おみくじ解説

この画像は、その2とは違って比較的真面目に作成した。
大大吉→幸運→招き猫という発想で
招き猫をメインの小物として採用。
招き猫は昔からある縁起物だが、
近年では風水を取り入れ青や緑、ピンクなど
カラフルなものも実際に売られるようになった。
また、持っている小物も小判だけでなく、
打ち出の小槌などバリエーションがある模様。
招き猫には全体的に共通した意味がある。

• 右手上げは金運招福で、性別がオス
  ワタル、ヤマト、クオンの招き猫が右手上げなのは男だから。
  お金儲けの他「宝くじを当てたい！」という場合に
  御利益があるとされている。
• 左手上げは千客万来で、性別がメス。
  スミカ、アヤネの招き猫が左手上げなのは女だから。
  こちらの招き猫は、商売繁盛（客を呼ぶから）や
  恋愛運向上（お相手が見つかるから）に御利益があるとされている。
• 手を高く上げている場合は遠くの福を、
  低く上げている場合は近くの福を招く。
  • 右手上げの招き猫なら、高く上げているほど
    遠くのほうのお金まで招くということになる。
  • 左手上げの場合は、例えば
    「明日の入試で良い結果が出ますように」など
    直前の願いには手を低く上げた招き猫がいいとされる。
    逆に、「お店を大きくしたい」など時間がかかる願いには
    手を高く上げた招き猫がいいとされる。
• 両手上げの招き猫が存在し、金運と人の縁両方を招き、
  大変縁起が良いとされる。
  一方で「お手上げ」・「リタイア」といったマイナスイメージもあり
  敬遠される場合もある。
  両手上げの招き猫の性別は不明だそうだ。
• 近年では色の違う招き猫が多種類あり、
  色によってもたらされる御利益が違う。

各キャラの担当する招き猫は、
当然イメージカラーに合わせてある。
その意味をザックリ解説。
尚、四字熟語でなく四文字漢字としているのは
造語が混じっているため。

ワタル
赤い色は疱瘡（ほうそう＝天然痘）や麻疹（ましん＝はしか）が
嫌う色と言われてきた。
赤いまねきねこは病除けの意味を持っているため、
四文字漢字は病魔退散とした。
無病息災では芸がなく、戦闘能力を考えると
やや攻撃的なほうが良さそうだったためだ。
ちなみに、疱瘡を擬神化した「疱瘡神」という
疫病神が存在しており、
流行病は疱瘡神がもたらすと考えられている。
疱瘡神は外から入り込むと考えられているため、
昔は村の入り口などに疱瘡神社が建てられていた。
疱瘡神社は現在でも日本各地に実在している。

スミカ
黄色の招き猫には「運を開く」という意味がある。
金運アップはもちろんのこと、
縁結びにも御利益があるとされている。
四文字漢字は、そのまま運気向上。
縁結びとスミカというのはあまり結びつきがなさそうだが、
年頃の女の子らしく恋愛に憧れ、面倒見も良い彼女なら、
恋愛相談には乗ってくれるかもしれない。
ちなみに、金運アップを本気で願うなら、
右手を大きく上げた黄色の招き猫を、
西の方角に飾るとより多くの御利益があるらしい。

ヤマト
青い招き猫の御利益には「学力向上」「家内安全」など諸説ある。
青は冷静さや神経を静めるため、
集中力をアップさせる効果があるとされる。
色の濃さでも意味が違い、
濃い青色は「勉強運」や「仕事運」を上昇させ、
薄い青色（水色）は悪い運気を祓うとされている。
四文字漢字は、「学力向上」ではなく「心願成就」にした。
学力向上というと魔コネではヤマトというより
クオンを連想してしまいがち。
それよりも、性格的に冷静なヤマトには
集中力アップの方が相応しい。
冷静さを保ち集中力を高めて心願成就だ！

アヤネ
招き猫の緑は、家内安全や交通安全など
平穏無事を守ってくれる効果があるとされる。
風水や陰陽五行説で、緑は青ととても近い関係にあるとされ、
その効果も重複しているものがある。
例えば、「育成」は緑も青も両方持っているが、
青よりも緑の方がより性質が穏やかだといわれる。
緑には「癒やし」「落ち着き」をもたらす効果があり、
アヤネとピッタリ当てはまる。
そのため四文字漢字は素直に「平穏無事」とした。

