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【マキシマム】

Last-modified: 2019-07-18 (木) 19:26:56

概要 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。名前の由来は英語で「最大」「極限」といった言葉を意味する【maximum】からだろう。
全ての駒を統括する王らしいネーミングである。
 
【キルバーン】のように大魔王バーン直属の部下であり、一応幹部クラスにあたる。
自称「バーン様に本当の信頼を寄せられている【バーンパレス】最大最強の守護神」。
外見は城兵をもしのぐ巨体でトランプのキングに似ており、恰幅のいい体格に口髭を生やした壮年の男性のような姿をしている。
一人称は「我輩」、年齢は345歳。
 
かつてバーンが【ハドラー】に褒美として一部を下賜した【オリハルコン】製のチェスセット、その内の王(キング)の駒が彼である。
種族は【生きている駒】(リビングピース)という本作オリジナルのモンスターであり、【ヒム】【アルビナス】のような【ハドラー親衛騎団】の面々とは似て非なる存在。
オリハルコン製のボディを持つ金属生命体である点は共通だが、その成り立ちが違うのだ。
親衛騎団の面々は、もともと無生物だった駒に対して【禁呪法】を用いて擬似生命を与えて造られた存在なので、【マトリフ】が「無生物に生命を与える禁呪法ってのは、術者の精神状態がモロに反映される」と言及した通り、彼ら各々に命を吹き込んだ当時のハドラーの性分を反映している。
 
一方マキシマムは「もともと"生きている駒"という生命体である(=無生物ではない)」ため禁呪法とは全く関係がなく、その性格も独自のものというわけだ。
ちなみに他のオリハルコン戦士同様巨大な駒の形態を取れるはずなのだが、作中でマキシマム自身がその形態となった場面はない。
 
チェスの司令塔として他全ての駒を統括する能力を持つ。
彼が現在率いているのはハドラーに与えられた5つの駒を除いた、騎士(ナイト)、城兵(ルック)、僧正(ビショップ)各1体ずつ、兵士(ポーン)7体の計10体。
元々マキシマムの軍団の一員だったと思われるハドラー親衛騎団達と容姿は全く同じだが、生命を吹き込まれた際に強力な呪文の能力を得た彼らと違って呪文の素養はなく、動作も単調で能力自体もさほど高くはない様子。
何より自我がないので自力で判断して行動する事は一切できず、正真正銘マキシマムの操り人形の駒。
というわけで、マキシマムが命令しない限りはたとえ彼が窮地に陥ったとしても全く動かず棒立ちのまま。
作中ヒュンケルが言及したように駒が勝手に動いたりしないチェスのゲーム性を反映した設定と言える。
 
チェスの司令塔である王の駒の特性が反映されているため、彼自身城兵をしのぐ巨体と豪腕の持ち主ではあるが、化け物じみて戦闘力の高い人物が多い魔王軍幹部たちに比べればさほど高くない。
その代わり、頭には【あくまのめだま】から収集・蓄積された過去の魔王軍の戦闘データが蓄えられており、これにアクセスして戦術を練り自身の駒を操る能力と、相手のHP・MPの状態を数値化する【キングスキャン】、そして内部(体内等)の状態を読み取る【スーパースキャン】という二つのスキャン能力を併用し、相手にあわせて戦闘スタイルを変化させて確実に勝ちに行く戦略家。
 
しかし自慢の頭脳に蓄積されているデータに基づき立てる戦略に頼り切っている節があり、自分の立てた戦略の想定を超える事態に対しては対処できない様子。
実際【ラーハルト】の動きを知っていながら全く対応できなかった時は、彼から「ただ知っているだけで勝てるなら世話はない」と指摘されていた。
とはいえ追い詰められた状況下でも過去のデータを洗い直して作戦を変える冷静さは持っており、【ボラホーン】との戦いのときの記録から【ヒュンケル】が仲間を見捨てられない性格であることを突き止め、さらに彼がヒムのことを仲間であると思っているということも見抜き、即座に人質作戦をとって形勢逆転に成功するなど、まったくの無能というわけではない。
 
……が、マキシマムの本質と最終目的は『敵の撃破』ではなく『自尊心を満たす勝利』に向いており、ミストバーンの助勢を遅らせて焦らそうとしたり、敵を目前に呑気に講釈を垂れたりという悪癖がそれを物語っている。
それゆえなのか、自分の力量ではどうやっても勝てない相手に対して「勝てないという分析結果」をどうしても出せないようだ。

性格 Edit

「…吾輩の辞書に敗北という文字はない…!!!」
「一度 出撃した我が軍団が 敵を全滅しなかった事は 全くない!!
 戦えば勝つ!!それが 我が軍のポリシーなのだッ!!!」

このように絶対勝利を常としているような発言をしてはいるものの、実際の戦術はというと「バーンパレスに侵入してきた敵のうち戦いで消耗しきっていたり弱っている者を狙って狩る」という、味方の手柄を横取りするような姑息なもの。
要するに、敵にトドメを刺せる時にだけ出陣するこいつが「戦えば勝つ」のも当然なのだ。
ただ自軍の被害を最小に止めるというのはむしろ戦術の基本でこの上なく合理的であり、手段を選ばず味方(というか自分)の損害を抑えて勝ちに行く非情作戦として捉えれば一理はある。
マキシマムの任務はバーンパレスの防衛であり、連戦で消耗して弱ったところを見定め、回復の隙を与えず追撃する作戦は実行しやすく最も効率がいい。
弱っている敵とは抵抗も弱いということであり、回復呪文などで回復される前に片づけてしまえば、確実に敵の戦力はダウンするし、士気を落とすこともできるからだ。
実際のチェスでも弱い駒を囮に強い駒をハメて取るとか、駒を敢えて取らせ敵を誘導して盤を操作するなど、生身の兵士でやれば非情極まりない作戦は多数存在するためそれに由来するのかもしれない。
 
