【トヘロス】

Last-modified: 2024-03-27 (水) 22:31:40

概要

DQ1から登場する【呪文】
DQ1~3では自分より弱いモンスターの【エンカウント】を封じる効果であり、一般的にもそのような効果だと認識をされている。
しかしDQ4以降では、自分より弱い敵ではなく、自分より大幅に弱いエリア全てのエンカウントを封じる効果であり、効果を誤解している人が多い。
名前の由来は【堀井雄二】の発言によると「“徒労”を“減らす”」からトヘロスらしい。
ちなみにFC版時代は「」は平仮名である。
 
「自分より弱い」の基準がどの程度なのかは、作品や機種によってマチマチで非常にややこしく、

とシリーズ初期の作品では次々と基準が移り変わっていた。
DQ5以降の作品では基本的に「主人公のレベルをエリアレベルと比較する」という基準に落ち着いている(DQ3、DQ4のリメイク版は除く)。
また、ちょっと弱いくらいでは効果がないことが多い。基本的に自分よりも大幅に弱いエリアでないと効果を発揮しない。
【ルーラ】行き先を選べるようになったDQ3以降では、すでに探索済みの弱いエリアを出歩くことは少ないが、何度も同じ場所を往復する必要のあるDQ1や、さらにマップが広大になったDQ2では非常に有用な呪文となっている。
 
勘違いされることも多いのだが、この呪文は後述のFC版DQ4を除いて「エンカウント率を下げる」効果ではなく、そちらは特技【しのびあし】【しのびばしり】の役目である。
例えば、「自分よりちょっと弱い敵はエンカウント率が下がり…」などということはない。基準は1つだけであり、その基準を満たせば全く敵が出現しなくなるし、基準を満たさなければ通常と同じエンカウント率であり効果がない。
DQ1~DQ3については「出現する敵が選別された結果エンカウント数が少なくなる」効果である。
 
基本的には効果のある場所で一定歩数(ほぼ全作品で127歩)を移動すると効果が切れる。
洞窟や搭といったダンジョンでは効果がある作品とない作品に分かれる。
同じような効果をもつアイテムとして【せいすい】がある。
DQ1からの名物呪文だが、DQ6等ではしのびあしの登場によって地位が脅かされた。DQ9では【ステルス】の特技と入れ替わる形で一旦削除されたが、DQ11では再登場した。

出現制限によるバグ(FC版DQ2・FC版DQ3)

FC版のDQ2と、次作であるDQ3においては、モンスターの出現制限によって生じるバグがある。
まず、各モンスターにはそのグラフィックの大きさなどの制限に応じて同時に出現できる限界が決まっている。
エンカウント時のモンスターの出現数を決定する処理において、まずはモンスターの種類の組み合わせが抽選され、次に各モンスターグループあたりの出現数が順次決定されるのだが、グラフィックの制限によって表示限界を超えた場合、そこから後ろのグループは出現がキャンセルされる。
このような処理によって、出現するモンスターがすべて画面に収まるようになっているのだが…。
 
後述のトヘロスの判定に使う戦闘の強さ判定が最初の組み合わせ抽選の段階で確定しており、最終的に表示限界の関係で出現がキャンセルされるモンスターも判定に関与してしまう。
つまり、DQ2においては攻撃力、DQ3においてはモンスターレベルが最も高いモンスターがトヘロスの判定基準をパスし、そのあと出現キャンセルされた場合、他のモンスターが基準を満たさなかったとしてもこの出現パターンでそのままエンカウントすることになる。
つまり、見た目上はトヘロスで封印できるはずのモンスターだけの組み合わせなのに、出現するというバグが起こることがある。
DQ3においては逃走判定にも同じ数値が参照されるため、本来は確実に逃げられるはずの組み合わせなのに回り込まれることも起こりうる。

DQ1

Lv15で習得。消費MPは2。
このころは町の中での歩数も効果の持続期間にカウントされている。
有効判定は守備力であり、

【主人公(DQ1)】の守備力≧敵の攻撃力

となった相手を封印する。
フィールドで出現する敵で固定キャラの【ゴーレム】を除き、最も攻撃力が高いのは【ドラゴン】の88なので、守備力が88あれば全ての敵が封印可能になるわけである。
【ロトのよろい】を持っていれば事実上の回復呪文としても利用可能。
効果が切れるまで歩けば、消費MP2(【ベホイミ】の1/5)でベホイミを上回る128前後ものHPを回復することができる。
フィールド上での回復はロトのよろい+トヘロスが最も効果的である。
(但し、時間がかかるという欠点がある。)
 
