風水士と紅の教団/会話

Last-modified: 2016-07-06 (水) 13:10:44
ネタバレ注意
あらすじ
魔物が現れたとの報告を受け、現場に向かうと
そこに一人の少女が現れ…?
「私はまだお力にはなれませんが、
封印が解かれていない地に
案内することは出来ます。
どうかお願いします、王子!
協力してください……!」
1:紅の霧の脅威
1:開始時

アンナ

王子、領内にて魔物たちの襲撃が相次いでいるとの
報告が入りました。
目撃した兵士の情報では、襲撃時にはいずれも
赤味を帯びた霧が発生し、どうやらその霧が
魔物たちを活性化させているとのことです。
警護している兵士たちも苦戦しているようで……。
これは魔物たちが何かよからぬことを
たくらんでいるのかもしれません。

兵士

報告! 魔物の軍勢がこちらに向かってきています!
1-1:戦闘中

教団員

やっと出てきたな……。
我が主、魔神ロノベ様の紅の霧を
とくと味わうがいい!
1-2:戦闘中

アンナ

これが紅の霧!
報告によると、この霧は視界を遮るだけでなく、
魔物を活性化させるとのことです。
どうかお気を付けください。
1:終了時

教団員

くっ……。さすがに手強いな。
だが、一刻も早く魔神ロノベ様を
蘇らせなければ……。

アンナ

魔神ロノベ……?
一体なんのことでしょうか……。

???

魔神ロノベは、かつて地上を荒らした
魔神の一柱です。
不死身を誇った魔神ですが、伝説の英雄に
その身を砕かれ封印された……。
教団はどうやら、その魔神を蘇らせようと
しているようです。
しかし、魔神ロノベの信徒を簡単に退ける
なんて、流石は伝説の英雄の末裔ですね。

アンナ

あなたは一体……。
1:終了後

ピピン

自己紹介が遅れました。私の名はピピン。
風水士です。といってもまだ見習いですが……。
風水士は本来、かつて英雄が倒した魔神の封印を
護っています。
私の一族も代々、封印を護ってきましたが
魔神の復活をもくろむ者たちに村が襲われ
抵抗も空しく、封印が解かれてしまいました……。
私の一族も、私以外はもう……。
……英雄の末裔という王子の話は、一族の長から
聞かされていましたので、それを頼りに
私は王子に会う為、ここまで参りました。
解かれた封印は『魔神ロノベ』の身体の一部に
過ぎませんので、それだけでは完全復活には
至りませんが、一つ問題があります。
ここ最近頻発している紅の霧。あれは
魔神ロノベの身体の一部『魔神の骨片』を使い、
魔神の信徒たちが発生させているものなのです。
魔神というだけあって恐ろしい能力を持ち、
その中でも一番凶悪なのが、魔物を活性化させる
紅の霧を生み出す能力……。
骨片から生み出された霧は力が弱いので、
風水士がいれば霧が晴れるのを
早めることができるのです。
残念ながら、私はまだ見習いなので
その力がありませんけど……。
もし、このまま魔神ロノベが完全に復活すれば、
世界中を紅の霧で覆うことも不可能ではないでしょう。
そうなれば、風水士の力だけでは霧を払うことも
難しくなり、魔物たちとの戦いはたちまち
苦境に立たされることになります。
魔神はその身をバラバラにされて世界の各所に
封印されていますが、教団はその封印を解き
魔神の骨片を集めていると耳にしました。
そこで王子にお願いがあります。
どうか魔神の復活を阻止してほしいのです。
私はまだお力にはなれませんが、
封印が解かれていない地に
案内することは出来ます。
どうかお願いします、王子!
協力してください……!
2:密林の防衛戦
2:開始時

???

そら、これがご希望の魔神の骨片だ。

教団員

確かに。これは我が主の体の一部。
さすがは封印の一族の長ミトラ。話が早いな。
ふふふ、また復活に一歩近づいた……。

ミトラ

受け取ったならもうこの土地に用はないはずだ。
さっさと去ってもらおうか。

教団員

いや、貴様にはまだやってもらうことがある。
伝説の英雄にゆかりのあるものならば、その命、
魔神ロノベ様復活のよりしろとして捧げてもらう!

