- 「ハカ」などで知られる世界屈指の強豪、ラグビー・ニュージーランド代表チームの愛称のこと。その名の通りユニフォームが黒を基調としている事で有名。
- 読売ジャイアンツの蔑称。由来は2019年の日本シリーズにおいて4戦全敗した事から。このほか賭博ネタと絡めて「オールトバックス」と呼ばれたりもする。
本項では2.について解説する。
【目次】
概要 
2019年の巨人はシーズン優勝、CSでも阪神を撃破し勝ち進み、日本シリーズは2年連続で勝ち上がったソフトバンクとのカードとなった。しかし、
- 優勝したとはいえ成績は77勝64敗2分、勝率.546とシーズン2位であった対戦相手のソフトバンク(勝率.551)よりも低い。
- 直前に鈴木尚広が「一身上の都合」で退団。
- クリスチャン・ビヤヌエバが造反まがいの行動を取っていたと報じられたりする。ただしソースは東スポ。
など、開幕前から雲行きは怪しかった。
そして日本シリーズが開幕してからは坂本勇人と丸佳浩の絶不調*1、山本泰寛(現阪神)や増田大輝らの信じられないミスなどが多数もあり、かの33-4以来の日本シリーズでのスイープを喫してしまう。
温厚な人柄で知られる和田一浩をして「日本一の戦いに相応しくない」「戦力差が歴然」などと酷評され、その体たらくには巨人ファンのみならず他球団ファン、ひいてはアンチ巨人すらも呆れ返ってしまった。
ちょうどこのシリーズ中に日本で2019ラグビーワールドカップが開催されており、日本代表が史上初となるベスト8入りを成し遂げるなど快進撃を見せていた。そのこともありラグビーへの注目度が高まっていたことから、上記の「オールブラックス」と 「対戦成績が黒星のみ(真っ黒)」を掛けたこの蔑称が作られた。
試合結果 
各試合の詳細についてはこちらも参照。
第1戦 
10月19日(土) ヤフオクドーム
開始18:34 試合時間3時間15分 入場者37,194人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 6 | 0 | |
ソフトバンク | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | X | 7 | 10 | 1 |
バッテリー | 巨 | ●山口(0勝1敗)、マシソン、田口、澤村-小林、炭谷 |
---|---|---|
ソ | ○千賀(1勝0敗)、甲斐野、森-甲斐、高谷 | |
本塁打 | 巨 | 阿部1号(1)、大城1号(1) |
ソ | グラシアル1号(2) |
第2戦 
10月20日(日) ヤフオクドーム
開始18:31 試合時間3時間12分 入場者37,052人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 4 | 1 | |
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | X | 6 | 7 | 0 |
バッテリー | 巨 | メルセデス、●大竹(0勝1敗)、桜井、高木-大城、小林 |
---|---|---|
ソ | ○高橋礼(1勝0敗)、Hモイネロ、高橋純、森-甲斐、高谷 | |
本塁打 | ソ | 松田宣1号(3)、柳田1号(1)、福田1号(2) |
第3戦 
10月22日(火) 東京ドーム
開始18:18 試合時間3時間38分 入場者44,411人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 0 | 1 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 7 | 0 | |
巨人 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 1 |
バッテリー | ソ | バンデンハーク、○石川(1勝0敗)、甲斐野、モイネロ、森-甲斐、高谷 |
---|---|---|
巨 | 高橋、鍵谷、●戸郷(0勝1敗) 、高木、澤村、田口、中川-大城 | |
本塁打 | ソ | グラシアル2号(1) |
巨 | 亀井1号(1)2号(1) |
第4戦 
10月23日(水) 東京ドーム
開始18:18 試合時間3時間22分 入場者44,708人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 8 | 0 | |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 6 | 2 |
バッテリー | ソ | ○和田(1勝0敗)、スアレス、嘉弥真、H甲斐野、Hモイネロ、S森(1S)-甲斐、高谷 |
---|---|---|
巨 | ●菅野(0勝1敗)、中川、デラロサ-小林、大城 | |
本塁打 | ソ | グラシアル3号(3) |
巨 | 岡本1号(2) |
総スコア 
試合 | 会場 | ソフトバンク-巨人 |
---|---|---|
総スコア | 23-10 | |
1 | ヤフオク | 7-2 |
