返品

Last-modified: 2024-07-24 (水) 10:02:11

FA宣言やトレードで移籍してきた選手を元の球団に戻すこと。レンタル移籍*1とも。

逆に実績を残して元球団に復帰する場合は「凱旋」と言われたりする。

概要

移籍をしてきた選手の成績がアレだったり、不良債権化したり、出場機会がない選手を移籍先のファンが元の球団に戻してほしいという思いからこう呼ばれる。

2014年オフシーズンの『プロ野球ニュース』につば九郎が出演した時、このオフにロッテからヤクルトにFA移籍して来た成瀬善久について共演の里崎智也に聞いたところ、「被本塁打が多い」と不安要素を出されたため、返しに「へんぴん」のフリップを掲げたことが元ネタ。
henpin.jpg

なおトレードや特殊な事情などで放出された選手がFA権を取得し元の球団に戻ってくるケース(例:小久保裕紀サブロー脇谷亮太)に関しては、球団の意思が介在しないパターンなので該当しない。
また、復帰がどんな経緯であろうと移籍先の球団で結果を残した後に古巣復帰となったケース(例:多村仁志、谷佳知、藤田一也など)もこれには該当しない。


返品扱いされた選手の例

一旦放出されるも移籍球団でほとんど働けず、出戻りトレードなどで元の球団に舞い戻る様子を指すようになっていった。
ここでは、平成(1989年)以降に「返品」された選手を取り上げる。

  • 高沢秀昭(元ロッテ→広島→ロッテ)
    1988年に首位打者に輝いた*2チームの中心選手だったが、1990年に高橋慶彦・白武佳久との交換トレードで水上善雄と共に広島へ移籍。
    しかし、故障や前田智徳の台頭もあって思うような活躍ができず、1991年途中にロッテに復帰。その後もかつての輝きを取り戻せず翌1992年に引退。
  • 遠山奨志(元阪神→ロッテ→阪神)
    ルーキーイヤーに8勝を挙げて将来を嘱望されるもその後は伸び悩み、1991年にロッテに移籍。
    移籍後はサイドスロー転向、さらには野手転向までするも結果を残せずに1997年に戦力外通告を受け、その後古巣阪神のテストに野手として受けるが、紆余曲折あって投手として復帰することとなる。
    そして1999年は左のリリーフとして活躍、中でも松井秀喜高橋由伸キラーとして君臨し、同年カムバック賞を受賞。さらに翌2000年にはオールスターに初出場。
    これは返品後に結果を残した稀有な例である。
  • 小池秀郎(元近鉄→中日→近鉄→楽天)
    1997年に最多勝のタイトルを獲得するもその後は低迷し、2000年にらとの3対3の交換トレードで中日へ移籍。しかし2001年は一軍出場を果たせず戦力外となるが、翌年より近鉄に復帰*3
    その間、投球フォームは当時ブレイクしたお笑いコンビ・TIMの人文字ギャグ「命」*4に似たものになっていた。
  • 中村泰広(元阪神→日本ハム→阪神)
    金村曉とのトレードで日本ハムへ移籍。金村の背番号16を貰うほど期待されていたが、わずか1年で戦力外になり阪神に育成で出戻り。金村とチームメイトになった。
  • 吉川輝昭(元横浜→ソフトバンク→DeNA)
    DeNA復帰時のトレード*5では先述した多村も同時にDeNAに復帰しているが、こちらはソフトバンクでも結果を残したため返品扱いされていない。
  • 須永英輝(元日本ハム→巨人→日本ハム)
    2011年に巨人へ移籍。
    実は2003年のドラフトで巨人以外入団拒否の姿勢を貫きながらも強行指名して入団にこぎつけた経緯があり*6、もしかしたら本人の願いを叶えてあげたのかもしれない。
    しかし、全く結果を残せず、2015年途中に日本ハムに復帰。結局プロ通算0勝に終わってしまった。
  • 吉川光夫(元日本ハム→巨人→日本ハム→西武)
    トレードで巨人へ移籍し、トレードで日本ハムに出戻りしたため、「クーリングオフ」とも呼ばれる。その後、2020年のオフに金銭トレードで西武に移籍した。日ハム時代二期目と西武時代に1回ずつとんでもない炎上をやらかしていることから速攻で俺達に認定された。
  • 佐藤龍世(西武→日本ハム→西武)
    こちらもわずか1年半での返品。山田遥楓とのいわゆる「曰くつき同士」のトレードで話題になった。佐藤は第一次西武時代にやらかしの後にトレードで放出されていたため、出戻りの際には「刑期終了」などと言われた*7
  • 加藤匠馬(中日→ロッテ→中日)
    これまた1年半での返品。ロッテ移籍時は加藤翔平との交換であった一方、中日復帰は無償トレードとなったため、中日は実質加藤翔平を無償で手に入れたことになった。
  • 岩村明憲(元ヤクルト→レイズ→パイレーツ→アスレチックス→楽天→ヤクルト)
    こちらはかなり変則的な形での返品となっている。
    ヤクルトで結果を残し2007年からMLBに挑戦。当初は結果を残すも2009年に負傷離脱してからは低迷し、2011年から楽天でNPB復帰するも渡米前とは別人の肉ダルマと化した体型から活躍を不安視する声も多く、いわゆる「統一球」の影響もあって想像を絶するほどの大不振に陥り2年で戦力外となり2013年より古巣ヤクルトに復帰。

このほか、MLB時代のコリン・レイ(ソフトバンク)は2016年7月にサンディエゴ・パドレスからマイアミ・マーリンズにトレードされたが、移籍後初登板の試合で右肘を故障した結果わずか3日で返却トレードされている*8

関連項目


*1 サッカー界によくある移籍のパターン。
*2 ただしそれはロッテ・有藤通世監督が阪急・松永浩美に対し11打席連続敬遠と行うという露骨な妨害工作が功を奏するという醜いタイトル争いを制してのものだった。
*3 しかもそれは左のリリーフとして活躍して日本シリーズにも登板した柴田佳主也を戦力外にしてまでのものだった。他にも小池と同じ左投手で同年に阪神を戦力外となった吉田豊彦も獲得している。
*4 厳密にはゴルゴ松本しか行わないことが多い。
*5 吉川・神内靖・多村仁志⇆山本省吾・江尻慎太郎・吉村裕基。
*6 この年のドラフトでは須永以外にも前回オリックスの入団を拒否した内海哲也、さらには西村健太朗を含めた3人もが巨人以外入団拒否の姿勢を貫いた。
*7 実際は2年間の執行猶予期間満了と同じタイミングでのトレードだった。
*8 なお、ソフトバンク時代は2021年シーズン途中に家族の事情から退団したが同シーズンオフに復帰が発表された。