【アルビナス】

Last-modified: 2022-02-13 (日) 22:10:53

ハドラー親衛騎団
【ヒム】―【アルビナス】―【フェンブレン】【シグマ】【ブロック】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。 声優は田村ゆかり。
【超魔生物】と化した【ハドラー】が率いる金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の一人。 女王(クイーン)の駒より生み出された親衛騎団のリーダー格を務める高潔な紅一点。元々は【マキシマム】が率いるチェスの駒を模した【オリハルコン】戦士軍団の一員だったようだ。
チェスにおける最強の駒の名を持つにふさわしく、作中トップレベルの素早さを誇るものの、油断を戒めるためか普段は両手両足をマントのようなもので覆い、団の司令塔に徹する事が多い。
頭部は華美な兜を被ったようなデザインだが、細面の輪郭やふっくらした唇など女性的な造形になっていて、意外と表情豊か。
マントを展開すると、細身の腕やハイヒール型の足先、胸の膨らみを表現した胴体装甲があらわになり、さらに「悪の女幹部」然とした姿になる。
その立場もデザインも、当時リリースされていたドラクエ作品では非常に珍しい存在だと言える。
 
普段はハドラーの副官、秘書ポジションであり、ハドラーが戦場にいない時は司令塔でもあるため、リーダーとして冷静に振る舞い、指示も的確。ハドラーへの忠誠心も極めて高く、盲信とさえいえる程である。ただし血気盛んな性格の【ヒム】の扱いには苦労しているようだ。
女王の駒特有の高い実力を簡単に披露しない強かさと、強力で高価値なピースとしての驕りも併せ持っている女傑。
 
主君であるハドラーは長命で蘇生も比較的容易な魔族として生まれたのだが、ダイ達との力量差を埋めるため超魔生物へとその身を改造、無理が祟りあまり長くは生きられない身体となってしまった。
その事もあってかアルビナスは、ハドラーの命令を第一として行動する他の団員達とは違い、主の意思に逆らう事になってもハドラーの存命こそを至上のものとする独自の考えを持っており、自らが要注意人物と認識していた【ヒュンケル】【バラン】が決闘しているのを見つけるや好機として先走って不意打ちで始末しようとしたり、ハドラーが【バーン】に反旗を翻した後も、主の意思に背くのは明らかとしながらも、独断でアバンの使徒を全滅させその功績をもってバーンにハドラーの延命を願い救って貰おうと考える等、ある種の独善的な考えを持つに至った。
このようにとても忠誠心が高い優秀な親衛騎団のブレインではあるものの、自分の考える最良の為には主の意をも蔑ろにすることすらあり、主君に仕える身としては完璧とは言い難い。
ただし、これらの独断専行は全てハドラーへの忠誠、存命が動機であり、【ザボエラ】のように利己的な目的で独断専行に走ったことは一度もない。
 
また「女王」という駒の性質とリンクしたのか、気分が高揚すると高慢になり高笑いしながら相手を見下す節があるので、【フェンブレン】程でないにせよ、親衛騎団の中では嗜虐性の強さが浮き出た一面も見受けられる。
また、戦いに無意味さを感じて敵に和解を申し出たマァムの言葉にも耳を貸さないどころか「虫唾が走る」と一蹴するなど高飛車な部分もある。そういった部分はかつてハドラーが抱いていた精神的な「奢り」の名残であり、また生易しい馴れ合いを嫌う部分も彼の精神を投影されていたが所以なのかも知れない。
 
ハドラーにより作られた身でありながら主に対して情愛めいたものを抱き、儚い想いを常に胸の内に秘めていたようだ。
しかし生みの親の為に身を捧げ、服従し、戦う駒であるという立場に拘り、女性としての一面をマァムから指摘されることもあったが、ハドラーに抱く感情を認めることは最期の時に至るまでついぞ無かった。

