「戦艦」設計の想定と変遷
第一次世界大戦
多数の戦艦が戦列をつくって主砲で撃ちあうことが想定されていた。
この時期の戦艦主砲弾は信管や弾体強度に問題を抱えており、舷側装甲に対してはスペック通りの貫通力を発揮できない場合があった。また、射撃管制の進歩もあり戦闘距離が大きく伸びたことにより、舷側に対する命中率が低下し、甲板装甲に命中する比率が増大した。また、戦闘距離が長くなったことで落角が大きくなり、甲板装甲に対する貫通力が高くなった。
この時期の甲板装甲は薄い構造材(均質装甲よりも性能が劣る鋼板)を複数重ねたものが用いられており防御力が低く、薄い甲板装甲を複数層を用いて上層で信管を起動させることで重要区画到達前に炸裂させるといった水平防御方式も採用されていた。しかし、こうした多層防御は信頼性の向上した信管を備えた新型の徹甲弾に容易に貫通されるようになっていき、斜撃性能の向上と落角の増大もあわせて、水平防御力が不足するようになっていく。
戦間期
戦間期の設計思想は海軍軍縮条約により設計上の制約を強く受けていた。
排水量の制限から重量を抑制するため、戦艦主砲弾に対する防御が優先されていた。また、25km程度の遠距離戦闘も想定されており、厚い甲板装甲が必要と考えられた。こうした必要から、重要区画以外の防御を最小限とし、直接防御に依存した集中防御方式がよいとされた。
また、想定される戦闘距離においては水中弾が生じる可能性が無視できないと考えられた。しかし、水中弾への対策と魚雷防御は両立させにくい部分があった。
第二次世界大戦
しかし、第二次世界大戦における海戦の姿は、1920年代の想定から大きく外れるものであり、戦艦主砲弾に対する防御しか想定していない極端な集中防御方式は時代遅れとなった。
1920年代の想定とは異なり、戦艦同士が遠距離で延々と撃ちあうという状況がなく、被弾例のほとんどが10km内外における戦闘によるものだった。戦艦主砲の貫通力も大幅に向上しており、厚い舷側装甲が貫通されることを想定する必要があった。
航空機の発達は著しく、より大型の爆弾や魚雷を搭載しつつ速力や運動性も向上していったため、航空攻撃への防御が非常に重要となった。
航空爆弾は直撃だけでなく至近弾も脅威であり、艦首尾の舷側装甲の重要性が再認識されるようになった。
さらに、魚雷の性能も向上し、航空魚雷も含めた被雷リスクが非常に大きくなった。
巡洋艦や駆逐艦の主砲管制の進歩と交戦距離の近さから、中小口径砲弾による被害も増大していた。
第二次世界大戦に対応した設計という意味では、ビスマルクの設計は模範解答の一つと言える。
そこで、ビスマルクの防御方式について紹介してみたいと思う。
ビスマルクの設計概要
シャルンホルスト級とビスマルク
ビスマルク級はシャルンホルスト級から設計上の特徴の多くを引き継いでいる。バイエルン級の設計を踏襲しているという解説があるが、これは明確な誤りである(後述の通り設計思想が全く異なる)。
ビスマルク級においては、主砲口径がシャルンホルスト級の280mmから380mmへ大口径化し、戦艦との砲戦に対応可能となった。
シャルンホルスト級と比較して、中甲板~上甲板の舷側装甲が145mmへと大幅に強化されており、戦艦主砲弾に対する防御上の穴をなくすと同時に、6in以下の砲弾に対して広大な防御範囲を獲得している。一方、中甲板から下の舷側装甲は、350mmから320mmに減厚されている。
ビスマルクの防御システム
最も特徴的な構成は、上甲板の50mm装甲と下甲板の80mm装甲(機関部)/95mm装甲(弾薬庫)を組み合わせた水平防御である。
主砲弾に対しては、上甲板の甲板装甲で被帽を変形・接合部を破壊し、下甲板に到達するまでに被帽を脱落させることで、下甲板において跳弾させることで重要区画への貫通を阻止する。
中甲板上甲板間の舷側装甲を貫通して下甲板装甲に達した場合も同様である。
ビスマルク級のタートルバックは戦艦としてはかなり厚いものであり、傾斜部にも硬質ヴォタン鋼を採用するとともに傾斜角は浅く抑えられている。主砲弾が舷側の主装甲を貫通した場合、被帽は破砕されているため、同様の原理でタートルバックにおいて跳弾する可能性が高い。
魚雷防御については、空液2層防御で、液層奥の深い位置にある45mmの隔壁により防御する構造である。この隔壁には水圧に対する防御力に優れた軟質の均質装甲である軟質ヴォタン鋼が採用されており、魚雷防御を意識した設計であることが分かる。
水中弾防御については、浅い位置は深めの主装甲で防御し、深い位置は重要区画外で炸裂することを許容する設計である。
航空爆弾の直撃に対しては、重量や高度次第では上甲板で防げるが、貫通しても上甲板で信管を作動させることで下甲板貫通前に炸裂する可能性が高い(装甲空母の甲板装甲に被弾したときと同様)。
また、航空爆弾の至近弾に対する防御として艦首尾に薄い垂直装甲も有している。
俗説について
日本では、ビスマルク級に限らず科学的根拠のない俗説が広まっていることが多いようである。
第二次世界大戦終戦後、軍事技術に関する研究(自然科学・工学としての研究のこと、文系的なものは除く)が公にされることがほぼなく、何かの書籍に見当はずれな解説が書かれていても、工学的知見に基づいてそれを指摘したり議論できる人がほとんどいないことが大きな要因ではないかと思われる。
ビスマルク級には当時の日本では知られていない技術が採用されていることもあり、技術的に正しく分析した日本語文献がおそらく存在しないであろうことが、こういった状況の一因となっているかもしれない。
総評
ビスマルクの設計は第二次世界大戦の戦況に非常に適したものであるといえる。
その防御システムはかなり洗練されており、戦艦主砲弾だけでなく、中小口径弾、航空爆弾、魚雷の全てに対して十分以上の防御力を備えていると考えられる。
また、自沈処置がなされるまでに膨大な被弾を受けても撃沈には程遠かったことからも、その生存性の高さは実戦で証明されているともいえるだろう。
脱帽板と水平防御
第二次世界大戦世代の戦艦主砲弾の被帽には大きく二つの役割がある。
先端の極めて硬質な部分は、表面効果装甲の表面を破砕する役割を果たす。これにより弾体先端の破損を抑えながら装甲内部に食い込みやすくなり、貫通力が大きく向上する。
先端以外の軟質な部分は、装甲に対して斜めに命中した場合に、砲弾が装甲表面を滑るように跳弾することを防ぐ役割がある。
浅い撃角の砲弾に対する均質装甲の防御力(運動量(並進運動)だけを考慮した場合)

均質装甲に砲弾が命中した際、その周辺の装甲材が伸びる(延性破壊する)際に、砲弾が持つエネルギーを吸収する。
このとき、砲弾の垂直方向の速度を完全に奪われると、砲弾は跳弾することになる。
浅い撃角の砲弾の衝撃力による回転

次に砲弾の回転について考える。ここでは、均質装甲と弾体が変形しないものと仮定する。
装甲表面においては、装甲に対して垂直方向に力が働く(弾体と装甲の間の摩擦力を無視した場合)。
この力は砲弾の重心よりも前方に働くため、砲弾を図の左回りに回す方向にモーメントが生じる。
その結果として、砲弾の並進運動方向と姿勢に差異が生じ、砲弾側面に大きな圧力がかかって垂直方向の速度が失われる。
並進運動と回転運動を合わせて考えると、砲弾が装甲表面を滑って跳弾したように見える。
撃角が深くなると、重心と力の間の距離が近くなるため、生じるモーメントは小さくなる。また、短時間で装甲内に食い込んでしまうため、この効果を受けることは難しいと推測される。
被帽による回転の抑制
弾体の前方に軟質の被帽がある場合、これが変形することで装甲からの力を砲弾の先端以外に分散することができ、回転を阻害するように働く(図はかなり極端に描いている)。
斜撃性能を左右する要因には弾体強度などもあるが、弾体強度が高くても回転を抑制できるわけではない。撃角が浅い場合に被帽を失っていると、比較的薄い装甲にも跳弾させられてしまう。
装甲材質と装甲厚が与える影響

装甲が硬いほど、装甲厚が厚いほど、装甲の変形が少なくなり、浅い撃角の砲弾を効率的に回転させることができる。
また、最低限、砲弾の垂直方向の運動量を支えられる程度には耐えられることは必要である。
このため、基本的には硬質の均質装甲が適していると考えられる。
ビスマルクの設計

ビスマルクが採用している硬質ヴォタン鋼は装甲版としての性能自体も優れているとされるが、上記の効果を得るための装甲として最適な特性であると考えられる。
水平装甲の戦艦主砲弾に対する防御力を正確に推定することは難しいが、落角から考えると、おそらくノースカロライナ級の45口径16in砲でも26km以内での貫通は難しいと推測され、弾道特性の良好な米戦艦アイオワの50口径16in砲であれば、30km以内では厳しいと思われる。
タートルバックと垂直防御
タートルバック構造を持つ戦艦は多いが、主砲弾を防御することを目的としないものも多い。例えば、舷側装甲貫通後に炸裂した後の断片防御としての役割や、浸水範囲の限定といった効果が得られる。
一方、改装後長門の弾薬庫傾斜部のように、主砲弾を防御する目的で厚い装甲を配置する場合もある。
主装甲貫通からタートルバック傾斜部に主砲弾が到達した場合、被帽を失った状態かつ浅い撃角で、硬質かつ分厚い均質装甲に命中することになる。つまり水平防御と同様の効果によって貫通力が低下することは確実であり、高い確率で跳弾するものと推測される。
近距離戦闘においてはビスマルクの重要区画を貫通するのは困難と言われることが多いが、これは上記の効果を含まないものであり、実際はもう一段高い防御力を有していると考えられる。落角の小さい15km以下で貫通するのは困難であると推測され、それは第二次世界大戦における主要な交戦距離において非常に有効な防御であったことを意味する。
魚雷防御
舷側に命中した魚雷による破壊と水雷防御隔壁
魚雷による破壊効果の最大の特徴は、その圧倒的な炸薬量から生み出される高圧ガスである。
例えばアイオワ級の16in SHSの炸薬量は18.5kg、大和型の46cm砲AP弾で23.9kg、HE弾でも61.7kgである。これに対して魚雷は、航空魚雷でも150~250kg程度、日本の61cm酸素魚雷では490kgにもなる。
瞬間的に発生する高圧ガスによる破壊を、重要区画に到達しないように防御するのが魚雷防御に求められることであるが、圧力そのものによる破壊以外にも高圧ガスにより破壊された構造材や装甲の一部が破片となって高速で衝突することも被害を拡大させる要因となる。
魚雷が炸裂した際に発生した爆風(高圧ガス)は船内を破壊しながら広がっていく。高圧ガスは広がるほど圧力が低下していくため、基本的には炸裂点から離れるほど破壊力が低下する。
魚雷防御においては、最終的に受け止める装甲を船体の内側に配置しておき、到達する高圧ガスによる圧力を可能な限り緩和させるというのが基本的な考え方になる。
実際の戦艦においては、海水に面した外板の内側に複数の隔壁が設けられているが、便宜上、以下では最も厚い装甲(隔壁)のみを水雷防御隔壁と呼称し、他の薄い隔壁と区別して考える。
実際には水雷防御隔壁のさらに内側に浸水を限定する隔壁がある場合もあるが、爆圧を支えるという意味では水雷防御隔壁が大きく破壊されうるかが重要になるため、特に記載がない限りその前提で考える。
魚雷の炸裂位置から近い、浅い位置に水雷防御隔壁を設けた場合を考える。このとき、水雷防御隔壁に対して極めて大きな圧力がかかるため、容易に破壊されてしまう。非常に厚い装甲を配置した場合、装甲板そのものは耐えられる場合もあるが、装甲板の面積全体に高い圧力がかかるということは、装甲を支持する構造体に非常に大きな負荷がかかり、そちらが破壊される可能性がある。
また、水雷防御隔壁が破壊されやすいだけでなく、ちぎれた装甲材や周辺の構造体が爆圧で加速されることにより、高速な破片となって重要区画に突入することも考えられる。こういった問題から、外側には厚い装甲を使わない、材質として割れやすい硬質なものを避け、軟質の鋼材を用いる、といった対策がなされる。