クオン
黒い招き猫には「魔除け・厄除け」の効果があるとされる。
黒猫というと「不吉」と誤解されがち。
海外では魔女の手先と考えられたり、流行病の元凶にされたりして
数多くの黒猫の命が失われた悲しい歴史がある。
日本でも「黒猫が目の前を横切ると不吉」だと言われ、
黒猫を忌み嫌う人もいるが、実は大きな誤解だ。
黒猫は、夜になると身体が周囲に溶け込んで見えないが、
目だけは暗闇でも光ってハッキリと見える。
暗闇とは人にとって「困難な状態」で、その中で光る黒猫の目は、
「困難を乗り越える力を貸してくれるもの」なのだ。
そのため、黒猫は縁起が良い福猫だ、というのが本来の考え方。
黒猫が横切ると～は、そのような福猫が
目の前を横切ることは、幸運が前を横切ること、
つまりは福が逃げることなので不吉だ、という意味だった。
黒猫そのものが不吉だということでは断じてない。
江戸時代には結核を癒やす効果があるとか、
恋煩いに効果があるとかいう考え方まであったらしい。
招き猫としては、このような黒猫の強い招福効果が
「魔除け・厄除け」と結びついたのだろう。

四文字漢字は筆者兼画像制作者の造語。
魔除けと厄除けを両方入れたかったため。
また、御利益は防御的な意味だが、それだとヤマトを連想させる。
クオンの戦闘能力を考えると
防御ではなく攻撃寄りなので「退魔」の文字を使った。
福猫の「福」が小判に乗っかっているのも小さなポイント。
やったねクオン！　壊滅的な運もこれで解消されるよ！
（※　小判の文字は順番に読むと、
「金運」「人運」「福」となっている。）

着物には洋服のような男は右前、
女は左前という違いがなく、全て右前。
これは、中国の習わしに従い、
奈良時代の719年に法律で決められたという資料がある。
中国では身分の高い人のみが左前で着用し、
それ以外は右前だったという。
現代では、左前は死者が着るもので
生者が着ると縁起が悪いというのが常識。

では、男性と女性で全く同じなのかというとそうではなく、
襟（えり）の出し方が違っている。
男性が洋服のように首に沿って襟を整えるのに対し、
女性は襟をやや後ろに引き出し、
背中をほんの少し見せる着こなしが一般的。
これを「衣紋（えもん）を抜く」という。
和服女性が小首を傾げたりすると、
色っぽさを感じるのもこのためだろう。
着物は洋服のように身体の凹凸を出さないからこそ、
こういった僅かな部分が
より大人の魅力を感じさせるのだともいえそうだ。
謙虚さを美徳とする、日本人らしい控えめな装いが着物なのだ。
男女の違いはもう一つ。
女性の着物は身長よりも長いので、
着付けの際に腰部分で折り返して、帯の下に出す。
これを「おはしょり」という。
男性はこのような着方をしないので、
おはしょりは女性の着物特有のものといえる。

絵に描く場合は、襟がなかなか難しい。
首回りでは襟は立った状態なのだが、
下に下がるにつれて身体に沿って平たくなる。
要はねじれているのだが、これを線で表現すると
僅かな違いで不自然になってしまう。
着物を描く際には、気を付けたいポイントだ。

「真面目な大大吉画像」なので、キャラ以外の背景や小物も比較的丁寧に加工した。
ウィンドウ枠やコーナー飾りもスクショに合わせて塗り直ししている。
背景も実は和風に柄を変えて入れてあり、色味以外はスクショと全く違う。
男性3人の着物にも目立たないが模様を入れている。
例えばクオンは白の長着に紗綾形という、日本の伝統的な模様を入れている。
……このように加工しまくりでそれなりに大変だったが、全体的にはとても楽しかった。
以下、今回の苦労ポイントを。（←何でやねん）

招き猫の顔は分かりにくいがキャラに合わせて全部僅かに変えている。
ほぼドット絵を作成している気分だった……。
ドット絵職人ではないので非常に苦労した部分。
（ぶっちゃけると筆者兼画像制作者はマウス絵描き。主力もフリーソフトのGIMPだ！）

着物への衣装チェンジは、線画の使い回しが出来なかったので地道に一人一人作業した。
何で皆向きが微妙に違うの……（> <)
でも、これはまだ可愛い方。

今回最大の苦労ポイントはワタル。
主人公だから最初に描かなきゃ、と思って試しにちょっと着せてみたら、
落語家か講談師のように……。
表情と衣装の合わせ方に四苦八苦。
適当にやったのが一番いけなかったんだろうな。
今後、和服をワタルさんに着せるときは注意しよう。