キャラクター/【ダクスマルダ・ゴルターナ】

Last-modified: 2022-05-27 (金) 21:52:05

FFT

言語別
日本語ダクスマルダ・ゴルターナ
英語PSDruksmald Goltana
PSPDruksmald Goltanna
韓国語다크스말다 골타나

FFTに登場するキャラクター。公爵の爵位を持つため、劇中では「ゴルターナ公」と呼ばれる。
ゼルテニアの領主で、主人公ラムザの兄たちが率いる北天騎士団と並び称される実力の南天騎士団を配下に置く、イヴァリース国の有力な貴族の一人。オムドリア国王とは従兄弟の間柄。

FFTの一大ステージとなる獅子戦争は、国王の病死後にまだ幼い王子オリナスを即位させて傀儡政権を狙うラーグ公に対して、自らが後見人を務める王女オヴェリアを即位させて傀儡政権を立てようとした彼との権力闘争を発端とした内戦である。
 

グレバドス教会からの任務によって潜入したディリータが、この野心家ゴルターナ公に王都ルザリアへ上洛し、オヴェリアを女王に即位させるよう焚き付けたことによって本格的に戦争が始まる。
まんまと引き金を引かされてしまったわけだが、その後の野心に駆り立てられた公爵は領民無視の圧政を躊躇無く敷いてまで戦争を続けたり、疑心暗鬼に陥って20年来の腹心オルランドゥ伯の謀反疑惑をアッサリ信じ込んでしまったりと、元から攻撃的な独裁者の節があったようなので、ディリータたちの工作が無くてもラーグ公への宣戦布告は時間の問題だったのかも知れない。
 

最期は教会のエージェントという本性を現したディリータによって、ベスラ要塞内で暗殺される。
「貴公だけが頼りだ」とまで信頼していたディリータに「誰もあんたが王になることなんぞ願っちゃいないんだよ…!!」と罵られた末に絶命するという非業の死であった。
公爵自身よりもゴルターナ軍の象徴となっていたオルランドゥ伯を排斥してしまったことで、既に多くの部下からの忠誠を失っていたのだろう。