一般的な魚雷防御においては、水雷防御隔壁は可能な限り奥に配置しておき、炸裂点との距離を離すように配置される。また、水雷防御隔壁より外側の隔壁は軟質で薄いものとし、その破片により水雷防御隔壁が貫通されることを避ける。
魚雷の炸裂点を遠ざけるという点で有効なのが、外部へのバルジの装着である。改装で取り付けることも容易であり、お手軽に魚雷防御力を高めることができる。ただし、艦幅が広がるため、速力という意味では不利に働く。
実際の設計においては、艦幅方向の空間は限られており、同じ幅でもより効果的に圧力を減少させる仕組みが求められる。そのために用いられたのが、液層と隔壁を組み合わせた防御方式である。典型的な構造としては、空層-液層-空層の3層構造があるが、内側または外側の空層がない場合もある。
液層を用いた一般的な水雷防御方式
空層-液層-空層の3層構造は、外側から順に、(海水→)外板→外側空層→液層→内側空層→水雷防御隔壁、と配置される。
外側空層は、高圧ガスを急速に拡散させる役割を担う。外側空層の幅を広くとるほど、ガスが艦の前後方向と上下に拡散しやすくなり、高圧ガスの圧力低下が早くなる。
外側空層と液層の間の隔壁には非常に高圧なガスが到達するため、この部分の破壊を防ぐことは困難である。高圧ガスは液層外側の隔壁を破壊しつつ押し込み、液層内部の流体に高い圧力を加える。
液層には、通常は燃料(重油)が充填されており、燃料消費後は注水されることで防御力を維持する。液層は高圧ガスから加えられた圧力を広範囲に分散する効果があり、各隔壁がより長く耐えることにつながる。液層のもう一つの役割は、液層から外側(隔壁を含む)で生じた破片の速度を減じて、水雷防御隔壁を破片が貫通する可能性を低下させることである。
液層内は非圧縮性流体であるため、外側から加わった圧力は即時、液層内側の隔壁にも伝わる。液層内側の隔壁の内側は空層であるため、この圧力は隔壁自体の強度だけで耐える必要があるが、 3層構造の場合はこの部分の隔壁も薄いのが通常であり、破られる可能性が高い。
内側空層の基本的な役割は、液層の内側の隔壁が大きくたわむことができるだけの空間的な余裕を確保することである。空層-液層-空層の3層構造の場合、液層/内側空層間の隔壁は破られることが前提であり、破られたときに変形した隔壁が水雷防御隔壁にたたきつけられると、水雷防御隔壁を破損させ、その防御力を大きく低下させる要因となりうる。
液層が爆圧を防ぐ要素としては、複数層の軟質の隔壁で衝撃を吸収して耐えることと、液体自体が質量の壁となり、圧力の伝搬を遅らせることが考えられる(加速された流体が次の隔壁に衝突した際に瞬間的に高圧がかかるとも考えられるが)。
隔壁による衝撃の吸収においては、軟質の装甲が大きく変形できることが重要である。液層が厚いほど圧力が広く分散されるため、広範囲の装甲を緩やかにたわませることができ、隔壁が破れるまでにより長く耐えられるようになる。
液層の内部に追加の隔壁をもつ配置も用いられる。より広い範囲に圧力を拡散させる役割と、隔壁そのものの防御力が期待される。
液層と内側空層の間の隔壁が最も変形時の条件がよく、炸裂点からも遠いため、この部分を厚い隔壁にすることが有効なように見える。しかし、この隔壁が破られたときに、隔壁の一部が内側に加速され、それを減速させる液層がないまま水雷防御隔壁に衝突することになるため、防御上の懸念が生じると考えられる。ただし、アイオワ級のように、液層より内側に水中弾防御用の耐弾性の高い装甲を持つ場合はリスクが大きく軽減される(この構造は別の問題を引き起こすが…)。
液層における破片防御については、単純に液層が厚いほど減速量は大きくなるが、破片は大きいほど減速しにくいため、大きな破片が生じにくいようにすることも重要である。このため、装甲(隔壁)の防御力は厚い一枚板の方が高くなるにも関わらず、水雷防御隔壁以外は薄い隔壁を何層も重ねる方式が一般的である。
ビスマルクの水雷防御方式
ビスマルクの水雷防御は、幅の広い液層の奥を厚く柔軟な水雷防御隔壁で支えている。一般的な液層は突破されることが前提であるのに対して、液層で食い止める設計である。液層の直後に厚い水雷防御隔壁を配置すると、水雷防御隔壁全体を緩やかに変形させることができるため、衝撃を吸収するという点では非常に効果的であると考えられる。
水雷防御隔壁を突破されないのであれば、先述のように大きな破片が生じるという問題も起こらず、内側空層が不要な分、外側空層と液層を厚くできるという利点もある。
他の利点として、外板・隔壁をシンプルにでき、破片が生じにくいであろうこと、船体の水中形状の自由度が高いことが考えられる。
一方、ビスマルク方式の欠点として、水雷防御隔壁自体に高い性能が求められるという点がある。水雷防御隔壁は耐弾性よりも圧力への耐久性が重要であるため、溶接であることが望ましい。ビスマルク方式は液層全体が長時間高圧に耐えなければならないため、大面積の水雷防御隔壁全体にわたって溶接品質が維持されていなければならない。このため、水雷防御隔壁を単に厚くするということが難しい。
一般的に、溶接の難易度は板厚が増すほど困難になる。溶接した部分の強度が低下していると、水雷防御隔壁の変形時に溶接部分に応力が集中し、そこから破断する。この状態でさらに装甲厚を増やしても、相対的な強度の差が大きくなってますます溶接部分へ応力が集中しやすくなるため、逆に防御力が下がる可能性もある。水雷防御隔壁全体を均一に変形させるには、溶接部分が装甲材と同等以上の強度がなければならず、高い溶接品質が必要になる。
また、溶接できる板厚に限界があるため、水雷防御隔壁の材質として厚み当たりの性能が高い装甲材が必要となる。つまり、大きく変形できる柔軟性と引張強度の強さが両立し、溶接に不向きではない装甲材が求められる。
ちなみに、溶接ではなくボルトやリベットで固定した場合、応力の均一化も難しく、変形時に大量の浸水を生じやすく、変形時に構造体が破片として重要区画へ飛散しやすいなど、深刻な問題を生じると推測される。(空層-液層-空層の3層構造の場合、水雷防御隔壁の直前は空層であるため、圧力のかかり方自体が均一ではない。それでも浸水のしにくさなどの利点はある)
以上のように、ビスマルクの水雷防御方式は、冶金技術や溶接技術に強く依存したものであると考えられる。言い換えれば、戦間期の技術革新により成立させられるようになった方式であるともいえる。
ビスマルクは水雷防御隔壁に、その用途に特化した装甲材と推測される軟質ヴォタン鋼を採用している。溶接品質については直接的な情報を見たことがないが、ドイツ軍のテストでは設計時の目論見を大幅に超えた防御力を示したとのことなので、大きな問題はなかったのではないかと推測される。
なお、こういった軟質の装甲材は耐弾性が犠牲になっている可能性が高いので、水中弾に対する弾片防御としては、装甲厚ほどの防御力はないと推測される(厚い液層により減速はするだろうが)。
水雷防御隔壁とタートルバックの接続も、当初は溶接することも検討されたようであるが、強度が低下することがテストで分かり、別の固定方法が用いられたようだ。
ビスマルクの液層のうち、最上層について、完全に液体が満たされていたのか、上部に空間を残していたのかは情報を見つけられていない。単純に衝撃を吸収するだけであれば空間を残して部分充填としたほうが有利であるように思う。一方で、完全に満たした場合と異なり、外側空層と液層の間の隔壁が高速で内側に押し込まれることになり、破片が加速される原因になるかもしれない(この部分の隔壁は8mmと薄いため、液層で十分に減速するようにも思うが…)。
外側空層を広くとっていることは、魚雷の爆圧を緩和するという意味では利点である。一方、外板に破孔が生じた場合、それが大きくなくても最終的には大量の浸水が生じるという意味で欠点ともなる。
ここまでは、魚雷防御の原理と設計上の制約を中心に述べてきた。しかし、実際の防御力は方式以外の部分に非常に強く依存しており、防御方式により防御力が決まるという考え方は適切でないということに注意が必要である。
魚雷に対する防御力には炸裂点から重要区画までの距離が大きく影響すると考えられるため、基本的には水雷防御区画の幅が広いほど有利である。また、同一の戦艦の重要区画の中でも、中央部と重要区画の端(RtW3のA砲塔やY砲塔のあたり)では水雷防御区画の幅に大きな差がある。 当然防御力にも大きな差が生じるため、余裕がある中央部では水雷防御隔壁の厚みを減厚している戦艦もある。
また、以上では重要区画への大規模浸水を防ぐ、という観点から述べたが、実戦では必ずしも重要区画だけが重要であったわけではない。単純な浸水量だけでも艦の傾斜・転覆の原因になる他、速力の低下が戦術的に致命的な悪影響を与えることもありうる。特に、艦首への浸水は艦の前後で浮力のアンバランスを生じるため、大きな問題となりうる。
また、一撃で致命傷となりうるものとして舵への損害がある。基本的に戦艦は中央部では太く、艦首・艦尾付近では細い形状となっており、外付けのバルジも艦首尾には設けられない。特に艦尾の舵付近はほとんど防御不能となる。
ビスマルクは、ほぼ舵部を直撃する形となった航空魚雷により航行不能に陥っているが、ここはほとんどの戦艦にとって致命的な弱点となりうる。しいて例外を挙げるなら、舵が多重化されていて主舵が全損しても航行可能と推測されるリットリオ級ぐらいであろうか。
(余談)
他の戦艦の魚雷防御方式について
大和型は魚雷防御に設計上の問題を抱えていたとされる。ただし、魚雷の爆圧自体が重要区画まで貫通していたのではなく、被雷時の衝撃で大型の構造体が防水隔壁を貫通しながら押し込まれ、破片も飛散したことで、重要区画に浸水したものである。
航空魚雷とはいえ多数の被雷に耐えられたのは、もともとの予備浮力の大きさ、水密区画の多さ、注排水といったダメージコントロールを含む間接防御が充実していたことが大きいと考えられる。
リシュリュー級は空層にエボナイトムース(ゴム系材料)を注入することで浮力の喪失を防ぐ工夫がされている。至近弾などで外板に破孔が生じても、そこからの浸水を極限できる。また、魚雷の被雷時も外側空層への浸水を最小限に抑えられる。
ただ、大威力魚雷の爆圧軽減という観点では、高圧ガスを急速に拡散させるという目的に反する構造であると考えられ、外側空層としての機能では不利があったかもしれない。とはいえ、リシュリュー級は水雷防御区画が広いため、防御力の低下より浸水量の限定で得られる利点の方が大きかったのではないかと思われる。
リットリオ級は非常に特徴的なプリエーゼ式の魚雷防御が採用されていたことで有名である。形状が特殊であるが、外板→空層→液層→水雷防御隔壁(40mm)→空層の順になっており、この液層の中に中空円筒(7mm厚、7.7m径)が配置されている。水雷防御隔壁が変形するより先に中空円筒がつぶれることで被害を軽減するという設計思想である。液層を厚めの水雷防御隔壁で支えるという点ではビスマルクに近い構造ともいえるが、水雷防御隔壁の変形で耐えるのではなく、液層を中空円筒がつぶれる程度に高圧に保つ目的が大きいと思われる。純粋な液層防御としてみると、水雷防御隔壁への圧力の伝搬が均一でなく、中空円筒の圧壊による圧力軽減が前提の防御方式と推測される。
リットリオ級の魚雷防御がどの程度有効であったかは判断しにくいが、防御が安定しにくい方式であった可能性もある。また、水雷防御隔壁に高い溶接品質が要求されるという欠点はビスマルク方式と同様である。
WW2世代の戦艦ではないが、ネルソン級は外板→空層→液層→液層→水雷防御隔壁の配置となっている。浅いところで炸裂した水中弾に対する防御としては、液層で減速させて隔壁で受け止めるのは有効であったと思われる。
