた精神的な「奢り」の名残であり、また生易しい馴れ合いを嫌う部分も彼の精神を投影されていたが所以なのかも知れない。
 
ハドラーにより作られた身でありながら主に対して情愛めいたものを抱き、儚い想いを常に胸の内に秘めていたようだ。
しかし生みの親の為に身を捧げ、服従し、戦う駒であるという立場に拘り、女性としての一面をマァムから指摘されることもあったが、ハドラーに抱く感情を認めることは最期の時に至るまでついぞ無かった。

能力

普段はマント状の外甲の中に両手両足を収めて本来の力を封印・セーブしているが、それでもヒュンケルの槍の連打を難なくかわすほどの動きとスピードを持つ。ひと度全力で戦う際にはそれを展開し、只でさえ凄まじいスピードと呪文の威力を最大限発揮する。その際のスピードは、おそらくは【シグマ】をもしのぐ、親衛騎団ナンバーワンだろう。
当然手足が自由になる以上、その機動力を生かした格闘戦も行えるようになり、スピードの差から武闘家であるマァムをも一方的に叩きのめした。
しかし他の駒とは異なり本来近接戦を得手にする駒ではないためか、パワー自体はさほど高いわけではないようで、完全に彼女を圧倒してオリハルコンの拳によるすさまじいラッシュを浴びせながらも、結局マァムを倒し切ることはできなかった。
このあたりは、非常に広範囲にわたる移動が可能で高い制圧力を持って柔軟な動きができる反面、単純な攻め手としては他の駒と大差はなく、特殊な動かし方もない、「クイーン」の駒としての特徴を受け継いでいるとも言える。また駒の価値が高い事は取られたとき=大ダメージを受けた後のフォローが難しく、強さに頼って下手に動かすと自滅に繋がる危険性の大きさとして巧みに表現されている。
 
呪文方面では生まれつき【ギラ系】を極めており、外甲を閉じている間は全身から多角的に【ベギラゴン】のエネルギーを散らす【ニードルサウザンド】を繰り出す。外甲を展開し両手が使えるようになれば、放出するエネルギーを片手に一点集中させることが可能になり、さらに強力な【サウザンドボール】が使えるようになる。
さらに口から毒針を放ち、ダメージと毒を与える小技も持ち合わせている。この針の毒はかなり強力で、ヒュンケルですら腕に受けただけで毒の影響で動けなくなった他、ゲームでの【どくばり】と同じく急所を突かれれば即死してしまう程の威力を持つという。さながら【きゅうしょづき】である。

戦歴

対魔王軍前線基地の港町【サババ】で他の親衛騎団共々襲撃してきた時、ヒムとの対戦で意固地に走る【ノヴァ】をニードルサウザンドで撃墜、前座払いをする。
ダイ達一向が全員揃った所で、ヒュンケルと対戦を繰り広げる。その圧倒的なスピードで彼の槍の連打をかわして見せるも、余裕を見せたところにヒュンケルの槍の一閃を頭飾りに受ける。
ダイとの連携でヒムに【虚空閃】を繰り出そうとするヒュンケルに対して咄嗟に毒針を吹いて、ヒュンケルの片腕にダメージを与えヒムの核(コア)への虚空閃の直撃を阻止した。その後【メドローア】【ブロック】を戦闘不能にされ打倒アバンの使徒に昂り続けるヒムを引き止める中、ハドラーの命令を受け一時撤退。
撤退後、他の親衛騎団共々死の大地の守護を命じられるが、ダイの為に捨石になろうと突き進むバランとそれを引き止めようとするヒュンケルの一騎打ちを発見、好機として両者とも纏めて始末しようと独断で画策し横槍を入れるも、とっさに標的を彼女へ切り替えたヒュンケルによって右肩を大きく抉り取られる。
その後の描写では、ダイとバランがハドラーと戦っている最中はポップを相手にしていたことが伺える。
 
ハドラーがバーンパレスでアバンの使徒の前へ立ちはだかった時には、【マァム】と交戦。(本来のアルビナスの標的は「その他大勢」であり、【レオナ】も一遍に拉致し始末する予定だったが【ゴメちゃん】の妨害で失敗した)アルビナスからハドラーの最後の望みを聞かされ、この戦いの無意味さから説得を試みるマァムを「虫唾の走るいい子ちゃん」と一蹴し、マァムのみならずダイを含む他のアバンの使徒全員を自分一人で始末し、その功績でバーンにハドラーの助命を嘆願しよう、命令に反してでもハドラーの命を救おう、という自らの考えを語る。
それでも尚マァムに説得を続けられるがその言葉は最早届かず、決意を新たにしたマァムと決闘にもつれ込む。【魔甲拳】で武装したマァムに体の一部を砕かれ、自らの必殺技を尽く凌ぎ切られるが、持ち前の超速をフルに活かしてヒット・アンド・アウェーを繰り返し、再び優位に戦いを運んでいた。
一度は行き詰まったマァムだが故郷で「チェスの女王の駒は高すぎる機動力が弱点になる」という話をしていたことを思い出し、機転を利かせ敢えて仰向けで待ち構えていた。
アルビナスはマァムを刺し貫こうと突撃したが、突撃する瞬間マァムが魔甲拳の装甲の一部を砕いたことで発生した無数の破片へと高速で突っ込む結果となり、自身のスピードに乗る形で勢いよく飛散した破片の直撃を受けて全身に大ダメージを負う。
仰向けで待ち構えていたのは、他の方向からの攻撃を封じて真上からの攻撃を誘うための罠であり、さすがのアルビナスもその状態から無数の破片を回避するのは不可能と踏んだ上での賭けだったのである。
マァムから自らの敗北を宣言されながらも一矢報いようと突撃するが、先のダメージで速度が半減しており、武神流【猛虎破砕拳】を胸に受けて核(コア)を貫かれ敗北。
自らの敗因としてマァムを雑魚と侮っていた事、作られた生命体である自分と感情を自然に備える人間との差が敗因だったかと自嘲しつつ人間の力を認め、目的が果たせなかった無念を漏らしつつ「ハドラーの最後の勇姿を自分の代わりに見届けて欲しい」とマァムに願い死亡した。
 
終始主(ハドラー)の駒としての立場にこだわり、女としての存在を否定し続けてはいたが、その想いは紛れもなく女としての「愛」そのものであった…。
コンビニコミックス版のおまけページでは実はハドラーもアルビナスに対して特別な感情を持っていたことが判明しており、お互い最後まで知ることはなかったが相思相愛であったといえる。
 
余談だがかつて【ラーハルト】はヒュンケル戦でアルビナスとほぼ同じ負け方をしている。

余談

チェスに女王(クイーン)の駒は一つしかないのを反映してか、後に登場する【マキシマム】配下のオリハルコン駒軍団にはクイーンがいない。
バーンからの下賜という形で敬愛に足る新たな王(キング)ハドラーのもとへ移ったアルビナスはともかく、強力かつ価値の高いクイーンの駒をあっさり取り上げられてしまったキング役のマキシマムの面目は丸潰れである。もともと信頼も重用もされていなかった彼の立場を象徴するような扱いではあるが…。