概要 
DQ3と『ロト紋』シリーズに登場する国家。
また、アニメ【勇者アベル伝説】にも登場している。
(こちらはただ名前が同じなだけで、DQ3のものとは無関係である。)
DQ3 
世界南東部の丸い大陸にある国家。
SFC版【公式ガイドブック】での英語表記、および英語版(全機種共通)での地名表記はAliahan。
実はアリアハン大陸全体がドラクエ3の遊び方のチュートリアルになっているという、優れたゲームデザインがなされている。
DQ3の冒険の【スタート地点】であり、【主人公】とその父【オルテガ】の故郷でもある。
統治者は【アリアハン王】。
かつては世界中すべてを支配していたが、戦争により多数の死者が出たため国は分裂し、現在の領土はこの大陸のみ。
外の世界に旅に出るには、【旅の扉】のある【いざないの洞窟】に行かなくてはならず、しかもその入り口は封印されている。
国は城と城下町が1カ所に収まっているという形で、北部に城、南部に城下町が存在する。
今作では町の中にフィールド上と同様の城シンボルがあって、そこから城内に入るという形態が登場し、このアリアハンをはじめ多くの場所がこの形態となっている。
ゲーム開始直後は主人公の家から始まり、母に連れられてここの王様に旅の許しを貰いに城へ行くことになる。
アリアハン王は、魔王【バラモス】の恐ろしさを知っておきながら、旅立つ勇者に対し50Gとショボい武器防具しかくれない上に、勇者が死んだ際には「不甲斐ない」だの「もう一度機会を与えよう」だのと言い放つ、なかなか(他人には)厳しい人である。
冒険を始めた後は彼が【冒険の書】への記録係となる。
城内には地下牢があり【バコタ】が投獄されている。【とうぞくのかぎ】があれば【ナジミの塔】の地下からそこに抜けることができる。
また【まほうのかぎ】が必要な宝物庫もある。
一方の城下町は施設が充実しているが、【宿屋】に関してはバラモス討伐前は勇者の家でタダで休めるため、使われることはほぼ無い。
施設と言えば、ここにしか存在しない【ルイーダの酒場】と登録所があり、パーティの編成ができる。
プレイヤーによっては、キャラクターメイキングのために長時間ここに張り付くことになる。
ついでに【バシルーラ】で飛ばされたキャラは酒場で待機している。
このほか【預かり所】もここにしかない施設である。
またシリーズ初登場の【井戸】があるほか、東にある民家は夜にしか入れず、今作から登場した【昼と夜】のシステムを学習させる仕掛けになっている。
この国の周辺のモンスターは【スライム】や【おおがらす】などの雑魚しかいないが、
ちょっと遠出しようものなら【いっかくうさぎ】などの1ランク上のモンスターにボコボコにされる可能性がある。
安全に行くならこの国の周辺でレベルを上げておこう。
なお、歴代でも珍しくスライムに苦戦することも多いので油断して殺されないように気をつけよう。
バラモスを倒した後はここに戻ることになるが、さあ祝いの宴!というところで更なる敵・大魔王【ゾーマ】の存在が明らかになる。
これ以降王様は脱力してしまい、代わりに傍にいる【大臣】が記録係となる。
また実家での宿泊が不可能になる。
アリアハンのモデル 
DQ3の世界は現実の世界をモデルに作られていることで有名だが、ここのモデルとなるべき大陸や国は、現実の世界地図には存在しない。
日本をモデルとする【ジパング】のほぼ真南という位置的な印象からオーストラリアだと誤解されることが多く、公式文献の1つ【知られざる伝説】の巻末に掲載されている漫画でも、学校の先生が世界地図で「ここはオーストラリア」と指し示すと、小学生の少年が「違う!そこはアリアハーン!」と言うネタがあった。
しかし、実際には現実のオーストラリアをモデルとしているのは【ランシール】である。
オーストラリアにはランシールのモデルとなる地名「ランセリン」があり、【ちきゅうのへそ】もそのモデルがオーストラリアに実在するので、「オーストラリア=ランシール」で間違いない。
