Siegfried

効果：主砲射程+4%、魚雷射程+4%、最大転舵速度+4%、海面発見距離-4%、EXPアップ+50%、シルバーアップ+50%

Ver5.0で偵察機Ix2を追加
Ver.7.0で小口径対空値が245から302に増加。

本艦は艦型的にはシャルンホルスト級戦艦と酷似している。シャルンホルスト級は、当初380mm砲の搭載を計画していたものの、イギリスを刺激したくないという政治的な判断と380mm砲の開発が遅れそうだったのもあり既にポケット戦艦で採用されていた283mm砲を改良しとりあえず搭載するという経緯があった。このとき後に380mm砲へ換装できるよう設計されていたが、残念ながら実行はされなかった(1942年にグナイゼナウは換装される計画があった)。O級巡洋戦艦はそれに先立つ形で380mm砲を搭載、砲塔が一基少ないとはいえビスマルク級に準ずる攻撃力を備えていた。

シャルンホルスト級との主な相違点として機関の違いがある。O級はH級と同じディーゼル機関、ポケット戦艦に搭載されていたMZ 42/58型を小型でより信頼の高いものにした出力14,500馬力のVZ 45/58型を搭載。 本来ならH級と同じく全機関をディーゼル機関にすれば航続距離が伸びるので望ましい。が、O級はより高速を要求される巡洋戦艦。ディーゼルだけでは出力が足りず、外側の2軸のみ各々4基のディーゼルVZ 45/58型を装備した。これが2軸合計で116,000hp、蒸気タービンの中央軸で60,000hpの計176,000hpを発揮でき、33.5ktの快速で走らせることが可能だった。蒸気タービンを交えたことで航続距離こそ短くなってしまったが、両舷のディーゼル機関だけでも25ktを発揮できたので、高速巡航には適していた。中央部の2本の煙突は、前部がディーゼル機関排気用で、後部が蒸気タービン排気用である。カタパルトがその間に設置され、砲撃の爆風も避けられることから通商破壊にはありがたい水偵の反復使用が可能だった。装甲はシャルンホルスト級に比べかなり薄くなっているが、理由は不明。通商破壊に専念させ、主力艦の戦いには参加させないつもりだったのかもしれない。この艦型に決まるまでには幾度の設計変更があり、当初はポケット戦艦の改良型で防御力を向上させたものとして、排水量23,000t,283mm砲3連装2基を中心とした船が計画されたものの、排水量が倍なのに火力が同じというのは不満が上がり、さらには38cm連装2基も計画されたがこれも4門では有効な射撃ができないとして計画は頓挫してしまった。結局、船体自体をより大型化して主砲塔、副砲塔をそれぞれ3基というシャルンホルスト級と同じデザインになったのである。このように通商破壊を目的として考えられていたO級は早期竣工を目指し起工から竣工まで3年半という短い工期が予定されていたが、3隻とも起工すらされずに建造は中止されている。
以下は要目となる。
基準排水量　28,900t
満載排水量　35,400t
全長　256m
全幅　30m
喫水　8.02m
機関出力　176,000hp
最大速力　33.5kt
航続力　16,000海里/19kt
武装　380mm砲(L45)連装3基
　　　150mm砲(L55)連装6基
　　　10.5cm高角砲(L65)連装4基
　　　37mm対空機関砲連装4基
　　　　　　　　　 4連装5基
　　　53.3cm魚雷発射管6門
　　　水偵4機
装甲　舷側190mm　
　　　甲板110mm　
　　　主砲210mm

　艦名の由来は、ドイツ語で書かれた叙事詩である「ニーベルンゲンの歌」に登場する英雄「ジークフリート」である。ニーベルンゲンの歌の詳細は知らずとも、邪龍ファフニールを討ち取った伝説の英雄といえば覚えのある者も多いだろう。なお、物語では倒した龍の血を全身に浴びた事で不死身の肉体を得るが…実は背中に葉っぱが付いていたためその部分だけが弱点となってしまった。最終的にその弱点を槍で突かれる事でさしもの英雄も最期を迎える。

　「ニーベルンゲンの歌」はキリスト教伝達以前のドイツにおける英雄的主題(勇者の婚姻、宮廷の内紛、復讐劇等)に基づき、それらに歴史的な出来事(5世紀から6世紀)、その他伝説上の人物等のエピソードが加えられて構成されている。ものすごく簡潔にあらすじを列挙すると、ネーデルランドの王子であり小人のニーベルング族が貯め込んだ黄金の現在の持ち主でもある英雄ジークフリートの非業の死が描かれるのが前編、ジークフリートの妻でありブルグント国王の妹でもあるクリームヒルト姫の復讐劇が描かれるのが後編となっている。なお興味深いのは元となった全39章の歌劇においては龍退治のエピソードは存在せず、不死身でもないジークフリートは狩猟に際して森の中で謀殺されてしまう(当然、黄金を守るために小人が龍に転じたという話も存在せず、物語が始まる前からジークフリートは小人から奪った黄金を持っている)。というのも、この物語の前半部はゲルマン神話のシグルズ(古ノルド語。中高ドイツ語ではジーフリト)の物語と起源を同じくしており、後半のクリームヒルトの復讐劇は12世紀にドナウ川流域で作られたブルグント族滅亡の叙事詩を下敷きにしているのだ。このため最終的にはブルグント王国の騎士たちの死とクリームヒルトの死によって終わるという結末は変わらないものの、写本によって細かい内容が異なったりもしている。これ以降は蛇足であるが、ニーベルンゲンの歌は1200年前後にほぼ成立、写本の数からかなりの人気作品であった事が窺える。また15世紀初頭には加筆が行われ、それまでには無かった内容(龍退治やクリームヒルト姫救出等)が追加されるも、16世紀頃に急速に忘れ去られていった結果、幾つかのエピソードは変容されつつも現在まで伝わっているのである。

　本艦は初期に出たドイツ初のプレミアム大型巡洋艦であるためか、後発の艦と異なり専用迷彩が用意されていない…エギルやオーディンの専用迷彩はかなり強引なこじつけであるが、本艦には「クリームヒルト」や「ブリュンヒルド」といった関連性の高い名前が存在するにも関わらずである。

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