  • 上記のように元から攻撃的な独裁者の節があったのかもしれない。どことも分からん馬の骨(が連れて来た捕虜の証言)を信じたかどうかは分からないものの、その馬の骨が自分の側近を切り殺すのを見逃した挙句進言を容れてアッサリ首都に進軍してしまうちょっとヤバい人。
    「南天騎士団を率いて首都に進撃し、政権を奪う」と言う事がどれほど大変な事かと言うのをちゃんと認識していた感じは全く、しない。
    しかもその後干ばつのせいで兵糧が十分備蓄できそうにないと聞いた時の対応法は「従来より3割の増税」と「穀物などを高値で売買する輩が出ぬよう監視を厳しくする」だった。干ばつで収入が減っているはずなのにその収入減分を増税で賄い、モノがないから値段が上がっているのにその上昇を力で押さえつけようと言う…凄まじいまでの経済音痴っぷりである。
    こいつやアルガスを見ているとミルウーダがあそこまで強烈なアンチ貴族になったのも無理はないと思えてくる。
  • 現代でも消費税が数%上がると聞けばあの騒動である。
    税が30%上昇する、期限は戦争が続く限り未定、所構わず戦闘、主な働き手は徴兵。暴動や領民の総難民化すら招きかねない暴挙。
    • 比較にならない。
      中世代の税は消費ではなく収入に対して課される。大半が生かさず殺さずである「五公五民(全収入の50%が税、大凡が前年比で「今年から仕事がなくなった」とかは考慮されない)」であり、この爺はそこから「八公二民」にしようと言ってるのである。ガチに民衆を殺しにかかっている。
      • 計算がおかしい。例年より三割ほど増税だから1.3倍、強引に同じ言い方をすれば「六.五公三.五民」になる筈である。「八公二民」よりマシとはいえ、庶民にとって辛すぎる税率であることには変わりはない。
      • 三割という数字が「例年の税収を100%としての三割」か「民が得た総所得のうちから三割」か、という違いである。
        もちろん後者の方がよりタチが悪いわけだが、いずれにせよ増税政策としては前代未聞もいいところなのは間違いない。
        一応作中ではどちらなのか明言されてはいない。
    • 「噂話」によると実際にゼルテニアで大規模な農民一揆が発生している。
      この一揆の裏にいたのが亮目団で、鎮圧に当たった黒羊騎士団は壊滅させられた。
  • 一言で言うなら無能な独裁者といった所。ディリータが吐き捨てるように言った「誰もあんたが王様になるのを望んでいない」というのもあながち嘘ではないかもしれない。
  • Chapter3のイベントにて和平を主張するオルランドゥに対して「私に不満があるなら城から出ていくがいい」というようなセリフを言っているが、もしオルランドゥが「わかりました、今日限りに南天騎士団団長を辞し、公の下を去ります」と本当に行動していたらどうするつもりだったんだ、この人。
    • オルランドゥが義理堅い人物のためゴルターナに直接剣を向けるようなことは最後までなかったが、ディリータが実際に裏切った際の狼狽えぶりからすると、多分何も考えてなかったと思われる。
      恐らくだが、伯ならそんなことを言わないだろうと高を括って言ってるのではないだろうか。
      臣下への信頼と言えば聞こえはいいが、ようは「甘え」である。
    • もしここでオルランドゥが去ったと仮定して話を進めるとエルムドアが剣聖が抜けた穴を埋めることになる。が、エルムドアはこの後(偶然か謀略かはわからないが)流れ矢で死亡する。そうなるとゴルターナ陣営に残る戦争向きの人物はディリータのみとなる。つまり本当にオルランドゥが去っていたら獅子戦争はもっと早い段階でラーグ公の勝利で終わっていたかもしれない。
    • おそらくベスラ要塞での軍議でのことを言っているのだろが城ではなくここから去れと言っているのでゴルターナとしては「部屋から」去れという意味で言ったのかもしれない。
  • 一言で言えば為政者にとって最も理想的な臣下といえるオルランドゥを更迭したのがターニングポイント。臣下には大別して四種類があって、有能な忠臣・無能な忠臣・有能な奸臣・無能な奸臣である。この内最後は身の丈に合わない野心で馬脚を現し自滅するのが関の山だが、ディリータのような有能な奸臣というのは最悪に厄介である。まだ無能な忠臣のほうがいいくらいに。それなのに有能な忠臣を切り捨てたゴルターナ公は結局人を見る目がなかったということである。この調子では摂政になったとしてもまた奸臣を重用して身を滅ぼしたのは想像に難くない。
    • まあ最近何かと怪しい行動してる+教皇からの告発と来れば、切り捨てたくなる気持ちもわからなくはないが、短慮にすぎるよなあ。
  • キュクレインバリンテンと並ぶFFT三大メタボの一人。キャラチップからして丸いのでほぼ間違いなく肥満体。血圧も高そうなのでディリータが何もしなくても戦争中に急死しそうである。

ゴルターナ家はデナムンダII世を祖に持つ王家の分家として生まれた。
アトカーシャ王家の紋章が双頭の獅子であることから、ゴルターナ家の紋章は右を向いた黒獅子。

  • そのため「黒獅子公」という異名を持つ。
  • 紋章学で言う所のcounter-rampant。

ラーグ公の場合、信頼していた腹心であるダイスダーグに裏切られて殺されたのに対し、こちらはディリータに騙されて腹心のシドを更迭した上に事件の黒幕であるディリータを重用し、その上最終的には彼に殺されてしまうため間抜けさでは相当上なのではないかと思われる。