しかし、ネルソン級の水雷防御隔壁は19mm+19mm構造材の貼り合わせであり、圧力を受け止めるのに適した構造にはなっていない(英戦艦の構造材として用いられたD鋼は高張力鋼で伸びが悪く、液層の隔壁としては適さない) 。この水雷防御隔壁の直前に液層を配置すれば不利なのは当然であり、KGV級では間に空層を挟んだ空層-液層-空層の3層構造に修正されている。
とはいえ、KGV級の水雷防御区画はかなり狭く、水雷防御隔壁もネルソン級と同様の構造材の貼り合わせであるため、WW2世代の戦艦としては魚雷防御で大きく劣っていると考えられる。
アイオワ級は、サウスダコタ級の水中防御方式を継承しており、外板→液層→液層→空層→水中弾防御装甲(水雷防御隔壁)→空層、という配置になっている。
外側に空層を配置しないことにより高圧ガスを逃がせないという問題はあるが、外板に破孔が生じても浸水が生じず、被雷時の外板の破壊範囲を小さくできるという利点がある。
水雷防御隔壁は40mm以上の厚みがあり、水平装甲にも用いられる耐弾性を重視した均質装甲である。主目的は水中弾の防御であるが、耐弾性の高い水雷防御隔壁は外側からの破片を防ぐ役割も果たせると考えられる。液層間の隔壁や液層空層間の隔壁が厚めであっても、その破片が水雷防御隔壁を貫通する可能性は低いだろう。
しかしながら、硬い水雷防御隔壁が圧力に耐えきれず、構造体ごと大規模に破壊されるという重大な欠陥があったと言われている。つまり、大和と似たような脆弱性を抱えていたと推測される。
バブルジェットやバブルパルスについて
非装甲艦艇への精密雷撃で利用されるバブルジェットや、水中での損傷に関係することがあるバブルパルスがWW2の魚雷による破壊原理として説明されることがあるが、戦艦の舷側における魚雷防御においては、バブルジェットやバブルパルスは関係ないと考えられる。
バブルパルスは、バブルの生成・収縮時に生じる衝撃波が外板表面を破壊するものだが、それは外板の外側の海中で生じるものである。仮に外板を完全破壊できたと仮定したとしても、空層によって遮断される。
バブルジェットは高圧ガスが水を押しのけて膨張したのち、収縮する流れが中央部に収束することで直進性の高い水流が生じるものであり、炸裂後の高圧ガスがなくなった後に生じる。舷側で炸裂しても上は自由空間なのでバブルがそもそも形成されないことをおいても、その加害範囲は炸裂時の高圧ガスによる破壊よりはるかに狭く、貫通力においても厚い液層を貫通することさえ難しいと考えられる。
当時の魚雷においてきれいなバブルジェットが形成できたかは不明であるが、磁気魚雷による艦底部に対する攻撃の場合はバブルジェットによる破壊は起こりうると思われる。ただ、炸裂点が艦底の至近である場合は高圧ガスによる破壊効果の方が大きいなど、炸裂点と艦底の距離によるのかもしれない。
溶接部分の強度低下
よくある誤解に、溶接個所は強度が低下するというものがある。これは誤りであり、一般的には溶接個所の引張強度が母材(装甲材)と同等かそれ以上となるように設計される。つまり、溶接金属と母材は金属組成等が異なり、溶接金属の方が引張強度が高く、母材(装甲材)部分の方が引張強度が低いが靭性が高い(よく伸びる)。溶接の品質が保たれている限りにおいて、水雷防御隔壁において破断するのは溶接部分ではなく装甲材部分であるのが本来である。
しかし、完全溶け込みになっていなかったり、母材と溶接金属が十分に混ざっていないといった加工不良や、溶接金属の選定ミス、不十分な熱管理、そもそも母材が溶接に向かないものだった、など、溶接部分や周囲の母材の強度を低下させる要因は多数ある。
溶接部分の強度が低下していると、装甲材はほとんど変形しないまま溶接部分だけが破断することになるため、特にビスマルクの水雷防御隔壁のような用途においては致命的な防御力低下をもたらしうる。
一言でまとめるなら、溶接品質さえ保証されていれば装甲材の限界まで耐えられるので堅牢だが、溶接に問題があれば極めて脆弱になる、ということになる。
艦底部の防御
WW2世代の戦艦は舷側に強力な水雷防御を備えており、容易には致命傷を与えられなくなっていた。
日本の酸素魚雷のように、高威力の魚雷で水雷防御の貫通を狙う方向性の他に、磁気魚雷のように防御の薄い艦底部を攻撃することも考えられていた。また、水中で炸裂する機雷も艦底部側から損害を与えられる可能性があった。
こういった攻撃に対応するため、戦艦の場合、主要部にはダブルボトムまたはトリプルボトムが採用された。
ダブルボトムは、船体の強度を高めるとともに、外板が破損した場合の浮力喪失範囲を抑えることが主目的である。しかし、重要区画への浸水を完全に防ぐには限界があると考えられた。戦艦においてはダブルボトムに装甲を配置される場合もあるが、詳細な情報が見つからない場合が多い。
トリプルボトムはダブルボトムに上に空間を挟んで薄い装甲を配置することにより、ダブルボトムを部分的に破壊されても重要区画を保護できるようにするものであり、スペースを犠牲に浸水を抑制するものである。
ただし、必ずしもトリプルボトム構造の方がダブルボトム構造よりも防御力が高いとは限らず、ダブルボトム部分の装甲が薄ければトリプルボトムの薄い装甲まで容易に貫通されて意味がない、ということも起こりうる。また、各層の厚みも影響しうる要素で、例えばビスマルクの艦底部ダブルボトムの厚みは1.7mと厚く、サウスダコタのトリプルボトムは艦底側から0.9m(液層)+0.9m(空層)と、合計厚はあまり変わらない。
(各戦艦の艦底部の厚み)
リットリオ:1.2m+1.3m
アイオワ:0.9m+0.9m?
ビスマルク:1.7m
大和:1.4m
KGV:1.2m
リシュリュー:1.1m
それ以外の要素として、重要区画内の区画配置も防御力に影響する。
例えば、ビスマルクの弾薬庫は艦底部からかなりの空間をあけて配置されている。大和も一般的にはダブルボトムといわれているが、弾薬庫下部に装甲があり、装甲とダブルボトムの間に大きな空間が確保されているため、弾薬庫自体は単純なトリプルボトムよりも手厚く保護されていると言える(トリプルボトムの方がダブルボトムを貫通されたときの浸水量を限定できるが)。
基本的にダブルボトムは液体で満たされており、トリプルボトムの場合は外側は液体で満たし、内側は空間とされる。舷側に魚雷が命中するときは接触起爆により高圧ガスが流れ込んでくるため、それを緩和するために空層が用いられるが、艦底部側は艦底から数m離れて起爆することを想定しているため、外側は液体で満たしたほうが、水中を伝搬する衝撃波に強く、バブルジェットに対しても拡散させやすいため有利であると考えられる。
水中弾防御
水中弾の概要
水面下に命中した砲弾が艦内で炸裂するような場合、その命中した砲弾は水中弾と呼ばれる。特に、主装甲より低い位置に命中する水中弾は、装甲が薄い部分を艦内深くまで進んでから炸裂するため、致命的な一撃となる可能性がある。
一般的なAP弾においては、弾底部の遅延信管により、最初に衝撃を受けてから一定時間後に炸裂するように設計されている。砲弾が海面に着水したときに信管が作動し、水により急速に減速しながら進み、艦内の水雷防御隔壁を貫通してから炸裂するには、信管の遅延時間がかなり長く設定されていなければならない。しかしながら、長遅延信管を用いたAP弾の場合、艦の軽装甲部分(上部構造など)に命中して信管が起動しても、高速な砲弾が艦を完全に貫通してから炸裂する可能性がある(過貫通)。
例えば、日本海軍は水中直進性を高めた砲弾に長遅延信管を使用することで水中弾によって致命傷を与えることを重視していたが、米海軍は確実にダメージを与えることを重視して短遅延信管を採用していた。
水中弾は水中を長く移動するほど速度が落ちるため、水面下の低い位置に命中する水中弾ほど貫通力が低くなる。そのため、水中弾を防御するための装甲は低い位置ほど薄くなるようにテーパーとされるのが一般的である。
水線下の主装甲に命中したものも広義での水中弾といえ、主装甲を損傷させ、弾片が隔壁を破るなどして浸水を引き起こすこともありうるが、ここでは主に主装甲より下の防御の薄い部分に命中した水中弾について扱う。
一般的な水中弾防御
弾薬庫とまとめて呼ばれるが、実際は装薬を格納している火薬庫(magazine)と、砲弾を格納している弾庫(shell room)に分かれている。より危険なのは火薬庫で、誘爆しにくいよう金属容器に入れられているとはいえ、爆風で破損して引火すれば、そのまま爆沈につながるためリスクが高い。一方、砲弾は信管による起爆でなければ簡単には引火しないため、火薬庫よりはリスクが低いと言える。
弾薬庫、特に火薬庫に突入して炸裂した場合は、 16in砲弾でも8in砲弾でも一撃で爆沈につながる可能性があるため、戦艦における水中弾防御においては弾薬庫への突入を最優先で防ぐ必要がある。
しかし、水中弾は発生確率が低いため、水中弾防御にどこまでリソースを割くかは難しい問題である。また、水中弾防御には水面下低い位置まで伸びた防弾性の高い装甲を外側に配置することが望ましい一方で、魚雷防御においては水中の外側に硬い装甲板を配置したくないため、WW2の戦艦においては、これらをどのように両立させるかが問題となった。
火薬庫に比べれば重要性が低いとはいえ、水中弾が機関室内で炸裂した場合、大きく破壊されるうえに、主砲弾が貫通した破孔を通じて舷側から急速に浸水するため、機関室の一部を放棄することになる可能性が非常に高い。
これに対して、水雷防御隔壁の外側で炸裂し、弾片だけが貫通した場合、重要区画への損害は必ずしも大きくなく、浸水が止められずに最終的には区画が放棄される場合でも、直ちに能力を喪失するわけではない。水中弾においては、水雷防御隔壁を貫通してから炸裂するか否かで被害に大きな差が生じるといえる。
実際のWW2の戦闘をみると、戦艦が沈没・大破した原因は魚雷が多く、水中弾防御よりも魚雷防御の方が重要であったといえる。それでも、水中弾による弾薬庫爆沈のリスクを無視することはできず、機関室内まで水中弾が貫通することも望ましくはなった。
水中弾は、海面への進入角度が浅いほど、水中を長い距離進む必要があり、水面下深い部分に命中するコースであれば水中で減速・炸裂すると考えられる。つまり、主装甲がある程度深い部分まであれば、主装甲よりも下に命中する可能性は低くなるといえる。
交戦距離が離れて海面への進入角度が深くなってくると、同じ位置への命中経路でも水中の移動距離が短くなり、信管の起動から短時間で艦側面に到達し、減速も少なくなるため、艦の奥まで到達できる可能性が高まる。
さらに交戦距離が離れると、海面への進入角こそ深くなるが、そもそも砲弾の命中率が低くなり、さらにその中で主装甲より下、かつ、火薬庫に到達しうるコースに命中する命中弾の比率はかなり小さい。
つまり、致命的な水中弾は近距離でも遠距離でも発生しにくいと考えられる。 (大雑把な目安として、落角にして15~20度、20km前後で発生しやすいとされる)
一般的には、垂直装甲や水平装甲を貫通後に炸裂した場合は、より下に配置したほうが安全であるため、弾薬庫の上に弾庫、下に火薬庫が配置される。また、弾薬庫自体も艦底部付近に配置される場合が多い。しかし水中弾の場合は、下にあるほど防御しにくいため、火薬庫をいかに守るかが重要となる。
水中弾防御の基本は、主装甲を水線下のある程度深いところまで延長し、火薬庫などの重要区画への進入コースをふさぐことである。
落角の小さな近距離側については、ある程度低い位置まで主装甲を伸ばすことにより、水中を移動する距離が長くなり、水雷防御隔壁に到達する前に失速または炸裂させる。
落角の大きな遠距離側においては、主装甲の下端が同じ位置でも、水中を移動する距離は短くなる。砲弾は信管の作動から短い時間かつ減速も少なく艦内に侵入する。しかし、この場合は主装甲の下端から急角度で進むため、そのまま艦底部まで貫通し、重要区画に到達する可能性をなくすことができる。
