裏技・バグ/【地底のモンスターの行動がおかしくなるバグ】

Last-modified: 2024-03-25 (月) 18:33:29

FF4(SFC版)

SFC版FF4に存在するバグの中で、知名度が最低レベルに低いと思われるバグ。
それもそのはず、現存するROMが数少ないであろう初期ROM・Ver1.0のROMでしか発生しないバグである。
そう、GBA版のように有名でないだけで、SFC版にもROMバージョンは2つ有ったのだ。
とはいえ、現在流通している殆どのROMはこのバグが修正されているVer.1.1のROMである。
何故、Ver1.0のROMは発売間もなく1.1に取って代わられたのだろうか?その答えは以下で。

概要

地上の特定のスポットから出て寄り道せず地底世界に直行し、地底世界のフィールドでモンスターと遭遇した場合、
モンスターが本来の行動を取らず、おかしな行動を取る、というもの。
大半のモンスターは『味方にひたすらブレイク』という、初見では困惑するもその実ただのボーナス行動であるパターンを繰り返すが、
一部のモンスターは後述するように、なかなかにマズい行動を取るものが混じっている。

詳細

地上の特定のスポット、具体的には

のいずれかの場所から出た後(宝物庫からはテレポで出る必要アリ)、
すぐに飛空艇に乗りどこにも寄り道をせず地底世界に直行する。
そして地底のフィールドでモンスターに遭遇すると、一目で異常と分かる行動を連発するのだ。


基本的には上記の通り『味方にひたすらブレイク』というこちらに害の無い行動を取るが、
以下のように、見栄え的にもシステム的にもなかなかにマズい行動を取るモンスターが居る。

  • くろとかげ
    • 攻撃へのカウンターとして自爆してくる。
      FF4で自爆を使うモンスターはボム系や魔人兵といったいかにもなヤツらだけなので違和感が否めない。
      しかし、後述の連中と比べたらこれでもまだマシと言える。
  • ミステレグ
    • 通常ならこちらが攻撃するまで一切行動しないモンスターだが、このバグの発生時にはなんと 自分から攻撃してくる
      行動パターンがバグっているので、こちらの攻撃を受けても孵化しない。タマゴのまま戦うミステレグ・爆誕である。
    • ファイラアスピルドレインブリザラサンダラのローテーションで行動するのだが、
      ミステレグの知性(魔力)は0で魔法攻撃回数も1。しょせんは本来自ら戦う想定で作られていないモンスターなので、ほとんど害は無い……。
      • と思いきや、カウンターでバイオを撃つその瞬間から知性(魔力)が40・魔法攻撃回数が11に再設定されてしまう為、以降はまともなダメージを出してくるようになる。
        とはいえ、しょせんはラ系魔法止まりなので全滅の危険性が有るほどではない。
        ショボい攻撃でカウンターバイオを撃たれまくるなどすれば話は別だが。
  • アラウネ
    • 『このモンスターどこに居ますか?』としょっちゅう質問されることで有名(?)な彼女も、このバグ発生時には著しく凶悪化する。
      なんと、メガフレアをぶっ放してくるのだ。
    • メガフレア→リフレクの繰り返しである為、2回に1回のペースでメガフレアが飛んでくるというのは本作屈指の危険度を誇る。
      幸いにもダークバハムートに比べ知性(魔力)や魔法攻撃回数は若干低いものの、
      そもそもメガフレアは効果値が非常に高い為ステータスにあまり左右されず、アラウネ程度のステータスでも平気で2000超えのダメージになる。
      • このバグを発生させて彼女と最速で戦えるのは地底編クリア直後だが、
        当然その時点で食らおうものなら一撃で全滅もしくは半壊は免れない。
  • クリセイルスミスリーダ
    • 通常時はミステレグと同じローテーションで行動するのだが、混乱させると自分が行動可能になった時に敵味方の誰かが行動する事でフリーズ、
      魔法へのカウンターでエフェクトがホーリーの見た目になっているリフレクを自分に撃ってフリーズ……と、
      やたらフリーズさせてくるというアラウネとは別の意味で厄介極まりない存在。

……とまあ、こっそり修正されたROMが出回り以降それが主流になるのもやむなしと言った現象を引き起こす連中がちらほら居る。

原因

前提として、SFC版のFF4は、幻獣神の洞窟及び月の地下渓谷に出現するモンスター達は、その他の場所に出現するモンスターとは違い専用の行動パターン群が用意されている。
幻獣神の洞窟及び月の地下渓谷に出現するモンスターたちは、その専用の行動パターン群を読み込む事で想定された行動を取る仕組みとなっている。
その行動パターン群を読み込む条件として、Ver1.0のROMでは、戦闘開始時に2つのメモリアドレス(以下、便宜上メモリアドレスA、Bと呼称)をチェックして、プレーヤーの現在位置の16ビット値を取得し、
現在位置の16ビット値が 015A~015C(幻獣神の洞窟)または0167~017E(月の地下渓谷・月の中心核)の場合、
専用の行動パターン群をロードするフラグが立つ仕組みとなっている。


ただここからが問題で、メモリアドレスAとBはそれぞれ共有メモリとしてもう1つの情報を保存する役割を持っており、
メモリアドレスAは最後に訪れた場所の2番目のバイト(要するに『015A』なら『5A』の部分)を保存し、
メモリアドレスBでは『今どこの世界のフィールドに居るか』を保存する役割を兼ねている(00 =地上、01 =地底、02 =月)。
つまり、地上で005A~005Cまたは0067~007Eに当たる場所(ミストの洞窟・地下水脈・アントリオンの洞窟・ホブスの山西口・トロイアの宝物庫)から出てすぐ地下世界に直行してしまうと、
メモリアドレスBが下部2桁を記憶したまま、メモリアドレスAが『00』の部分を『今地底世界だから00を01に上書きしちゃお!』と判断してしまい、
上書きされた『01』の部分と、記憶された下2桁の部分が合わさった結果、
地底世界に居るにもかかわらず、幻獣神の洞窟や月の地下渓谷内に居る時の専用行動パターン群をロードする条件を満たしてしまう……というわけである。

  • もう少しざっくり言うと、
    AくんとBくんに共同作業とそれぞれの個別作業を任せたら、特定のシチュエーションでそれぞれの個別作業の結果が合わさる事で、
    本来共同作業でやるべきだった結果が偶然生まれてしまった……といった感じ。

つまり、このバグで地底のモンスター達が取る行動は、全て幻獣神の洞窟及び月の地下渓谷のモンスターたちが行う行動なのである。
たとえばアラウネのメガフレア→リフレクはダークバハムートの初期状態の行動パターンであるし、『味方にブレイク』もあんこくまどうしの混乱時の行動パターンである。
ミステレグのカウンターバイオに至っては、魔力・攻撃回数変更までゼロムスの召喚カウンターバイオと全く同じ性質である。
ちなみに我々が最もよくプレイしているであろうVer1.1のROMでは、
月の専用攻撃スクリプトをロードする条件として『戦闘がダンジョン内で開始されたかどうかをチェックする』という処理が入るようになって修正された。
(バグは地底世界のフィールドでしか起こらないので、この条件を満たせずバグを回避出来ている)

余談

有名な『月の民の館に潜んでいる、せきかにらみしかしない魔人兵』はこの逆のパターンで、
『幻獣神の洞窟や月の地下渓谷で出るモンスターなのに、出現場所が異常なせいで専用の行動パターン群を読み込めない』のが原因で、あのような妙な行動を取るのである。
チートで月のモンスターを無理やり地上や地底に呼び出しても同じ現象が確認出来る。

【視聴覚室】

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