どんコメ

Last-modified: 2025-09-25 (木) 13:34:33

岡田彰布(どんでん)コメント』のこと。
その聞き取りにくい発音・独特の補完が必要な難解なコメントは、もはや外国語の領域であり翻訳が必要という意味も含め「どん語」とも呼ばれている。


概要・解説

岡田は複数の身内から指摘されるほどの主語や述語の省略癖があり、第一期阪神監督時代から特に顕著になった。岡田本人の持つ野球理論は卓越しており、解説でも的を射た着眼点を示すがその理論をアウトプットする際に「アレ」「それ」といった単語になってしまったり省略されたりする事が多い。
そのため受け手側は主語述語を的確に埋める能力が求められる。そして常人には理解不能な発言を翻訳出来るようになった者は「どん語鑑定士」と呼ばれる。「デイリーちゃん」ことデイリースポーツ記者は、岡田の現役時代から付き合いがあるので翻訳精度は特に高いと評判。岡田の第1次阪神監督時代には赤星憲広が岡田の野球理論に感銘を受け、苦労の末にどん語をマスター、若手に通訳していたエピソードもある。

一方、理解は難しいがユーモアの溢れる独特な表現が人気になり、なんJにおける定番文句になったフレーズも多く存在する。
またサンケイスポーツが積極的にどんコメを発信したり、『すぽると!』(フジテレビ系)がどんコメ特集をつくるなどの動きもあった。

岡田はYouTubeチャンネルにもゲスト出演しており、主に岡田と長年付き合いのある阪神OBチャンネルに出演しているが、岡田とトークするOBはどん語を難なく解釈しスムーズに対話する一方でテロップには括弧で岡田が省略した単語を載せてくれる親切設計となっている。

近年では「A.R.E.(=優勝)」などで選手にもどん語が浸透するケースが見られており、どん語は阪神球団内で半ば共用語になりつつあると言える。

試合後の記者囲みでの談話『どんコメ』を伝える記事は、どんでんの試合の見解を独特の言い回しを通して知ることかできるため、ファンの間で密かに人気な記事となっている。

代表的などんコメ

  • そらそうよ
     (基本中の基本。なお、「そらそうよ」に括弧書きで補完を入れるのはタブーである)第2次阪神監督に就任した際には「そらそうよ」が商標登録された。
  • 期待してもらって結構です
     (阪神監督就任時の挨拶。事実、就任2年目の2005年にリーグ優勝を果たした。なお日シリ
  • あっ、ホンマ・・・(絶句)
     (自力優勝消滅の際の発言。淫夢語録が台頭するまで括弧系はどん語の改変が主流だった)
  • 同じことの繰り返しよ
     (同じミスが続いた際に使われる)
  • マイナスあるで
  • 3割5分、50本打つなら素行面に目をつぶることもある
     (上記2つは当時中日ドラゴンズ所属・中村紀洋獲得に際して)
  • 何か(考えが)浅いな
     (2004年の選手会ストライキ後のコメント。なお、括弧書き部分は記者独自の補完である)
  • 5600円くらいのとこに泊まったらええやん
     (ストライキする選手達に対し「野球しないなら自費で泊まれ」という要旨、ちなみに岡田は1リーグ賛成派である)
  • ヒマやなぁ。土曜サスペンス見てもうたわ
     (ストライキ当日の土曜日)
  • なんでそんなんを、さい配のアレを言われなアカンのや!
     (記事が発表された当時は「采配」の“采”が常用漢字ではなかったことに起因する表記*1。「そらそうよ」スレではこの発言を元に「漢字かな混じりの幼稚な文体でしか喋れない」ネタが一般的となった)
  • おお、藪なあ。どこ(に行くん)やったっけ?
     (藪恵壹のメジャー挑戦について聞かれ)
  • メジャーで活躍しているのは、ほとんどおらん。相当、厳しいもんや。藪も惨めや。先発をやらされんと中継ぎ。(井川も)クビになったらどうするんや
     (メジャー挑戦希望の井川慶に対しての慧眼)
  • そんなもん、オマエ・・・
     (「岡田辞めろ」のヤジに対し)
  • うそやん!ついてなかったで!!
     (ホモネタの原点、1985年にフライデーされ記者から「相手はオカマですよ」と言われ)
  • 打てませんでした。打たれました。で、終わんのか?
     (いかんでしょ
  • ええんちゃうか。最高ちゃう
     (ご機嫌モード)
  • おお、もう・・・
     (チーム状況がボロボロの時に使われる)
  • オレは感じたんよ
  • 格の違いを見せな(アカン)
     (先述の通り記者独自の補完
  • グフフフ
     (特にホモネタで使う際はこの笑い方を用いる)
  • 消して
     (岡田監督が嫌いだと思われる人間の話題が出た際に使われる)
  • そういうことやんか
  • そう(トレードに)なれば、そう(出血覚悟に)なるやろ
    (括弧の中を様々に改変して使われることが多い)
  • そんなん、ホンマのこと言うわけないやん
     (同義語に「7割嘘や」がある)
  • でも最初に名前が出るとアカンもんですよ。2番手候補、3番手候補が盛り返してくる。大体、話は潰れますね。グフフフ・・・(大笑い)
  • なあ、シモよ。今日はありがとうな、こんな展開にしてくれて。嫌味やなく。リリーフを休ますことができるわ。これでええんやで
     (下柳剛の炎上時の発言、『嫌味やなく』の部分だけ使われることが多い)
  • 朴(賛浩)にしても木佐貫(洋)にしてもイチヨン(1勝4敗)とイチゴ(1勝5敗)やで。2人でナナ(借金数)って、要は結果出さんと
  • 何してんの?(会見は)せえへんよ!
     (会見に定評があると同時に拒否も得意技である)
  • リンちゃん*2、何を力んでるんや(その目は優しかった)
     (「その目は~」も記者の補完。「(その目は優しかった)」単体や「リンちゃん」の部分を改変して使われたりとこちらも汎用性が高い)
  • なんやと、もう一ぺん言うてみぃ。誰に向かって言うとんや!
     (暴言を吐いたファンに対し発言、その後ファンは謝罪した)
  • ホップの4位として来年からステップ、ジャンプといきたい
  • みももまめましたがみながぇ
     (2004年の本拠地最終戦終了後セレモニーで、シーズンを振り返っての発言。「見守られましたが、みんなが、えー」と言っているが、滑舌が悪かったためこう聞こえた*5
  • (中日とは)あと2回(2試合)あるから言えんけど、おかしいこと、やってるからな
  • (阪神は)やってしまいましたなあ
  • しかし・・・今日は5点差で、ファーストから(走者が)走ってしもたなあ。これは大変なことやと思うよ
  • コレは教育やろなあ
  • こっちは負け認めたってんのになあ。なんで走るんやろなあ。明日も試合あんのになあ。これは大変よ
     (上記4つはオリックス監督時代、点差がある状況で盗塁を仕掛けられた件に対し)
  • (若竹*6はいい経験したんじゃないか)
     (まさかの全て記者の補完である
  • はっきり言うて
  • おーん
     (語尾につけたり、前の文章を受け何かコメントを言う前に感嘆詞や接続詞の様に発する口癖。この「おーん」に特に意味は無いのだが、2022年阪神監督就任から新聞社による岡田の記事において、「おーん」まで文字起こしするケースが増加する*7。2025年7月29日、MBS中継の企画で岡田が子供ファンから「なんで最後に『おーん』とつけたんですか」と質問され、「『おーん』っていうか、『うーん』かな。ちょっとまだ考える部分もあるみたいな、そういう感覚やろね。次の、流れで振られても、すぐ答えられるようにも準備しているような感じはあるのかもわからない。」「なんかちょっと、考える時間かなあ」と答えた。)