以上から、重要区画(主に火薬庫)と主装甲下端を結んだ進入コースにおいて、水中を移動する距離が十分に長ければ、重要区画への突入を防ぐことが可能であると考えられる。このため、主装甲下端が低く艦の外側にあり、重要区画が艦の内側にあるほど、安全性は高いといえる。また、より深くまで防御する水中弾防御用の装甲にも同様の効果が期待できるが、加えてより広範囲の弾片防御を兼ねている場合が多い。
傾斜装甲を採用した場合、主装甲下端の位置が艦の内部側によるため、火薬庫を水中弾から防御するには不利に働く。
実際の戦艦は左右に揺動しているし、その時の積載量によって水線の位置が変わるため、海水による減速を十分に受けられるかは状況に左右される。主装甲の下端と火薬庫の位置関係自体は変化しないため、艦を基準としたときのコース(進入角)は一定であるが、敵艦と逆方向に傾いた場合、数度きつい角度でも火薬庫に到達しうる(その条件を満たすタイミングは限られており、火薬庫コースの水中弾の発生率からさらに低下するので、そこまで対策する必要があるか、というのはあるが)。
ちなみに、主装甲下端から火薬庫のコースが完全にオープンとなっているのがネルソン級で、英海軍は水中弾を非常に危惧していた。ネルソンが設計された時点の信管ならリスクはそこまで大きくなかったかもしれないが、WW2世代の信管、特に長遅延信管であれば8in砲弾にも火薬庫内での炸裂を許した可能性が高い。水中弾防御の観点だけで言えば、火薬庫を上、弾庫を下にしたほうがましだっただろうが、垂直装甲や水平装甲を貫通された場合を考えれば一長一短だろう。
ビスマルクの水中弾防御

Wikipedia:KGV_Tirpitz_armour_and_underwater_protection.jpg
(Tirpitzはビスマルク級2番艦)
ビスマルクの弾薬庫の防御は、タートルバックが絶対に抜かれないならその直下が最も安全であるという考え方で、タートルバックの下に火薬庫、弾庫の順に配置されている。この配置により、舷側の主装甲の下を貫通した主砲弾が弾薬庫に突入する可能性をなくし、爆風が火薬庫に到達する可能性も極めて低くできている。
また、舷側の主装甲が低い位置まで防御しているため、それより下に命中する確率自体も低く抑えられている。水線下の主装甲に命中した場合、そこからの浸水はタートルバックにより限定される。
問題となりうるのは、舷側の主装甲より下に命中し、水雷防御隔壁を貫通または水雷防御隔壁より前で炸裂して弾片が貫通した場合である。
舷側の主装甲が低い位置まで存在するため、主装甲より下から進入した水中弾は水雷防御隔壁より外で炸裂する可能性が高いと考えられる。45mm厚とはいえ耐弾性に劣る水雷防御隔壁を弾片が貫通する可能性が考えられかもしれない。この場合、小規模な浸水が継続する可能性があるが、重要区画への浸水自体は問題であるものの、一撃で戦闘不能に陥るようなものではない。一方、水雷防御隔壁を貫通して機関室内で炸裂した場合、その区画を放棄せざるを得ず、速力が大きく低下する可能性が高いと考えられる。
ビスマルクのタートルバックは、水中弾が弾薬庫に突入することによる爆沈を完全に防ぎつつ、水中防御を魚雷防御に最適化することを可能とし、水中弾防御と魚雷防御の両立を容易にしたといえる。
他の戦艦の水中弾防御
同じ図に載っているので、KGV級の水中弾防御について述べる。
KGV級の主装甲は上下に広く、水中の深い位置に及んでいる。弾薬庫、特に火薬庫は艦底に配置されており、かなり低い位置にある。主装甲の下端と火薬庫の位置関係をみると、火薬庫に突入可能な角度が制限されており、水中をそれなりの距離移動しなければ到達できなくなっていることがわかる(つまり火薬庫に到達する前に失速・炸裂する)。また、長距離砲戦で落角が大きくなれば主装甲下端から火薬庫への突入するコースがなく、艦底部へ貫通すると考えられる。もしKGV級の主装甲下端の位置が浅かったとすると、水中弾が火薬庫に突入する可能性が生じるので、必要があってこうなっていると考えられる。
仮に、KGV級の舷側装甲を内装式の傾斜装甲とした場合、主装甲下端の位置が艦の内側に移動してしまい、火薬庫の安全を確保することが困難になる。外装式の傾斜装甲とすることも可能であるが、主装甲下端の位置を変えないまま外に傾斜させると中甲板が大きく外へ張り出す形になり、水平装甲重量が大きく増えることになる。それであれば、傾斜装甲をやめて厚い装甲としたほうが総合的には合理的であったのだと思われる。
言い換えれば、 KGV級は艦底が深く幅方向に余裕がない(水雷防御区画が狭い)ため、傾斜装甲を採用できなかったともいえる。
リシュリューの場合、水雷防御区画が広いため、傾斜装甲であり水中弾防御用の装甲ももっていないが、主装甲下端から火薬庫へのコースは開いていない。リットリオも、主装甲の高さは4.4mしかないが、水雷防御区画が広く火薬庫の位置が浅めであるため、主装甲下端から火薬庫へのコースは十分に守られている。アイオワや大和は、弾薬庫の下端と同じ高さまで水中弾防御装甲を延長している。
このように、WW2世代の戦艦は、基本的に火薬庫に対する水中弾防御を持っていると考えられる。ただし、日本の九一式徹甲弾のような水中直進性の高い砲弾(50m以上直進しうる)に対しては完全ではなく、リシュリュー、リットリオ、KGVは主装甲の下から火薬庫に到達するルートの水中弾が生じる可能性が考えられる。
水中を進む砲弾の挙動と弾頭形状による直進性の改善
砲弾が水中を進むとき、砲弾の前方に高圧が生じて、砲弾に対する非常に大きな抗力となる。着水時には下面からのみ圧力を受けることにより、砲弾を水平に近づける方向に回転させる。さらに、海中の浅いところにおいては、砲弾前面の上面から上方の自由空間(海面)までの流路抵抗が、砲弾前面の下面側から自由空間までの流路抵抗よりも小さくなるため、砲弾前面は上面の圧力が下面の圧力より低いことで砲弾を上向きに回すようにモーメントが生じる。砲弾の並進運動も姿勢に追従するように変化することにより、角度が浅くなる方向に砲弾の進路が曲がる可能性が高い。つまり、火薬庫と主装甲下端を結ぶコースの水中弾が、延長した直線と海面の交点よりも近くに着水しても生じうるため、水中の移動距離が少なめになる可能性がある。
通常の砲弾の場合、姿勢と運動方向に違いがある場合、砲弾の前面の角度が緩い側のほうが高圧になるため、姿勢と運動方向の差を拡大させようとする方向のモーメントが働き、姿勢を不安定化させる。砲弾は中心軸を中心に回転しているため、瞬時に大きく進路がそれるわけではないが、姿勢の不安定化は砲弾を急速に減速させると考えられる。
そこで、水中弾効果を重視した九一式徹甲弾や一式徹甲弾の被帽は、被帽本体と被帽頭に分かれた構造となっている。被帽頭が外れて砲弾前面の広い範囲が平面となることにより、仮に平面全体に均一に圧力が加わったと仮定すると、その合力は砲弾の重心をとおるため、砲弾を不安定化させるモーメントを生じない。より細かく見るなら、砲弾の姿勢と運動方向に差がある場合、おそらくは姿勢を取り戻させる方向の力が働くのではないかと思われる。
なお、スーパーキャビテーションと絡める説明を見ることがあるが、それは摩擦力に影響するものであって、弾頭前方に発生する圧力の差が砲弾を不安定化させる現象とは別の話であると考えられる。
- なかなか面白い記事です。ただ現実では船体装甲に重量を割きすぎて排水量の割に武装が貧弱になってしまったり、被弾で砲塔が使えなくなったり、駆動系やられて動けなくなったりとなってるのが現実の戦闘の難しさですね -- 2025-06-10 (火) 14:39:30
- 判断基準がよくわかりませんが、ビスマルク級の武装は別に貧弱ではないですよ。排水量のわりに火力が低いという意味ではヴァンガードがそうですが、当時のイギリスには新型砲塔を生産する余力がなかったのでやむを得ないところです。駆動系というのがどれのことを指しているのかは分かりませんが、被弾で砲火力を失うのは割と普通のことなんですよ -- 筆者 2025-06-10 (火) 19:46:25
- 二層水平防御の再現に関しては、RtW2には元々BEしか無くてBUへの被弾もBE被弾で代用されていた所に3で新たにBU装甲という概念が追加された前例もありますので、4でBとDの2種類の装甲を舷側ベルト・防護甲板傾斜部・防護甲板水平部・上部甲板装甲の4種類に分離して防護巡は防護甲板しか持てない・AoNは防護甲板を持てない・スロープデッキは上部甲板装甲だけ持てない…と順に再現していって最終的技術として4種類全てに装甲を張れるビスマルク式装甲が可能になるといった仕様なら面白そうですね -- 2025-06-15 (日) 23:10:35
- 配置に関してはそんな感じだと思います。それだとリシュリュー級みたいにAoNの中に薄いタートルバックを持つものも再現できますね。ただ、ビスマルク級やリットリオ級を再現するには脱帽判定の導入が必要なのが面倒なところで、がっつりメカニズムを変えないと難しいかなぁという印象です。リットリオ級の場合、舷側の70mm脱帽板がBUまで伸びていて、BU→Dを防御していますが(小口径弾、榴弾に対する防御も兼ねる)、RtW3ではそのルートは計算されていないんじゃないかな -- 筆者 2025-06-16 (月) 20:35:14
- 俗説についてのところ、具体的にどんな俗説があるのか、それに対する反論みたいなのも知りたいかもです -- 2025-06-30 (月) 16:58:34
- 個別の話についてはきりがないので扱う予定はないですが、代表的なものとしては「バイエルン級の設計を踏襲している」というのもその一つですね。 -- 2025-07-01 (火) 08:04:26
- 横からですが自分が聞いたことがある俗説を書いていきます。①装甲形式がWW1のバイエルン級と大差なく、旧態依然。フランス占領した際に鹵獲した建造中のリシュリュー級クレマンソーを研究した際、あまりの技術差に愕然とした。②バイタルパートへの被害は防げるが、船体内部での砲弾の炸裂を許すことになるため火災などにより戦闘力を早く喪失してしまい、結局それが沈没につながってしまう。③喫水下の防御が甘いため水中弾や魚雷に弱い。④甲板装甲が薄いため大落確の砲や徹甲爆弾に弱い。といったところでしょうか。おおよそこの項目で説明されているものですが -- 2025-07-01 (火) 16:36:08
- ざっと読んだ感想、「ちょっと褒め過ぎじゃない?」だった。というのは、ビスマルクが「堅牢で沈みにくい船」であることは「間違いのない事実」(実際、ビスマルク追撃戦で英海軍に袋叩きに遭っても簡単には沈まず、最後には魚雷による介錯が必要だったくらい)なんだけど、そうなった原因が砲戦開始からおよそ43分間で全主砲が無力化されたせいだ、ってことに触れてないから。フッドをワンパンできたのにその後に大きな戦果を挙げられなかったのはこのせいで、英海軍の16インチ砲弾には主砲塔のバーペットを抜かれてさえいいる。船体の防御の優秀さを雄弁する一方でこういった点に一切触れないのは「ビスマルクの記事」としては物足りないと思う。「沈みにくい」っていうのはドイツ艦の長所であって特徴。そういう設計思想で作っているから。だからビスマルクも沈みにくい船だった。実際、設計時に想定した砲戦の形態において、この艦の防御配置は優秀だったと思う。実戦の結果がそれを証明している。だけど早期に主砲を無力化されて「戦艦としての能力」を喪失してしまったのだから、自分はビスマルクの防御能力について、この記事のようには礼賛することは難しい。「沈みにくく堅牢な船だが、戦艦に求められるタフさは必ずしも十分ではない」というのが自分の評価になる -- 2025-07-02 (水) 18:11:15
