【マキシマム】

Last-modified: 2020-10-21 (水) 12:42:47

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】【ピロロ】―【マキシマム】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】

概要

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクターで、【オリハルコン】でできたボディを持つ人型の金属生命体。
容姿はトランプのキングに似ており、恰幅のいい巨体に口髭を生やした壮年の男性のような姿をしている。一人称は「我輩」、年齢は345歳。
魔王軍での立ち位置は【キルバーン】&ピロロや【ハドラー】と同じバーン直属の幹部。
 
元は大魔王バーンが所有(後にハドラーへの褒美として一部を譲渡)していたチェスセットの駒の一つであり、彼はそのうちの「王(キング)」にあたる。 
そのためチェスの司令塔として他全ての駒を統括する能力を持っており、彼が現在率いているのはハドラーに与えられた5つの駒(【ハドラー親衛騎団】)を除いた、騎士(ナイト)、城兵(ルック)、僧正(ビショップ)各1体ずつ、兵士(ポーン)7体の計10体。
 
元は同じセットのチェス駒なため「オリハルコンのボディを持つ」、「能力がチェスの駒に対応している」、「急所を破壊されると爆散して死亡する」といった点は親衛騎団と同じようなものだが、その命の成り立ちは大きく異なる。
 
親衛騎団の面々は【禁呪法】で生み出された存在なので、【マトリフ】が「無生物に生命を与える禁呪法ってのは、術者の精神状態がモロに反映される」と言及した通り、彼ら各々に命を吹き込んだ当時のハドラーの性分を反映した別々の自我が与えられており、その上でそれぞれが個性を持っている。
対してマキシマムは【生きている駒】(リビングピース)という種族のモンスターで禁呪法とは全く関係のない普通の金属生命体であり、その性格も独自のものである。
親衛騎団のベースでありマキシマムの配下である駒は自我がなく、マキシマムの指示を受けた通りのみに行動するだけの無生物、謂わばマキシマムのオプションのような存在になる。
総じて三者は似て非なる存在と言える。
 
また親衛騎団の面々は固有の奥義や強力な呪文の能力を持っているが、マキシマムの部下は特技や呪文を使うこともなければ動作も単調、能力自体も親衛騎団ほど高くはない様子。
一番の違いは自我がないため自力で判断しての行動ができず、正真正銘マキシマムの操り人形の駒でしかないこと。
したがってマキシマムが命令しない限りはたとえ彼が窮地に陥ったとしても全く動かず棒立ちのまま。
作中ヒュンケルが言及したように、「駒は勝手に動いたりしない」チェスのゲーム性を反映した設定と言える。
 
名前の由来はおそらく、英語で「最大」「極限」といった言葉を意味する【maximum】からだろう。全ての駒を統括する王らしいネーミングである。

戦闘能力

チェスの司令塔である王の駒の特性が反映されているため、彼自身城兵をしのぐ巨体と豪腕の持ち主ではあるが、化け物じみて戦闘力の高い人物が多い魔王軍幹部たちに比べればさほど高くない。
その代わり、頭には【あくまのめだま】から収集・蓄積された過去の魔王軍の戦闘データが蓄えられており、これにアクセスして戦術を練り自身の駒を操る能力と、相手のHP・MPの状態を数値化する【キングスキャン】、そして内部(体内等)の状態を読み取る【スーパースキャン】という二つのスキャン能力を併用し、相手にあわせて戦闘スタイルを変化させて確実に勝ちに行く戦略家。
 
しかし自慢の頭脳に蓄積されているデータに基づき立てる戦略に頼り切っている節があり、自分の立てた戦略の想定を超える事態に対しては対処できない様子。
実際【ラーハルト】の動きを知っていながら全く対応できなかった時は、彼から「ただ知っているだけで勝てるなら世話はない」と指摘されていた。
とはいえ追い詰められた状況下でも過去のデータを洗い直して作戦を変える冷静さは持っており、【ボラホーン】との戦いのときの記録から【ヒュンケル】が仲間を見捨てられない性格であることを突き止め、さらに彼がヒムのことを仲間であると思っているということも見抜き、即座に人質作戦をとって形勢逆転に成功するなど、まったくの無能というわけではない。
問題なのは、自尊心の高さと考えの甘さからこいつが自分の力量ではどうしても勝てない相手に対して「勝てないという分析結果」をどうしても出せない事なのだ……。

