概要
キャラクターの姿が透明になり周りから見えない状態を指す。
作品によってその意味合いは異なる。
DQ4には【透明気球】なる裏技が存在する。
またバグ技でバトルメンバーが0人の状態になった場合も、俗に「透明」と呼ばれることがある。
その状態でマップを移動できる場合は、見た目がFC版DQ3の透明状態によく似る。
DQ2~DQ4の海外NES版では、味方が死ぬと【棺桶】ではなく透明人間になる。
海外版では【十字架】などの宗教色を感じさせる要素は排除されているが、これもその一環だろう。
見た目はリメイク版DQ3の透明人間に近いが、こちらのほうが輪郭ははっきりしている。
DQ3
【レムオル】の【呪文】や【きえさりそう】を使うと、【パーティ】全員がこの状態になる。
画面上から姿が完全に消滅し、プレイヤーからも全く見えなくなる。
マップを切り替えても元の姿には戻らないが、合計25歩歩けば効果は解除される。
この状態になって変わるのは【NPC】の反応だけで、話しかけても反応しない、こちらの動きに合わせて動いてくるNPCが動かないなど。
ただし、イベントで必ず話しかけてくるNPCなどは回避できない。
要するに【エジンベア城の門番】を避けて城内に入るためのもので、お遊び目的を除けば【エジンベア】以外では透明状態になる必要は特に無い。
なお人間の目には見えないが、人にあらざるものには見えているらしい。
【エルフの隠れ里】の【エルフ】たちは普通に見破ってくるうえ、【やまたのおろち】が化けた【ヒミコ】や【竜の女王】は何事もなかったかのように普通に会話できるし、【サマンオサ王】に化けた【ボストロール】の前に行くと、透明状態が解除される。
ただし、【ホビット】は勘が悪いのか人間と同様のリアクションになる。
【幽霊船】にいる囚人の姿をした死体に普通に話しかけると【へんじがない。ただの しかばね のようだ。】と表示されるが…この状態で話しかけると普通の人同様にしっかりビックリして喋る。これにはむしろこっちの方がビックリだ。
また、エンカウントシステム面では一切関係が無く、透明状態でも普通に【モンスター】と遭遇する。
遭遇率も変わらないし、バトル中の【回避率】なども特に上がらない。
とどのつまりは単に動かしにくくなるだけなので、何のトクもない。
ちなみに【ゾーマ】を倒した後、【ラダトーム】で国王に会う直前に使うと勇者たちが消えたまま国王と会話となり、そのままEDに突入するので、シュールな光景となる(FC版では仲間達が振り返る時のみ一瞬姿が表示されるが、リメイク版では透明人間グラフィックのまま)。
このネタは徳間書店の「ファミリーコンピュータMagazine」'88年第9号の裏技コーナー「超ウルトラ技+1」で採用され、ランクは「特別技」として同号同コーナーのトップを飾った。
リメイク版
FC版とは違い、白い輪郭に目と口を持つ、デフォルメされたデザインの透明人間姿となる。
実用的な効果はFC版と同様だが、【へんげのつえ】で魔物に化けた時同様、町の住人のリアクションパターンが大幅に増えている。
ヒミコや【イシス女王】、【カザーブ】の【武闘家】の様な固有のグラフィックの者には、変化の杖同様独自のセリフが設定されている。
しかし蘇った【オルテガ】と生まれたばかりの【ゆきのふ】には無し。
なおFC版とは違い、(フィールド画面で言うと)合計32歩歩けば効果は解除されるようになった。
公式書籍による「透明の謎」の考察
DQ3の【みちくさ冒険ガイド】では、理学博士の福江純教授によってこれらの透明化の理屈が考察されている。
それによるとレムオルと消え去り草で原理が異なっているとの事で、レムオルは現実の「光学迷彩」と言う技術に似た原理で周囲の光を屈折させることにより、背後の景色を術者の手前に映し、対象を見えなくするというものらしい。
一方で消え去り草は、植物の薬効により動く物に反応する動体視力を麻痺させているとの分析である。
使用者が移動しても効果が持続することから粉末を周囲に散布しているのではなく、自分自身に振りかけたり身に着けたりするタイプだと思われるが、使用者自身の感覚が麻痺する事は無く、周囲の第三者だけが感覚麻痺に陥る。
ちなみにアベル伝説では消え去り草を振りかけて使っている。