- この記事はWW2世代の戦艦設計の考え方と、ビスマルクがそれらを実現するためにどういった設計思想を採用していたのか、その工学的な原理を説明するもので、ビスマルクの戦歴を追うことを目的とはしていません。例えば、実戦で膨大な被弾に耐えられたこと自体より、どういった原理でそれが実現できているか、別の状況であればどうなったと推測されるか、ということを技術的な視点から説明するのが趣旨です。いったんそれはおいて、戦史的な部分についてですが、ビスマルクが最後の戦いで沈められた要因は火力の喪失ではなく、操舵不能に陥ったことが原因です。そうでなければ、ロドニーでは追いつくこと自体が難しいです。また、沈没要因は当時の英海軍は雷撃によるものと認識していましたが、実際には自沈処置されています。主砲火力を喪失することを「どの程度」防ぐかは、国によって大きく異なります。木主の考え方が間違っているわけではなく、それを重視したのが日本の大和型です。ただ、10km前後の距離で戦艦主砲弾から主砲を防御しうるのは大和型ぐらいで、ほとんどの戦艦はそこまでの防御力は与えていないんですよ。ビスマルクの運用を考慮すると、火力維持に過大な重量をさくのは合理的でないと考えられます -- 筆者 2025-07-02 (水) 20:32:39
- つまり貴方は、「ビスマルク」の優れた点しか見たくないし書きたくない、ということですね。よくわかりました。被弾の原因が舵機の破損であるというのはその通りですが、それは「被弾したら高確率で砲塔が機能を停止する」という、防御上の重大な問題についてなんの弁護にも擁護にもなっていません。あと戦艦大和とビスマルクの防御思想は大きく異なっているので、ここで引き合いに出すのは不適当であるとしか申せません。特に記事中ではビスマルクの多層防御について強調しておられますが、大和がそうではないということは艦艇ファンであれば当然ご存じのはずです。比較として適当ではありません。筆者のお考えはよく分かりましたので、自分からこれ以上何かを申し上げることはいたしません。どうぞお好きなように自説を語ってください。 -- 2025-07-02 (水) 20:48:40
- すみません、言い足りなかったので一点だけ追加を。「こんなつまらん自己弁護や論点ずらしをするような人とは真っ当な議論なんてやってられない」。以上です -- 2025-07-02 (水) 21:01:33
- 流石にこれだけのやり取りでそう断言してしまうのは乱暴過ぎる気も。これに関しては、木主と筆者の間で砲塔に被弾した時の被害の想定に大きな差があるのでは?筆者は火力が減じるだけ、最悪速度と防御を活かして、北岬沖海戦でシャルンホルストはギリギリできなかった逃げる選択をすればいい。木主は砲塔が破壊されるならば、誘爆などで船体やその他の場所にも被害が及ぶ、火力を発揮できないと戦艦としての能力が発揮できない=役に立たない存在、敵戦艦にフリーハンドを与えてしまいジワジワとなぶり殺しにされる。という考えの違いがあるんじゃないかなと勝手に推測してます -- 横から 2025-07-02 (水) 22:01:09
- 被弾で砲塔無力化とバーベット抜かれるはビスマルク固有の問題じゃなくて他の戦艦にも共通する問題だし、そこにビスマルク特有の何かがあるわけじゃないから省いてもいいのでは? -- 2025-07-03 (木) 10:17:16
- この記事はWW2世代の戦艦設計の考え方と、ビスマルクがそれらを実現するためにどういった設計思想を採用していたのか、その工学的な原理を説明するもので、ビスマルクの戦歴を追うことを目的とはしていません。例えば、実戦で膨大な被弾に耐えられたこと自体より、どういった原理でそれが実現できているか、別の状況であればどうなったと推測されるか、ということを技術的な視点から説明するのが趣旨です。いったんそれはおいて、戦史的な部分についてですが、ビスマルクが最後の戦いで沈められた要因は火力の喪失ではなく、操舵不能に陥ったことが原因です。そうでなければ、ロドニーでは追いつくこと自体が難しいです。また、沈没要因は当時の英海軍は雷撃によるものと認識していましたが、実際には自沈処置されています。主砲火力を喪失することを「どの程度」防ぐかは、国によって大きく異なります。木主の考え方が間違っているわけではなく、それを重視したのが日本の大和型です。ただ、10km前後の距離で戦艦主砲弾から主砲を防御しうるのは大和型ぐらいで、ほとんどの戦艦はそこまでの防御力は与えていないんですよ。ビスマルクの運用を考慮すると、火力維持に過大な重量をさくのは合理的でないと考えられます -- 筆者 2025-07-02 (水) 20:32:39
- すみません、昨日ここでキレ散らかしてたものですが、一晩寝てやや冷静になったのであらためてコメントをさせていただきます。 -- 2025-07-03 (木) 13:06:30
- まずは、多くの方に楽しんでいただくべき場でああいった「ケンカ」を起こしてしまい、大変申し訳ありませんでした。謝罪させていただきます。ですが、やっぱりもう少しだけ言わせてください -- 2025-07-03 (木) 13:07:30
- 自分がなんであんなに怒っていたかというと、この記事の内容についてです。長くなるので読みたい方だけおつきあいください。記事ではビスマルクの装甲配置について説明(よく調べてあるなと感心しました)した上で、「世間ではこういったことを知らずに、旧いなどといわれのないことを言われている」みたいな、大筋でそんなことを言っていると思うのですが、それがまったく違うのです。ビスマルクの装甲配置は、ここで説明されているような技術的な部分を加味しても「やっぱり旧い」んです。なんでかっていうと、戦間期に各国で起こった装甲配置に関する進化をまるで取り入れられていないから。戦間期にはAoNが発達しましたが、こうなった理由は軍縮条約の発効で限られた排水量で出来るだけの防御を確保しなければならなくなり、重層的な多層防御を採用できなくなった、というのもあるんですが、ビスマルクで採用されていたような防御方式にある欠点が問題視されたからです。それは、「タートルバックで艦の深部は強固に守られるが、それ以外は守れない」、つまりは「装甲に多大な重量を割いている割に防御できる艦内の容積が少ない」というものです。このスレで詳しく説明してくれていますが、多層防御で考えているのは艦の深部、機関部や弾薬庫を保護し、艦に浮力を発生させている部分を徹底的に守るということで、それ以外の部分については艦深部を守るための「緩衝地帯」みたいな扱いで、被害を許容する設計になっています。これの何が良くなかったかというと、艦の深部は守れても、被弾すると艦内に大きな被害が生じ、それによって戦闘能力を損失しやすいという部分です。要は、「船としては沈みにくいけれど、軍艦としての戦闘力は早期に失う」という設計になってしまうんです。ユトランド沖海戦から、砲弾が上から降って来ることを警戒しなければならなくなり、そうなった時にこれでは既存の設計では容易に戦闘力を喪失してしまうということで問題視され、タートルバックを止めて防御甲板を上に持ってきて、艦内にできるだけ広い範囲で安全圏を確保しようというのが、戦間期に各国で起こった装甲配置の変化なんです。この記事ではその点をまったく抑えられていない。中には確かに根拠のない思い込みで「旧い」って言ってる人もいますが、実際に調べてみて、この記事で紹介されているような設計思想を理解した上でも、「やっぱり旧いよね」となるのがビスマルクの設計なんです。間にシャルンホルストを挟んでいようと関係ありません。WW1の、帝政ドイツ時代の設計の拡大発展型だから、「旧い」って言われているんです。この記事ではそういう点を全然わかっていないのに、まるで「真実に気づいているのは自分だけ!」みたいな書き方をしているじゃないですか。自分がまず不快に感じたのはこの点でした。だってビスマルクの喪失にはこの「設計の旧さ」が強く関わっていると思うんです。考えていただきたいのですが、もし、ビスマルクが戦間期の装甲配置の変化に追随し、多層防御を止めて艦内に広い安全圏を確保する配置にあらため、装甲重量を効率化し、その分を砲塔周りに振り向けていたら?砲戦開始から短時間で全主砲を無力化される、なんて事態にはならなかったんじゃないですか。あるいは、KGⅤやロドニーのどちらかに手痛い打撃を与え、もしかすると撃沈さえできていたかもしれません。なにしろフッドをワンパンできるくらいの砲撃力は持っていたんですから。ですが史実では一方的な結果でした。「最後まで敵の攻撃では沈まなかった」なんてのは、「海戦早々に主砲を無力され、抵抗する術を奪われて、英国海軍に嬲り殺しにされた」という結果の悲惨さを思えば、なんの慰めにもなっていません。あらためて言いますがビスマルクの設計は「やっぱり旧い」。でもまぁそれだけだったらまだ良かったんです。一番カチンと来たのは、自分がつけたコメントに対してダラダラとテキトーな、取ってつけたような言い訳を並べ立てたことです。「舵機が破損していなければ」なんて、早期に主砲火力を喪失したことの弁護にはなんにもなっていません。被弾したら高確率で壊れる主砲を持った戦艦って何ですか?「速力で逃げられる」なんてのも、「戦艦なのに敵の戦艦が出て来たら尻尾まいて逃げるつもりなのか?」って思いました。ビスマルクは史実では通商破壊に投入されましたが、建造経緯を考えれば、本当は艦隊決戦用に作られた船であるはずなんですよ。だって当時のドイツ海軍、多数の戦艦や空母も持った大艦隊を再建するつもりでいたんですから。早々にWW2が始まったせいで計画は頓挫しUボートによる通商破壊メインに切り替えてますが、ビスマルクは敵の戦艦と真っ向から打ち合うための船だったはずです。速力は逃げるためではなく、より優位な位置につき、敵を確実に狩り立てるためのものだったんじゃないでしょうか。大体、接近戦に強い設計をしているのに、速力で逃げ回って接近戦を仕掛けない船、なんて矛盾しています。あまつさえ、引き合いに「大和」を出してくるだなんて。大和はビスマルクが取り入れなかった戦間期の装甲配置の発達の権化みたいな存在で、最大砲戦距離30キロ以遠までを想定した船ですよ?ここで説明されているビスマルクとは全然設計思想が違うじゃないですか。記事の中であれだけペラペラとご高説を垂れ流し、自分とは異なる意見を「根拠のない風聞だ」みたいに言っておきながら、いざ否定しようのない指摘を受けるとウダウダと言い訳ばかり並べて。みっともないったらありゃしない!って思ってついつい腹が立ってしまいました。あらためて、ご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません。記事の内容について、ビスマルクの装甲配置の説明については非常によくできていると思いますので、ぜひ一部の内容を修正した上で掲載を継続していただければと思います -- 2025-07-03 (木) 13:43:17
- きちんと読んで理解してからコメントしてほしいというのが正直なところです。木主の考えは戦間期(条約期)の設計思想で、WW2では時代遅れになっていました。戦艦の主砲弾だけ防げればよい、という時代ではなかったというのもありますし、交戦距離も戦間期の想定である20~30kmよりかなり近い10km内外だったわけで、AoN配置だから防御範囲が広い、ではなく、AoN配置では重要区画も防御できない、となっていたんです。例として英戦艦の設計を見てみましょう。40000t級のKGV級は舷側装甲374mmありますが、ヴァンガードは48000t級と大型化しているのに舷側装甲は349mmに減厚し、艦首尾に垂直装甲を追加しています。さらに、1944年以降の設計案では舷側装甲は250mm~300mm程度まで減厚されています。戦間期の重要区画の集中防御という設計思想から大きく外れているのがわかりますね。別のアプローチの一例として、リシュリュー級はAoN内部に40mmのタートルバックを備えています。舷側を貫通されても重要区画へのダメージをできるだけ抑えるためにかなりの重量を割いているわけです。仮に木主の考えるような設計思想であればこんな無駄な装甲は設けず、KGV級のように舷側装甲に集中させますよね -- 筆者 2025-07-03 (木) 22:39:14