ちょうどこの呪文を覚える頃にはロトの鎧がどうにか取れる程度の強さになるというのも都合がよい。
この時点で守備力88は無理だが、それでもLv15でロトの鎧と【みかがみのたて】を装備すれば【りゅうのうろこ】込みで守備力は78~82にもなる。
この頃はドムドーラ~メルキド間の敵がまだまだ怖い時期だが、【ラリホー】による事故死の怖い【メイジキメラ】の攻撃力は78、回避率の高さが事故死を招く【かげのきし】の攻撃力は79、耐性があってもベギラマを連発されるとやばい【だいまどう】の攻撃力は80なので、それぞれ守備力が78・79・80に達した時点でダメージ計算が変わって事故死がだいぶ減るようになる。
これらをトヘロスで封印してしまえば、守備力80~85の時期は【スターキメラ】(攻撃力86)・【キラーリカント】(攻撃力86)・ドラゴンといった比較的安全な強敵をあぶり出すこともできる。ベホイミを覚えるまでの長い期間で「自分より弱い敵」を狩りまくるのに飽きてきたら、宿の近いメルキド付近でトヘロスを撒いて稼ぐのも手。

MSX版

おおむねFC版より2倍以上条件が厳しくなっている様子。

主人公の守備力÷2≧敵の攻撃力+1

上記の通り、トヘロスを覚えるLv15で最強防具を揃えても守備力は高くて82なので、素早さの伸びるタイプならば攻撃力40の【リカント】をぎりぎり防げる程度。
クリアレベル帯でも攻撃力44の【しりょう】を防げるかどうかなので、元から序盤の敵にしか効かないものと割り切ったほうが良さそうである。
素早さの伸びないタイプでは、たとえボーナス+3であっても最高レベル+最強防具での守備力は110にしかならないので、攻撃力56の【キメラ】すら防げない。
素早さの伸びるタイプなら守備力は最大115になるのでキメラは出なくなるが、それでも【しのさそり】の攻撃力は60、【しりょうのきし】の攻撃力は68もあるため、後半の雑魚は基本的にシャットアウトできない。
というか後半のエリアはほぼ【メタルスライム】にしか効果がない。逆なら良かったのだが…

SFC版

トヘロスの判定がエリアレベル制に変更されている。

主人公のLv≧その地域のエリアレベル+5

フィールド上で最もLvが高いエリアは【メルキド】の16。よって、Lv21以上でフィールドのすべてのエリアで封印できる。
リメイク版の仕様ではこのレベルに達すれば逃走成功率も100%になるので、要するにダンジョン内で使えないという点以外はDQ6以降の仕様と同じ。
フィールドの一歩が0.5マスなので、DQ5と同じく持続時間が半減している。

GB版以降

有効判定のレベルが1つ引き上げられた。
だが、覚えるレベルが22に引き上げられたガラケー版では覚える頃には全ての敵を封印可能であった。
また全機種通して【ドムドーラ】の町では効果が無い。

DQ2

【ムーンブルクの王女】がLv8で習得。消費MPは2。
本作は前作に続いてまだルーラの行き先を指定できず、広大なフィールドを徒歩や船を駆使して行ったり来たりすることが多い。
さらに前作に比べるとかなり序盤で習得する上に、敵味方の強さに関係なく逃走成功率が常に66%で一定なことと、終盤はレベルが高くても運が悪いと死亡者が出るような尖った強さの連中が相手なので、使う機会はかなり多い。
同じ効果のせいすいと併せて、シリーズでもトップレベルで利用価値が高い。
 
有効判定は攻撃力で決まるのだが、その判定基準が厳しめ。

【ローレシアの王子】の攻撃力/2≧敵パーティで一番高い攻撃力+1

となっており、完封は難しい。
ただし、エンカウントの度に処理を行って戦闘をキャンセルするかどうかの処理を行っているため、完封はできなくとも結果的にエンカウント率を下げる効果もある。
また、ローレシアの王子が武器を持ち替えることでトヘロスが有効な相手がコロコロ変わってしまう。
特に2回攻撃の【はやぶさのけん】は攻撃力+5の弱小武器扱いなので、終盤に隼の剣を装備すると、それまでトヘロス有効だった敵とも遭遇するようになるという問題点がある。
 