なお、いずれの場合も使用者の臭いは消せないため、モンスターには通用しないという点もこれなら説明できる。
DQ5
主人公たちが透明になることはないが、妖精が人間界に来ると透明となり、子供にしか見えない。
該当するキャラは幼年時代の【ベラ】。
画面上ではキャラのドット絵(PS2版はポリゴン)が半透明に透けて見える。
また、青年時代後半の【迷いの森】にいる妖精は、当初は完全に姿が見えない。
DQ6
【夢の世界】の住民が【現実の世界】に行くとこの状態になる。
序盤は【主人公】と【ハッサン】も透明になり、後に【バーバラ】もこの状態で登場する。
【ゆめみのしずく】を振りかけることでこの状態は解除される。
【堀井雄二】によれば、これは前作の妖精イベントの逆の発想で生まれたという(『ファミ通』1996年)。
DQ3同様、人間の視覚から消える以外の特殊効果はない。
グラフィック上は、通常の姿の色が薄くなったような状態となる。
前作の半透明とは若干違い、キャラが白く濁ったような姿である。
DQ9
【ステルス】か【せいすい】を使うと、【パーティ】がこの状態になる。DQ9ではキャラが薄い青一色で表現される。
DQ3とは反対に敵には見えないが人間には見える。
陸上や【ダンジョン】では【シンボルエンカウント】方式なので、敵に不意に衝突した場合は【戦闘】になってしまうので気を付けたい。
なお、【海】では【ランダムエンカウント】なので【船】に乗ると強制的に解除される。
また、【フィールド】から【町】など戦闘地域から非戦闘地域に入っても解除される。
また、【天使】は地上で透明になる。この場合の表現はDQ6と似ている。
序盤で【主人公】と【イザヤール】がこの状態となり、DQ6同様に人間には見えないがモンスターからは視認でき、【プロローグ】で戦うことになる。
DQ10オンライン
モンスターのシンボルが半透明で見えづらいという特性。【ゴースト】や【ホイップゴースト】などが該当。
詳しくはこちらを参照。
DQ11
【アーウィン】の夢の世界における過去の【ユグノア城】を訪れると透明状態になる。グラフィックはDQ6と同じく白っぽくなる。
城を襲う魔物にも最初は気づかれないが、戦いを仕掛けると普通に攻撃してくる。
3DS版では戦闘中にキャラの立ち位置が後ろにずれるバグが確認されており、このバグにより画面外に出たキャラは何故か【れんけい技】のムービー時のグラフィックが透明になる。
トルネコ1
敵専用の状態として登場。
【シャドー】が常にこの状態となっている他、【レムオルの杖】の効果を受けたモンスターもこの状態になり、この作品のみこの状態の敵は「見えない敵」と表記される。
見えるようにするには、【目薬草】や【シャドーの指輪】を使ってめぐすり状態になるか、【地獄耳の巻物】を読む、もしくは【モンスターハウス】に入ることで地獄耳状態になる必要がある。
なお、【おおめだま】を透明状態にすると【にらみつけ】攻撃をしてこなくなる。
【トルネコ】から「おおめだまの目が見えなくなる」ため、しても意味がないということなのだろう。
ちなみにこちらがめつぶし状態でも同様の理由から通常攻撃しかしてこなくなる。なかなか凝った演出である。
トルネコ2
トルネコ自身もこの状態になることができるようになった。
敵ではトルネコ1に引き続きシャドーと、上位種の【あやしいかげ】が常にこの状態である。
敵の【混乱】状態に対する対処法は前作から変わっていない。
【地獄耳の巻物】や【レミーラの巻物】を読んでも透明状態のモンスターは視認できない。ミニマップにも映らない。
レムオルの杖の魔法弾を【水晶】で反射するか、【戦士】の技の【きえさり】を発動することでトルネコ自身も透明状態になることが出来る。
この状態だと、なぜか大半の敵が【混乱】したかのようにふらふらと移動するようになる。
【バーサーカー】のみ例外で、まっすぐトルネコを追跡し斬りかかってくる…のだが、ダメージは発生しない。
つまり無敵状態になれるわけなのだが、杖の入手が難しかったり、【満腹度】の消費が激しかったりと、有効活用するには工夫がいるのが難点。