ミトラ

なんだと!? あたしらを騙したのか……!!

アンナ

王子! 村が魔神の信徒たちに襲われています!
一刻も早く助けましょう!

教団員

なっ、貴様らは……!
ちょうどいい、ここでまとめて片づけてやる!!
2:終了時

教団員

ちっ……!

ミトラ

魔神の骨片をもった奴が森の奥に逃げたぞ!
追ってくれ!

アンナ

王子! 今すぐ後を追いましょう!
3:猛追の争奪戦
3:開始時

アンナ

もう逃げられませんよ。
観念して奪った魔神の骨片を渡してください。

教団員

そう簡単に渡せるものか……!

兵士

報告! 敵の増援です!!
3:戦闘中

教団員

我が主、魔神ロノベ様。
どうか我々に力をお貸しください……。

アンナ

魔神ロノベの紅の霧……! 魔物が活性化します。
気をつけてください!

ピピン

私にもっと力があれば、この霧を払うことが
できるのに……っ。
3:終了時

アンナ

さぁ、観念してください。
魔神の復活なんてさせません。

教団員

……ふははは。こうなっては仕方がない。
魔神ロノベ様! わが身を捧げますぞ……!!

アンナ

なっ……、魔神の骨片を飲み込んだのですか!?
なんてことを……!!

ピピン

ただの人間がそんなことをすれば……!

教団員

ぐ、ぐぁああああっ!!
か、体が、体が熱い……!!
4:魔神の骨の力
4:開始時

アンナ

何が起こったのでしょうか!?

ピピン

気を付けてください!
あの人の体から恐ろしいくらいの魔の力を感じる……。

魔神ロノベ

……我が忠実なる下僕よ。お前の願い、叶えよう……。
この者たちの命を一片も残さずに冥府に送ろうぞ!!

アンナ

どうやら魔神に乗っ取られてしまったようです。
お気を付けください!
4:終了時

魔神ロノベ

ふむ。この体ではこれが限界か……。
ふはは。命拾いしたな。
再び会えるのを楽しみにしていよう……!!

ピピン

二度と会いたくないわ!!

ミトラ

どうやら助けてもらったらしいな。
あたしの名はミトラ。
この地で魔神の骨片を護っていたんだが……。
突如あいつらがやってきて、この土地の民を
人質に骨片を要求して来よってな……。
まさか魔神をひょう依させるとは……。
恐ろしい執念だ。悔しいが、魔神の骨片は
あたしらの力じゃ護り切れん。
おぬしたち、すまんがこれを
預かってはもらえぬか?

アンナ

ミトラさん……。わかりました。
私たちがこの魔神の骨片を魔物たちから
護ってみせます。魔神復活など絶対にさせません。

ミトラ

大きな借りができてしまったな。
だが、いずれこの恩は必ず返す。

アンナ

ふふ。ではその時にまたお会いできますね。
それにしても、困りましたね。
この骨片を王子が持っている限り
魔神の完全復活は防げますが……。
先ほどのように骨片だけでも
魔神をひょう依させる力があるとは……。
侮れませんね。
5:忍者と盗賊
5:開始時

鬼刃衆

骨片を盗んだ曲者はまだ見つからんのか!!

忍者

申し訳ございません。どうやら見失ったようで……。

鬼刃衆

なにぃっ! あれは我らに力をもたらす貴重な宝!
おめおめと盗まれるとは……。
貴様の命をもって償ってもらおうか!!

忍者

ひぃッ……! い、命だけはお助けください……!

???

そうよ。こーんな汚い骨ぐらいで部下を
殺しちゃだめよ?
ていうか、これってそんなにすごいお宝なの?

鬼刃衆

それはただの骨ではない! かつて地上に破壊と
混乱をもたらした魔神の骨だ!

???

