概要 
本編ではDQ2とDQ3、DQ10オンラインにのみに登場。
【魔法使い】の高等呪文という立場で、対応する鍵を持っていなくても全ての扉を開くことが出来る。
昔からファンタジー作品などで魔法使いがよく使うジャンルの魔法である。
もしも現実に存在したら、まず間違いなく悪用されるであろう呪文の1つ。【盗賊】あたりにありがたがられそうである。
これがあれば鍵いらずと言いたいところだが、高等呪文のため覚えられるのは終盤。仮に序盤に覚えられたら攻略の順番がメチャクチャになってしまうので、あくまでオマケの呪文である。
ストーリーの順序が重要視・固定化された、3より後の作品では登場していない。
なお、DQ4には没呪文としてデータ上に存在し、実際に機能して【さいごのかぎ】に対応した扉を開けることができる。実装されていたら間違いなくストーリーが木っ端微塵にブッ壊れていたであろうことは想像に難くない。
仮に実装するなら、最悪でも【勇者】でないと大変なことになる。理由は言わずもがな。
逆にイメージに合わせて魔法使いや盗賊系のいずれかに敢えて設定し、凄まじい根気で【レベル上げ】をしたプレーヤーだけストーリー破壊を楽しめる、なんて妄想もアリかもしれない。
DQ2 
消費MP2。【ムーンブルクの王女】が習得するが、習得レベルは機種によって異なる。
FC・MSX・MSX2版ではLv23だったが、SFC・GB版ではLv29と大幅に遅くなり、通常の攻略ならクリアできるレベル以上の経験値を要求されるようになった。
スマホ版では習得Lvが36へと数値自体は遅くなったが、必要経験値はGB版以前のLv23程度に相当し再び早くなった。消費MPも1に下がっている。
ほぼ完全なオマケの呪文であり今更感が漂う呪文なのだが、覚えたら覚えたでかなり便利。
DQ2では一部の扉を除いて、鍵同士に互換性がなく対応する扉が別々なので、全ての扉を満遍なく開けるためには常に銀・金・牢屋と3つの鍵を持ち歩かなければならない。
そのくせ道具欄は最大8(リメイク版は10)で、【まよけのすず】を全員に装備させたら各キャラ3つか4つ(リメイク版では5つか6つ)しか空きが無いので、カギを持ち歩くと圧迫される。
そこでアバカムを覚えれば、全てのカギを手放す事ができ、いくつかスペースを空けられる。
もちろん、アバカム頼みにすると扉を開けるたびにMPの消費を強いられるため、道具欄のスペースで困っていないのならカギを持ち歩いたほうがよい。
特にSFC版以降は、鍵さえあれば【便利ボタン】一つで扉を開けられるので、アバカムを唱える場合わずかながら手間がかかってしまう。
また、【ろうやのカギ】を手放した状態でローレシアの王子のみが生き残り(全滅後の再開時も同様)、【せかいじゅのは】もない場合は【ロンダルキア南のほこら】から【ベラヌール】に戻れなくなり、ファミコン版だと味方を生き返らせることすらできなくなる。
復活の呪文を聞いて再開すれば自動的に生き返るので解決するのだが、余計な手間になるし復活の呪文の転記ミスのリスクもあるので、牢屋の鍵だけはアバカム習得後も持っておいたほうが無難。
逆の言い方をすると、ロンダルキアで復活の呪文を聞いた(セーブした)後に誤って牢屋の鍵を捨ててしまった場合、ベラヌール方面へ脱出したり、ハーゴンの神殿の2階以上に進むにはアバカムを覚えるまで育てなければならない。特にSFC版では大変な苦行を強いられる。
ちなみにGB版以降のリメイクでは、ベラヌールの教会の裏の扉は一度開けると開きっぱなしになるので、いずれの場合もロンダルキアから帰れなくなることはなくなった。
金の扉についてはラスダンの攻略で必ず突破する必要があるので、金の鍵があればわずかながらMPを節約できる。
一方で銀の扉については用が済めば何度も開ける必要のない扉ばかりなので、銀の鍵はこころおきなく手放せる。
ラスダンであるハーゴンの神殿にある銀の扉は開けても特に意味の無い台詞が聞けるだけなのだが、初見プレーなどでどうしても聞いておきたいのであれば、アバカムに任せればよいだろう。
