ゴミ箱

Last-modified: 2025-01-14 (火) 01:37:21
  1. ヒューストン・アストロズがサイン盗みの際に使用していたもの。またこれが転じサイン疑惑に対する煽り文句となりさらにはサイン盗みそのものを指すネットスラングとなった。
  2. 戦力外通告された選手を大量に獲得するチームのこと。「廃品回収」とも。
    かつては中山裕章を打撃投手として契約しその後現役復帰させた実績があり、親会社が新聞社であり本人への雑音を大幅にカットできる中日ドラゴンズや、北海道日本ハムファイターズなどがそう呼ばれていたがが近年では第三次原辰徳政権からの読売ジャイアンツ松田宣浩岩隈久志田中将大ら他球団を戦力外になった選手や不祥事を起こした、あるいは素行の悪い選手などを数多く獲得しているためこう呼ばれる*1

ここでは1.について説明する。

アストロズのサイン盗み

2017年に球団創設57年目にして初のワールドチャンピオンになったアストロズであったが、当時からメジャーリーガーの間では「アストロズはサイン盗みをしている」という噂が存在していたらしく、ほとんどの日本人メジャーリーガーもその類の噂があった事を認めるなど疑惑が存在していた。

そして2019年オフの11月、アメリカのスポーツ専門サイトで当時アストロズに在籍していた選手ら4人の告発により恒常的にサイン盗みを行っていた事を暴露する記事が掲載され、米球界では一大騒動に発展する。
監督のアンドリュー・ジェイ・ ヒンチ、GMのジェフ・ルーノウが1年間の職務停止処分の末両者とも解任され、アストロズ球団には罰金500万ドルと2020-2021年のドラフト1~2巡目の指名権剥奪処分を受けるなどの措置が取られた他、一時はチャンピオンリングの剥奪返上やアストロズ選手の個人成績抹消まで取り沙汰される程の大問題となったが、最終的にタイトル剥奪や選手個人に対しての処分はされなかった*2

一方、日本でも被害者に当時ドジャースだったダルビッシュ有*3前田健太、ヤンキースの田中将大がいたことから、日本でも大々的に取り上げられる事になった。
ただし当時アストロズ所属の青木宣親*4はこの件に関して口を閉ざし、日本メディアも突っ込んだ取材を行っていない。

ゴミ箱ネタ

このサイン盗みをする際に伝達手段として、バケツと並んでゴミ箱が使われていたと報道された。本拠地であるヒューストンのミニッツメイド・パークに設置されたカメラの映像を通じてサインを盗み*5、特定の球種の場合にゴミ箱を叩くことで打席のバッターに伝えていたと言われている。

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そしてアメリカのFOX系テレビ局『FOX 29(WTXF-TV)』が2020年1月15日のニュース番組中に、「ゴミ箱へのインタビュー形式で解説する*6」と言うアメリカンジョークを交えて放映するなど広くネタにされ、ゴミ箱が今回のサイン盗みの象徴として定着した。

翌年以降への影響

  • 開幕2週間目(日本時間7/29, 7/30)、ドジャースと初戦。
    6回裏に中継ぎとして送り込まれたジョー・ケリーが3ボールからアストロズの主力打者アレックス・ブレグマンの後頭部スレスレに154.5km/hの速球を投げ込むと、対するアストロズも次打者のマイケル・ブラントリーが一塁ベースカバーに入ったケリーのスパイクを踏みつけ、不穏な空気が漂い始める*8。ケリーは2アウトで迎えた同じく主力のカルロス・コレアに対しても140km/hのナックルカーブを頭部目がけて投げ込み、更に三振に切って取り「Nice swing, bitch!」と叫んだ後舌を突き出して煽る仕草を見せる。
    一連の行為に対してイラついていたコレアとアストロズの選手スタッフはこの行為で怒りを爆発させ、両軍ベンチがグラウンドに飛び出す一触即発の事態になった。コロナ感染拡大防止の一環で禁止されているため乱闘には発展しなかった*9ものの、開幕延期や処分を経てもアストロズがまだ許されていない事を印象付ける出来事になった*10
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    なお、この行為によりケリーは8試合の出場停止を受けた。「大した事ない。罰金を払うだけさ。ノープロブレム。」と話すなど反省の色は見られなかったものの、試合後と出場停止処分後にはケリーを称えるハッシュタグ「#JoeKellyFightClub」と「#FreeJoeKelly(「ジョー・ケリーを解放せよ」)」がSNS上で流行し、非公式にケリーを称えるTシャツも販売される事になり、大手大衆紙USAトゥデイ電子版が急上昇したケリーの人気をピックアップするほどアストロズに対してヘイトを溜めていたファンからは称賛を浴びた*11
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  • アストロズは前年30球団トップのチーム打率.274を記録していたが、2020年は.240へと急降下*12
    特にユニフォームの下にブザーを取り付けていたのではないかと疑われていたホセ・アルテューベは前年に.298、31本塁打、74打点という素晴らしい成績を挙げていたが、.219、5本塁打、18打点と並すらもいかない成績に低迷。試合数の少なさ*13を考えても擁護しようのない体たらくぶりに(本人は否定しているが)サイン盗みの恩恵であることをより一層強めてしまうこととなった*14*15
  • 本騒動を契機にそもそもサインを盗まれないようにすることを目的のひとつ*16としてサイン伝達そのものを電子化*17する機器「ピッチコム」*18が登場*19。MLBでは2022年シーズンより承認された。

