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【ソアラ】

Last-modified: 2019-07-27 (土) 08:09:45

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。アニメでの声優は山崎和佳奈。
【ダイ】(つけた名はディーノ)の母親であり、【アルキード王国】の王女。
アルキードの近くにある奇跡の泉で瀕死の【バラン】と出会いやがて恋に落ちた。
お腹に子供ができた頃にバランが国から追放され、それを追って【テラン】へ駆け落ち、そこで子(ダイ)を産んでいる。
 
だが、その駆け落ちもモンスターに攫われたことにされてしまい、強制的に連れ戻されてしまう。
そしてバランの処刑の際とっさに彼を庇ったことで命を落とした。享年19歳。
この時「人間を恨まず、息子と二人で幸せになってほしい」と遺言を残しているが、アルキード王の暴言に激昂したバランは深く失望。アルキード王国を消滅させた後、魔王軍へ身を投じることになった。
 
故人のため回想シーンしか出てこないが、最終決戦前夜のダイの夢に登場している。
乳児期に別れたため記憶にないダイが夢とはいえ姿を見ることができたのは、紋章を通じてバランの記憶を受け継いだ伏線となっている。
また、ダイに流れる人間の血が、バランにとってソアラの意思と感じている節がある。
 
名前の由来は“ソーラー”。バランの感じた通り、太陽の様な人という意味。
しかしトヨタ自動車に同名の車種があるせいか、『ソアラ』とだけ検索にかけてみるとひっかかるのは自動車関連ばかり。
彼女に関する情報はまず出てこない。

彼女の立場と振る舞いについて Edit

彼女自身はこの上なく善良な人間で、そんな彼女の死を嘆くどころか「恥さらし」と詰ったアルキード王の発言をきっかけにバランが激怒し人間に絶望した、ということ自体は仕方ない。
だが王女だったがために事情がこじれた節があるのも事実。
「瀕死の重傷で倒れていた正体不明の戦士を食客として迎え入れる」→「結婚もしないまま彼の子供を身ごもる」→「アルキード王との争いを避けるために身を引こうとしたバランに子供のことを打ち明け、駆け落ちする」→「自分の命と引き換えに、彼女と息子を守るという取引をしていたバランを庇って命を落とす」
という行動は、一人の女性の行動としては愛に殉じたと言えるが、王女という立場からすると首を傾げてしまう点も多い。
 
王の立場としてみれば、ハドラー率いる魔王軍の地上侵略から数年しか経っていない当時の情勢で、脅威に対して甘い対応はできないだろう。
まして素性不明の人物が王になるかもしれない、となればなおのこと警戒するのは当たり前である。
それまで温厚・誠実だったのに、いざ権力を手にした途端掌を返して悪政の限りを尽くすというのはフィクション・現実問わずよくあること。
家臣たちの進言も外様の者に地位を取られることを嫌ったからと【ラーハルト】は語っているが、それはバラン側の視点であって本当にそうであったかは不明。
野心家ならまだしも本気で国を憂う忠臣がまったく同じことを言ったとして何ら不思議ではない。
進言の内容も、バランの悪意の有無についてはともかく、彼が人間ではないということ自体は正しいし、そうなると魔王軍残党の可能性を考えるのは当然である。
 
ましてその素性不明の者が王女と駆け落ち、挙句には婚前交渉をして秘かに子供を作るなど言語道断、この件に関しては完全に彼女達の非である。
たとえバランが純粋な人間であったとしても厳罰は免れず、せめて愛する人として国王に紹介した上で話を進め、彼女と同じ王位を与えられなければならなかっただろう。
実際、本編でも素性の分からぬ邪悪な者をすんなり受け容れて重用してしまったが故、国宝の剣を奪われ国民を危険に晒した実例があるのだから。
駆け落ち後の回想では「人間どもは、そんな安息の日々すら許さなかった」と完全にアルキード側を悪の如く語っているが、立場や経緯を考えればバランの正体が何であろうと彼らの駆け落ちの上での安穏を許すほうがおかしい。
 