一方で世界地図上の位置で言うと、ランシールよりもアリアハン大陸の方が現実のオーストラリア大陸と位置が被っている(ランシールが実際より少し西にズレている)。
またアリアハン大陸も冒険手順に沿って進めてざっと歩いた感覚ではオーストラリアになんとなく形が似ていると思えることもあって、勘違いしてもおかしくないぐらい紛らわしい。実際には、まん丸な形でちっとも似ていない(一方でランシールは形もオーストラリアそのもの)。
一応、DQ3の【上の世界】と現実世界の地図をよくよく見比べると、現実世界のユーラシア大陸(アジア~ヨーロッパ)に相当する部分はドラクエでは右に45度ほど傾いたような形状になっており、その分の傾きを補正して考えると実はランシール(オーストラリア)と大陸との位置関係はそこまで大きくは変わっていないと見えなくもない。
だが、日本人が一番基準として見やすいジパング(日本列島)はそうした歪みもなくほぼ現実世界通りの形と場所であり、その近く(中国南部~インドあたり)の海岸線も現実準拠に近い形を保っているだけにゲーム中でその差を見出すのはなかなか困難である。【ふしぎなちず】のないFC版では尚更。
伝説上の大陸として有名なムー大陸はこの辺にあったとされている。ただしこちらとは形は似ていない。
だが、ハワイのマウイ島に「ラハイナ」という地名があり、これを英語で綴ると「Lahaina」となるので、アリアハンはこれのアナグラムであるという説もある(実際【サマンオサ】もアナグラムで名付けられている)。
ハワイ諸島もムー大陸の一部だったと言われていることもあって、この「アリアハン=ムー大陸」説はかなり有力である。
あの悪名高い非公式攻略本【どらくえ3 謎の魔王をやっつけろ】にも「アリアハン編(ムー大陸?)」とある。
他に「アーリア人」と「ハーン」を合わせたという説もあるが、俗に「ハーン」は「チンギス・ハーン(又はハン・カン)」に代表されるモンゴル帝国皇帝の名であり、ゲーム中のほとんどの地名が実際の世界地図の該当する場所に直接由来していることから、その可能性は低い。
リメイク版 
グラフィックの進化に伴い、DQ4以降と同様に大きな城の建物がリアルに町の上部にそびえているという形態に変化した。
スタート直後には、王に会いに行かないと性格が【がんこもの】か【ひねくれもの】に変わってしまう。御世辞にも勇者との相性がいい性格ではないので、おとなしく会いに行こう。
まあどちらにせよ、ルイーダの酒場を利用しないと【イエローオーブ】が入手できないので、王に会わずにバラモスを倒すのは不可能だが。
DQ6と同様に井戸にも入れるようになっており、南東の井戸には【ちいさなメダル】を集めている【メダルおじさん】が住んでいる。
なお、魔法のカギ入手後・【船】入手後・バラモス打倒後・【たいようのいし】入手後・オルテガ復活後と、ゲームの進行に合わせて住民のセリフが細かく変化するようになった。
全てのパターンのセリフを見るのはなかなか難しい。
小説版 
世界の主だった国からなる平和同盟「九ヶ国同盟」の盟主国。
王都は国際貿易都市で、その人口は3万4千人。
なお、他の同盟国で判明しているのは【ロマリア】・【アッサラーム】・【イシス】・【サマンオサ】・【ネクロゴンド】の5ヶ国。
というか、アッサラームって一都市じゃなくて国だったのか……。
【ポルトガ】・【エジンベア】・【ジパング】は加盟しているともいないとも言及されていない。
DQ4 
【クリフト】が混乱した際「あのーアリアハンまではどういったらいいんでしょうか?」とのたまう。
しかし、当然DQ4の世界にはアリアハンは存在しないので「モンスターはこたえない!」となる。
知っていたら答えていたのだろうか。
ていうかなんでクリフトはアリアハンという地名を知っているのだろう?