なんJでは

この一連の騒動は収まらぬまま日本でもOP戦がスタートしたのだが、新型コロナウイルスの影響によりほどなくして無観客試合を行うこととなった。
無観客試合の静寂の中ゴミ箱を叩いたサイン盗みなどすれば、音が響いて合図を送っている事が筒抜けになってしまう事から、この環境で勝てなくなったチームは「普段からゴミ箱を叩いてサイン盗みをしていたのでは?」などと揶揄されるようになる。言われ始めのメインターゲットはDeNAであったが、試合数を重ねた結果前年度のセ・リーグ王者でありながら無観客以降12試合で0勝8敗4分(OP戦全体では2勝10敗4分で12球団中最下位)と散々な成績に終わった巨人がこの煽りの格好の標的となる形で虚カスゴミ箱ガンガンで草」「🗑💥💥」などとレスされるようになった。

【悲報】巨人、無観客試合になってから0勝5敗2分
https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1583648618/


1 :風吹けば名無し:2020/03/08(日) 15:23:38.94 ID:vCp0tMKu0.net
🤔
 
3 :風吹けば名無し:2020/03/08(日) 15:24:03 ID:OGEfGkrs0.net
🗑💥💥で草
 
11 :風吹けば名無し:2020/03/08(日) 15:24:34 ID:l+WpLpI70.net
虚カスゴミ箱ガンガンで草w

【悲報】巨人モタ、ガチで終わるwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwxwx
https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1583656559/


1 : 風吹けば名無し : 2020/03/08(日) 17:35:59.74
vCp0tMKu0
観客あり
.375 (16-6)
観客なし
.083 (24-2) 13三振
 
4 : 風吹けば名無し : 2020/03/08(日) 17:36:32.57
6HfFkuv20
巨人
観客あり 2勝2敗 22得点 平均5.5得点
観客なし 0勝4敗3分 24得点 平均3.4得点
あっ…


実際のシーズン成績

しかしシーズンが開幕すると巨人は観客の有無に関わらず首位を快走しリーグ優勝、そして日本シリーズではソフトバンクに2年連続となる4タテ。良くも悪くも前年と遜色ない結果をもって潔白を証明した。
同時に、コロナ禍という前例のない事態で人々が四苦八苦する中で、都合のいい一部分だけを取り出して汚名を着せ楽しんでいたなんJ民にとっては屈辱の正岡民ネタとなってしまった。