性格

「バーン様に本当の信頼を寄せられている【バーンパレス】最大最強の守護神」と自称し、

「…吾輩の辞書に敗北という文字はない…!!!」
「一度 出撃した我が軍団が 敵を全滅しなかった事は 全くない!!
 戦えば勝つ!!それが 我が軍のポリシーなのだッ!!!」

……と絶対勝利を常としているような発言をしてはいるものの、実際の戦術は「バーンパレスに侵入してきた敵のうち戦いで消耗しきっていたり弱っている者を狙って狩る」という、味方の手柄を横取りするような姑息なもの。
要するに、敵に安全にトドメを刺せる時だけを狙って出陣するこいつが「戦えば勝つ」のも当然なのだ。
 
ただ自軍の被害を最小に止めつつ敵に可能な限りの大打撃を与えるのは戦術の基本。
弱った相手を逃さずさっさと始末しておけば確実に敵の戦力はダウンするし、士気を落とすこともできるしで非常に合理的。
というわけで、手段を選ばず味方(というか自分)の損害を抑えて勝ちに行く非情作戦として捉えれば一理はある。
マキシマムの任務はバーンパレスの防衛であり、連戦で消耗して弱ったところを見定め、回復の隙を与えず追撃する作戦は実行しやすく最も効率がいい。
実際のチェスでも弱い駒を囮に強い駒をハメて取るとか、駒を敢えて取らせ敵を誘導して盤を操作するなど、生身の兵士でやれば非情極まりない作戦は多数存在するためそれに由来するのかもしれない。
 
……ただし、「先に他の相手との戦いを切り抜けて(≒マキシマムと同軍の者が敗北・戦死している可能性あり)消耗しているところを叩く」という戦い方が「防衛」と呼べるかというと非常に怪しいところ。
それもダメージを必要最低限に抑えるつもりなら筋が通るのだが、【ミストバーン】への助勢を遅らせて焦らそうとしたり、敵を目前に呑気に講釈を垂れたりとその活動内容は守護者たりえるものではない。
その理由は彼の目的が『敵の撃破』や『自軍の防衛』ではなく『自尊心を満たす勝利』に向いているため。
「城」や「主君」は結果的に守れていても、被害を最小に抑えたり「同軍の仲間」を守る気はマキシマムにはさらさらないのである。
当然その上でトドメだけかっさらって恩を着せるつもりであろうことは想像に難くない。
その実態は冷徹な策士ではなくただの手柄泥棒であり、もはやポリシーを語るのもおこがましい、正真正銘の卑劣漢。
こんなアリサマでは彼の自称する御大層な能書きすら聞いてあきれるだろう。
 
というか実際にいろんなヤツらに呆れられており、まずヒムはそんな彼の事を盗賊やハイエナと同じと例え、ヒュンケルは「…おまえはクズだ!!生かしておく値打ちもないっ…!!!」と罵倒。
味方のはずのミストバーンからも「掃除屋」と普段から軽蔑される始末であった。
 
ミストバーンは力あるものや努力するものを尊敬し、姑息・卑劣な人物を嫌う性格だが、卑劣千万だが一流の仕事人であるキルバーンとは親友関係にある。例え掃除屋としての仕事であってもきちんと仕事をこなしていればマキシマムにも一定の評価をしていたと思われる。
軽蔑の原因が実力の有無よりもこうした仕事より自身の虚栄心を優先する低俗な性格にあることは想像に難くない。
 
「バーン様に本当の信頼を寄せられている」等と豪語したマキシマムだが、余命幾ばくもないハドラーに彼の手駒を5つも
(その中には最強の駒たるクイーンも含まれている)渡してしまうことから見てもバーンがマキシマムを重用していないのは明らか。
バーンは暇潰しじみた余興で【大魔王六軍団】という世界規模の組織を結成し、活動の場を与えるためだけに地上侵攻させるような途方もない次元の器の持ち主であり、いても害にはならないからとりあえず使っていたに過ぎないのだろう。

