ミーティア

わざわざ来てくれてありがとう！
じゃない……、ありがとうございます！

アンナ

暗黒騎士団の生き残りとの一騎打ちを
私たちに立会って欲しいというのは
どういうことでしょうか？

ミーティア

それが……ボクの流派の奥義を狙って、
暗黒騎士が果し合いをしたいって言って
これを送りつけて来たんです。

皆さんにはその立会いをお願いしたくて。

アンナ

これは果たし状……ですか。

ミーティア

うん。暗黒騎士の名はデシウス……。
ボクの父はこの流派の師匠で、
デシウスは父の弟子の一人だったんです。

デシウスは勝つためには手段を選ばない、
すっごく卑劣な男なんです！
剣の道、人の道を外れたデシウスを父は破門しました。

風の噂ではすでに死んだって聞いてましたが……。
はぁ……。
まさか暗黒騎士になっていたなんて……。

かつての兄弟子との因縁の一騎打ち。
見届けてもらえませんか？

アンナ

……わかりました。
立会い人を引き受けましょう。

尋常な勝負となることを願って、
一騎打ちを見届けさせていただきます。

暗黒騎士デシウス

来たか、ミーティア！
逃げずに現れたその根性だけは認めてやろう。
さあ、我輩が頂くはずだった奥義を渡してもらおう。

ミーティア

ダメな男だとは思っていたけど
暗黒騎士になっちゃうなんてね……。
君みたいな悪い子は、ボクの手で成敗してあげる！

暗黒騎士デシウス

うるさい。貴様のような未熟者に、
奥義伝授を許されなかった我輩の
悔しさがわかってたまるかッ……。

ミーティア

わかってないのは君のほうだよ。
奥義を受け継ぐために必要なのは強さじゃない。
君は夜空に瞬く星の声が聞こえたことはないでしょ？

暗黒騎士デシウス

わけのわからぬことを抜かすなっ！

ミーティア

どうせ、何を言ってもわからないだろうし、
特別に流星の剣を君に見せてあげるよ！

暗黒騎士デシウス

ククク、愚か者め。
さあ、魔物たちよ。
あの小娘を血祭りにあげろ！

ミーティア

一騎打ちのはずなのに……！
仲間を連れて来るなんて、卑怯じゃないか！

暗黒騎士デシウス

くははははっ！　勝てばいいのだ、勝てば！
行け！　魔物たちっ！

アンナ

魔物たちは私たちが引き受けます！
王子、参りましょう！

暗黒騎士デシウス

なんだと！
あれほど一騎打ちだと伝えていたのに
仲間を連れてきていたのか……っ。卑怯者め……！

アンナ

私たちは立会い人としてこの場に来ています。
それにあなただって人の事は言えないはずです！

暗黒騎士デシウス

ぐっ……。黙れ黙れッ……！！

暗黒騎士デシウス

これが奥義か……！　流星を降らすとは
ひ、卑怯すぎる……。

ミーティア

流星の剣は心に闇を持つ者には
扱うことなんてできないの！
少しはわかってもらえたかな？

暗黒騎士デシウス

くそ……ッ、おぼえていろ！！

ミーティア

あ、待て！　逃げるなー！