関連項目

Tag: MLB 巨人 サイン盗み


*1 これらは原が野村克也のファンであり、いわゆる野村再生工場の影響を受けたものである。
*2 アストロズ、レッドソックス両球団でサイン盗みの首謀者とされたアレックス・コーラも2020年シーズンを前にレッドソックスの監督を解任(同年11月にレッドソックス監督に復帰)のみという極めて軽い処分になっている。また当時アストロズに選手として所属し、2019年オフよりニューヨーク・メッツの監督に就任したカルロス・ベルトランもサイン盗みの中心的人物だったという事が判明し、監督として1試合も指揮することなくシーズン前に解任されている。
*3 ワールドシリーズで2度炎上させられており、問題発覚まで死刑囚認定される羽目になった。
*4 (ヤクルト→MIL→KC→SF→SEA→HOU→TOR→NYM→ヤクルト)なお、青木は17年7月に交換トレードでブルージェイズに移籍している。
*5 サイン盗み自体は「塁上のランナーが見たサインをバッターに伝達」程度では単なるマナー違反とされているが、カメラのような電子機器類を使用するものはMLB規定で禁止されている
*6 「あなたはこれが私のせいだと言っているのか?自分はただ仕事をする為にそこに置かれてだけで、彼らは自分の気持ちも気に掛けないで2年間自分を選んだ。つまりスポーツで最悪の仕事だ。自分はダグアウトで彼らの助けになりたいと思っているが、彼らはそうしなかった。自分はただ彼らの周りをきれいに保つのを手伝うつもりだった!ヤツらはスティックを取ったんだ!!マイク(現オークランド・アスレチックスの投手で、2017年当時アストロズ所属だった、告発者の1人とされるマイク・ファイヤーズの事)は俺を棒で叩いたんだ!!」(意訳)と言う内容。
*7 野球において鳴り物応援が一般的なのは日本ぐらいで、MLBの本拠地においては禁止されている球場もある。
*8 足を踏まれた後ブラントリーを睨むケリーに対してアストロズベンチから何者かが「さっさとマウンドに立て、クソ野郎」と叫んでいるのがマイクに拾われていた。また、ケリーは2018年にも報復死球から当時ヤンキースのタイラー・オースティン(現DeNA)と殴り合いをする大乱闘を起こし6試合の出場停止処分を受けている。
*9 …はずだったが、2週間後のアストロズ対アスレチックス3連戦にてアストロズ投手陣がアスレチックスのラモン・ロレアーノに3死球を与え、更にアストロズ打撃コーチのアレックス・シントロンが不満を示したロレアーノに対して母親を侮辱する発言をするなど煽った事から乱闘に発展した。
*10 なお、ケリーがドジャースに加入したのは2019年から(2021年オフでFAとなり2022年から2023年シーズン途中までホワイトソックスに移籍、2023年シーズン途中にトレードで出戻り)であり、実は2017年ワールドシリーズに端を発する両軍の因縁にはあまり関係のない人間である(これに関してはアストロズ投手のマッカラーズJr.が「ケリーはあの場(2017WS)にいなかったし今回の報復もあいつが勝手にやった事。アンプロフェッショナルな行為だ」と苦言を呈している)。また、ケリーが2014年途中から2018年まで所属していたレッドソックスも2017年にアップルウォッチを用いてベンチの一部選手・スタッフへ相手バッテリーのサイン内容を伝達していたとして罰金処分を受けている。
*11 一方、先述の通りケリーは2017年にはドジャースには所属してないどころかよりにもよって同じ年にサイン盗みを行っていたレッドソックスに所属していたことや、ドジャース自体も元々アンチが多い球団であることもあり年月が経った現在では日本国内でもマッカラーズ同様の内容の批判的な意見も目立つようになっている。一方で、ドジャースに復帰していた2023年オフに大谷翔平が同チームに移籍した際には、上記画面の通り自身の背番号であった「17」を彼に譲るなどぐう聖な一面もある。なお、ケリー自身はこの年「99」を着用した。
*12 30球団中19位。なお2020年は全体的に打低のシーズンとなったが、それでも2019年の平均打率は.252に対して2020年は.245という全体の下がり幅を加味しても大きく低迷している
*13 新型コロナウイルス流行の影響で各チーム60試合に短縮。
*14 アルテューベはホームでの打撃成績が良く、ビジターだと極端に成績が落ちていたことから疑いの目はより強かった。なお、アルトゥーベはサイン盗みには関与しておらず、またそのことを口外することをアルトゥーベが認めなかったという旨の報道が2022年にあった。
*15 しかし、アルトゥーベは翌2021年に.278 31本塁打、2022年は.300 28本塁打と復活を果たしており決してサイン盗みの助けだけで数字を残したわけではないことを証明している。
*16 主目的は「ピッチクロック」(投手が15秒(走者なし)あるいは20秒(走者あり)以内に投球動作に入らなければワンボールが加算される制度。打者も8秒以内に打撃準備を済ませなければワンストライクが加算される)実施のためのサイン伝達の迅速化(ただし「ピッチコム」の採用はバッテリーの任意)。「ピッチクロック」自体は試合時間の短縮を目的としている。
*17 送信機のボタンを押すことで受信機に音声が流れる。
*18 本来はマジックショー等で共演者に合図を送る装置だが、装置の考案者がサイン盗みを防ぐのに流用できると思ったのがきっかけ。
*19 なおスポーツライターの玉木正之氏によれば、同種の装置は1980年代にはすでに日本のメーカーが開発していたという。