Tier 5 ドイツ 中戦車
スペック
車体装甲厚(mm) | 80/30/30 | 本体価格(シルバー) | 373,000 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
最高速度(km/h) | 前進 | 40 | マッチング範囲(戦闘Tier) | 5~7 | ||
後退 | 18 | 派生元車輌 | Pz. 38 nA | |||
隠蔽率 | 静止時 | 0.262 | Pz. IV D | |||
移動時 | 0.196 |
パッケージ
┏ | ━ | ━ | VK 30.01 P E:26,235 S:920,000 | ||||||
Pz. IV H E:15,000 S:373,000 | ━ | PzKpfw IVF2 E:0 S:0 | ━ | PzKpfw IVG E:4,900 S:47,280 | ╋ | PzKpfw IVH (10.5cm) E:11,245 S:69,050 | ━ | VK 36.01 H E:27,000 S:935,000 | |
┗ | PzKpfw IVH II E:10,845 S:68,430 |
E:必要経験値
S:購入シルバー
詳細
パッケージ名 | エンジン | 主砲 | 履帯 | 砲塔 | HP | 通信機 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
出力 | 下記参照 | 車体旋回速度 | 砲塔装甲 | 通信範囲 | |||
出力重量比 | 地形抵抗 | 旋回速度 | 視認範囲 | ||||
Pz. IV H | Maybach HL 120 TR | 7,5 cm Kw.K. 40 L/43 | Pz.Kpfw. IV Ausf. G | Pz.Kpfw. IV Ausf. G | 440 | FuG 5 | |
350 | 30 / [25.38] | 50/30/30 | 310 | ||||
14.28 | 1.1/1.3/2.7 | 44 | 340 | ||||
PzKpfw IVF2 | Maybach HL 120 TR | 7,5 cm Kw.K. 40 L/43 | Pz.Kpfw. IV Ausf. G | Pz.Kpfw. IV Ausf. G | 440 | FuG 7 | |
350 | 30 / [25.35] | 50/30/30 | 415 | ||||
14.26 | 1.1/1.3/2.7 | 44 | 340 | ||||
PzKpfw IVG | Maybach HL 120 TRM | 7,5 cm Kw.K. 40 L/48 | Pz.Kpfw. IV Ausf. G | Pz.Kpfw. IV Ausf. G | 440 | FuG 12 | |
440 | 30 / [31.66] | 50/30/30 | 710 | ||||
17.81 | 1.1/1.3/2.7 | 44 | 340 | ||||
PzKpfw IVH II | Maybach HL 120 TRM | 7,5 cm Kw.K. 40 L/48 | Pz.Kpfw. IV Ausf. H | Pz.Kpfw. IV Ausf. H | 480 | FuG 12 | |
440 | 32 / [35.71] | 50/30/30 | 710 | ||||
17.53 | 1.0/1.1/2.4 | 44 | 350 | ||||
PzKpfw IVH (10.5cm) | Maybach HL 120 TRM | 10,5 cm Kw.K. L/28 | Pz.Kpfw. IV Ausf. H | Pz.Kpfw. IV Ausf. H | 480 | FuG 12 | |
440 | 32 / [34.90] | 50/30/30 | 710 | ||||
17.13 | 1.0/1.1/2.4 | 44 | 350 |
※車体旋回速度の実質値は通常地形、操縦手熟練度100%で計算。スキル及び超信地旋回の可否は考慮していません。
主砲性能 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 弾種 | 弾代 | 貫通 | ダメージ | 発射速度 | AP弾 DPM | 照準時間 | 精度 | 総弾数 | 最高角 最伏角 | |
