炎のゴブレット/13~16章

Last-modified: 2021-10-03 (日) 16:40:54
 

13章

銘々皿

■日本語版 13章 p.322
それからハーマイオニーはビーフシチューを三人の銘々皿に取り分けた。

■UK版 p.183
Hermione began doling beef casserole onto each of their plates.

■試訳
ハーマイオニーはビーフキャセロールをそれぞれの皿に取り分けた。

■備考

  • 銘々皿は、5枚1組の直径13cm前後の小皿で
    ビーフシチューが入るような皿じゃないと思うんですが。
  • 「それぞれの皿に取り分けた」のが無難は無難かね…
  • それよりビーフキャセロールはシチューにしなくてもいいんじゃないのかな。
    鍋ごと食卓に出す料理だから取り分けているんだよね。
    英国らしい料理だし、雰囲気出してると思うんだけど…


14章

「苦痛」

■日本語版 14章 p.334
「苦痛」ムーディーが静かに言った。

■UK版 p.190
"Pain," said Moody softly.

■試訳

  1. 「そう、苦痛だ」
  2. 「苦痛の魔法だ」

■備考

  • 英語では、日本語で「××とは」「つまり××だ」とか言いそうな場面で、名詞だけ投げることがある。
  • ムーディーは授業で蜘蛛にクルーシオをかけたけど、
    原文では呪文に「苦しめ」とかつけ加えないから、
    蜘蛛にどんなショックが与えられたか生徒たちは様子で理解する。
    ムーディーの"Pain"はその答え。
  • 日本語らしく言葉を補うと「そう、苦痛だ」という感じ。
    これを「今のは苦痛を与える魔法だよ」と詳しく言い過ぎたら迫力ないし
    まんま「苦痛」とだけ訳すと邦訳読者にはわかりにくいわけだね。
  • 「そう“苦痛”だ」「“苦痛”の魔法だ」のように苦痛を強調してもいいかもね。


15章

針山

■日本語版 15章 p.363(※原文は改行無し)
「(省略)お忘れではないでしょうね、トーマス、あなたの針山は、何度やっても、
だれかが針を持って近づくと、怖がって、丸まってばかりいたでしょう!」

■UK版 p.205(※原文は改行無し)
‘(省略)I might remind you that your pincushion, Thomas, still curls up
in fright if anyone approaches it with a pin!’

■備考

  • マクゴナガル先生がディーン・トーマスに言う台詞。
  • still curls upと現在形でマクゴナガル先生は喋ってるから「あなたの針山と来たら、未だに恐怖に怯えて丸まるのよね!」という意味では?
  • 1文目の主語を変える意味とは?マクゴナガル教授が少し嫌味たらしく聞こえる。


赤むけ その2

■日本語版 15章 p.367(※原文は改行無し)
煤けた肖像画の何枚かが汚れ落としされた。
描かれた本人たちはこれが気に入らず、額縁の中で背中を丸めて座り込み、
ブツブツ文句を言っては、赤むけになった顔を触って ギクリとしていた。

■UK版 p.208(※原文は改行無し)
Several grimy portraits had been scrubbed, much to the displeasure of
their subjects, who sat huddled in their frames muttering
darkly and wincing as they felt their raw pink faces.

■試訳
何枚もの汚れた肖像画がゴシゴシ洗われた。描かれた本人達は大いに
迷惑がり、額縁の中で縮こまってぶつぶつ文句を言ったり
ひりひりするピンクの顔に触れては顔をしかめている。

■備考

  • 赤剥け=皮膚などが擦りむけて赤くなっていること。また、その部分。
  • ボーバトンとダームストラングが来るので城が大掃除され、長年良い感じに汚れていた肖像画の人物たちがいきなりきれいな顔にされて嫌がって落ち着かない様子が描かれているわけだが、原文にあるraw pink facesの中で一番注目しなくてはならないのはrawの部分。
    これはまさに皮膚がすりむけてたり、すりむけないまでもこすれてヒリヒリ痛くなってる状態の時によく使う表現。つまり肖像画さんたちもゴシゴシこすられすぎて、本当にヒリヒリ痛かったんだと思われる。
    今まで出てきた中では一番「赤むけ」に近いと言えるが、「きれいになったピンクの顔」とでも訳すのが無難。
  • またwinceには「顔をしかめる」という訳語があるのだから「ギクリ」ではなくそれを使うべきだと思う。


16章

作れない

■日本語版 16章 p.392
「ホグワーツじゃ、ああいう女の子は作れない!」
「ホグワーツだって、女の子はちゃんと作れるよ」

■UK版 p.223
‘They don't make them like that at Hogwarts!’
‘They make them OK at Hogwarts,’

■試訳
「ホグワーツじゃ女の子はああ(魅力的に)はならないよ!」
「ホグワーツの女の子だってそう悪くはないさ」

■備考

  • ボーバトンの女学生を見たロンとハリーの会話。
  • この場合のmakeっていうのは英語によくあるただの言い回しで
    本当に「作る」という意味で使われてるわけじゃないけど。
    (もちろんロンはジョークで女の子をモノ扱いした言い方をしてるけどね)
  • こういうのは直訳だと変だからもっと意訳でもいいと思う。
  • それからここでのハリーのThey make them OK のOKっていうのは
    「いい」よりは「まあまあ」っていう意味合いが強い。


くり抜きかぼちゃ

■日本語版 16章 p.415
くり抜きかぼちゃ

■UK版 p.236
carved pumpkins

■試訳
かぼちゃのランタン

■備考

  • 場面がハロウィンなので「くりぬき~」でもわからなくはないが、直訳すぎて工夫が足りない。




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