  • しかしその腹心は公にとっては内憂(戦争に批判的)であるため、仮に外患であると分かっていても使わざるを得なかった背景がある。
    ディリータだけでも勝手に側近を処断した咎で拘束していれば話は変わってきただろう。教会がさらに人員を送り込んで来れば、逆用もできるはず。
  • 設定としてラーグ公とゴルターナ公は五十年戦争で多くの武功をあげた将軍同士であるとされており、軍事に能力が偏っており、政治を軽視していたのかもしれない。
    因みにラーグ公の武功の大半は臣下であるダイスダーグが立てたものを譲られたとされている。
    • こっちはこっちで南天騎士団の武功はオルランドゥありきのものなので、やはりゴルターナ公本人の立てたものとは言い難い。
    • ラーグ公と違って明確にそんな設定はないので、デナムンダII世のようにゴルターナ公も直属の騎士団を率いて戦場を駆け回ってた結果として脳筋になってしまったという可能性もある。というか作中の描写を見る限り、ゴルターナ公は謀略に疎すぎる。
  • ダイスダーグとともに権謀術数を巡らせていたラーグ公なら、仮に教皇サイドの策謀を受けたとしても
    ゴルターナ公に対しての様には上手くいかなかったであろう。
    しかしそのラーグ公も幼馴染でもある腹心のダイスダーグを警戒することはできなかった。

劇中を見る限り政治能力はポンコツ、人を見る目は節穴、頼みの武力はオルランドゥ(後にディリータ)率いる南天騎士団=他人任せ……という誉めるところがまるで無い人物。

  • 実際戦争にかまけて当時の領地は荒廃の一途をたどり、しかも一揆まで起こる始末。民衆からの支持は底辺レベルであっただろう。
  • その無能っぷりが黒幕からしたら有難く、陽動としてはこの上なく働いていたし戦争へのバッシングを一心に受けた存在として利用されたと思われる。馬鹿と何とかは使いようともいえる。実際デュライ白書が世に広まるまでは、「民衆を軽視し、戦争を起こしイヴァリースをあわや崩壊寸前にまで追い込んだ愚者」として歴史に残っていただろう。公表前後で評価が変わったとは思えないが。
     

散々な言われようなので一応フォローしておくと…。
オヴェリアが彼の手に渡った時点で、王家にはすでにラーグ公によって
「南天騎士団による王女誘拐」の筋書きが入っていただろうから上洛はやむなしである。
干ばつで民が苦しんでいるとはいえ、自分は失脚の瀬戸際に居るのだから
戦争をやめるわけにはいかなかっただろう。
オルランドゥもまた、その気になれば要塞ひとつ軽々落とす武力を持ちながら
和平和平とうるさく言って信用を失う上、
息子のオーランは異端者に「僕は仲間だ」とか言っちゃう始末。
裏切ったときの危険性を考えれば更迭もやむなしである。
まあ「誰も王になることは望んでない」政治力のなさは否定できないが、
オルランドゥと南天騎士団を、信頼だけで長年維持してきたのは事実。
ラーグ公と教会のWの策謀に踊らされた悲劇の武人という見方はできなくもないだろう。
デブでハゲだからってそんな嫌わないであげて。

  • 利用されるだけ利用されて最期はポイ……とゴルターナ公本人からすると確かに悲劇的なのだが、残念ながら第三者から見た彼は「周囲を利用しているつもりで実は利用されていた」という身の程知らずとしか映らない。
    その上民衆を圧政で虐げるわ、奸言に踊らされて家臣をあっさり切り捨てるわといった数々の所業の果ての末路なので、やっぱり同情の余地はないという……。
    完全に「因果応報」を地で行っている。

FFT内での描写はオーランの書いたデュライ白書の記述、を元にしたアラズラムによるブレイブストーリーに書かれたものである。
そのためアラズラムが意図的に無能な憎まれ役として描いた可能性がないわけではない。
……だとするなら、400年後の人々からは「そういう役にされても仕方ない」という評価である可能性が高いわけだが。
実際のところ獅子戦争自体が後世では「無関係の庶民を苦しめた愚かな貴族たちによる権力争い」という印象になっているようなので(だからこそそれを終結させた「英雄王」の人気が高い)、その首謀者の一人であるゴルターナ公がそういう扱いでも不思議ではない。