2 | ヤフオク | 6-3 |
3 | 東京 | 6-2 |
4 | 東京 | 4-3 |
オールブラックスのバカ 
第3戦の9回裏、4点差の状況でソフトバンク・森唯斗が暴投するが、代走・増田大輝が無理に三塁を狙い*2アウトになった場面。
5点取れば逆転できる点差であることから、ラグビーのプレーで1度に5点入るトライと掛けて「トライ狙ってる」とネタにされた。
後日談 
- 巨人は2020年2月からランニングシューズを黒に統一することが発表され、「オールブラックス」は現実のものとなった。
巨人「オールブラックス」ランニングシューズ色統一(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/amp/202001010000409.html
リーグ連覇と日本一奪回を目指す巨人が、足元まで統率をとる。
2月の宮崎春季キャンプからランニングシューズのカラーを黒に統一することが1日、判明した。昨季までは赤、青、黄、白など各選手の好みでOKで、特にチームとしてのルールはなかった。より強固な集団としての意識を高める意味でも、今季から統一させることが決まった。
(中略)ブラックと言えばラグビーのニュージーランド代表、オールブラックスが象徴的。ラグビーを愛する原監督の意向も加味された。指揮官は常々「チームとして戦う。みんなで戦っている。誰一人として欠けてはいけない。我々は全員で戦っている」と口にしてきた。昨季は4年ぶりのリーグ優勝を果たすも、日本シリーズでソフトバンクの前に屈辱の4連敗を喫した。悲願の日本一へ、足並みをそろえる。
- 春季キャンプの2日目でトークショーに登壇した原辰徳監督は「(去年の)日本シリーズにジャイアンツは出ていませんね。あまり記憶にもないですね」とブラックジョーク
を飛ばし、指揮官にすら日本シリーズがなかったこと扱いされてしまった。
- 2021年の巨人のチームスローガンは「1Team!~和と動」と発表された。
もともと「ワンチーム」は、2019年ラグビーW杯日本大会においてラグビー日本代表が一つのチームとして結束するために掲げたスローガンである。
この結果、ラグビーニュージーランド代表に因んだ「オールブラックス」を2019年から2年連続で達成した球団のスローガンが、ラグビー日本代表を連想させるものとなっている。なお後半戦。
- 結局日本シリーズでの8敗を含めて最終的に対ソフトバンクでの連敗は、2021年5月30日に4-3で勝利するまで実に11連敗、オープン戦を含むと14連敗にも及び、同日の勝利時には2019年6月22日以来約2年ぶりの勝利が大々的に報道される
に至った。
オールブラックス2020 
翌年の日本シリーズでも、今度はペナントレースから1位で上がってきたソフトバンクと巨人の同カードが再び実現。案の定を通り越してこの年以上の悲惨な内容でオールブラックスが緊急再来日した(当該項目参照)。
オールブラックス一覧 
日本シリーズにおける引き分けなしのスイープは7回存在する。
回数 | 年度 | した側 | された側 | 点数 | 4戦計 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1959 | 南海 | 巨人 | 10-7 6-3 3-2 3-0 | 22-12 | 南海の勝利投手は全試合で杉浦忠 |
2 | 1960 | 大洋 | 大毎 | 1-0 3-2 6-5 1-0 | 11-7 | 全試合1点差 川崎球場で日本シリーズが行われたのはこの年のみ、パリーグ初の屈辱 |
3 | 1990 | 西武 | 巨人 | 5-0 9-5 7-0 7-3 | 28-8 | 1960年の時とは逆にこちらは全試合得点差4点以上。2020年現在の両監督が現役で出場。 |
4 | 2002 | 巨人 | 西武 | 4-1 9-4 10-2 6-2 | 29-9 | 史上初の全試合ダブルスコアでのスイープ*3 巨人は複数試合に登板した投手がゼロ 就任初年で日本一を達成。 |
5 | 2005 | ロッテ | 阪神 | 10-1 10-0 10-1 3-2 | 33-4 | 日本シリーズ最大得失点差 最低防御率(8.63) 最少本塁打(0) 最少得点(4)他多数 |
6 | 2019 | ソフトバンク | 巨人 | 7-2 6-3 6-2 4-3 | 23-10 | 56年ぶりの日本シリーズにおける勝利試合数パリーグ勝ち越し*4 シリーズ出場監督で史上初のストレートの4連勝・4連敗を経験。 シリーズ出場監督として史上初の選手・監督双方で4連勝を経験。 |
7 | 2020 | ソフトバンク | 巨人 | 5-1 13-2 4-0 4-1 | 26-4 | 史上初の2年連続+同カードでのスイープ 最低チーム打率(.132) 最少安打(16) 最少塁打(21) 4試合における最多三振(41) 最少得点(4) 70年ぶりの日本シリーズにおけるパリーグ勝ち越し*5 |
昭和初(つまり史上初)、平成初、令和初のスイープはすべて巨人を相手に達成されている。