7,5 cm Kw.K. 40 L/43 | AP APCR HE | 70 7G 38 | 103 139 38 | 110 110 175 | 13.95 | 1,535 | 2.30 | 0.41 3.61 2.89 | 87 | +20 -10 | |
7,5 cm Kw.K. 40 L/48 | AP APCR HE | 70 7G 38 | 110 158 38 | 110 110 175 | 13.95 | 1,535 | 2.30 | 0.39 3.43 2.75 | 87 | +20 -10 | |
15.00 | 1,650 | 2.30 | 0.39 3.12 2.06 | 87 | +20 -10 | ||||||
10,5 cm Kw.K. L/28 | AP HEAT HE | 120 10G 128 | 64 104 53 | 350 350 410 | 7.50 | 2,625 | 2.30 | 0.55 4.40 3.87 | 59 | +20 -10 |
※先頭のセルの色は対応するパッケージの色となります。
解説
- 概要
Tier5ドイツ中戦車。
A型、D型と続いてきたIV号ルートの終着点。
バランスの良い車輌性能を持ち、優秀な2つの主砲を使用可能。
本車自体の人気に加え、開発先にTiger IやTiger (P)に繋がるルートを持つため、使用人口は多い。
また、本車をアニメ「ガールズアンドパンツァー」のあんこうチーム仕様にしたプレミアム戦車のGuPは48口径7.5cm砲搭載の最終パッケージ(PzKpfw IVH II)と性能がほぼ同一である。
- 火力
最終砲候補は初期砲を強化したバランス型の7.5 cm KwK 40 L/48か、榴弾メインで単発攻撃力重視の10.5 cm KwK 42 L/28の2つがある。
俯角はどちらも-10°まで取ることができ、使い勝手が良いので自分が使いやすいと感じる方を選択すると良い。- 7,5 cm Kw.K. 40 L/43
初期砲。
Pz. IV Dの最終砲。
通常弾APの貫通力は103mmと心許ないが、課金弾APCRの貫通力は139mmと格上Tier帯の弱点を狙えればダメージは低いが十分に活躍できる。 - 7.5 cm KwK 40 L/48
最終砲候補その1。
初期砲と比べて発射速度、貫通力、精度が改良されており使いやすくなっている。
しかし、良くも悪くも突出した性能を持たず、APCRを用いても格上の重装甲車両を正面から貫通する事は難しい。
DPMもあくまで必要十分といったところで、強引に押し切るには不安が残る。
側背面に回り込む、履帯を切るなど中戦車らしい臨機応変な戦術を心掛けよう。
Tier3車輌をはじめとして、Tier4でもT-28やLuchs、同格ならAMX ELC bis、T67、Pz.Sfl. IVc等、有効な敵も多い。装甲が薄く、榴弾でも貫通できる相手は必ず覚えておこう。
またこの砲は多くのドイツTier6戦車の初期砲となっており、長らくお世話になるだろう。 - 10.5 cm KwK 42 L/28
最終砲候補その2。所謂10榴。
APではなくHEを基本弾種として使用する榴弾砲。
HEの発射速度や精度と引き換えに410という極めて強力な単発ダメージを誇る。
その威力は格下戦車の大半を一撃で吹き飛ばし、格上でも装甲やHPが脆弱なら甚大な被害を与えられる。
モジュールや乗員に複数打撃を与える事も珍しくない。
中戦車の機動力でこの火力を持ち運べる利点は大きく、M4 ShermanやRenault G1らと並んでTier5帯の象徴的主砲として恐れられる。
ちなみに本車は他国の10榴より発射速度が高い。
また、HEは貫通しなくても何らかのダメージを与えることができるが、さすがに重戦車相手にはそう易々と大ダメージは与えられない。
最大威力を狙うなら、機動力を活かして側背面や天板など「角度に関係なく、空間装甲のない、単純に装甲厚が薄い部分」を狙っていこう。
また、同格重戦車のKV-1やO-I Exp.は装甲の大半が75mm以上あるため、多少角度をつけられたり貫通値で低乱数を引いたりするとよく弾かれる。
本砲の精度では弱点狙撃も難しく、使い所の判断にはコツがいるうえ、価格も高価なので慣れないうちは無理に使う必要は無いだろう。
APは使わない、それ以前に積まないように。
- 7,5 cm Kw.K. 40 L/43
- 装甲
- 車体
前面は80mmあり、格下相手ならそれなりに弾いてくれる。
とはいえ傾斜など皆無なので、車体は傾けておこう。
また側面には5mmのシュルツェンが付いているためHE・HEATに耐性を持つ。