- 条約明けで排水量に制限の無くなった世代の戦艦が新たにタートルバックを設けたり、ビスマルクのような多層防御的な構造を持っていることはおっしゃる通りです。ですがそれとビスマルクの設計は根本的に違います。ビスマルクのタートルバックはいったいなんミリですか?例に出したように、40ミリではないでしょう?要はこの40ミリというのはビスマルクのように主砲弾を受け止めるためにあるのではなく、弾片防御なんですよ。まずは舷側装甲と上側に持って行った防御甲板で艦内容積のできるだけ広い範囲を守る。その上で、装甲を抜かれてしまった場合に被害を局限するために予備の装甲を設けた設計になっているんです。ビスマルクとは違でしょう?ビスマルクの構想では、タートルバックより下の艦の深部は守ることができますが、それ以外は緩衝区画として切り捨てている。貴方が新たにご指摘になった設計とは明らかに異なっているでしょう?その点の理解がおかしいと指摘させていただきます。戦間期にAoNを採用した各国だって、本音を言えばタートルバックの有効性は惜しかったんですよ。全体に装甲を施したかったんですよ。その上で条約の制限があるから仕方が無く切り捨てた。ビスマルクだけが多層防御や全体防御を「知っていた」のではなく、当時の海軍国はみんなそれを知っていて、敢えて取捨選択せざるを得なかったのだという事情があることをまずご理解ください。ビスマルクの設計思想は先進的なのではなく、古くから知られていたことを純粋に強化して適用したものなんです。だから「旧い」と評価されている。貴方が新たにご指摘になったより新しい戦艦では艦内容積の多くをきちんと保護できていますが、ビスマルクではそれ以前に指摘された、タートルバックから下以外は被害を受けやすいという弱点がそのままになっているんです。敢えて繰り返しますがそういうところが「旧い」んです、ビスマルクは。それで、条約がなくなったから各国もタートルバックを復活させたましたが、それはビスマルクのように艦の深部「だけ」を徹底的に守るためではなく、上側に持って行った防御甲板や舷側装甲を射抜かれてしまった場合の被害を制限するためなんです。大和にだって図面を見ればタートルバックみたいなものがついてるでしょう?あれも断片防御のためについてるものだと思います。ご自身がこのページでご説明した通り、ビスマルクは上側の補助的な装甲を緩衝材にして、タートルバックで敵弾を確実に受け止めるという構造ですよね?そして新たにご指摘になった設計の新しい艦艇は、まず先に主要な防御装甲で敵弾を受け止め、それでも貫かれた場合に薄いタートルバックで弾片や爆風を遮るという構造になっているんです。つまりは主従が逆で、設計思想がビスマルクとは同一ではないということです。一旦AoNに寄り道をした上で、その進化に旧来から知られていた既知の工夫を再度施したというのが実態で、繰り返しになりますがビスマルクとは決定的に考えが違うんですよ。まぁこの点は、ビスマルクから進化したんだ!と言えないこともないかもしれません。貴方がご指摘になった新しい設計は、AoNと従来の多層防御のいいとこどりをしたようなものですからね。ただ、ビスマルクのタートルバックと、最後の世代の戦艦が持っていたタートルバックは、役割が違う、防御についての考え方が大きく違うというのは確かですし、きちんと読んで理解してからコメントしてくださいなんて言う前に、そちらがまずこの違いをきちんと理解して下さいとしか申しあげられません。数字見れば役割が全然違うことくらい想像できませんか? -- 2025-07-03 (木) 23:40:54
- 繰り返しになりますが、戦艦主砲弾に対する防御の優先度が低下する一方で、主砲弾から重要区画を防御することが困難になっていたのがWW2期の戦艦なんです。AoNだから広い範囲が守れるという前提が崩れているからリシュリューは直接防御を犠牲にタートルバックの断片防御で重要区画への被害を限定しようとしているし、戦艦主砲弾に対する防御より優先するものがあると考えられたからヴァンガードの舷側装甲は減厚されているわけです。WW2世代の戦艦においては、下甲板から中甲板の空間を、戦艦主砲弾に対して、完全に防御することが最優先ではなくなっているんですよ。例外が大和型で、これは木主の考え方を体現した設計なんですね(ちなみに、大和型のタートルバックっぽい部分は10mm~15mmぐらいの構造材で戦艦主砲弾の断片防御としては不十分ですが、舷側装甲で防御できるという前提なら問題ないわけです)。では大和型の考え方が「旧い」かというとそうではなく、大和型の建造目的に合致した合理的なものといえます。ただ、WW2世代の戦艦の多くはそうではないってことです -- 筆者 2025-07-04 (金) 07:39:15
- 「そんなことは分かってる」んですよ。自分も当時の海軍関係者もみんな。理想形は艦内を広く保護できる箱型の装甲+予備としてのタートルバックなんですよ。主砲弾を完全に阻止できればそれに越したことはありませんが、念のために予備も欲しい。できれば艦全体を保護するために主要な防御区画以外にも装甲を施したい。そんなのは常識なんです。(ちなみに大和でそうなってないのは造船能力の都合であれ以上大きくできなかっただけです。秘密兵器の46センチ砲とできるだけ速い速度が欲しいというのを加味して全体防御はあきらめ、その代わり徹底的に主要部は守るっていう選択をしてます。もしも建造が可能だったらもっと広範囲に装甲を施していたと思います。その方が「強い」ですから)貴方が言っているようなことを説明するためにはビスマルクの設計はそもそも不適当なんですよ。だって第一次大戦型の多層防御の焼き直しの域に留まっているんですから。強化されてはいますがメリットもデメリットもそのままです。「改良型」ではあっても「進化型」ではないんですよ。主砲弾が装甲を貫通することを想定してタートルバックを設け、他の部分についても被弾を想定して装甲を施す、なんてことはそれこそ前弩級戦艦のころから行われていたことでしょう。そういう視点で見るとビスマルクの装甲の設計は「真新しいもの」でもなんでもない、強化発展型です。それに、貴方が言うようなことを説明したいのならば、そもそも引き合いとして持って来るべきだったのはリシュリューでしょう。WW1で問題視された、タートルバックでは防御範囲が狭いという課題を、防御甲板を舷側装甲の上側に持って行った箱型の装甲で解消し、その上で、それでも装甲を貫かれた場合に備えて予備の装甲を持っている。それこそ「完成形」なんじゃないですか?貴方はそうおっしゃりたいんですよね?ビスマルクは完成形には至っていないのだと。未熟な部分があったのだと。リシュリューなどでは解消できている、WW1で明らかとされた欠点をそのまま引き継いでいる。だからその設計は「旧い」という結論にしかできないんです。どんなにビスマルクが好きでも。自分だって好きですよ、ビスマルク。だけど「旧い」って言うしかないんです。あくまで第一次世界大戦型の装甲配置の改良型に留まるもの。それ以上でもそれ以下でもないからです。性能は間違いなく向上しているし、多層防御という手堅い設計を採用している点はVery Goodなのですが、WW1で判明した欠点がそのままです。強いて言うなら、軍備放棄を強制されて一時的に技術を断絶されたドイツという特殊な環境下で、WW1型の多層防御を独自に進化・発展させ、とにかく上からの砲撃に対しても沈まないように作った、いわば他から枝分かれした「特殊進化」を遂げた船がビスマルクです。そういう「特殊」な設計の船でWW2の戦艦の全体を語るのは厳しいと思います。各国との技術交流を持っていたフランスが作ったリシュリューを例として持って来るか(ちなみにあの船がやたら評価高いのはこういう装甲の完成形と見なせるものを持っているからというのがあると思います)、英戦艦を引き合いに出して、ヴァンガードに至るまでの変遷を追った方が分かり易かったんじゃないですか?イギリスは戦間期も戦艦作ってるんだから変遷を追いやすいでしょう。どうしてもビスマルクについて解説したいというのなら「WW2世代の戦艦」なんて対象を広く取らないでそこだけに要点を絞って「戦艦ビスマルクの防御思想」とでも改題して、その特殊進化についてもしっかりと説明するべきだと思います。他の戦艦にはない特徴で、そこがおもしろい所ですから。これも繰り返しになりますが、この記事はビスマルクの装甲についての解説としてはよくできてると思います -- 2025-07-04 (金) 13:56:22
- まず、主装甲を貫通されたときの被害を軽減するために厚めのタートルバックで重要区画への被害を抑えるというのはWW1世代の設計なんですよ(Sloped deck)。水平防御を強化するにあたり、中甲板に装甲をはってタートルバックを除去することで重量効率を改善しつつ空間を確保しようとしたのが戦間期に主流になった配置(AoN)。リシュリュー級だけが重量を捨ててWW1式の厚いタートルバックに戻したわけです。では、WW1方式だからリシュリュー級は旧式かというと、そうではなく、WW2の戦況に対応してそう設計された、WW2世代の戦艦なわけです。ビスマルクやリットリオも同様で、それぞれの方式でWW2に対応しているわけです。先入観を持たず、WW2を想定した設計になっているか、で考えれば違う側面が見えると思いますよ -- 筆者 2025-07-04 (金) 21:22:37
- ビスマルクの設計が旧式だ、っていうのは、そのWW2への対応をWW1式の延長で無理やりやったことにあるんですよ。舷側装甲に対するスロープデッキの発想を、そのまま上から降ってくる砲弾に対応させただけなんです。だからWW1世代の延長で旧式だ、って言ってるんです。WW2世代に対応できてない、って言ってるんじゃないんですよ、そもそも。発想が昔の延長だから旧式だ、って言っているんです。良いも悪いも論じてはいません。「旧式だから悪い」なんて一言でも書きましたか?「WW1世代の弱点がそのまま残っているから、WW2に対応させた設計ではあるけど考えとしては旧いよね」がずっと自分が申し上げていたことです。また、「ビスマルクって特徴的な設計を持っている面白い船だよね」が自分の意見ですし、WW1時代そのまんまじゃないってのはちゃんとわかってますよ。貴方が丁寧に説明してくださいましたしね。元々自分がことさらにこだわっているのは、貴方が記事の中でご自身の自説以外を罵倒するようなことを書かれていたからです。どうもやり取りをしている内に思ったんですが、貴方、この記事でご自身が方々に唾吐いてるって、もしかして気づいていらっしゃらない?普通は書いてるうちにこんな書き方したら反感買うだろうなって見当つくと思うんですが、本当に釣りではなく真面目にやってるんですか?まずケンカを売ったのがご自身の方だ、ということはご理解ください。ビスマルクの設計が旧式だ、っていう評価は根拠のないものではなく、WW1時代の設計をWW2に対応できるように自己進化させた、っていう点から来てるんですよ。WW2の時代に合わせて独自の進化を遂げているというのはおっしゃる通りなんですが、そのやり方が保守的で、それこそリシュリューなんかと比べると強引さが際立ちますし(WW1の時代の水平装甲を滅茶苦茶厚くしてるだけなので)、戦間期で起こった各国の装甲方式の変化を取り入れられていない、WW1時代の問題点を残したままだから旧式って呼ばれてるんです。同じWW2世代の設計で、ビスマルクみたいな問題点を残してる船ってないじゃないですか。そういう点が「旧い」っていう評価につながっているんです。もしかすると貴方はそれをご自身が好きなビスマルクを否定されているように感じているのかもしれませんが、こちらにそういう意図はありません。自分が一番好きな戦艦は大和ですが、この大和にだって至らない点は指摘されているんです。自分は大和の欠点を語る時と同様に、ビスマルクの設計思想の特徴についてご指摘させていただいているつもりです。