なお、ムーンブルクの王女を仲間にしてすぐにものすごく頑張ってこの呪文を覚えた場合、わずかだが冒険の道筋を歪める事が可能。
具体的には、【きんのカギ】の扉を開けられるため先に【デルコンダル】に入ったり、【ムーンブルク西のほこら】から各地を経由して【ルプガナ北のほこら】まで飛べる(【ドラゴンの角】を通る必要が無くなる)ため、【かぜのマント】の入手を無視できる。
【ぎんのカギ】は元々王女を仲間にする前に入手できるものなので攻略順に影響は無く、ろうやのカギは入手のタイミングが必要になるポイントの直前なので、無視しても2000Gの節約になるだけ。
最後に、【すいもんのカギ】の代用はできない。
【ラゴス】は攻略本なしでは相当難解な謎解きポイントだったことや、『ファミコン通信』87年第7号の質問コーナー『出張版 アルゴリズム相談室』では「水門は呪文で開きますか?」という質問に対して「どうしてもダメな場合は王女が"アバカム"を覚えるまで待とう。これで水門が開くぞ。」誤答していたこともあって、この呪文で代用しようと必死になってレベル上げして習得した者もいたとかいなかったとか…。
もっとも、水門自体は開けることができないにしても、本作はどこかで意識してレベル上げをしないと力不足に陥りやすいので、その行動自体はまんざらムダでもなかったりする。
PS4・3DS版 
消費MPが0になり、また便利ボタンでの開錠にも対応しているため、習得以降は(ムーンが死亡しない限り)鍵を持ち歩く必要が完全になくなった。
【ふしぎなぼうし】を装備するとMP消費は1と誤表示されるが、実際には0。
ゲームブック(エニックス) 
この呪文の効力を持つ「アバカムの宝石」という道具が登場し、いにしえの【ローラの門】を通る際に銀の鍵を手に入れていない場合は、サマルトリアの『魔法を売る店』でこの道具を買うことになる。
ただし非常に高価であるため、手に入れるには【不思議な帽子】を売るか、無ければ装備品とフラグアイテムを除いた全てのアイテムとゴールドを手放さなければならない。
アバカムの呪文は原作通りにムーンブルクの王女ナナが覚え、【ハーゴンの神殿】の入口を開くときに唱える。
DQ3 
消費MP0。【魔法使い】と【賢者】がLv35で習得。
本作から鍵同士に序列ができ、上位のカギは下位のカギの扉も開けられる互換性を持つようになった。
最終的に【さいごのかぎ】1つを持つだけで事足りるため、道具欄の圧迫がDQ2に比べ軽減されている。
この呪文は【呪文】コマンドの一番下に登録される。
そのため扉を開ける際にはこの呪文を唱えるよりも、最後の鍵を先頭の仲間の道具欄の一番上に置いておいた方が手間を省ける。
一方で、道筋短縮の機会は、DQ2の時よりも増えている。
- 【とうぞくのかぎ】の入手をスルーし、【まほうのたま】を入手する。リメイク版はこの場合、この時のためだけの専用のセリフが用意されている。言うまでもなくアリアハン大陸のモンスターは獲得経験値が非常に少なく【エンカウントエリア】による荒業も使えないので「超」が何個もつくほど廃人級なやり込みが必要。
- 【まほうのかぎ】の入手(ひいては【イシス】方面に行く事そのもの)をスルーし、【ロマリアの関所】の魔法のカギの扉を開けて【ポルトガ】に行く。
- ロマリアの関所の鉄格子を開け、スーの北方にある【旅の扉のほこら】経由で【オリビアの岬のほこら】へ飛べば、ポルトガへの第1回の訪問や【ノルドの洞窟】の開通もスルーできる。
- 【船】の入手よりも前に、ロマリアの関所の途中、またはオリビアの岬のほこらにある鉄格子を開いて【サマンオサ】に行く。
など。
これをすると「初対面のはずのポルトガ王がさも面識があるかのように話しかけてくる」という珍現象を引き起こせる。
また、その場合は【おうのてがみ】が手に入らず、【ノルド】にバーンの抜け道を教えてもらうことができなくなる。
もちろん、あらかじめポルトガ王に会って手紙をもらっておけば、船を入手した後からでもバーンの抜け道を開通させることはできる。
果てしない根気と時間があれば全てのカギを代用し、最後のカギを入手するまではカギ無しで進むことができる。