また、本作では攻撃力のステータス上限が255であり、レベルMAX時の力(160)+破壊の剣(93)でも攻撃力は253。
ローレシア王子の攻撃力÷2と敵の攻撃力を比較する関係で、攻撃力126以上の魔物はトヘロスで防げない。
【ロンダルキア】では、【ギガンテス】(攻撃力145)と【アークデーモン】(攻撃力140)がいるので防ぎきれない。
こいつらは他の敵と組むことも少なくなく、ギガンテスやアークデーモンが単体でも、スペースの関係で【デビルロード】【ブリザード】を2体連れて現れるとお供のせいで全滅しかねない。
これはせいすいにも同じことが言える。

SFC版

カップリングされているSFC版DQ1と基本的には同じ仕様で、トヘロスの判定がエリアレベル制に変更されている。

ローレシア王子のLv≧その地域のエリアレベル+5

ローレシア王子の強さに依存する点は同じだが、攻撃力参照ではなくレベル参照で、FC版と比べて相対的に低いレベルから完封しやすい仕様になった。
フィールド上で最もエリアレベルが高いロンダルキアでLv28。
ローレシアの王子のレベルが33に達していれば、ロンダルキアのモンスターたちも封印できるようになった。
しかし、DQ6以降と同じく確実に逃げられるようになるレベルと全く同じなので唱える価値は逆に激減している。ただし、稀に不意討ちされるリスクがあるので無価値というわけではない。
なおDQ5と同じくフィールドの一歩が0.5マス扱いなので、トヘロスの持続時間は半減している。

GB版以降

有効判定がSFC版よりレベル1つ分厳しくなっている。
ロンダルキアの敵を封じるにはレベル34以上になったが、それ以外はSFC版と同じ感覚で使える。
 
トヘロスは通常はダンジョン内で唱えても効果はないが、スマホ版ではフィールド上でトヘロスを唱えた後、効果が残っている内にダンジョンに入るとそのダンジョン内ではずっとトヘロスが有効というバグがある。
3DS版ではこのバグは修正されている。

ゲームブック(双葉社版)

下巻で王女が常に唱えているという設定で、弱い敵は出現しない。
しかし、なぜか【スライム】は「偶然ですねん」と言いながら出現する。

ゲームブック(エニックス版)

戦闘呪文となっており、アンデッドモンスターを消滅させる効果になっている。
DQ3以降でいう【ニフラム】 に近い。

DQ3

消費MPは4で前作の倍になった。
【勇者】が設定上はレベル19から習得可能(公式ガイドブックも機種問わず19で習得と記載)。
ただし、レベル19でトヘロスを習得するための必要な賢さの値が32以上と高めに設定されているので、通常のプレイでは賢さが11以上あれば習得可能になるレベル20~21辺りで覚えることになる。
 
この作品から、町中での歩数は効果にカウントされない仕様が通例化された。
【魔法使い】【僧侶】の呪文ではなく、勇者の使う呪文に設定されているのが特徴的(DQ1とDQ2の主人公達も勇者の子孫である)。
以後、トヘロスは勇者の使う呪文というイメージがしばらく続く。
 
本作は各敵に個別に設定されているモンスターレベルを参照して判定が行われる。

先頭キャラのレベル≧モンスターパーティ内の最も高いレベル+5

ダンジョン内では効果が無い。
【にげる】が100%成功するようになるには、敵パーティー内の最大モンスターレベルより10高い必要があるが、トヘロスは敵レベルより5高ければ成功するので、冒険中の有用度はかなり高い。
なお先頭キャラが死んでいても判定には先頭キャラが使われる。

特定の敵だけを出現させる裏技

リメイク版や後発シリーズの「エリアレベル制」では「このエリアはレベル○○以上ならトヘロスで敵が出ない」仕様だが、FC版の「モンスターレベル制」では遭遇した敵パーティー毎に個別に彼我のレベル差を参照して出るか出ないかが決まるため、先頭キャラのレベルによっては「このエリアの低レベルの敵のみの組み合わせは出現しなくなるが、高レベルの敵を含む組み合わせは出現する」状態になる。
 