ふーん。魔神の骨なんだー。
でもそれがなんの役に立つってのよ。

鬼刃衆

魔神の骨を粉末にし、煎じて飲めば
その力を取り込むことができる……!
そんじょそこらの骨とはわけが違うんだ!!
分量を間違えると命を落としかねんが、
絶大な力を得られる代物だぞ……!!

???

げっ、これ食べるの? きったなーい。
んじゃ、別に魔神の力が欲しいわけじゃないから
いいや。これ、返すね。

鬼刃衆

……ん? き、貴様! 何者だ!!!!

アニータ

見ればわかるっしょー?
可愛い泥棒、アニータさんよ。
厳重に守ってるからすごいお宝と思ったのにさー。
がーっかり。

鬼刃衆

おのれ……! 我らの秘密を知ったからには
生かしては帰さんぞ!!

アニータ

秘密って……、あんたが勝手にべらべらしゃべった
だけじゃない。魔神の骨片って頭も悪くなる効果が
あるのかしら。
おバカさんとは付き合ってらんないの。
じゃーね。

鬼刃衆

くそっ、逃がすな! 追えっ!

アニータ

えいっ! 閃光玉!

鬼刃衆

ぐぁあああ!! 目がっ、目がぁあああ!!!

ピピン

……このあたりから魔神の骨片の気配がします。

アンナ

すごい……! そんなことまでわかるんですか?
さすがは封印を護ってきた一族ですね!

シーフ

お嬢ちゃんたち、その骨片ならあそこにいる
鬼みたいな顔をした人が持ってたよ。
すごく怒っているみたいだから気を付けてねー。

アンナ

え!? いまの女性は一体……。
行ってしまいましたか……。

兵士

前方に忍者の軍団!
こちらに向かって来ます!

鬼刃衆

きさまら……っ! 絶対に許さんぞ!!!!
行くぞ! 水ぐもの術!!
5:終了時

鬼刃衆

おのれッ……!!
まさか……、我々が、負けるなど……っ!!

アンナ

では、魔神の骨片は私たちが頂いていきますね。

鬼刃衆

返せッ!! それは我々のものだ!!
このッ! くそっ、縄がほどけぬ……!!

ピピン

無事に見つかってよかった。
これも王子たちのおかげです。
ありがとうございます。

アンナ

魔神の骨片も無事に見つかりましたし、
王城へ戻りましょう。

鬼刃衆

覚えていろ……ッ!!
6:紅の包囲網
6:開始時

教団員

この奥に魔神ロノベ様の骨片があるようだ。
おい、中にいるんだろう。出てこい!
大人しく渡せば命だけは助けてやる。

ドロシー

あんなこと言ってるけどどうする?

ライチ

この骨片は、ボクたちドワーフが護るように
ご先祖様が預かったもの。
誰がお前たちになんか渡すもんか!

ドロシー

どうせ骨片渡しても見逃す気なんてないくせに。

教団員

……なんだと……っ。子供の分際で……!!

ライチ

子供じゃないよ。これでもボクたちは大人だよ。
悪いけどこれはボクたちで護り抜いてみせるっ。

ドロシー

その通り。小っちゃくたって私の斧で
頭かち割ってやるもん!

兵士

報告!
ドワーフたちの洞窟が敵に包囲されています!

アンナ

大変です! 今すぐ助けにいきましょう!
6:終了時

ライチ

助けてくれてありがとう。助かったよ。

ドロシー

私たちだけでも大丈夫だったけど……。
でもまぁ、ありがとう。

アンナ

ふふっ。無事でよかったです。
7:邪悪な共謀
7:開始時

ローレン

おのれ……! 戦士たちが留守の時を狙って
攻めてくるとは……!!

ロザリー

この敵の数が相手じゃ、さすがに護り切れないわ。

教団員

このエルフの里に隠された魔神ロノベ様の骨片は
我々がいただく!!

ダークエルフ

ふん。魔神の骨片などに興味はない。
我らダークエルフの悲願は地上のエルフどもを
根絶やしにすることにある。

教団員

ふはははっ!! では望み通りこの骨片を奪った後は
この里を焼き払ってやろう……!