敵を透明状態にする場合は、トルネコ1と同様にレムオルの杖を振る他に、戦士の技の【とうめい】を使うことでもこの状態にすることができる。
これ単体ではほとんど役には立たないが、身代わり状態との組み合わせが効果的。
【身代わりコンボ】という無敵技のテクニックも登場している。
なお、今作からはおおめだまの睨みつけ攻撃をこの状態で封じることはできなくなった。
この作品とトルネコ3では、この状態の敵は「何者か」という表記になる。
「見えない敵」ではなくなったのは、【パン屋の青年】や【神父】、【イネス】や【仲間モンスター】といった、敵ではないキャラクターがダンジョンに登場するようになった為だろう。
もっと言えば「何者か」という表現は、同じくダンジョン内でNPCが登場するSFC版【風来のシレン】からの伝統である。
余談ではあるが、まどわし状態で何者かに攻撃をすると(試練の館でも可)「なんと 何者かは 何者かだった。」というわけの分からないメッセージが表示される。
トルネコ3
基本的な仕様はトルネコ1の頃から変わっていないが、トルネコ2以降の作品では地獄耳状態では透明状態の相手を視認することはできなくなった。
また、【万能の杖】を使用することですぐに透明状態を解除することができる。
【シャドーブレイク】という【武器】が透明状態の敵に有効のため、レムオルの杖で透明にして倒しやすくする…というテクニックはあるが、そもそもシャドーブレイクが持ち込み不可ダンジョンで入手不可ということもあり、あまり活用されなかったようだ。
また、この状態の敵に対しては基本的に仲間は攻撃できないので注意が必要。
ただし、この仕様は当然敵側にも適応されるため、仲間になったシャドーやあやしいかげは事故死しない限りは無敵である。
なお、【ポポロ】が透明状態である場合、【目薬草】によってめぐすり状態になっているモンスターか、シャドー系のモンスター以外は絶対仲間にできない。
ゆえに透明になった状態のまま強敵相手の勧誘を楽々行うようなことは出来ない。
相手はこちらを認識しないまま倒されたのだから、仲間にならないのは当たり前と言えば当たり前だが。
少年ヤンガス
トルネコ1以来、久々にモンスター専用となった。
「とうめい」という特性を保持したモンスターが常にこの状態であり、やはり従来シリーズ通りシャドーとあやしいかげ、このシリーズでは今作から登場の【ホロゴースト】と【まおうのかげ】、そしてボスモンスターの【めいおうのかげ】がこの特性を持っている。
仲間モンスターがトルネコ3と比べてかなりタフになっており、頼りがいがあるようになった。
また、仲間は透明状態の敵には基本的には攻撃を仕掛けられないのも変わっていないが、そこに何かが居るということはわかっているようで、【ドラゴン】の炎が当たったり、【アイスビックル】系はスクリューで攻撃したりもする。
ちなみに「とうめい」の特性を持つモンスターと合体した場合はめぐすり状態となる。
ヤンガス自身が透明状態になれるわけではないので注意が必要。
また、今作ではシャドーの指輪は登場しないが、【よくみえのお守り】が同様の効果を持っている。
なお、トルネコ3までは透明状態の敵が何らかのアクションを起こす際は「見えない敵」「何者か」とされてきたが、少年ヤンガスではモンスター名がそのまま表示されるようになった。
不思議のダンジョンMOBILEシリーズ
シャドー系の敵がこの特性を持つほか、プレイヤーもレムオル草を使うことで透明状態になれる。
効果は10ターンほどだが、ピンチを脱するには十分な時間だろう。
ただし、このシリーズでは【状態異常】が重複せず、新しく発生したものに上書きされてしまう為、逃げる途中に混乱や【眠り】などの【ワナ】を踏むと解除されてしまう。
また、大半のボス敵は無効化してくるのでその点も注意。
モンスターズシリーズ
DQMJ以降ではシンボルエンカウントになり、ステルスで透明状態になる。
ちなみに、ステルスの初出は本編作品ではなくDQMJである。
DQMJ3では一部の敵シンボルが透明状態で潜んでいる。透明状態のシンボルには当たり判定が無く、主人公が近付く・他の敵に呼ばれるといった特定の条件を満たすと姿を現す。気付かれる前に【リアクター】で潜んでいる場所をサーチした場合も表示されるようになる。