これを利用して、先頭キャラのレベルを28に調整しておくと、【はぐれメタル】のみ出現するようになる場所がある。
該当箇所は【スー】のある大陸(現実世界の北米大陸あたり)の西側の【アープの塔】周辺からその北側の地域および【旅の扉のほこら】のある島で、これらの地域では出現モンスターでははぐれメタルが最もモンスターレベルが高く、かつ単体出現のパターンしかないのでレベル28だと丁度はぐれメタル以外出なくなる。
なお「スーの村の周辺」と言われることがあるが、スーの村周辺はこのエリアに該当しない。これを知らずに村の周辺をうろついても永遠にはぐれメタルと出会うことはないので注意。
スーの村から向かう場合は船に乗って河川を北上し、岩山に囲まれた盆地の西の端の山地に該当エリアがはみ出している。【グリンラッド】の南西のごく一部のエリアも含まれる。
 
これらの地域でトヘロスを唱えると、他のモンスターとの遭遇はキャンセルされて戦闘が起こらずにフィールド上を歩き続ける。
さらに、先頭キャラを死亡状態にしておけば、はぐれメタルと戦って仲間がレベルアップしても先頭キャラはレベル28のままなので、はぐれメタルのみ出現する状態で先頭キャラ以外のメンバーのみ集中して経験値を獲得させることも可能になる。
ただし、はぐれメタル出現率は数%程度と低いため、【おうごんのつめ】はほぼ必須となる。黄金の爪を持っていると昼夜が切り替わるごとに1~2回エンカウントできるだろう。その場合、トヘロスの効果が切れた瞬間に別の敵とエンカウントすることが多く、歩数を把握しておいて切れる直前にかけなおす必要がある点には注意が必要。
また、出たとしても1匹のみなので、こちらのメンバーが動く前にあっという間に逃げられる可能性が高い。
このため、経験値稼ぎとしての効率はあまり高くなく、実用性は低い(【ガルナの塔】【メタルスライム】を狩る方が時間当たりの稼ぎ量は多い)。
高レベルの武闘家や【どくばり】装備の魔法使いがいれば撃破効率は高くなるので、パーティ次第で実用性が大きく変わってくるだろう。遭遇率を高めるためには山地が望ましいため、アープの塔の北西に広がる広い山地を利用するとよいだろう。
また、どうしても早期に【しあわせのくつ】が欲しいという場合にも活用できるが、上述の通りの出現率のため結局は途方もない時間を要する。
 
なお、先頭キャラのレベルが23~27の間でトヘロスを唱えた場合は、【ダーマ神殿】周辺でメタルスライムを含む組み合わせか【ごうけつぐま】単体のパターンしか原則的に出なくなる。
おうごんのつめを持っていればそこそこの頻度で出現するので、こちらの方がまだ実用性が高い。
ただし、上述の出現制限によるバグが原因で、本来は出るはずのない【マッドオックス】【げんじゅつし】4匹組が稀に出現することがある。
これらの4匹組ではメタルスライムが出現する余地がないため、トヘロス判定後にメタルスライムの出現がキャンセルされてしまうのである。
このバグが成立する確率はあまり高くないのが救いだろう。
 
この技は逃走確実になるレベルよりもずっと下のレベルで運用可能な点が最大のメリットとも言える。メタル系以外の敵とは一切戦いたくないというプレイヤーにとっては一考の価値はあるだろう。
【どくばり】を用いた打撃攻撃(急所突き)をはじめ、【メダパニ】【どくがのこな】)がそこそこ有効など対処法もいくつかあり、ダーマ神殿の宿屋でHP・MP回復もできるので、レベル条件さえ満たしていればガルナの塔でメタルスライムを狩るよりはこちらのほうが効率が良いと思われる。
 