ただし、側面装甲そのものが30mmと薄いので過信しないように。 - 砲塔
一番厚い砲塔前面ですら50mmと薄く、10榴が当たると50%程の確率で貫通してしまう。
改良砲塔では周りに8mmシュルツェンがつくため多少榴弾には強くなるが、それでも真正面はがら空きなので注意。
射撃時以外には完全に隠し、それができない時は30度程度よそ見すると10榴の貫通を阻止しやすい。
また、10榴が貫通してしまうと言うことは格下の弾でも貫通しやすい事を意味している。従って互いに砲塔だけ出しての撃ち合いになると不利になりやすい。
余談だがキューポラは投影面積が大きいものの、初期砲塔・改良砲塔ともに大部分が95mmでこのゲームとしては珍しく砲塔本体より厚い。本車両の最硬部である。
- 車体
- 機動性
エンジン出力が高く、加速・旋回は良い。
最高速度は40kmと中戦車にしては相変わらず遅め。
IV号ルートを進んできた人ならいつも通りなのだが、Pz.38(t).nA.ルートから来た場合は鈍く感じるかもしれない。
- 総論
中戦車としての性能はTier相応でバランスが良い。
高い攻撃能力と扱いやすさを併せ持ち、Tier後半への通過点だけにするには惜しく、相変わらずクレジット稼ぎにも使える良戦車である。
敵に対して車体を傾けた状態を保ち、危うい砲塔と側背面は射撃時以外極力隠すことを徹底すれば、多少しぶとい戦い方ができる。
しかし装甲の薄さは相変わらず不安が残る。
敵との正面戦闘は出来るだけ避け、地形・物陰・機動力を生かして迂回し相手の側背面をとるように心がけよう。
M4 Sherman、Renault G1との性能比較
- 火力比較
砲の可動範囲はM4>Pz.IV H>G1 Rの順。
砲名称
[パッケージ]弾種 弾代 貫通 ダメージ 発射速度 AP弾
DPM照準時間 精度 総弾数 最高角
最伏角戦車砲 Pz. IV H 7,5 cm Kw.K. 40 L/48
[PzKpfw IVH II]AP
APCR
HE70
7G
38110
158
38110
110
17515 1,650 2.30 0.39 87 +20
-10M4 76 mm Gun M1A1
[M4A1(76) Sherman]AP
APCR
HE96
7G
68128
177
38115
115
18514.29 1,572 2.30 0.43 90 +25
-12G1 R 75 mm SA44
[Renault G1]AP
APCR
HE70
7G
38100
129
38110
110
17515.38 1,692 2.00 0.39 50 +15
-8榴弾砲 Pz. IV H 10,5 cm Kw.K. L/28
[PzKpfw IVH (10.5cm)]AP
HEAT
HE120
10G
12864
104
53350
350
4107.5 2,625 2.30 0.55 59 +20
-10M4 105 mm SPH M4 L/23
[M4A1 (105)]HE
HEAT166
10G53
101.59410
3506.67 2,333
(HEAT)2.30 0.55 46 +25
-12G1 R 105 mm court mle. 1934
[Renault G1 (105)]HE
HEAT128
10G53
104410
3506.00 2,100
(HEAT)2.60 0.54 35 +15
-8
M4の俯角が目を引くが、G1 Rの値も悪い数字では無く、いずれの車輌も平均以上の地形対応力があると見て良い。- 戦車砲
貫通・単発ダメージ共にM4が最も高い。その分発射速度が遅くDPMは3台中最下位なうえに、精度も劣悪。
G1 Rは逆にDPMは1位で照準時間も短いが、貫通力が壊滅的。
Pz.IV Hは両者の間に位置しており、短所が無く使いやすい。 - 榴弾砲
純粋な火力は単発ダメージや貫通力に差はほとんど無いため、発射速度が速いPz.IV Hに軍配が上がる。
しかし、M4は上述の俯角の広さから攻撃機会が多く、G1 Rは他2両と比べて弾速が約1.4倍*1もありAP弾と同じような感覚で撃てるなど、それぞれ特色がある。
- 戦車砲
- 装甲比較
防御力ではG1 Rがリードしている。
戦車名
[パッケージ名]HP 前面/側面/背面 車体装甲(mm) 砲塔装甲(mm) Pz. IV H
[PzKpfw IVH (10.5cm)]480 80/30/20 50/30/30 M4
[M4A1 (105)]460 51/38/38 64/64/64 G1 R
