艦これ 二次創作小説「十六夜の空」第二話

Last-modified: 2015-01-24 (土) 12:55:31

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艦これ 二次創作小説「十六夜の空」第二話

20XX年某月14日

秋月の着任より数日が経過し皆に溶け込み始めた頃、演習場へ秋月のや皆の練度の様子を見に来た提督

「ほうほう、なかなかうまくいっているようじゃな」

「提督お疲れ様です」

演習の様子を見ている提督に気付いたのか翔鶴が提督に声を掛けた

「皆の練成の具合はどうじゃ?」

「まだぎこちない部分もありますがだいぶ様になって来ていると思います・・・ただまだ着任より僅かな時間しか経っていないので連携不足かと・・・」

暗い顔をする翔鶴に安心させるように

「時間が解決すると・・・言いたい所じゃが残された時間は僅かしかない。事態は一刻も争う状況じゃて今はしっかりやってくれ」

「はい」

そう言うと視線をまた演習場へ移した

「そこしっかり狙うのじゃ!!そんなへっぴり腰じゃ当たるものも当たらぬぞ!!」

「ハイ!!」

利根にしごかれながらも必死に皆についていこうとする秋月を見てハラハラしながらその様をやさしく見守る

「そうじゃ、標的機の先を読むのじゃ!対空戦闘を疎かにしたら我輩たちの立つ瀬が無いと思うのじゃ!!」

「次いくよ秋月いい?」

「お願いします!!」

標的機が曳航する標的に狙いを定め連装砲に指示を出す秋月

「コラ!!先を読めと言ったじゃろ弾が後ろに逸れておるぞ!」

「す・・・すみません!!」

それを数度繰り返すうちに様になってきたのか標的に命中弾が収束はじめる

「やった・・・・あ・・・当たりました!!」

「うむ、でもまあまだまだ練度不足といいたい所だが良くやったのじゃ、次行くぞよいか?」

「ハァハァ・・・だ・・・大丈夫です!!」

肩で息をしながらも気丈に練成を続けようとする姿勢にこのぶんなら大丈夫そうだと思い執務室に戻ろうとした矢先

「て・・・提督!!大変です!!」

血相を変えた大淀が提督の下へ駆け寄る

「どうした?何があったのだ?」

「我が国の輸送船団が沖ノ島沖で敵部隊の攻撃を受け全滅、最後の打電は沖ノ島基地が攻撃を受けつつあり至急救援を求むとの事です」

沖ノ島沖、南方や中部それから東方海域への中継点となる拠点であり古くから航通の要所となっていた

深海棲艦の出現で第一次沖ノ島海戦と呼ばれる海戦が勃発、東方より攻勢を強める深海側に対し最終防衛線として位置づけられた沖ノ島であったが

対抗する人類側の海軍戦力は壊滅し補給路を絶たれた沖ノ島は成すすべも無く制空制海権を奪われ陥落

以降長い間、深海側の橋頭堡が築かれており周辺のシーレーンの脅威となっていた

しかし過日、艦娘の出現で劣勢を挽回すべく発動された第二次沖ノ島沖海戦により多くの犠牲を払い奪還した拠点でもある

「こんな時に・・・・他の鎮守府への連絡は?」

「はい・・・他の鎮守府には連絡しましたが私達の鎮守府が現場海域に近く、他の鎮守府は出払っていて出撃が難しいと・・・」

事態を察したのか翔鶴が提督の下に駆け寄る

「提督、私達に行かせてください!!」

「やれるか?」

「練度が十分とは言いがたいですがやれます」

それを聞いていた皆も口をそろえて

「大丈夫じゃ我輩とこの為に整備したカタパルトに任せておけば安心じゃ、提督も心配性じゃのお」

「やらせてください!!秋月大丈夫です!きっと大丈夫です!!」

「おぬしら・・・わかった」

皆のやる気に激を飛ばすべく指示をだす

「第五航空戦隊抜描!!目標沖ノ島沖に展開する敵部隊!!勝って皆で帰ってくるんじゃぞ!」

「ハイ!!」

同日午後には第五航空戦隊麾下、正規空母翔鶴/瑞鶴 航空巡洋艦利根 軽巡洋艦夕張 駆逐艦秋月 駆逐艦秋雲が出航、沖ノ島沖に向け進んでいく

「行ってしまいましたね」

そばに居た大淀がそう呟く

「ああ、だがあの子達は大丈夫じゃきっと皆で帰ってくる」

「そうですね、それを信じて私たちは待ちましょう」

「無事帰ってきたら間宮さんとこで宴会でも開かんといかんかのお?」

「提督のおごりですか?」

「なーにあの子達の苦労に比べればお安い御用じゃどーんと任せておけ」

見送る提督も緊張の面持ちではあったものの皆揃って帰ってくるという確信めいたものを抱いていた

20XX年某月15日沖ノ島海域AM8:00

「翔鶴姉!そろそろ敵哨戒権内だと思うけど」

「そうねそろそろ策敵機を・・・・」

そう言った矢先

「待ってください!14時の方向電探に感あり機影1・・・策敵機と思われます」

「ばかな!先手を取られただと!!」

「敵もこちらの動きは読んでいたようね・・・」

近代の航空戦はスピードが求められいかに相手の先手を取るのが必須になるような状況で策敵機に発見されたと思われる今の事態はかなり深刻であった

「策敵機に発見されたと言うことはすぐ敵機がこちらに向ってくるわね」

「どうするの?翔鶴姉!」

「利根さん水偵で敵の策敵機を追尾して現在位置を探って、瑞鶴いつでも直掩隊が出せるよう準備しといて」

「判ったわ翔鶴姉」

「陣形を組みなおして輪形陣を組みます」

翔鶴から指示が飛ぶと同時に翔鶴瑞鶴を中心とした輪形陣を形成万全の体制を整えた

「水偵より入電じゃ!敵艦隊を発見、空母ヲ級2隻を含む重巡2、駆逐2」

「空母の数は互角ね・・・後は敵の第一撃を凌げるかにかかっているわ瑞鶴直掩隊を上げるわよ」

「りょーかい翔鶴姉」

瑞鶴と翔鶴より発艦した零戦52型24機が上空援護に舞い上がる頃

「電探に感!!機影その数90!!」

「敵さんはやる気じゃ!!さあ我輩たちの戦場じゃ!!」

「は・・・はい」

上空に僅かに上がったたった24機の零戦52型では不足感はぬぐいきれないがそれでも頼もしく見えた

(敵が・・・こわい・・・でも大丈夫、きっと大丈夫)

「秋月さん大丈夫?戦闘に集中して」

内面を見透かされたように翔鶴に声を掛けられたことに驚きぎこちないながらも笑顔で返した

「大丈夫です!!」

「無理しないでね秋月さん、誰でも初めての戦場は怖い物だから」

「こら!新型!翔鶴姉に迷惑かけたら承知しないんだからね」

「もう瑞鶴ったら」

「は・・・はい」

(皆に心配されてる・・・怖いけど今は戦闘に集中集中!)

水平線の遥か彼方からゴマ粒のような点々が次々に沸き段々それが大きくなっていく

「対空戦闘用意!!さあいくぞおぬしら」

続く

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