同様に、【ムオル】西側(現実世界のカムチャッカ半島周辺やベーリング海峡をはさむ氷原地帯あたり)で、先頭キャラのレベルを25~27にしておけば、メタルスライム4匹組あるいは5匹組のみが出現するようになる。
こちらは他のモンスターを伴わず必ず複数で出現するのが魅力的だが、ダーマ周辺よりも遭遇率が低いので、おうごんのつめはほぼ必須といえる。
なお、はぐれメタルに比べて逃げにくく素早さもそれほど高くないため、高レベルになってから訪れて【ドラゴラム】による炎攻撃で狩る方法もある。
ただ、ドラゴラムを習得したキャラ(レベル34以上の魔法使いか賢者)がいるような時期に、レベル25~27のキャラをパーティに加えるというのは、アンバランスではある。
よってこの場合は、先頭キャラ(比較的成長の早い商人など)をこの裏技のためにレベルを調整して用意しておくなど、変わったプレイスタイルになる。

スライムベス(Lv63)について

【アレフガルド】含め雑魚モンスターのモンスターレベルはほとんどが43以下に収まっているので、基本的には先頭キャラのレベルが48以上あればどこへ行ってもトヘロスで敵を封印できる。
ただし例外があり、【スライムベス】は能力的にはスライムに毛が生えた程度なのにモンスターレベルが63と異様に高い。
モンスターレベルは6ビット(2進数の6桁)で0から63までの64段階の中に納まるよう設定されてるので、この63という値は実質レベル99みたいな最大値扱いであり、【ゾーマ】【バラモス】などボスクラスも同じモンスターレベル63である。
つまりスライムベスが1匹でも混じっていると、先頭キャラがレベル68以上ないとトヘロスが効かなくなってしまう。
通常の攻略時のレベル帯だとまずトヘロスが効かないので、スライムベスはアレフガルドにおける嫌がらせモンスターになっている。

リメイク版

習得レベルは19~20。
有効判定は

先頭キャラのレベル≧現在のエリアレベル+5

FC版がモンスターレベル制で遭遇する敵パーティー毎に個別にエンカウント回避を判定していたの対して、リメイク版はエリアレベル制となり、「このエリアはレベル○○以上ならトヘロスで敵が出ない」と一括処理される。
よってFC版のような「はぐれメタルだけを抽出」といった使い方はできなくなった。
またFC版と違い、リメイク版は先頭のキャラが死んでいる場合は繰り下げで2番目のキャラのレベルが適応される。
リメイク版では追加職業の【盗賊】【しのびあし】を覚え、トヘロスは忍び足に比べるとお呼びが掛かる場面が少ない。
忍び足は消費MP0でエリアレベルに関係なくエンカウント率を下げる上にダンジョン内でも有効、と出番が多い特性になっている。
フィールドでは一定レベル以上でエンカウントをゼロにできるトヘロス、ダンジョン内では忍び足、と使い分ける形になる。

DQ4

【勇者】がLv11~12で習得。
【ルーラ】【リレミト】と同じ消費MP8に増え、MPの負担が重くのしかかるようになった。
ダンジョン内で効果がないのは前作と同じ。聖水も全く同じ効果を持つ。
 
前作ではモンスターレベル制だったが、本作以降はエリアレベル制に変更された。
FC版での効果判定は本作独自仕様になっており、パーティーレベルに応じて出現率を低下させるというもの。
具体的には、パーティー内で最もレベルが高いキャラのレベルとそのエリアに設定されたエリアレベルを比較して、エリアレベルよりどれだけ高いかでエンカウント率が低下していく仕様になっている。
ほとんどのエリアはエリアレベル+3で出現率が0%になる(一部の出現率が極端に高いエリアは+5でようやく完封できるようになる)。
本作では逃走成功率が100%になるのはエリアレベル+5なので、概ねトヘロスの方が2低いレベルでも有効。
 
本作はパーティー内の最高レベルを判定する条件が少々特殊で、基本的には「直前に勝利した戦闘の終了時のレベル」を参照して誰が最高レベルかを判断する(戦闘に勝った場合なので、逃げた戦闘はカウントに含まれない)。
また、フィールドや馬車が使えるダンジョンでは全パーティーメンバーの中から最高レベルの者を探すが、馬車が使えないダンジョンでは馬車内にいるメンバーは除外され、スタメンの中から最高レベルの者を探す。
なお、【ホイミン】【ドラン】などNPCの8キャラはレベルの値が202(16進数でCA)と異様に高く設定されている。
このため、NPCを入れた戦闘で1度勝利して、その後にトヘロスを唱えると、どのフィールドでも敵が全く出現しなくなる。
この【NPCトヘロス】を利用すれば、フィールドでは敵との戦闘で消耗せず安全に探索できる。