末路

【ミナカトール】攻防戦の最中、座して戦いの行方を見守るバーンの背後へ現れて自らの出陣を進言。死闘で消耗しきったヒュンケルとヒムの前に現れ、ヒュンケルにトドメを刺さんと配下の駒をけしかける。
 
しかし、兵士集中攻撃を当てるがヒュンケルは倒せず、逆に先のヒムとの戦いで繰り出した応用版【無刀陣】で1体撃破され、続いて騎士も瞬殺。
HP1になったのを見澄まして僧正が奇襲を当て、勝利を確信するも何故かHPは減らずこれも砕かれてしまう。
その後も僧正の刃を利用されて城兵・兵士1体と撃破され、残り兵士5体まで追い詰められる。
 
手駒を減らされたことで守勢に入るも、自分の背後を取られ、そのまま懐まで入られて顔を殴られ、髭を吹っ飛ばされるなど完全に圧倒されるハメに。
しかしヒュンケルの過去のデータを洗い直し、理に叶っていなくとも仲間を見捨てる事が出来ないという弱点を探り出す。
そこに付け込んだマキシマムは重傷を負って動けない状態のヒムを残った兵士に担がせてバーンパレスから落とそうと目論み、それを阻止すべく飛び出したヒュンケルを踏み潰して動きを封じ、共々倒そうとした。
 
こうして彼らを絶体絶命の窮地にまで追い詰めたが、ダイを助けるためやって来たラーハルトに頭部へ【鎧の魔槍】を投げつけられる。
過去のデータからかなり素早いという分析を出すもその動きに全く対応出来ず、残った兵士も【ハーケンディストール】の一撃で全滅してしまった。
 
駒を全て取られたことで詰みを悟るも、「きょ、今日のところはお前たちの勝ちということにしておいてやるわ……」と、震えながらも敗けを認めず体面を繕って逃亡を図るマキシマム。だがラーハルトから「その場を一歩でも動いたら…おまえは終わりだ…!」と死亡宣告を受け、狼狽えつつも余裕を保とうとしたところへヒムから『自らの頭に突き刺された鎧の魔槍を引き抜かれる際に、全身をものすごい速さで斬り刻まれていた』事を指摘される。
それでも深読みのつもりか、はたまた開き直りか「心理的トラップというやつだろう!?」とまったく信じず逃亡を試みた結果、飛び上がった途端に宣告通り全身に刻まれた傷口が一斉に開き、間抜け面のまま大爆発。
 
彼の死に様を目の当たりにしたラーハルトは「似合いの末路だ」とあっさり一蹴、ヒムは「正真正銘のバカだぜ」と呆れ果て、自分が“確率8分の1”の幸運でハドラーの部下に生まれ変われたことに心底感謝し、そしてマキシマムの死を察知したミストバーンには「ネズミ狩りと手負い獣の始末の区別もつかずに飛び出す奴が悪い」と負けて当然と言わんばかりで、その最期を敵味方すべてに酷評される始末。バーンに至っては感想どころか彼について触れることすらなかった。
 
仮に生還できたとして、駒をすべて失うという完敗を喫した彼はどの面下げて自分だけおめおめとバーンの所に戻る気だったのだろう。
自称「最大最強の守護神」、その末路はあまりにも無様なものであった。

余談

マキシマムは戦闘能力的にはほとんど雑魚扱いされているが、チェスにおける王は実はかなり強い駒。
1マスずつとはいえ「全ての方向に自在に動ける能力」を持っており、これは王と女王以外のどの駒も持っていないのだ。「隣接する敵を粉砕する能力」はオリハルコンの豪腕として語られており、HPを減らさず戦っていたヒュンケルも状況的に回避不能となった時には死を覚悟していた。
加えて【キャスリング】という女王にはない緊急回避能力の恩恵を受けられるアドバンテージもある。
ただし、ゲームのチェスが「王が取られる=即時負け」であるように「マキシマムの死亡=軍団の全滅」であり、彼が前衛に出るのはリスクが高く、前述の通り他の駒は彼の指示無しには動かないのでミスを犯した時や予想外の事態に独断でフォローを効かせることが一切出来ない。
したがって彼が「兵士よりも強い剛腕」を持っていてもあまり意味はなく、ミスマッチな部分もあったのだ。