[Renault G1 (105)]460 60/60/60 60/60/60
Pz.IV Hはスペック上の装甲に加え追加装甲(シュルツェン)があり、HEの貫通を防ぎやすい。
しかし、砲塔正面は50mmしかなく追加装甲もほとんどカバーしていないので、撃ち合いになった時にはどうしても10榴貫通の危険にさらされてしまう。
M4の車体は前面でも10榴貫通の危険があるが、これを隠し砲塔だけを覗かせるようにすればその心配はほぼなくなる。
このように上の2両はある程度10榴貫通の危険性があるが、G1 Rは車体、砲塔共に全周60mmの装甲を持ち、更に車体には12mmのサイドスカートを備えているため、10榴貫通の危険性は低い。
また、側面装甲が堅いため、豚飯をマスターしていればTier5トップの試合で重戦車と混じって市街地戦などで前線をこなす事も可能。
- 機動力・偵察性能比較
Pz.IV Hは加速で優れており、M4は最高速と車体旋回速度、悪路の走破性で優れる。
戦車名
[パッケージ名]エンジン出力 出力重量比 地形抵抗 最高速度 旋回速度 視認範囲 通信範囲 隠蔽率 車体 砲塔 静止時 移動時 Pz. IV H
[PzKpfw IVH (10.5cm)]440 17.13 1.0/1.1/2.4 40 34.90 44 350 710 0.262 0.196 M4
[M4A1 (105)]460 14.84 1.0/1.1/1.7 48 43.66 37 370 615 0.226 0.169 G1 R
[Renault G1 (105)]450 13.12 1.0/1.1/2.1 44 32.58 28 350 710 0.253 0.190
視界はM4の方が広いが隠蔽率はPz.IV Hの方が良好なため、偵察力に大きな差は無いだろう。
G1 Rは厚めの装甲を持つ代償か、やや蚊帳の外といった感じ。
史実
IV号戦車G型(Sd.Kfz.161/1または161/2)はF型に43口径7.5cmKwK40を搭載したもの。
当初は球形のシングルバッフル式マズルブレーキを持っていた。
従来F2型と呼ばれていたものは、書類上だけのものと解釈されており、実際は全てG型として生産された。一部では、最初期のG型をF2型と称している資料も多い。
砲基部の形状も変更され、砲塔上部にトラベリング・クランプが設けられ、新型揺架(砲身安定用のコイルバネ式平衡機構追加)や装填手用補助手動閉鎖器、装填手用手動式補助砲塔旋回装置、TZF5f望遠照準器、砲弾ラック(主砲装弾数87発)も装備され、主砲は7.5cmKwK40L/43(87発)を搭載している。
エンジンはマイバッハHL120TRMで、前進6速・後進1速、最大速度40km/h、航続距離210km。
1942年3~6月に1930両が生産され、逐次前線に送られた。
これにより、1942年夏以降、連合国軍戦車よりも優位に立てるようになり、アフリカ戦線でイギリス軍に奮戦し、イギリス軍から「マークIVスペシャル」、味方からも「IV号スペツィアル」と呼ばれた。*2
東部戦線では1942年の夏期攻勢時、B~F型208両、G型170両が前線にあった。
1943年から、中戦車中隊のみならず戦車連隊各大隊の全中隊(1個中隊あたり24両)に配備されることとなった。
この年のクルスク攻勢時には841両が参加している。
生産中の変更点として、
- 全てのG型に熱帯地用スリットグリルを機関室上面ハッチに装備
- マズルブレーキがダブルバッフル式に変更→更にマズルブレーキの変更(ダブルバッフル式からエラの張ったタイプへ)
- 砲塔横に発煙弾発射機装備(1943年5月に廃止)
- 1枚式ハッチの新型キューポラとキューポラ蓋のヒンジ変更(横旋回スライド式)
- 冬季用履帯(ヴィンターケッテ)装備
- シュルツェン装備
- 吸着地雷防止用のツィメリット・コーティング施行
- 泥濘対策の東部戦線用履帯(オストケッテ。接地面も幅広としたもの)装備
等が挙げられる。
IV号戦車G型の砲塔を油圧駆動に換えたものがIV号戦車H型となる。
1943年4月から1944年2月まで約2,300両が生産された(うち60両はIV号突撃戦車ブルムベア、30両はIV号駆逐戦車に使用)。主砲は48口径の7.5cmKwK40。
前面装甲は50mm+30mmであったが、重量増大に対応するためファイナルドライブをSSG77に強化し、最高速度が38km/hとなった(ただし1943年5月に生産されたフォマーク製のH型はG型のファイナルドライブをそのまま使用)。