リメイク版

消費MPは半分の4になった。さらにダンジョン内でも有効になり使いやすくなった。
習得はレベル11から可能だが、必要な賢さの条件が厳しくなっている。
このため、普通に成長させた場合の賢さの高さではレベル11では習得してくれない。
レベル12以上ならレベルアップ時に1/2の確率で習得できる。
聖なる力で魔物を封じる呪文の筈だが、何故か【ピサロ】も最初から習得している。魔王としてのプレッシャーで魔物を追い払っているのだろうか。
 
NPCトヘロスの裏ワザがなくなった上【トルネコ】がしのびあしを覚えるようになったが、忍び足の仕様はDQ7と同じく「エンカウント率が下がる代わりに、敵の先制攻撃の確率が上がる」なので、リメイク版DQ3と違い忍び足を使うにはデメリットも発生する。
またトヘロスがダンジョン内でも効果が発生するようになったので、エリアレベルを把握し条件レベルに達しているなら、忍び足よりもトヘロスを使った方が安全である。
 
DS版以降では【ブランカ】など周辺の敵が弱い所でトヘロスを使い、敵が出ない状態にした上でルーラで別の地域に移動すると、移動先の敵が強い地域でも敵に出遭わなくなるバグが存在する。ただしダンジョン内では効果はなくなる。

DQ5

【主人公】は使えず、やはり勇者である【男の子】がLv10で習得。
その他の習得者は、【ヘンリー】ホイミスライムパペットマンケンタラウス
前作の燃費が重すぎた反省か消費MPは4に逆戻り。
ダンジョン内では効果がない、効果時間は消費する。
また、歩数カウンタは【においぶくろ】【まもののエサ】と共用しており、お互いに上書きされる(効果が打ち消される)。
 
有効判定は前作に引き続きエリアレベル制

主人公のレベル≧現在のエリアレベル

逃走成功率が100%になるレベルより5低い。
トヘロスの有効レベルがエリアレベルと同じになっているのは現時点では本作のみ。
他の作品に比べて異様に低いレベルから封印できてしまう(リメイク版で修正されたことから、設定ミスであった可能性も考えられる)。
しかし、フィールド上の1歩が0.5マスになったため実質的に効果時間は他の作品に比べて半減している。
効果上は128歩(1歩が0.5キャラ分)だが、1キャラ分の移動を1歩とカウントするなら実質64歩分しかもたない。
具体的にいうと、目と鼻の先にある【サンタローズ】【アルカパ】間位の距離で効果時間が切れる。
しかも、効果が切れたときにメッセージが出ずいつの間にか切れているので結構使いづらい。
また、本作のエンカウントは歩数に依存して上昇するのだが、トヘロス中も歩数はカウントされているので、効果が切れた直後はものすごく敵が出現しやすくなっており、効果が切れたことに気づかずに数歩オーバーしただけでエンカウントする。
通常のエンカウント頻度も草原ならば50~60歩程度なので、上記仕様をふまえて結果的にトヘロスを唱えて敵を封じている感覚はほぼ味わえない。
効果が切れる前に唱えなおせば効果時間はリセットされるので、早め早めに唱える必要がある。
また、トヘロスの効果が得られないエリアレベルの場所でエンカウントするとその時点で効果が切れる。

リメイク版

有効判定は

主人公のレベル≧エリアレベル+5

DQ6以降の仕様に準拠し、追加モンスターのプチヒーロー【ターク】も習得するようになった。
またリメイク版はダンジョン内で使うと「何も起こらなかった」と表示されるが、実はバグでダンジョン内でも有効になっている。
【サンチョ】が習得するようになったしのびあしも出番が多いが、レベル条件を満たすならエンカウントが0になるトヘロスの方が安全。
 
DS版では前作と同じバグがある。

DQ6

勇者の習得呪文から剥奪され、【レンジャー】の★1で習得する。
聖なる呪文というイメージだったのがアウトロー職に移された上に、レンジャーは特技もステータス補正も乏しい地雷職で左遷感が漂う。
ただし、本作ではダンジョン内でも有効になった。そのため、トヘロス自体の性能は高い。
 