能力

普段はマント状の外甲の中に両手両足を収めて本来の力を封印・セーブしているが、それでもヒュンケルの槍の連打を難なくかわすほどの動きとスピードを持つ。ひと度全力で戦う際にはそれを展開し、只でさえ凄まじいスピードと呪文の威力を最大限発揮する。その際のスピードは、おそらくは【シグマ】をもしのぐ、親衛騎団ナンバーワンだろう。
手足が自由になる以上、その機動力を生かした格闘戦も行えるようになり、スピードの差から武闘家であるマァムの動きすら見切って躱し、一方的に叩きのめしている。
しかし「クイーン」は本来近接戦を得手にする駒ではないためか、ヒムのような決定打となる一撃のパワーも、シグマやフェンブレンのような武装も持っていない。
オリハルコンの拳と超高速を武器にすさまじいラッシュを浴びせながらも、結局マァムを倒し切ることはできなかった。
このあたりは、非常に広範囲にわたる移動が可能で高い制圧力と柔軟な動きを見せる反面、単純な攻め手としては他の駒と大差はなく、特殊な動かし方もない、「クイーンの駒」としての特徴があらわれているとも言える。また駒の価値が高い事は取られたとき=大ダメージを受けた後のフォローが難しく、強さに頼って下手に動かすと自滅に繋がる危険性の大きさとして巧みに表現されている。
 
呪文方面では生まれつき【ギラ系】を極めており、外甲を閉じている間は全身から多角的に【ベギラゴン】のエネルギーを散らす【ニードルサウザンド】を繰り出す。これも「全方位へ放射状に長距離移動(攻撃)できる」クイーンの駒らしい攻撃である。
外甲を展開し手が使えるようになれば、放出するエネルギーを片手に一点集中させることが可能になり、破壊力を収束した【サウザンドボール】も使えるようになる。
さらに口から毒針を放ち、ダメージと毒を与える小技も持ち合わせている。この針の毒はかなり強力で、ヒュンケルですら腕に受けただけで毒の影響で動けなくなった他、ゲームでの【どくばり】と同じく急所を突かれれば即死してしまう程の威力を持つという。さながら【きゅうしょづき】である。

戦歴

対魔王軍前線基地の港町【サババ】で他の親衛騎団共々襲撃してきた時、ヒムとの対戦で意固地に走る【ノヴァ】をニードルサウザンドで撃墜、前座払いをする。
ダイ一行が全員揃った所で標的をヒュンケルに切り替えている。その圧倒的なスピードで彼の槍の連打をかわして見せるも、余裕を見せた隙を突かれ頭飾にわずかながら一閃を食らった。
態勢を整え仕切り直しとなった後は、ダイとの連携でヒムに【虚空閃】を繰り出そうとするヒュンケルに対して咄嗟に毒針を吹き、腕に突き刺してヒムの核(コア)への直撃を阻止した。その後【メドローア】【ブロック】を戦闘不能にされ打倒アバンの使徒に昂り続けるヒムを引き止める中、ハドラーの命令が下りこの場は撤退している。
撤退後は他の親衛騎団共々死の大地の守護を命じられるが、ダイの為に捨石になろうと突き進むバランとそれを引き止めようとするヒュンケルの一騎打ちを発見。両者を纏めて始末する好機と独断で横槍を入れるも、とっさに【無刀陣】のカウンター先を彼女へ切り替えたヒュンケルによって右肩を大きく抉り取られる。
その後、ダイとバランが【バーンパレス】に向かっていた時には、バランを付け狙って離脱してしまった【フェンブレン】を除いた親衛隊を率いて死の大地でポップらと交戦していた。
 
