【ラグラーズ】

Last-modified: 2022-12-12 (月) 09:45:33

DQ7

DQ7に登場した地名で、国家の一つ。【過去の世界】のみに存在する。
英語版での地名はPS版ではRaguraz、3DS版ではRucker。
 
長年世界にその名を轟かせてきたとされるほどの一大軍事国家で、「剣こそ力」の信念を掲げており、兵士の練度向上に余念がない。
正に「戦士(剣士)の国」といえるが、剣を重視するあまりに魔法の存在をかなり軽視しており、これが後に命取りとなった。
軍事大国だけに【武術大会】も数多く開かれていた。
 
当時の王が支配欲の強い人物で、兵士の練度に裏打ちされた軍事力をバックに隣国の【マーディラス】に戦争を仕掛けた。
ドラクエにおいて一般民国家同士の戦争を仕掛けた国はDQ7当時では希少で、このラグラーズとDQ3の【アリアハン】(アリアハンからロマリアにワープする旅の扉は戦争を理由に封印されたという設定がある)ぐらいだった(DQ4の【ボンモール】は開戦未遂)。
その後はDQ9の【ガナン帝国】、DQ10の【グレン】とガートラント(60年前)、ウルベアとガデリア(3000年前)、オルセコとドランド(1300年前)と例が増えている。
 
主人公が訪れる10年前にマーディラスに戦争を仕掛けたときは勝利し、属国とした。
しかし、2年前にマーディラス王に即位した【ゼッペル】は魔法の研究に力を注いで強兵策を徹底し、魔法大国となったマーディラスに反撃されて敗北したのが1年前。
マーディラスの魔法戦士達は住民に被害を出さなかったのはもちろんのこと、ラグラーズ兵士達もほとんど殺さず、【ラグラーズ王】すらも殺されていない。
ただ、ゼッペルの復讐対象であった兵士長だけは殺害された。
 
城壁等が崩れた無残な姿になっており、復旧作業が進められていた。
しかし世界有数の軍事国家として名を轟かせていたにもかかわらず、属国だった小国マーディラスに完全敗北したために国全体が意気消沈しており、活気を失っている。
兵士は訓練こそ欠かしてはいないものの、武術大会は中止されてしまった。
防具屋、道具屋はあるのだが、武器屋はない。武器の販売が禁じられたのだろうか?
 
マーディラスでの騒動を解決して少し経ってからまた来ると、ラグラーズはある程度活気を取り戻しており、王を含め多くの人は争いの虚しさに目覚め、戦力回復してもマーディラスに報復する気持ちは完全に失せている。
そればかりか、マーディラスとはほぼ完全に近い和解に成功しており、復旧用の資材を融通し合っている。
武術大会も再開されており、次はマーディラスからのゲストを招く案も挙がっているそうだ。
ちなみにゼッペルが魔物化した件が、かなり曲解して伝わっており、「城が壊れたのは、王様がおやつを取られて大暴れした」となってしまった。笑いを誘うゴシップだが、マーディラス側には国辱ものの内容である。
もっとも、真実が広く知れてしまうとラグラーズを再び警戒させて融和に支障をきたしそうでもあり、笑いを誘うゴシップで覆い隠せるならばとマーディラス側も流しているのかも知れないが。
 
【現代の世界】ではマーディラスに吸収・併合され、フィールド上からは姿を消した。
作中の現代マーディラスの兵士長の発言から双方合意による平和的な共存が図られたことが窺え、兵士の数も減ったとのことなので、両国の軍縮も兼ねていたと推察される。
 
訪れることができる場所として登場するのは過去マーディラス編だが、名前は過去【プロビナ】編でも出ている。
【黄金の女神像】を欲して武力恫喝を仕掛けてきている国が正にラグラーズであるという話。
ラグラーズ3世は他人の物をすぐに欲しがり、武力行使も辞さない傲慢な人物であることが村人から語られる。
プロビナ編で姿を見るラグラーズ関係者は出張ってきた兵士だけであり、その兵士も魔物が化けた偽者だったのだが、その辺全く疑われていない辺り「こういうことをやりかねない横暴な国」として軍事国家ラグラーズの名は知れ渡っていたのだろう。
因みに、このプロビナ編で警戒する村人から主人公らがラグラーズの者かと検問を受けるのだが、その際メルビンが「ラグラーズとは何であるか」と発言する。博識なメルビンが世界有数の軍事大国を知らないということは考えにくいため、神と魔王の対決後に建国されたか、もしくは当時は小国(事実ラグラーズ本国は小さな陸地にマーディラスを隣り合わせである)だったが、神との対決後に台頭した国家だったのかもしれない。
余談だが、プロビナとマーディラスの攻略順は自由であるためマーディラスを終えてからプロビナに行くこともできる。しかしその場合でも上記のメルビンのセリフは変わらないため、メルビンが間抜けなおっさんと化してしまう。
 
また、【コスタール】編でも【マール・デ・ドラゴーン】を自国に引き入れようとしていたようで、【シャークアイ】との会話でも寄港地にラグラーズが言及されている。
しかしコスタールの大臣が直々にやって来たことを受け、あっさりとラグラーズ行きの予定を取りやめている。こちらの時系列は不明。
 
主人公が過去に会うラグラーズ王からは、プロビナで語られたような傲慢さは感じられず、敵であったゼッペルに対しても「戦場以外で会いたかった」と評価するかの様なコメントを残している。
さらには事態が解決した後も、人の争いは虚しいものと軍事大国らしからぬしおらしい発言をしている。
この時代のラグラーズ王は傲慢で知れ渡っていた3世とは別人だったのか、敗北したことで改心したのかは定かではない。
 
因みにクリア直前でも封印されている際の城のBGMである【封印されし城のサラバンド】は、この国では永久的に聞き続けることができる。