効果判定はやはりエリアレベル制を採用。

【主人公(DQ6)】のレベル≧現在のエリアレベル+5

逃走が確実になるレベルと同じになり、この作品以降、この算式でトヘロス効果の有無が決まる。
逃走が確実に成功にするレベルになれば、エンカウントしても逃走すれば安全に逃げられるわけで、存在意義がかなり怪しくなった(一応、まれに不意打ちされる場合があるので、存在意義がゼロではない)。
また、この作品より、ついに宿命のライバル・しのびあしが登場。
トヘロスと異なりエンカウント率をゼロにはしないが、下級職の盗賊で手軽に習得でき、敵の強さに関係なくエンカウント率を著しく低下させる。
しのびあしはトヘロスより使い勝手が良く、トヘロスの出番を食ってしまった形になる。
 
ちなみに、トヘロスが有効になるのは主人公の【熟練度】が上がらなくなるレベルと同じなので、これを常に唱え続けることで、熟練度の上限レベルを知る目的で使える。
…と言いたいところだが、よほど特殊なプレースタイルでない限り、熟練度がもらえる限界レベルが存在する時期は【ハッサン】が主人公よりも1レベル高い状態で推移するため、上記の方法で熟練度限界を探っているとハッサンの熟練度が上がらないという致命的な罠がある。
また、レンジャーへの転職条件を考えると、できるだけ敵の経験値が低いエリアで腰を据えて熟練度を稼ぐような工夫をしていない限りは、熟練度の上限レベルが撤廃される【フォーン城】までにトヘロスを習得するのは難しい。
つまり、誰かがトヘロスを覚えるころにはすでに熟練度の上限レベルは撤廃されていることが多い。

リメイク版

しのびあしに設定ミスに近い弱体化(エンカウント率がほとんど落ちず、先制される確率だけ上がる)が加えられており、トヘロスが復権している。
一方、道中の習得アイテムに関する情報がインターネットで用意に得られるようになった影響でメンバーの誰かを盗賊に就ける価値が大幅に低下し、【仲間モンスター】システムも廃止されたことで、下積み職も含めてレンジャーの地雷度合いが上っている。
しかもホルストックのイベントクリアまで馬車内は最大2人という状況である。
ますます余計な職業に就けている余裕はない。
全職★5を目指して誰かに経験させるにしても、ドラゴン職やはぐれメタル職はどうせ終盤なので、焦ってレンジャーを作る意義もあまりない。
しかもリメイク版ではその先に【ゴスペルリング】の存在が待っている。ゴスペルリングが手に入ったら二度と使うことはなくなるだろう。

DQ7

やっぱり勇者ではなく、【吟遊詩人】の★5で習得。
この作品からしのびあしに「先制される確率が上がる」というデメリットがついたのだが、元々エンカウント率が低い本作ではしのびあしを使うとまるでエンカウントしなくなることも多く、トヘロスの立場は前作以上に悪くなっている。

リメイク版

【盗賊】の★7で習得に変更された。やはり吟遊詩人が覚えるのは、おかしいということだったのだろう。
DQ9同様にシンボルエンカウントを採用した3DS版では扱いが心配されたがしっかり健在で、唱えて効果を発揮した時点でモンスターのシンボルが全て引っ込んで無人の荒野になるという効果。
以降、トヘロスの効果が切れるまでシンボルの新規出現も無くなる。
しかもシンボルエンカウントではしのびあしの方が成立しないため、宿敵しのびあしが削除された(非シンボルエンカウントに戻ったスマホ版でも変更なし)。
元々シンボルを避け易いフィールドマップでの価値は薄いが、輝くのはダンジョン内。
狭いダンジョン内通路にやたら図体のデカい敵シンボルが出たりすると避けようがないため、こいつらを避けるためにはトヘロスが必須。
しかし、新しく行くダンジョンにはトヘロスが効かないLvの敵が出るのが当たり前。
そしてレアを求めて何度もマラソンをすることになる【すれちがい石版】内はレベルが99で唱えても効果が無い、とやはり微妙なのであった。