最終決戦時、ハドラーがバーンパレスでアバンの使徒の前へ立ちはだかった際には「その他大勢」の始末役として【マァム】【レオナ】を拉致しようとしたが、【ゴメちゃん】の妨害でレオナには手を出せず、結果的にマァムと女戦士どうしの一騎討ちを演じることになった。
アルビナスはハドラー最後の望みがダイとの命がけの決闘だと明かし、それなら他の人間と親衛騎団が戦う意味は無いと説得を試みるマァムを「虫唾の走るいい子ちゃん、だから躊躇いなく殺せる」と一蹴。
というのも「マァムのみならずダイを含む他のアバンの使徒全員を自分一人で始末し、その功績でバーンにハドラーの助命を嘆願、ハドラーの望みに反してでもその命を救いたい」という独自の行動目的を持っていたためである。
それでも尚マァムは説得を続けたが言葉は最早届かず、優しさだけでは無力であると決意を新たにしたマァムと決闘にもつれ込む。【魔甲拳】で武装したマァムに体の一部を砕かれ、自らの必殺技を尽く凌ぎ切られるが、熱くなって技に拘泥することなく持ち前の超高速をフルに活かすヒット・アンド・アウェーで削る戦法に切り替えたことで、再び優位に戦いを運んでいた。
追い込まれたマァムは遂に倒れ、アルビナスは容赦なくとどめを刺そうと飛び掛かる。だが、マァムの見せた隙は、かつて故郷で聞いた「チェスの女王の駒は高すぎる機動力が弱点になる」という話を思い出しアルビナスの超スピードを逆手に取ろうとする捨て身の作戦だった。
突撃の瞬間、マァムは魔甲拳の装甲の一部を砕いて無数の破片を飛ばし、そこに高速で突っ込んだアルビナスは「オリハルコンの次に硬い鎧化武器の散弾」を全身に受けて大ダメージを負う。
マァムが倒れ込み無防備な仰向けになったのは、横や後ろに回り込むことを封じ攻撃を真上に絞り混むための罠であり、さすがのアルビナスでも足場のない空中を落下しながら無数の破片を回避するのは不可能と踏んだ賭けだったのである。
マァムから敗北を突き付けられてなお戦闘をやめないアルビナスだったが、先のダメージで速度が半減しており、武神流【猛虎破砕拳】をまともに胸に受けて核(コア)を貫かれる。
マァムを雑魚と侮っていた事、造られた生命体でしかない自分と感情を自然に備える人間との差が敗因だったかと自嘲しつつ人間の持つ力を認めたアルビナスは、目的が果たせなかった無念を打ち明けながら「ハドラーの最期の勇姿を自分の代わりに見届けて欲しい」とマァムに願い死亡した。
 
最期の瞬間まで主の駒としての立場にこだわり、女としての感情を否定し続けてはいたが、その想いは紛れもなくハドラーただ一人に向けて注がれる「愛」であり、分け隔てのない「慈愛」の魂で戦うマァムとは、似ていながらも対照的であった。
コンビニコミックス版のおまけページでは、実はハドラーもアルビナスに対して特別な感情を持っていたことが判明しており、お互い最後まで知ることはなかったが相思相愛であったといえる。
 
マァムに伝わっていたかは定かでないが、超高速で一方的に追い込んだ側が逆に攻撃方向を限定されカウンターに沈む流れは、かつて【ラーハルト】がヒュンケルに負けたのとほぼ同じ形だったりする。
また、「必殺技に拘らず素早さで敵を圧倒してリスクを抑え込んで嬲り殺しにする」方法についても、後にヒムが必殺技に拘りぬいて敗れて尚「そんな方法で勝つぐらいなら死んだ方がマシ」としている。
この辺りは、戦士として誇りある戦いに拘るヒムと、例えどんな方法を使ったとしても主を守る目的に拘るアルビナスの矜持の差か。

余談

チェスに女王(クイーン)の駒は一つしかないのを反映して、後に登場する【マキシマム】配下のオリハルコン駒軍団にはクイーンがいない。
バーンからの下賜という形で敬愛に足る新たな王(キング)ハドラーのもとへ移ったアルビナスはともかく、強力かつ価値の高いクイーンの駒をあっさり取り上げられてしまった本来のキング役のマキシマムの面目は丸潰れである。もともと信頼も重用もされていなかった彼の立場を象徴するような扱いではあるが…。

クロスブレイド

第6弾で、他の親衛騎団メンバーとともに【ドラゴンレア】として登場。
必殺技は「ニードルサウザンド」。