だが、彼の場合は救援に行くのを遅らせて(ミストバーンに)ありがたみを分からせるなどと宣っており、敵の排除という本来の役割より自身の虚栄心を優先しているのが明白。
当然その上でトドメだけかっさらうつもりであろうことは想像に難くない。もはやポリシーを語るのもおこがましい、正真正銘の卑劣漢であった。
 
ヒムはそんな彼の事を盗賊やハイエナと同じと例え、ヒュンケルは「…おまえはクズだ!!生かしておく値打ちもないっ…!!!」と罵倒。味方のはずの【ミストバーン】からも「掃除屋」と普段から軽蔑される始末……。
とはいえ卑怯戦術を多用する【キルバーン】とはウマが合ったミストバーンのこと、例え掃除屋としての仕事であってもきちんと仕事をこなしていればマキシマムにも一定の評価をしていたと思われる。
軽蔑の原因がこうした仕事よりも自身の虚栄心を優先する低俗な性格にあることは想像に難くない。
 
「バーン様に本当の信頼を寄せられている」等と豪語したマキシマムだが、そのバーンは本来なら地上侵略に特に必要のない【大魔王六軍団】という世界規模の組織を半ば余興代わりに結成するような次元の器であり、余命幾ばくもないハドラーに駒を5つも渡してしまう辺り、実際の所はいても害にはならないのでとりあえず使っていたに過ぎないのだろう。

末路 Edit

【ミナカトール】攻防戦の最中、座して戦いの行方を見守るバーンの背後へ現れて自らの出陣を進言。
死闘で消耗しきったヒュンケルとヒムの前に現れ、ヒュンケルにトドメを刺さんと配下の駒をけしかける。
しかし、兵士集中攻撃の際に先のヒムとの戦いで繰り出した応用版【無刀陣】で1体撃破され、騎士も瞬殺。HP1になったのを見澄まし僧正が奇襲を当て勝利を確信するも何故かHPは減らずこれも砕かれてしまう。
その後も僧正の刃を利用されて城兵・兵士1体と撃破され、残り兵士5体まで追い詰められ、守勢に入るも自分の背後に回られ懐まで入られて顔を殴打、髭を吹っ飛ばされるなど完全に圧倒される。
追い詰められてヒュンケルの過去のデータを洗い直し、理に叶っていなくとも仲間を見捨てる事が出来ないという弱点を探り出す。
そこに付け込んだマキシマムは重傷を負って動けない状態のヒムを残った兵士に担がせてバーンパレスから落とそうと目論み、それを阻止すべく飛び出したヒュンケルの動きを封じて共々倒そうとする。
 
こうして彼らを絶体絶命の窮地にまで追い詰めたが、ダイを助けるためやって来たラーハルトに頭部へ【鎧の魔槍】を投げつけられる。
過去のデータからかなり素早いという分析を出すもその動きに全く対応出来ず、残った兵士も【ハーケンディストール】の一撃で全滅してしまった。
駒を全て取られたことで詰みを悟るも、震えながらも敗けを認めず体面を繕って逃亡を図るマキシマム。だがラーハルトから「その場を一歩でも動いたら…おまえは終わりだ…!」と死亡宣告を受け、狼狽えつつも余裕を保とうとしたところへヒムから『自らの頭に突き刺された鎧の魔槍を引き抜かれる際に、全身をものすごい速さで斬り刻まれていた』事を聞かされる。
それでもなお深読みのつもりか「心理的トラップというやつだろう!?」と信じず逃亡を試みた結果、宣告通り飛び上がった途端に全身に刻まれた傷口が一斉に開き、間抜け面のまま大爆発。
 
彼の死に様を目の当たりにしたラーハルトは「似合いの末路だ」と言い放ち、ヒムは「正真正銘のバカ」と呟き、自分が“確率8分の1”の幸運でハドラーの部下に生まれたことに心底感謝し、そしてマキシマムの死を察知したミストバーンには「ネズミ狩りと手負い獣の始末の区別もつかずに飛び出す奴が悪い」とその最期を敵味方すべてに酷評される始末。バーンに至っては感想どころか彼について触れることすらなかった。
 
仮に生還できたとして、駒をすべて失うという完敗を喫した彼はどの面下げて自分だけおめおめとバーンの所に戻る気だったのだろう。上記の扱いから処刑などはされずとも、あっさり放逐されて終わりかもしれない… 
自称「最大最強の守護神」、その末路は自身の性分と慢心が招いた、あまりにも無様なものであった。

余談 Edit

マキシマムは戦闘能力的にはほとんど雑魚扱いされているが、チェスにおける王は実はかなり強い駒。
1マスずつとはいえ「全ての方向に自在に動ける能力」を持っており、これは王と女王以外のどの駒も持っていないのだ。「隣接する敵を粉砕する能力」はオリハルコンの豪腕として語られており、HPを減らさず戦っていたヒュンケルも状況的に回避不能となった時には死を覚悟していた。
加えて【キャスリング】という女王にはない緊急回避能力の恩恵を受けられるアドバンテージもある。
ただし、ゲームのチェスが「王が取られる=即時負け」であるように「マキシマムの死亡=軍団の全滅」であり、彼が前衛に出るのはリスクが高く、前述の通り他の駒は彼の指示無しには動かないのでミスを犯した時や予想外の事態に独断でフォローを効かせることが一切出来ない。
したがって彼が「兵士よりも強い剛腕」を持っていてもあまり意味はなく、ミスマッチな部分もあったのだ。