DQ8

【主人公】【ゆうき】スキル28Pで習得。事実上、久々に勇者の呪文へ舞い戻ってきた。
この作品でもしのびあしの後継特技である【しのびばしり】との争いになるが、あちらは最大MPが伸びにくい【ヤンガス】【格闘スキル】でしか覚えられないため乱発しづらい面がある。
ヤンガスの格闘スキルは比較的早い時期に【しんくうは】を覚えられることもあってスキルポイントを回す価値はあり、しのびばしりの効果がLvを参照しないというメリットも相変わらずでかいが、久々にトヘロスがエンカウント率低減の主役の座に戻った。
 
エリアレベル依存なのは以前までと同様だが、敵を完封できる(逃走が確実になる)レベル-5の時点で歩数エンカウントを延長する効果を発揮する。
 
主人公のレベルが低いうちなら併用していく手もあるが、特に【竜の試練】に何度も挑むときなどは、裏ダンジョンの敵をシャットアウトできるトヘロスは重宝する。

3DS版

シンボルエンカウントに変更された3DS版DQ8では、3DS版DQ7と同じ効果である。
なお【モリーもりもり】を使うとトヘロスの効果は打ち消される。

DQ11

久々の復活、【主人公】【ゆうしゃ】スキルで覚える。
消費MPは2。DQ1~2時代の水準に戻された形となる。
【せいすい】もこの呪文と同じ効果である。世界に異変が起きるとゆうしゃスキルが消失するため、スキルが復活する【ユグノア城跡】のイベントまでは、せいすいに頼ることになる。
 
シンボルエンカウントのPS4版(DQ11S3Dモードも同様)と3DS版の3Dモードでは、使用すると主人公のレベルを+10したとみなされる。例えば、主人公のレベルが20以上だと逃げ出す敵シンボルがあるとき、レベル18でそのまま近づくと気づかれた後追い回されるが、トヘロスを使えばレベル28とみなされ逃げ出すようになる。3DS版DQ7や3DS版DQ8とは違って敵のシンボル自体は消えないため、接触すれば戦闘になる。
本作はレベルが上がりやすい上、3Dモードではモンスターの実際の強さに対してトヘロスが有効になるレベルが低いため、相対的にトヘロスが効果を発揮しやすいと言えるだろう。
ただ、シナリオ進行で出現するモンスターが変化する関係もあり、前に訪れたときは有効だった場所でも後に訪れたときは無効になる可能性もある。
レベル99でトヘロスを使っても問答無用で襲い掛かってくる敵シンボルもあるので注意。
不意のシンボル接触で戦闘になる可能性もあるので、装備はしっかりしておこう。
 
海上や2Dモードでは弱い敵をシャットアウトというおなじみの効果。ただしPS4版等の場合は船を降りると効果が切れ、2DモードではFC時代と同様に町の中でも歩数がカウントされてしまう。
また、持続歩数が過去作よりも短くなっている(128歩)。

キャラバンハート

ランク3の魔法使いが使える。
魔法使いを3人加えられる(あるいはランク3の魔法使いを加えられる)のはクリア後なので、必然的にクリア後しか使えない。
一定の歩数の間敵とエンカウントしなくなる性能のため、オーブのダンジョンの奥に向かいたいときに重宝する。
呪文の威力はともかくとしても、魔法使いを馬車隊に入れる理由の一つである。

シアトリズム

【盗賊】【レンジャー】などの職業が習得する、FMS専用の呪文。
ステージ中1回だけ発動し、移動距離が少し伸びる。
消費MPは10。

ロトの紋章

ポロンが使用。術者を中心に聖なる結界を展開し、この結界に触れたモンスターはたちまち消滅してしまう。
なお、このトヘロスが登場する前に【せいすい】も使われているが、あちらの効果は一人限定のようである。
DQ3の100年後を描いた本作で、その設定を厳密に当てはめると、
勇者の呪文であるトヘロスを賢者が使ってしまうのは不自然なのだが……。
本作では【ベホマズン】と同じく、勇者専用としての縛りが薄いようである。
 
ジパングの北方のエッゾで、冥王ゴルゴナ率いるゾンビ軍団が聖なる光に弱いと聞き使用。対ゾンビ用の呪文ならニフラムがあるはずなのに何故そちらを使わなかったのか