【ソアラ】

Last-modified: 2022-06-19 (日) 21:25:00

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。旧アニメ版での声優は山崎和佳奈。新アニメでは茅野愛衣(DQ11の【ロミア】【メルトア】、DQ10のイルーシャ、DQRにおける【ローラ姫】役)。
【ダイ】(つけた名はディーノ)の母親であり、【アルキード王国】の王女。
 
アルキードの近くにある【奇跡の泉】で瀕死の【バラン】と出会って助け、やがて恋に落ちた。
バランを王城に迎え入れその仲はさらに深まるが、後にバランは臣下の嫉妬から魔王軍の残党の疑惑を受けて国から追放される。
バランに子供ができたことを告白、二人で【テラン】へ駆け落ち、そこで男の子(ダイ)を産んでいる。
 
だが、その駆け落ちをアルキード王が許すはずもなく、1年後に見つかり、強制的に連れ戻されてしまう。
バランは死刑、ダイは流刑となり彼女は不問となったようだが、バランの処刑の際、処刑の呪文からとっさに彼を庇ったことで命を落とした。享年19。
この時「人間を恨まず、息子と二人で幸せになってほしい」と遺言を残しているが、【アルキード王】の酷薄な暴言に激昂したバランは人間に深く失望しそれを受け入れることは出来なかった。
バランはアルキード王国を消滅させた(このシーンは新アニメ版のプロローグで初めて映像化された)後、息子を探すも見つからず失意の果てに人間を滅ぼすべく魔王軍へ身を投じることになった。
 
故人のため回想シーンしか出てこないが、最終決戦前夜のダイの夢に登場している。
乳児期に別れたため記憶にないダイが夢とはいえ姿を見ることができたのは、紋章を通じてバランの記憶を受け継いだ伏線となっている。
バランにとって、ダイに流れる人間の血がソアラの意思のように感じられてもいるようだ。
 
竜騎衆を招集し【アルゴ岬】へ奇跡の泉を利用しに立ち寄ったバランが「来た理由はそれだけではないがな」と語ったのを聞いたラーハルトは、言葉に出さないまでも『奥方さまのことか』と推測している。
バランが亡きソアラにダイの奪還を誓うシーンもあり、彼女の墓もこの岬にあるのかもしれない。
 
バランによると竜の騎士の長い歴史の中、普通の女性と深い関係を持つ竜の騎士も少なからずいたが、その戦いに明け暮れる宿命に巻き込まれソアラ同様不幸な最期を遂げた者も多くいたようだ。
しかしその長い歴史の中で子を成した竜の騎士はバランが初めてだったという。
もし上手く行けば他の騎士たちでも子供を残せたのかは不明だが、バラン自身は【マザードラゴン】に対面した際に
「人間との間に子供を残せた事、それによってこれまでの騎士とは異なる力を持つダイが生まれたことは、竜の騎士の在り方を変えよという神の意思ではないか」
という旨の思いを語りドラゴンを説得していた。
 
名前の由来は“ソーラー”。バランの感じた通り、太陽の様な人という意味。
しかしトヨタ自動車に同名の車種があるせいか、『ソアラ』とだけ検索にかけてみるとひっかかるのは自動車関連ばかり。
彼女に関する情報はまず出てこない。

彼女の立場と振る舞いについて

彼女自身はこの上なく善良な人間で、そんな彼女の死を嘆くどころか「恥さらし」と詰ったアルキード王の発言をきっかけにバランが激怒し人間に絶望した、ということ自体は仕方ない。
だがソアラの行動を追うと「瀕死の重傷で倒れていた正体不明の戦士を食客として迎え入れる」→「結婚もしないまま彼の子供を身ごもる」→「アルキード王との争いを避けるために身を引こうとしたバランに子供のことを打ち明け、駆け落ちする」というもので、一介の町娘ならともかく、唯一の王位継承権を持つ王女という責任ある立場からすると首を傾げてしまう点も多い。
最期は「自分の命と引き換えに、彼女と息子を守るという取引をしていたバランを庇って命を落とす」という結末を迎え、一人の女性の行動としては愛に殉じたと言えるが、王女という立場だったことで事態をこじらせてしまった節も否めない。
  
少なくとも魔王軍の脅威が去ってそう年月も経たないような時期に「出自経歴の一切が不明の不審な人物が王国の王女と恋仲になり、必然的に将来は国の命運を左右する立場につく」という状況で、追放という結論にいたったことや、その人物が「王女を連れて行方をくらまし、子供まで生ませていた」となれば、重罪に問わない方が難しい。バランの処刑という判断は、一国の王としては暴挙とまでは言えない。
もちろん、そういった妥当な判断ではなく身勝手な考えで追放や処刑を決定した可能性もあるが、そもそも重要なのは王の人格や真意、部下の嫉妬心などではなく、バランとソアラの行動が「王女を連れ去られた国王」や「身元不明の男を父に王族の血を引く子供が産まれていた」と言う構図を作ってしまったことである。
人格や善悪の問題と言うよりは、生まれついた「一国の王族」という立場によって採るべき行動が大きく制限されていた事、そしてその自覚がないままに行動してしまったが故の悲劇と言えよう。
 
また、アルキード王も最初はバランをソアラの恋人として受け入れており、敵対後もバランとの「妻子の命は保証する」という約束を律儀に守り、将来の災厄になりかねない赤子についても「魔物の子とはいえ自分の孫である」として国外追放に止めた点や、ソアラがこれといった処罰を受けていない点から見て、人として一定の恩情を示している点も見逃せない。
なお、その赤子を乗せた船は難破したわけだが、海の魔物に襲われるリスクも低い平和な時期の話であり、おそらくは嵐などの天災によるものと思われる。