アズカバンの囚人/4章

Last-modified: 2024-01-31 (水) 19:38:34
 

美人箒

■日本語版 4章 p.68
アイルランド・インターナショナル・サイドから、先日、この美人箒を七本もご注文いただきました!

■UK版 p.43
Irish International Side's just put in an order for seven of these beauties!

■試訳
ちょうど今さっき、アイリッシュ・インタ―ナショナル・サイドから、この傑作品に7本の注文が入ったとこだよ!

■備考

  • 美人箒って何だ?
  • 乗り物を女性に例える事って結構多いと思うので、単純に「美人」と訳しても間違いじゃないのかもしれない。
    でも「美人箒」となると……?

炎の雷

■日本語版 4章 p.68
炎の雷・ファイアボルト

■UK版 p.43
THE FIREBOLT

■備考

  • ボルトってBOLT、矢という意味の方じゃないのかなあ。
  • 箒の形状を考えたらどう考えても矢だよね。
  • それ以前に固有名詞まで訳さなくて良いよね。
  • クリーンスイープ、コメット、ニンバスなどはカタカナなのに、何故これだけ…

研磨仕上げ

■日本語版 4章 p.68
ダイヤモンド級硬度の研磨仕上げ

■UK版 p.43
treated with a diamond-hard polish

■試訳
ダイアモンド級硬度の光沢塗装仕上げ

■備考

  • polishは研磨という意味もあるけど光沢剤の事でもあるから。
    傷が付かない丈夫な塗装仕上げという事でしょう。

ブレーキ力が大ブレーク

■日本語版 4章 p.68
ブレーキ力が大ブレークします。

■UK版 p.43
(略)incorporates an unbreakable braking charm.

■試訳

  1. 故障知らずのブレーキ魔法を内蔵しています。
  2. 壊れないブレーキ魔法を採用しています。

■備考

  • ブレーキがブレーク(壊れる)なら欠陥品、
    日本語の俗語のブレーク(突然人気が出る)と解釈しても意味不明。
    原文がシャレっぽいからって、これでは日本語として成立しないね。
  • ブレイクするというのは壊れるだけじゃなく魔力を破るみたいな意味も有るから、
    unbreakable braking charmは決して破られない魔法の制動機能付きという事で
    語呂が良いだけじゃなくファイアボルトの凄さをちゃんと説明してると思う。
    訳は無理して語呂合わせしなくても性能が伝わる方が良い様な気がする。

ご存じないかな

■日本語版 4章 p.74
「ファッジがどうして僕のことを見逃したのか、君のパパ、ご存じないかな?」

■UK版 p.47
"Your dad doesn't know why Fudge let me off, does he?"

■備考

  • 間違いじゃないけど、子供同士の会話で相手の親の事を敬語で言うのは自然じゃない気がする。
    • 皮肉を込めた雰囲気を出すなら間違いじゃない気もする。

クルックシャンクス

■日本語版 4章 p.78
何やらでかいオレンジ色のもの

■UK版 p.49
something huge and orange

■試訳
何やらでかい茶色のもの

■備考

  • クルックシャンクスの毛色のorangeは「茶色」って訳すべきなのに
    英語じゃ茶色い毛の猫のことを「オレンジ」と言うんだって
  • 外国人が「青リンゴ」を「ブルーアップル」って訳す様な間違い?
    これは「グリーンアップル」にしないとね。
    こう言う色名の揺れは何処の国にもあるから気をつけないと。

恭悦至極

■日本語版 4章 p.82
「ハリー!」フレッドがパーシーを肘で押し退け、前に出て深々とお辞儀をした。
「お懐かしきご尊顔を拝し、なんたる光栄――」
「ご機嫌うるわしく」
フレッドを押し退けて、今度はジョージがハリーの手を取った。
「恭悦至極に存じたてまつり」
パーシーが顔をしかめた。
「いいかげんにおやめなさい」ウィーズリー夫人が言った。
「お母上!」フレッドがたったいま母親に気づいたかのようにその手を取った。
「お目もじ叶い、なんたる幸せ――」

■UK版 p.51
'Harry' said Fred, elbowing Percy out of the way and bowing deeply. 'Simply splendid to see you, old boy -'
'Marvelous,' said George, pushing Fred aside and seizing Harry's hand in turn. 'Absolutely spiffing.'
Percy scowled.
'That's enough, now,' said Mrs Weasley.
'Mum!' said Fred, as though he'd only just spotted her, and seized her hand, too. 'How really corking to see you -'

■備考

  • 「お目もじ」は女性語
  • 「恭悦至極に~」は話してる人が喜びや感謝を強く感じてる事の謙譲表現
  • spiffingはハリーを魅力的だと褒めてんだからold boyは単なる呼びかけかと。
    「お懐かしき」と訳出するのはどうなんだろうな。
  • 恭悦至極はそのままでも良いのでは?
    spiffingは人を形容するというより物事を素晴らしいと形容する言葉のイメージだから、
    ハリーを誉めたと言うよりフレッドの言ったsplendid to see youに被せてるんだと思う。
    ~to see youの前により強い賛美の言葉を入れる事で会えた喜びの加減を現すのは英語で良くある挨拶。
    good to see you、wonderful to see you、awesome to see you等。

HB

■日本語版 4章 p.84
「――HBって『首席』じゃなかった――『石頭』の頭文字さ」
■日本語版 4章 p.89
バッジには『首席』ではなく『石頭』と書いてあった。

■UK版 p.52
- for Humongous Bighead,
■UK版 p.54
The badge now read Bighead Boy.

■備考

  • これでは双子のジョークが意味不明なのであれ?と思うから読書が中断されてしまう。
  • 上手い代案は浮かばないが何か工夫するべきだったのではないか。
  • こう言う語呂合わせは難しいから、ルビ振るだけで良いんじゃないだろうか。
  • Humongous Bigheadはそのまま訳せば「超特大のうぬぼれや」かな。

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  • 猫のorangeは茶色というのは、馬の青は黒みたいなものか -- 2020-03-24 (火) 02:57:47
    • 色の名前は直訳してることが多い印象 -- 2021-11-10 (水) 10:33:07
      • たしかにそんな印象はする -- 2024-01-31 (水) 19:38:34
  • 「ブレーキ力が大ブレーク」は読んでて意味不明だった -- 2023-03-31 (金) 19:20:29