技術の断絶と国際的な孤立の中で、当時のドイツの技師たちがいかに「手持ちにある技術」でWW2に対応したか、っていう創意工夫の話だけだったらいくらでも拍手したんですが、明らかに昔の設計を引きずっているのに「世の中の評価は間違ってる!根拠ない!」なんてぶち上げられると、こっちも「ほう?吐いた唾飲まんとけよ?」って思っちゃうんですよ。根拠はこれまで何度も説明して来た通りに、「ある」んです。先入観でも何でもなく、これは事実です。WW2時代に対応が施されていようと旧式の延長です。それなのにまず貴方が記事の中でそういった長年かけて出来上がって来た評価を「根拠がない」みたいに書いているから、こっちとしては「いっちょその根拠とやらを示してやろうか」というわけです。どうしてそういう評価になったのかについて、まず貴方が「根拠がない」などと歪んだ先入観を持っているだけではなく、勉強不足です。根拠なく「旧式だ」と言っている人がいるのも事実ですが、根拠があって「旧式だ」って言ってる人もちゃんといるんですよ。おそらくは自分がここで指摘した以外のことを指摘している人もいるでしょう。そこは尊重しないといけないんじゃありませんか?それを貴方がやったみたいに高飛車に否定されたらこんな風に反撃したくもなりますよ。貴方がずっとこちらに反論してきたように。最初の方でもそういうことだってのは申し上げたはずですよね。ちゃんと読んでいただけたかはわかりませんが。この記事がもし「戦艦ビスマルク~その防御思想の特徴・ドイツ戦艦はどうやってWW2に臨もうとしたか~」とかだったら、別にこんなに文句つけてないですよ。普通に「面白い記事だな」で、「いいね」押して終わりです。ビスマルクはそうやって語るべきところの多い面白い戦艦ですし、何度でも言いますがこの記事で説明しているビスマルクの防御思想についての説明自体は大変良いです。このWikiにいいねボタンが無いのが残念です。ま、これ以上は水掛け論にしかならないでしょうし、自分からは以上です。こちらの言いたいことはあらかた言わせてもらえましたし、一番伝えたかったことも伝えられましたし。もう本当に何も言うことはありません。後はどうぞご自由になさってください。管理人様に怒られたくはありませんしね -- 2025-07-04 (金) 22:34:13
- シャルンホルストの装甲方式はWW1の延長上にない、まったく別の原理によるものなんですよ。だからWW1時代の「手持ちにある技術」では実現不可能です。大落角砲弾への対応という点だけで言うなら、WW1ドイツ戦艦の中甲板装甲を厚くしたのがリシュリュー級の装甲配置なんですよ。ドイツ海軍としては、それよりも優位性があると考えたからビスマルクのような設計にしたわけです。旧式という言葉の定義に食い違いがあるような気がしますが、旧式とは旧い方式、型式という意味が主で、暗に現状に適していないという意味を内包します。そういう意図でないなら、旧式という言葉は使わないほうが良いですよ -- 筆者 2025-07-05 (土) 07:19:15
- 何度でも申しますが、ビスマルクの設計はWW1時代の焼き直しの「旧い」設計ですよ。なんでかと言えば、「装甲を貫通された場合にタートルバックで受け止める」という設計は、すでにWW1で行われていたからです。前弩級の時代には弾片防御だけでしたが、WW1の時代にはタートルバックの主に傾斜部分に対し、英海軍などでは100ミリ厚の装甲を施した戦艦を登場させていました。ビスマルクやシャルンホルストのように装甲を抜かれた場合にも弾片ではなく敵弾を受け止めるという構造の元祖がすでに存在していたんです。こういった点を考慮すると、やはりビスマルクの設計はWW1世代の焼き直しとするほかはありません。各部に配置された装甲の役割も、構造も、強い共通点を持っているからです。WW1世代のスロープデッキ構造のデッキ装甲を厚くするとほぼ戦艦ビスマルクの防御構造になるんです(このゲームでもそれで疑似的にビスマルクを再現することができます)。これだけ共通点が大きいと、AoNという防御に対しての設計思想が明確に異なる「新種」が存在する以上は、WW1型の装甲配置の発展形に位置する「旧種」と分類する以外にはありません。別種ではありますが系統は同じなんです。だからビスマルクの設計はWW1の延長で旧いと言われる。貴方が「ない」とこき下ろしていた根拠はこれです。根拠はあるんです。このページの説明はそのままWW1世代のスロープデッキ装甲の説明とも重なるところがあるんですよ。また、バイエルン級を元にしているという説も、逆にシャルンホルスト級を間に挟んでいることで、余計にはっきりと繋がって見えます。「この設計で上からの砲弾に対処できるように作ったら、ああなるな」という延長軸で見れるのがビスマルクの防御構造なんです。想像がついちゃうんですよ。図面を見比べても真新しさなんて感じない。むしろ点と点がつながって明確な線でつながっていることがはっきりとわかる。WW2世代に合わせた独自の発展を遂げていたとしても「WW1の延長」で「旧式」という評価にしかできないんですよ。それに。貴方はことさらにビスマルクの装甲の利点を説明しておられますが、この装甲配置には「上から被弾した際、防御甲板の位置が低いので艦内の広い範囲に損害を受けやすい」、つまり「戦闘能力に影響を受けやすい」という欠点があります。これは設計思想を大筋で引き継いでいるので当然ですが、WW1世代の戦艦と共通した問題です。「沈みにくい」というメリットがある一方で、「被弾した際に戦闘艦としての能力を喪失しやすい」というデメリットもあるんです。AoNには、貴方が度々主張しておられる通り、「装甲を抜かれたら大損害を受ける」というデメリットがありますが、その代わり、防御甲板を上に持って行ったので「艦内の広い容積を装甲で保護でき、装甲を抜かれない限りは戦闘力を喪失しない」というメリットがあります。被弾した際に必ず装甲を貫徹される、というわけではありませんから、装甲の安全圏で戦う内は、AoNは被弾しても最大限の戦闘力を発揮し続けることができるのです。貴方がこの記事で主張されているような、ビスマルクの装甲配置だけが一方的に優れている、なんていうことはまったくありません。その優劣についてどう判断するかは、当時の各国の海軍それぞれの考え次第、そして個々人の考え次第です。貴方はまず、「自分だけが正しい!」といううぬぼれを捨てるべきでしょう。自分が度々挑発的なことをしているのは、貴方のそのうぬぼれを捨てさせるためです。ビスマルクに恨みはありませんが、高慢な貴方への反感はあるので「わざと」やってるんですよ。すみませんね。ビスマルクの装甲にも欠点はあります。AoNに欠点があるのと同様に、です。記事を修正し、他の意見が存在することにも配慮した内容に改めて下さい。それまでは何度でも「ビスマルクの装甲は旧い」って言い続けます -- 2025-07-05 (土) 10:32:20
- 具体的にどの英戦艦かはわかりませんが、その装甲材質、構造、取り付け角度はどうなっていますか?重要区画以外を防御することが無意味なわけではないですよ。それは下甲板~中甲板間だけでなく、中甲板より上や艦首尾側も同様です。中甲板から下しか防御しない方式では、大口径弾だけでなく中小口径弾でも多くの被害を受けてしまうから上部装甲帯を設けたりするわけです。一方、重要区画は1発でも致命傷になりうるというのが大きな違いです。WW1世代の設計を元に大落角砲弾への対策だけを取り入れると、追加で中甲板から上に装甲を張るのが自然なんですよ(防御範囲を確保しやすいので)。長門をはじめとした日本の戦艦がそれで、厚めのタートルバックに加えて中甲板や上甲板を強化しています。しかしこれはかなり重量効率が悪く、防御力もWW2においては不十分なものでした。1930年代に行われた大改装では弾薬庫側面の傾斜部に最大274mm、水平部に125mmもの装甲を追加しています。ビスマルクの防御方式は、こうしたWW1から発展した多重防御方式とは原理的にまったく異なるもので、貫通されないという点では同じでも、重量効率が違うんですよ。なんとなく似ているから同じ、というのは根拠にならないです -- 筆者 2025-07-05 (土) 17:15:30
- さっきから気になってたんですが、貴方、なんで頑なにビスマルク式のデメリットを認めようとしないんです?下部の装甲帯で艦の深部へのダメ―ジを完全にシャットアウトはできるけど、そこから上はダメージが入り易いって点はどう考えてるんです?大体、なんで装甲を貫徹される前提なんです?安全域で戦っている分にはまず抜かれたりしませんよ。ビスマルクだってそうでしょう?それに、長門型や他の戦艦が、貴方が言う「非効率」な装甲方式を採用したのは、そうしてでも守りたいものがそこにあったからです。そうでなけりゃみんな最初からビスマルクみたいな装甲方式採用してますよ。前のコメントで申し上げたとおり、ビスマルク式の装甲は生存するということにかけては随一ですが、戦闘能力を維持するという点において問題があります。長門のような近代化改修型と比較するより、もっと世代の近い艦と比較して下さい。各国ではその点を考慮したから上側に主な装甲を配置したんでしょう。もしビスマルクとAoNの同格の戦艦が戦ったら。装甲の安全域で戦っている内は、AoNの方が有利でしょう。被弾してもちゃんと防げるんですから。ここで比較しているAoNはビスマルクと世代の近いものです。ビスマルクだって装甲の安全域で戦っている間は装甲を貫通されることがありません。だけど上から砲弾が入ってきた場合、艦の深部から上が問答無用で大損害を受けるんですよ。艦の深部を守るというのには効率的かもしれませんが、装甲に割いた重量の割には守れる艦内容積が小さい。それがビスマルク式の特徴です。この点はAoNの方が有利です。弾薬庫と機関部だけ守れていても戦い続けられない、なんてことは説明するまでもないことでしょう。十分に接近して装甲の安全域を外れたら、今度はビスマルクの方が断然有利でしょう。お互いにズバズバ装甲を抜かれますが、ビスマルクには厚いタートルバックがあるのに対し、AoNには無いからです。対戦成績はきっと「勝ったり負けたり」するでしょう。接近される前にビスマルクを無力化出来たらAoN側の勝ち。そうでなければビスマルクの勝ちです。こうなるのはビスマルク式、その他のAoN式、それぞれにメリットとデメリットがあるからです。貴方がこの記事でやったみたいに「ビスマルクの方が優れている!」だなんて、優劣なんてつけられないんですよ。貴方の言い方だとね、そういところを説明できない。ビスマルク式のメリットだけ都合よく語って、デメリットを無視してるからおかしなことになる。生残性を求めて突き詰めた設計をしたのがビスマルクで、そういう選択をしたのがドイツでしょう。それ以外の国は装甲を貫かれた場合の不利を許容してでも、装甲の安全域で戦っている間は戦闘力を維持できる道を選んだ。そしてその方針は実戦を経て貴方が言うようなWW2での変化を経ても変わらない。装甲する範囲を大きく広げたヴァンガードは、ビスマルクみたいな分厚いタートルバックを持っていましたか?貴方はWW2では主装甲を抜かれ得るようになったと説明していますが、全体防御を採用する代わりに主要部の装甲を減らした設計とは矛盾しています。貴方が主張しているストーリーは、貴方がご自身の自説を主張するために恣意的に作られているものと感じます。大体、WW2の戦訓で主砲弾で抜かれる可能性があるって判明したというのなら、それで装甲を薄くたら、それこそビスマルクみたいなタートルバックが必要になるはずなのに、採用されてないんですよ。貴方はこれをどう説明するつもりなんですか?できないでしょう。そもそも自説を語りたいがために勝手にストーリーを作ってるんですから。論の土台がしっかりしてない。WW2で主装甲帯を貫通された事例ってほとんどないはずですよ。そもそも戦艦同士の戦闘があんまり起こってないんですから、貴方が言うような変化があったと証明できる事例がないんじゃないですか?ソロモンで霧島がやられたことしか思いつきませんが、全然世代の違う戦いで、14インチ砲の元巡洋戦艦と16インチ砲のAoN戦艦んですから、明らかに霧島の分が悪い。