代表的などんコメ(2023年)

  • うっしゃ、ういういういういうい
     (開幕4連勝を達成したことについて)
  • (意識?)ないやろ
     (交流戦で対戦相手のオリックス・中嶋聡監督が体調不良で欠場することについてのコメント。「意識?」とは「(監督が代行*8となることを)意識(しているか)?」ということだと思われるが、この書き方では中嶋監督が意識を失っているかのようにも取れる。記者側の発言が過剰に省略されているというイレギュラーケースである)
  • わあ、おととい。おーん
     (8月6日のDeNA戦後、一打逆転の場面で登板し窮地を脱した島本浩也について。「きのう」と発言したことを「おととい」と記者に確認されての発言。4日の同カードでも島本は似た場面を乗り切っている)
  • そらオールマイティーやろ、今はスペードのエースやろ、あれ
     (後半戦以降中継ぎで好投を続ける桐敷拓馬について。8月26日の対巨人戦ではNHKが地上波テレビ中継*9を放送していたが、この日実況を務めた早瀬雄一アナウンサーが現役時代岡田の下でプレー経験のある解説の藤川球児に訳を求める場面があった。)
  • どうやろう。しのげるか。ふふふ
     (9月2日のヤクルト戦後、不安定な投球が続く岩貞祐太について)
  • 「アレ」を決めたんはね、優勝までだったから、日本一は決めてないんですよ。もしいい言葉があればまた教えてほしい
     (9月14日の巨人戦に勝利しリーグ優勝を確定。優勝監督インタビューにおいて、クライマックスシリーズや日本シリーズへ向けての抱負について問われた際の発言*10)
  • ミエちゃん主役ちゃうよ、今日は。ミエちゃんあの…成績にちなんだ暴れ方をしてくださいね*11*12
     (リーグ優勝時のビールかけ前の挨拶で、「本日の主役」のタスキをかけて参加したヨハン・ミエセスに対して発言)
  • 昨日、いろんなことを言うてくれたからな。俺も気合入ったよ、今日は。テレビ見とったら分かるやろ? 広島OBのなんかなぁ…。なんか、えらい何を言うとるの?と思ったけどなぁ。(本人が)俺に言うたことと全然、違うなぁ…ええ…ホンマに…。ビックリしたよ。ちょうど見とったんよ
     (10月1日の広島戦後、前日にJ SPORTSにて同カードの解説を務めた達川光男の広島寄りの解説に対する発言*13
  • 高校野球する言うから、お前。金属バット持ってくるんちゃう、おーん。金属バットはあかんで
     (CSファイナルで広島と対戦することになり、新井監督が「高校球児のように戦う」「展開によっては、ある程度むちゃくちゃやろうかな」と発言したことに対するコメント)
  • もう、今年のバッティングよりも、ずっと『アレンパ』の方がよかったからね、本当
     (日本一・リーグ優勝祝賀会の場にて、「“アレ”の“連覇”」を略称した「アレンパ」という合言葉を発案した佐藤輝に対して発言)*14

