【レムオル】

Last-modified: 2023-07-30 (日) 08:32:10

概要

姿を消すことができる効果を持った呪文。
現在までのところ、本編シリーズでは3のみにしか登場しておらず、DQMでは同様の効果を持つ「ステルス」という特技が出てきた。
DQ10には呪文自体は出ていないが、似たような効果を発揮する【だいじなもの】として【レムオルの粉】が登場している。
 
【レミーラ】と同じく本編では影が薄く、トルネコシリーズでの印象が強い呪文である。
【ステルス】も透明になるという効果を持っているが、レムオルは人間には見えず、モンスターには見える、という違いがある。
トルネコシリーズではモンスター(よくみえ状態のモンスターを除く)からも見えないが。

かつて【ドラゴンクエストマスターズクラブ】に掲載された【堀井雄二】のコメントによれば、「姿が消えたけど、でもいる」が名前の由来らしい。
「(姿が消えた、)でもおる」を超巻き舌で繰り返せば何となくそれっぽい語感にはなってくるので、案外無理のないネーミングなのかもしれない。
 
ちなみに2chのFFDQ板にたまに立つことがある「もしドラクエの呪文が一つだけ使えたら」系のスレッドでは、【ルーラ】(言わずと知れた瞬間移動)、【アバカム】(鍵開け)と並んで人気が高いようだ。
ルーラは利便性が優秀で、アバカムもうっかり家の鍵を忘れたときには役立つだろう。そして透明人間は誰しも一度は憧れる……
きっとよこしまな理由も多分に含まれてるだろうが、あったら便利だろうなと思わせてくれるのは確かだ。

DQ3

仲間全員が透明になる呪文で、アイテムの【きえさりそう】と同じ効果。
【魔法使い】【賢者】がLv33で習得する。消費MPは15。
 
様々な応用ができそうな効果に聞こえるが、本作における用途は「【エジンベア城の門番】の目を盗んで城に入る」だけである。(強いて言えば、「透明状態で町の人々や敵キャラに話しかけた際の反応や、イベントを進めたりしたらどうなるのかを確かめて楽しむ」という用途もなくはないが、はっきり言って攻略上何の意味もない)
透明になるんだからモンスターの目も盗めるんじゃないのかと思うだろうが、モンスターは気配を察知して居場所を特定してくるのか、そんな事は全く無い。
エンカウント率が下がる事も無ければ、戦闘中の回避率が上がったりする事も無い。
リメイク版では【犬】に話しかけると吠えられるので、臭いも消せないようだ。
 
【エジンベア】【かわきのつぼ】を入手するために訪れる必要があり、かわきのつぼは【さいごのかぎ】の入手に必要なので、「エジンベアの門番の目を盗む」と言う事自体はクリアに必須である。
(FC版なら頑張って【アバカム】と言う抜け道があるが、リメイク版では必須)
しかしLv33というのは普通にやっていれば【ラーミア】の復活を終え、【バラモスの城】に挑んでいてもおかしくないレベル。
Lv33にもなって、オーブ収集の道のりの前半に当たるエジンベア侵入がまだというのは考えにくい。
そうでなくても最後の鍵は宝物庫荒らしなどのために早めに取りたがる人が多く、船入手後すぐにエジンベアに来ようとするので、この呪文を覚えてからエジンベアへという順番になる事はほぼ100%無い。
上記のイベントは消え去り草で代用して済ませてしまうのが常。
そんな訳で、習得する頃には既に用済みになっており、一度も使われずゲームが終わる事が多い悲しい呪文となってしまっている。
ついでに言うと、この呪文を覚えて、さらにもう少しレベルを上げるとアバカムを覚えてしまう。
ファンタジー北島プレイをするプレイヤーなら、普通はアバカムを覚えるまでレベルを上げるのでFC版では特に使われない。
 
一応、かわきのつぼ入手後でもエジンベアに入るためには毎回透明にならないといけないので、繰り返しエジンベアに入るのであれば、消耗品である消え去り草よりは使いやすいと言える。
が、王様のセーブ以外の施設が何も無い上に周辺に特に有用なレベリングポイントがあったりする訳では無いので、消費MPの重いレムオルを使ってまでエジンベアに繰り返し来たくなる用事が全く無い。
【○○○○バーク】に行くにはエジンベアから船で西に行くのが手っ取り早いとか、周辺にエンカウント率が低めの【ベホマスライム】が出現するため、GBC版の【モンスターメダル】集めのためにエジンベアに来る事そのものは割とあるが、城の中に入る用事ではないのでやっぱりレムオルの出番は無い。
エジンベア城の王様に話しかけてセーブして拠点にするよりも、ダーマでセーブしてルーラで行き来した方が早くて便利だからである。
 
なお、ゾーマを倒した後にラダトームの城の王の間への階段に昇る前に使用すると、透明状態となったままエンディングの王様との会話シーンとなり、透明のまま城の外で歓迎を受ける、という非常にシュールな光景を見ることが出来る(同様に【へんげのつえ】を使用してモンスターになった場合はモンスター状態で歓迎を受ける)。
 
後のシリーズにほぼ登場しない上、あったらあったで便利と言う部分すらない(あるいは使えてしまうとストーリーが台無しになる)ので、同じ「既存アイテムの代用に過ぎない」効果を持つ【アバカム】よりも扱いは悪い。
DQ3は「魔法使い」という職業がシリーズ初登場した作品でもあるので、いかにも魔法使いらしいキャラクター付けのための呪文のひとつと捉えることもできる。消え去り草についても【まほうおばば】【まじょ】がたまに落とすことから、そうした意図が覗える。
【レミーラ】【ルーラ】【トヘロス】【アバカム】なんかもそうだったが、本来は金を払ったり道具に頼らなければできなかったことを、呪文ひとつで無料でできるようになる類の呪文である。
こうしたタイプの呪文は「魔法が使えれば便利になる」という感覚を意識して楽しむものなのかもしれない。
現実世界であったらまず間違いなく悪用されていそうな呪文ではある。

トルネコシリーズ

【レムオルの杖】というアイテムが登場している。
トルネコ2ではトルネコが魔法使いに転職できるが、レムオルの呪文は覚えない。残念。
しかし、開発段階では魔法使いが覚える予定でもあったのか、没データとして残っている。
消費HP5で対象は自分……ではなく、前方10マスの敵。
戦士が使う【とうめい】の射程が長くなったようなもので、これ単体では何の役にも立たない。
もし正式に登場していれば、戦士と違いアイテムに頼る必要はあるものの【身代わりコンボ】で猛威を振るっていたかもしれない。

ロトの紋章

この作品では2回登場している。
一回目はオリビア海峡戦時、ポロンが使用。魔物たちの追撃を避ける為に使っているらしく、ゲームでの設定(魔物の目を誤魔化すことは出来ない)は無視されているようである。
使う前に合体魔法・モシャサスで魔物の一隊を偽のアルス一行に仕立て上げて身代わりにし、そちらに注意を向けさせたので魔物たちも身代わりに気を取られレムオルを見抜けなかったのかもしれないが。
2回目は魔王軍の魔物が使用し、ローラン城に侵入したアルス一行への奇襲を謀ったが、ヤオに看破されキラのブラック・シーザーによるいてつく波動で効果を掻き消されてしまった。使い手の魔物が誰だったのか、微妙に気になるところである。

関連項目

【透明】
【きえさりそう】
【ステルス】