装甲の安全域において主装甲を抜かれるということの証明にはなりません。これでAoN側もかなりの損害を受けていますが、霧島の任務が飛行場襲撃だったので徹甲弾をあんまり撃ってなくて、1発だけ徹甲弾が命中してバーペットを割ったそうですが、夜戦で交戦距離が短そうなので事例としては飲用できないと思います。AoNに対してビスマルク式だけが圧倒的に有利だ、と主張できる材料になりそうなものが見当たらないんですよ。それとも、他になにか事例があってそのような「装甲を貫通されるようになった」という主張をされているのでしょうか。安全域で戦う分には問題ないと思うんですが。ちょっと話を戻しますが、ヴァンガードがAoNを基本として装甲範囲を広げたような設計になっているのは、各国で戦艦に対して望む性能が違ったからで、それぞれで装甲方式を取捨選択したからこうなっています。各々がそれぞれの考えでそれを選択した。貴方のやり方ではそこを説明できない。そういう選択をした各国海軍に対する尊重が無い。だからね、メリットとデメリットをちゃんと両方書かなきゃダメでしょう。それが公平な評価っていう物です。貴方の主張は全部、自説を肯定するために世の中の都合のいいトコロだけをつまんで来てる。だから説得力が全然ないんですよ。自分にとって都合のいい部分だけを抜き取って、不都合な事実からは逃げているし避けている。自分はずっと、ビスマルクの装甲のメリットを認めた上で、両論を併記しています。もしデメリットばかりを強調しているように見えるのだとしたら、それは貴方の方がメリットしか語っていないからです。こっちでバランス取ってるんですよ。AoNだってちゃんとメリットとデメリットを書いてるじゃないですか。そして自分は「とっちの方が優れている」なんて書いたりしない。「勝ったり負けたり」するんです。貴方が言うようにビスマルクの装甲だけが有利、なんてことはまったくない。ちゃんと良いトコロも悪いトコロも書いて下さい。それでね、自説以外を頭ごなしに否定するような記事の内容と、自説以外を根拠がないって断じるのも改めて下さい。 -- 2025-07-05 (土) 18:58:56
- ビスマルクに限らず、どんな方式にもメリットやデメリットはありますし、重量とのトレードオフになる部分もあります。それについてはさんざん説明している通りで、別にAoNより全面的に優っているなどとは言っていないですよ。ただ、再三指摘しているように、WW2世代では戦艦主砲弾に対する防御力が最優先ではないんです。ヴァンガードも主砲弾の防御が最優先だったなら舷側や甲板装甲を厚くしたり、リシュリューのように間接防御を補強したかもしれませんが、そうしていませんよね。あなた自身が「WW2で主装甲帯を貫通された事例ってほとんどないはずですよ。そもそも戦艦同士の戦闘があんまり起こってないんです」と書いているように、戦艦主砲弾対策の重要性自体が低下していたんです。にもかかわらず、主砲弾の威力が大きく向上したせいで、重要区画の防御すら難しくなった。それに対して重要区画を守るような設計もあれば、重要区画への損害を許容するような設計もされています。安全域で撃ち合うというのは、戦間期に想定されていた20km~30kmでのことですか?では、実際の交戦距離はどうだったでしょうか?WW2において、大落角の砲弾が次々に命中して重要区画以外へのダメージの蓄積が決め手になるというのは考えにくいし、もっと大きな脅威がたくさんあるんですよ。ちなみに長門の例は木主がWW1世代をベースに大落角の砲弾に対応させるという説に固執しているから、実際の事例をご紹介しただけですよ。少なくとも、私は木主の主張に説得力を感じないし、「自説を肯定するために世の中の都合のいいトコロだけをつまんで来てる」ように思います。まあ、そこは読んだ人が自分なりに判断すればよいと思いますよ -- 筆者 2025-07-05 (土) 20:25:27
- なんだ。ちゃんとビスマルクの装甲防御にもデメリットがあるってのは認めてるんじゃないですか。だったら最初からちゃんとその部分も書いておいてくださいよ。まるで「ビスマルクだけが正解だった」「欠点などなかった」みたいに書いてるから勘違いしたじゃないですか。最初っから両論併記でそう書いておいてくれればここまで食って掛かるような真似なんてしてませんでしたよ。確かに、こちらもムキになって恣意的になっていたかもしれません。その点はお詫びしておきます。ともあれ。総合的な結論として。「ビスマルク式」も「その他の形式」もそれぞれにメリット・デメリットがあり、ビスマルク式だけが絶対の正解などではなく、他の方式にも有利な点はあると。もちろん、ビスマルク式よりも劣る点もあると。そういうことですね?ようやく意見の一致を見てほっとしました。ずっとそれが聞きたかった。強いて言うなら記事についてもやっぱりもう少し「言い方」を考えて欲しいなっていうのはありますが、そこまで要求するのは贅沢ってものでしょう。修正するの大変でしょうし。ビスマルクの装甲にも欠点はあったとお認めいただけただけで十分です。今までお付き合いいただいてありがとうございました。お互い意見は違いますが、同じ艦艇ファンとして、筆者氏がこれからも充実した趣味ライフを送れることを願っておきます。 -- 2025-07-05 (土) 21:04:35
- まずは、多くの方に楽しんでいただくべき場でああいった「ケンカ」を起こしてしまい、大変申し訳ありませんでした。謝罪させていただきます。ですが、やっぱりもう少しだけ言わせてください -- 2025-07-03 (木) 13:07:30
- 上が騒がしいから気になったんけど、そもそもビスマルクに設計図とか設計を担当した技術者の証言ってどんくらい残ってるの? 一次史料があんまり残ってないのか気になる。 -- 2025-07-03 (木) 16:12:05
- 私は一次資料は探したことがないのでよくわかりません。ドイツ語は… -- 筆者 2025-07-04 (金) 07:39:51
- 技術者の思想はわかんないけどドイツ艦隊計画のZ計画の方向性が通商破壊か?大艦隊か?ってなった時に大艦隊になったというのはある。それ以降に設計されたヒッパーとかオイゲンの航続距離が短めらしいし。で、ビスマルクとかまで作って次はH級のでかいやつとか空母だ!ってころに開戦して余裕がなくなったので潜水艦へってなったのでヒッパーとか以降の大型水上艦は艦隊決戦用ではあると思う。 -- 2025-07-04 (金) 07:59:43
- 古今東西の戦艦好きを惑わすビスマルク…罪な奴だぜ -- 2025-07-03 (木) 23:58:53
- ビスマルクはバイタルが前後に長く幅も広いですが、これは運河通行のための喫水制限で幅広になり、幅広での高速確保のため機関が大きくなり、それに新戦艦では珍しい四砲塔が加わっているためと思います。ドイツが運河を通行できる高速大型戦艦を作ろうとすると砲塔数以外の条件は変えられないので、どうしてもAoN向き=バイタルを短縮したスタイルにはそもそもできなかったのではないでしょうか。そんな巨大バイタルに分厚いB/D装甲を張ってAoNを目指すよりは、幅を生かした浅角度の亀甲甲板を命綱にするというのは合理的な判断だと思います(四砲塔も一発で喪失する門数は少ないですし)。ただ、最終防衛線さえ強ければそれで良いわけではなく、AoNなら外で防げていたかもしれない被害を大きな船体で多数被りうるというようなデメリットもあります。2in級の上甲板などは航空爆撃に対しても不安があるレベルではないかと思います(イラストリアスや大鳳は3in級)。個人的にビスマルクの防御方式は「時代遅れな方式しか知らなかったので漫然と採用したのではなく、当事者なりの意図や根拠を持っている」「しかしその方式なりの欠点があり、AoNに対して明確に優越していたわけでもない」「単純な新旧/優劣ではなく、要求性能や港湾/運河などの地形、砲塔/装甲/機関の設計/製造能力、など様々な制限のなかでの選択結果だった」ぐらいに考えています。 -- 2025-07-04 (金) 00:24:13
- 艦幅が狭く3砲塔のシャルンホルストも同様の設計ですので、単純に弾薬庫や機関部を効率的に防御するために採用されたと考えたほうがよいかと思います。航空爆弾に対する防御としては、50mmでは防げない場合が多いと思います。ただ、ここで信管が作動すれば重要区画に到達する可能性は下がると考えられます。艦幅が広いと、魚雷防御は有利になる一方、甲板装甲重量が増大するという側面もありますね -- 筆者 2025-07-04 (金) 07:42:22
- 記事や議論を見た感じ、ビスマルクはある意味ポストユトランド型戦艦として独自進化した、というのが正しいのかな。最初の完全なポストユトランド型集中防御戦艦がネルソンだけど、条約に縛られたせいで完璧なものとは言い難いし、日米仏は条約に縛られる前提と重量効率という観点から集中防御に舵を切った。それに対して、ドイツはザイドリッツ始めWW1ドイツ戦艦が、少なくとも生還するという点では非常に効果的で、主砲の被弾や弾薬庫炎上しても生き残った実績からそのまま全体防御だったのかもしれない。英国には明らかに戦艦の数で劣るから、少しでも損失機会を無くす方に心血を注いだと。言わば日本が航空機に注力したり、一切の重要区画への貫通を許さない大和と同じように、数で劣る艦隊決戦で優位に立てるよう当時の状況で考え抜いた結果なのかな。確かに根本は古いけど、古い=弱いとは一概に言えないと。でもユトランドと違ったのは、チョビ髭がさっさと戦争始めちゃったせいで隊列を組んで戦い、大破離脱する間に敵を足止めする僚艦がいなかった、離脱しようにも航空機に再発見される確率が高くなった。 -- 2025-07-04 (金) 12:05:52
- ザイドリッツも含め、タフといわれるWW1ドイツ戦艦のタートルバックは30mm~50mm程度と断片防御程度の厚みで、ビスマルクのように主砲弾をはじき返すものではないんです。むしろWW1ドイツ戦艦に構造的に近いのはビスマルクよりリシュリューだったりします(ザイドリッツの上部装甲帯を廃して中甲板装甲を追加すると、ほぼリシュリュー級の配置となります)。WW1の英15in砲は砲弾に問題を抱えていましたが、WW2世代の砲弾は主装甲からタートルバック傾斜部を貫通してきますので、リシュリューやWW1ドイツ戦艦の装甲配置では防御に穴ができるわけです。それでも、主装甲を貫通されても容易には戦闘力を失わないために有効と考えられて採用されているわけですね。ビスマルク(シャルンホルスト)の防御原理はリシュリューやWW1ドイツ戦艦とは明確に異なるので、設計思想としてWW1からの連続性はないと考えてよいと思います。また、上甲板まで防御範囲を拡大したビスマルク、艦首尾垂直装甲を復活させたヴァンガード、上部装甲帯をもつリットリオ、タートルバックを復活させたリシュリューと、WW2世代の戦艦が直接防御以外にリソースを振り分けたのはWW2で想定された戦況がそれを必要としたからで、WW1の実績とは無関係と思ってよいです -- 筆者 2025-07-04 (金) 20:39:12
- 記事の投稿ありがとうございます。内容を簡単に確認させていただきました。1カ所だけ修正していただきたい点がありますのでコメントします。俗説について の項で他wikipediaについて苦言を呈されていますが、今のような書き方ですと、このwikiの管理人として「ここはRtWシリーズのwikiです。あちらも誰でも編集できる場所なのであちらで編集相談をお願いします。」としか言えなくなってしまいます。該当の1文のみコメントアウトしておりますので確認お願いします。 -- 管理人 2025-07-04 (金) 13:20:20
- 承知いたしました。ご対応いただきありがとうございます。 -- 筆者 2025-07-04 (金) 19:53:40

