アンナ

そうはさせませんっ!
私たちもお力をお貸しします。
ロザリーさんは里の住民を避難させてください!
7:終了時

教団員

おのれまたしても……っ!!
一体どれだけ我々の邪魔をすれば
気が済むのだ……!!!

ローレン

助けを呼んだ覚えはないけれど、
力を貸してくれたことには礼をいう。

ロザリー

こう見えて感謝してるんですよ。
ただ素直になれないだけで。

ローレン

余計なことをいうな。

アンナ

ひとまず安心しました。

ピピン

ですがまだ気は抜けないです。
奴らは次の骨片を求めて動き始めています。
急ぎ後を追いましょう!
8:魔に身を捧げし者
8:開始時

ルイーズ

この国に何の用ですか。
ここはすでに滅びた国の小さな砦……。
わずかに生き残った民たちが
静隠に暮らしているのです。
あなた方が望むものはここにはない。

教団員

しらじらしい……!
この砦に魔神ロノベ様の骨片が
隠されているのはわかっているのだ!!

ルイーズ

……どうしても戦いをお望みならば、
この命が尽きて滅びようとも、
一体でも多くの敵を道連れにするまで……っ。

教団員

国が滅びても封印を護るのは見上げたものだが、
しかしそのせいで死ぬのは
賢いとはいえぬのではないかな?
さぁ、おとなしく骨片を差し出すのだ!!!

ルイーズ

国は失っても誇りは捨てない……。
骨片が欲しいのならば力ずくで奪うことです!
(お願い……。どうか間に合って……)

教団員

ふははは……! 魔界のデーモンたちを見ても
その減らず口が続くか見ものだな。
さぁ、デーモン軍団よ。砦を攻め落とせっ!!

兵士

報告! 砦はまだ落ちていない模様!
ただ、デーモンたちに包囲されています!

アンナ

なんとか間に合ったようですね。
急ぎ加勢いたしましょう!
8:戦闘中

教団員

まさかデーモンたちが倒されるとは……っ。
奴らのどこにこのような力が……。
まぁいい。いざとなればありったけの骨片を
この身に取り込むだけよ。
たとえこの身が滅ぼうとも、奴らを倒す……!!

ピピン

なんだか嫌な予感がします。
お気を付けください!
8:終了時

アンナ

救援を求める書簡をもらい駆けつけてきました。
間に合ってよかった……。

ルイーズ

助かりました。正直来てくれると期待していなかった
のですが……。

アンナ

困っている人がいるのに、
見捨てることなんてできません。
ですが、このままここにとどまるのは危険では……。

ルイーズ

国は滅びましたが、
まだきっとどこかに民の生き残りが
いるはずです。
彼らを助けるまでは、私は王族としての役目を
果たさなければなりません。
ですがそれを成し遂げたら、この度のお礼に
必ずや王子と共に戦うとお約束します。

アンナ

その日まで、お待ちしていますね。

ピピン

私にもっと力があれば、紅の霧に苦しめられずに
済んだのに……。
もっと修業しないと……!
9:ピピンの決心
9:開始時

教団員

ついに見つけたぞ……! この地に王子がいるのは
本当だったようだな。
何度も我々の計画を邪魔しおって……ッ!
かくなる上は我々の命をかけて魔神ロノベ様の
復活を成就してみせる!!

アンナ

ピピンさんは下がってください! 危険です。

ピピン

いえ、私も戦います!
私も風水士として皆さんを助けたいんです……!!

教団員

いいか同胞たちよ。いざというときは
魔神ロノベ様にその身を捧げるのだ。
もっている骨片をすべて飲み込み、
骨片の力を解放するのだ……ッ!!!
9:終了時

ピピン

わがままを言ってしまってすみません……。
でもこのまま何もしないのは嫌だったんです。
私も皆さんの力になりたくて……。

アンナ

その気持ちは大切ですが、
なにかあったらどうするんですか……?

王子

……。

アンナ

た、確かに私も以前、
同じようなことをしましたが……、
それは、その……。
……次からは気を付けてくださいね?

ピピン

ありがとうございます……!