代表的などんコメ(2024年)

どんコメ替え歌

六甲おろしバージョン

六甲おろしに そらそうよ
そんなもんやろ そうやろなぁ
はっきり言うて そらアレよ
そんなんお前 アレやんか
おーん おーん おんおーん
阪神タイガース アレ アレアレアレ

赤星お前 今日アレな*15
はっきり言うて ラギ*16よりヒー
そんなんお前 バルよりミツ
言うたやん今俺 言うたやろ
おーん おーん おんおーん
どんでんタイガース アレ アレアレアレ

無茶苦茶したれ*17 お前は悪ない
林ちゃん何を 力んでるんや
そういうことやんか なあ球児
お前で終われて よかったよ
おーん おーん おんおーん
阪神タイガース うっしゃ、ういういうい


SKYバージョン

そらもう声よ 遥か届くで
夢追ってるからな
アーチのアレがなぁ
あんなんされたら明日が拓くで
一滴でも雨が
(大河を映すだろうと)言うからな
ボールも「空や」と言うとったわ
あぁ、ウチのことやろう
アレしてる次向かったらええんよ
ああ、ウチのことやろう
そらお前そんなんゴーよ
スゥー、(笑顔と空の)つながりを見せてくれとる
あぁ、なんや(青さに)誘われてるんよ
うん、内緒やけど全部アレするんよ


関連項目

Tag: 阪神 オリックス どん語


*1 2010年に常用漢字化された。
*2 元阪神・林威助
*3 よってオーナーへのシーズン報告さえ行わない。
*4 その段階では辞任を公表されていない。
*5 この一件が原因かは不明だが、翌年以降セレモニーで岡田は何も言わずに選手と並んで一礼して終わるだけになり、その後の真弓明信和田豊両監督も踏襲。シーズンを総括する発言が復活するのは2016年の金本知憲監督就任後のことになる。なお、岡田が阪神の監督に復帰した2023年のセレモニーでは阪神がリーグ優勝を決めた事もあってか挨拶をしているが、2024年はクライマックスシリーズのファーストステージで2連敗して敗退した後、挨拶どころか選手が出てくることもなく終わってしまった。数日間、風邪気味で体調不良だったことと*3、レギュラーシーズン本拠地最終戦で既に挨拶を済ませたと思っていたのかもしれない*4。なお、報道陣には囲みインタビューでボヤキの限りをぶつけていた。
*6 元阪神→日本ハム・若竹竜士
*7 特に日刊スポーツの監督一問一答記事が顕著。
*8 水本ヘッドコーチが代行監督を務めた
*9 年に何度かある東京ドームの土曜ナイター、シーズン序盤に多く、8月の中継は珍しい。
*10 この発言をネット配信で見ていた藤浪晋太郎からは早速「ソレ」が提案された。
*11 ちなみに優勝決定時までのミエセスの実際の成績は打率.209、4本塁打、14打点。
*12 その後、2025年にリーグ優勝した際、岡田の後任として監督に就任した藤川球児新監督がビールかけで「活躍に準じたビールかけにしてください」と岡田が使った言葉を拝借する一面があった。
*13 達川は先発で5回無失点の好投を見せた高卒1年目の門別啓人を「来年は通用しない」と発言、先制点を許した石井大智を「CSでは使えない」と論じ、8回に安打で出塁した森下を「フリー打撃もひどかった。タイミングもあっていない」と酷評していた。なお、達川は2003年の優勝時には一軍バッテリーコーチを勤めており、一軍内野守備走塁コーチだった岡田とは同僚であった。
*14 ただし2024年の阪神球団スローガンは「A.R.E. GOES ON」に決定しており、佐藤の「アレンパ」は没になった模様。
*15 元阪神・赤星氏 岡田語に冷や汗だった - デイリースポーツオンライン
*16 葛城育郎
*17 2005年9月7日の中日戦にて、9回裏に同点に追いつかれさらに一死満塁でサヨナラ負けのピンチにマウンドに行った岡田が久保田智之に対してかけた言葉。なお試合は11回表に中村豊が決勝本塁打を打ち勝利。