ファンサービスの一環、および混乱している描写の演出か。
一応ロトシリーズと天空シリーズの両方に登場する人物は存在している他、さらにシリーズ全部が異世界として異なる次元に存在するという関係性であり、複数の世界を渡り歩く存在もいるので、もしかしたら天空シリーズの世界にも何らかの形で名前が伝わっている可能性もゼロではないが。
DQ11(3DS版) 
伝説への祭壇から行ける【冒険の書の世界】で主人公の家が登場。地名は「勇者の実家」。必要な【冒険の書の合言葉】は【時渡りの迷宮】第3階層の宝箱から手に入る。
SFC版を再現しているが、家の中でのみ行動でき外へは出られない。
クエスト【結婚の行方】を受注でき、ここで【魔王のてさき】との戦闘が発生する。
ちなみに、このエピソードの時系列はオルテガが結婚する前=勇者が生まれる前であることから、DQ3の本編開始前になっていることがわかる。ただ、オルテガの婚約者の髪の色が茶髪であるという変なことになっている。他にはDQ9の【天使界】が本編開始前の時系列になっており、地味にクエストでここと行き来することになる。
また、夕焼けのラパンハウスで【教育ママの苦悩】を受注中は、【ごうけつのひけつ】をオルテガの父から貰える。
DQ11S 
冒険の書の合言葉は【ネルセンの宿屋】で手に入る。
BGMはFC版の【街】が使われる。グラフィックは3DS版と変わらない。
ロトの紋章 
勇者ロトの故郷として名を残しているが、不戦主義を固持するアリアハン王の政策によって寂れている。
また、勇者アレルの生家はロト記念館となっており、アレルやフルカスが残した装備品が展示されている。
この中に【オルテガの剣】や【タイターンの針】が保管されていた。
また、呪い装備が大量にあり、DQ3本編に登場する破壊の剣や諸刃の剣が見られる。
それ以外は悪魔の鎧、死神の盾、皆殺しの剣、魔神の鎧、ゾンビメイル、邪神の面、破滅の盾などの他シリーズの呪い装備や、デビルアーマー、サタンヘルムなどDQ5のモンスター専用装備も見られるが、DQ3に出てくる地獄の鎧や嘆きの盾、不幸の兜、般若の面は置いてなかったりする。
グノン戦後、アリアハン王が政策を転換して魔王軍との戦いを決心したことにより再び活気あふれる街になった。アルスは英雄扱いされており、記念饅頭まで売られている。
ちなみに、それを買って食べているアステアの姿もみられる。
「ロトの紋章」連載期間は約6年間だが、そのうちの約1/3のエピソード(約2年間)はアリアハン編に使われている。
賢王ポロン覚醒・獣兵団の侵攻・守るべきものからの迫害・アルス独りでの孤独な挑戦・剣王キラ再合流・獣王グノン撃破・ジャガンとの一騎打ちと敗北・アルスの死と復活・自分の未熟を知り再修業と目まぐるしく物語が進んでいくが、それだけ多数の出来事が起これば、作中時間も2年経ったとしても全く違和感はないであろう。
ちなみによく比較されるダイ大は連載期間は約7年間だがダイ達が【デルムリン島】から旅立ってから最終決戦まで85日である。
ロト紋は長すぎると言われがちだが、あちらもあちらでかなり短いと突っ込まれる。
ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達へ~ 
アレフガルドに輸送隊を送り、薬を配給している。教会の本部がある。
ギアガの大穴に向かう飛空艇はアリアハンにしかなく、またアリアハンの飛空艇は教会が仕切っている。
これはギアガの大穴が地下世界と繋がっていることと関係があるとされる。
かつて魔物の脅しに屈してアルス達を迫害した事を深く後悔しており、復活したグノン率いる魔物の軍勢が攻めてきた時は【アロス】達に国民全員で加勢し戦った。
アベル伝説 
【アベル】や【モコモコ】、【ティアラ】が暮らす竜伝説の残る国。
アベルの漁師としての主な狩場である竜神湖には、実は伝説の竜が眠っている。
物語の始まりと終わりの地。
ドラけし! 
ロト紋イベント「ロトの勇者と呪われた王子」前半の舞台として「アリアハンの町周辺」が登場。獣王【グノン】との戦いが繰り広げられる。
生息モンスターは【おおねずみ】、【ねこまどう】、【イエティ】、【いたずらもぐら】、【ベンガル】、【ももんじゃ】。
その他 
スターオーシャン2にて、
アーリア村のハーンという人物が、雑貨屋「アーリアハーン」を開いている。
もちろん、由来はドラクエ3の城・アリアハンである。