もしくは、アリアハン脱出に盗賊の鍵だけは必要になるものの、【アッサラーム】で【ゆめみるルビー】を用いた【棺桶バグ】で経験値カンストを行えば、割と容易にアバカムを覚えられる。しかしこちらはあくまでバグを利用する非正規の方法であるためリスクが大きいことには注意。
ただしアバカムは呪文扱いのため、すべての呪文がかき消される【ピラミッド】の地下では使用できない。
ここで【おうごんのつめ】が欲しいなら、魔法の鍵か最後の鍵が必要。
【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】ではMPを浪費している賢者が仲間たちから理由を探られた結果これを乱用していたというネタがあったものの、前作と違って本作における実際の作中ではMPを消費しない。
リメイク版 
【ふくろ】の存在により道具欄を圧迫する事が完全に無くなったため、道具欄のスペース節約と言う存在意義はほぼ無くなった。
また覚えていると扉に触れるだけで開けられるので唱える必要もなくなった。
ただし、GBC版ではカギがないと自動で開かないので唱える必要がある。
最後のカギだけは入手そのものが商人の町発展のフラグになっているので、クリアするまでに入手だけはしなければならなくなった。盗賊・魔法のカギは入手せずに終わらせることが可能。
リメイクより、この呪文を廃人的に頑張って序盤に習得しなければ見られない隠し台詞が追加された。
GBC版 
本作のみ【キメラバグ】を利用すればアリアハン大陸にいるうちでも簡単に修得可能。
上記の隠し台詞やショートカットを堪能したい人はこちらで試してみるといいだろう。
DQ10オンライン 
Ver.4.1ストーリーにて、秘められた遺跡の入口を開く秘密の合言葉として、ムービー中の台詞に登場した。
詳しくはこちらを参照。
トルネコ2 
魔法使いの呪文で登場。
【カギ】の代用ができるが、カギは井戸のダンジョンで簡単に入手可能なので、特に重要ではない。
むしろ【宝物部屋】のないダンジョン攻略中に覚えてガッカリする呪文。
持ち込み不可のもっと不思議のダンジョンで覚えられれば、カギを持ち運ぶ手間は減るが、この呪文自体を忘れてしまう可能性もあるため、完璧ではない。
ダイの大冒険 
漢字表記は「開扉呪文」。
【アバン】が【破邪の秘法】とセットで【バーン】の超魔力で閉ざされた【バーンパレス】の正門を開くために使用された。
バーンパレスの門は魔力で封印されている上に鍵穴自体がない扉。
部外者が開けるなら扉自体を破壊するかアバカムを使うしか無い訳だが、バーンの超魔力によって閉じられている為、門は異常な強度を誇るので破壊は極めて困難であり、アバカムにしても普通ならまるで歯が立たない。
ところが、アバンは破邪の秘法によってこの呪文の威力を増幅させることでこれを易々と開け放った。
久々に再登場したアバンの実力を如実に示す華々しい活躍のシーンを請け負った事になる。
同時に、以前類似した扉を父と共に砕き、今回はどうやって破壊したらいいかと考えていたダイに力以外の手段で開かせる事が可能であることを示し、バーンが言う「力だけが正義」がやはり間違いだと確信させた。
アベル伝説 
バラモスがゾーマのいる神殿に入る際に使用した。
幻の大地 
DQ6のコミカライズ【ドラゴンクエスト 幻の大地】では、【グランマーズ】が【セバスのかぶと】の隠されている秘密部屋を開ける際に使用している。
天空シリーズでは登場しないため、「異次元の呪文」でグランマーズ以外は扱えないと説明されている。そのため、習得しようとメモしていたチャモロがそれを知って衝撃を受けていた。
蒼天のソウラ 
4巻で登場。解錠呪文と書いてアバカムと読む。使い手は魔公子イシュマリク。
ただのアバカムとして使うのではなく、呪文を【エクステンション・ライン】で拡大した拡大・解錠呪文(エクス・アヴァク)にして使用した。
その効果はユルールが構える盾に衝撃を与える事すらなく、盾を構成する部品同士の結合を解くことでバラバラにした。
正にアバカムの概念や解釈を拡大した効果となっている。