生産後に車体と上部車体前面の装甲が80mm(TL4034表面硬化鋼)の一枚板のかみ合わせ式構造に変更に換えられた。
同時にツィメリット・コーティング施行されている。
起動輪(ダブルアーム型スポーク採用)と転輪ダンパーのデザインが変更され、砲塔上面装甲が前方16mm、後方25mmと強化された。
ヒトラーの追加増産要求で1943~44年までに3,744両が生産されている。
車体シュルツェンが脱落しやすかったため、シュルツェン架・シュルツェン装備方法を変更がなされている。
なお、シュルツェン装備時に、遠目から初期型のティーガーと誤認される事が多く、クルスク大攻勢のパンツァーカイルやティーガーの撃破記録などで、実際より多く数えられているのは、IV号J/H型のシュルツェン装備のシルエットを誤認したものだった事が多い。
余談だが、ティーガーの撃破記録が生産台数より多い背景には、修理部隊が随伴していて修理補修を随時行い、戦線復帰させているためで、とにかく何かと動かなくなるティーガーを撃破としてカウント、修理してはまた動かなくなってカウントと、ループでカウントがされていた事や、上記のIV号の誤認などが多く、連合軍側のティーガー恐怖症に対するプロパガンダとも関係があったりする。
1942年12月31日に兵器局第6課がクルップ社に出したH型改良案を提出。
車体前面を50mm55度の傾斜装甲とし、右にボールマウント機銃を左に視察用クラッペを装備、上部構造前面は垂直のままだが側面は傾斜式に変更している。
これにより重量が0.88tほど増えるため履帯幅を広げる予定だったが、転輪をゴム内蔵式に変更して履帯はそのままにした。
1943年2月5日に兵器局第6課が更なる改良案を提出。
車体側面と砲塔の装甲厚を45mmに増やし、履帯幅を56cmに広げたが、重量が28.2tに増えたため、ゴム縁式転輪を重量に耐えられるゴム内蔵式とすることにした。
2月17日の戦車委員会の会合でヒトラーが現行のIV号戦車の生産増を要求したため、改良を施す暇が無くなり没になった。
最終型のJ型は48口径の7.5cmKwK40/L43に強化した主砲に換装されたが、マフラー廃止、シュルツェンの簡易化(金網に変更))、砲塔回転用補助エンジンの廃止により手動化、各部の廃止・簡略化が進んでいる。
砲塔回転に関しては1周が補助エンジンつきで26秒かかっていた*3ものが、手動になり更に回転速度は落ちてしまい、300回程ハンドルを回さないと砲塔が1回転せず、近接戦闘では不利だった。
ちなみに、パンターやティーガーなども油圧駆動で砲塔1回転に1分かかる。
補助エンジンを廃止したスペースを燃料タンクに置き換え航続距離の拡大を狙ったが、燃料不足の深刻化により、大戦末期には殆ど無用としか言えなくなってしまった。
短砲身だったF型から一転、G(F2)型からは長砲身になり、東部戦線のT-34/76などに対し優位に立てる様になったが、T-34/85やKV-1、ISの出現で苦戦は免れなかったと言われている。
一方、西部戦線の連合軍に対してアドバンテージはあったが、物量多さやハルダウンされて苦戦する事もあった。
何より航空攻撃が天敵で戦車より厄介だったそうである。
ティーガーやパンターの損耗の補充や、そもそも生産が追いつかないパンターの代替として部隊に配備される事が多かったため、損害も軽視できないほど出ていると記録されている。
それでも、大戦初期から改良を加えて最後まで戦い抜いたのはドイツ戦車ではIV号だけである。
これは当初から後々の強化を考えて余裕を持たせた結果だった。
更に、パンターの生産ラインに切り替える予定が連合軍の工場爆撃などで部品が届かずパンターの生産がパンク状態に陥っており、グデーリアン上級大将による切り替え反対や前述のヒトラーによる大増産決定もあり、パンターの代わりとして補填されたことが最後まで使い続けられた要因であった。
まさに「ワークホース」として使命を全うすることになろうとは設計当初は誰も思わなかったが、当初の設計にないものまで強引に搭載し、末期には逆に色々そぎ落とされながら終戦まで連合軍と渡り合ったIV号は改良の限界とまで言われており、「これ以上改良を加えられてはたまらん」と終戦を迎えて胸を撫で下ろした事だろう。
余談だが、1967年の中東戦争において、スペイン経由で入手したと思われるIV号戦車がシリア軍によって使用された。
装備はH型相当ほぼそのままだったが、ハチマキ状の対空機銃架が増設されていた。
他にはIII号突撃砲等、大戦時のドイツ戦車と戦後の戦車が並んで写された記録写真が残っている。