「恥さらし」の痛罵も、国民の前で「魔物」を庇った娘の死に涙し嘆くことは、国の総意として魔物を寛容していると主張しているも同然であり、魔物に苦しむ国民たちに対して王として許されるかという問題が出てきてしまう。
「ソアラは駆け落ちしたのではなく魔物(バラン)に騙されさらわれたことにし、さらった魔物を捕らえて公開処刑する」という流れを見る限り、この公開処刑はすべての責を背負って死ぬ代わりに「ソアラが駆け落ちという形で国を捨てた」という事実を隠し、アルキード王家の面目を保った上で事態を丸く収めるという条件に叶ったものになるはずだった。
しかしソアラが公然とバランを庇って死んでしまったことですべてが台無しになり、「我が国の王女は自分の意思で国を捨て魔物に身心をささげた」と国民の前で証明するような結果となってしまったわけだ。
直後にアルキードは大陸ごと滅ぼされたが、仮にそうでなかったとしても王女が魔に心を売った事で国中が混乱に至ったか、「庇ったソアラはずっとバランに操られていた、狂ってしまった」などと更にソアラを貶めるようなやり方を取らざるを得なかっただろう。
一人の女性として愛に生きようとしたソアラには不本意だったのかもしれないが、アルキード王としては実の娘に軽率な行いをされフォローも潰され挙げ句に死なれるという最悪の裏切り、親不孝も同然だったのだ。
ダイ(ディーノ)に関しても、彼の存在自体が魔と姫が交わった証。まがりなりにも王家の血を引いているため、たとえ本人に王位への興味が無かったとしてもその存在自体が姫の結婚や後継者などに多大な悪影響を引き起こしかねない。
となれば密かに処刑して存在そのものを闇に葬った方が安全なはずだが「魔物の子とはいえ自分の孫である」として国外追放に止め、国家を担う人間としてはむしろ甘いぐらいの温情も見せている。
 
バランを処刑すれば約束を守らせる者もおらず、ソアラにも魔物の子だから等の理由で二度と会わせない口実を作るのは容易なので、交渉の中身など無視して殺しておくこともできたはず。
しかし外国に送る為に船を出し、難破したのはあくまで事故だった以上、約束そのものは律儀に守ろうとしていたのは明確。
バランからしてみれば身勝手な醜い人間に見えたのかもしれないが、アルキード王は反故に出来る約束もきちんと守っているし人として王として逸脱した行いもしておらず、全面的に非があるとは言い難い。
また、上述したものも含めて回想でのラーハルトの語り口調は全体的に彼目線かつバランびいきのものであり、明らかに客観性に欠いている。
 
ソアラが王の説得を試みたのかどうかは不明だが、仮に説得を試みていたとしても上記のような事情からすれば突っぱねられることも大いに考えられるだろう。
ただし、作中では実際に魔王軍の幹部として活動し、つい最近まで侵略行為を働いていた【クロコダイン】(紛れもない魔物)と【ヒュンケル】(純人間だが大魔王のお墨付き)は己のかつての立場と人々に対して犯した罪を告白した結果、ダイ一行は勿論無事人々に受け入れられている。
彼らとは時代も事情も異なるが、素性を明かさないまま魔王軍の残党という濡れ衣を掛けられたバランと、彼に寄り添ったソアラにも、国から逃げる以外の選択肢はあったかもしれない。
 
もしソアラがそういったいざこざとは無縁な普通の村娘などであったなら、あるいは王女という公的な立場を考えた行動をとってこそいれば、祖国が滅びることもバランが魔王軍に付くこともなかったのではないだろうか。
…展開によっては、仮に二人が出会ってもダイが生まれる事も無かったかもしれないが。
 
バランによると竜の騎士の長い歴史の中、普通の女性と深い関係を持つ竜の騎士も少なからずいたが、その戦いに明け暮れる宿命からソアラ同様不幸な最期を遂げた者も多くいたようだ。
しかしその長い歴史の中で子を成した竜の騎士はバランが初めてだったという。
……単純に今までの竜の騎士の運が悪かっただけ、もしくは子供を作るほどの関係まではいかなかったのか、それともバランが歴代竜の騎士に比べてずば抜けて深い関係に進んでしまっただけなのか、その答えはマザードラゴンのみぞ知る。