プロペラ団

　正式名称「プロフェッショナル・ロウヤーズペイメント・レプリゼンタティヴ*1(プロ選手の雇用問題法務協会*2)」。最高責任者はMrリッチモンド。
　日本のプロペラ団のボスには「プロペラ団日本支部長」の役職が与えられ、『1』では本名不明のプロペラ団日本支部長が務める。『1』終盤で日本支部長が四路智美に爆殺され、以降は智美が新しい日本支部長に就任した。
　略称は「PRO-P･E･L･A」で、飛行機のプロペラとかかっており、「我々は停滞した状況をかき混ぜながら前進するのだ！」がスローガン*3。
　アメリカに本部、日本・ヨーロッパ・南米などの世界各地に支部を置き、世界的に有名なスポーツ用品メーカーや広告代理店など、500を超える企業に影響力を持つ。
　『4』でオオガミが登場するまで、シリーズ最大の「悪の組織」だった。

目的*4

　表向きの姿は世界最大のプロモーター*5であるが、その真の目的は、全ての娯楽スポーツを手中に収めることにある。
　具体的な活動内容は、有望な若手選手と事前に契約して囲い込みを行い、プロペラ団を通してプロに送り込むこと。実際、全盛時には、傘下のレシプロ財団と契約しないとプロ野球選手になれなかった。
　ここでプロペラ団との契約を断った選手や反抗的な選手には、さまざまな工作を行って圧力をかけ、プロへ行けなくしてしまう。最終的には新人選手のほとんどをプロペラ団が供給する形となり、どこのチームもプロペラ団に逆らえなくなる、というのがその筋書きである。

　プロスポーツ選手の契約金が高くなりすぎているため、経営に苦しんでいるチームも多い現状では、プロペラ団のスポーツ支配が成功すれば選手との契約金を3分の1にまで軽減できるらしく、プロペラ団の成功を望んでいる者も多い。日本支部長の「球遊びができるだけのガキに、なぜ何億円も年俸を支払わなければならんのだ」という台詞からも、プロペラ団の思想の一部を垣間見ることができる。

変遷*6

　設立当時はスポーツの健全化を目指す善良でまっとうな組織だったが、理想論だけでは健全化はなし得ず、あらゆる利権や暴力からスポーツを守るために、さらに強力な「利権を上回る利権」「暴力を上回る暴力」を手に入れる必要があった。
　その結果、脅迫・殺人といった犯罪行為も「スポーツの健全化」という大義名分のもとに平然と行う歪んだ悪の集団へと変貌してしまった。

工作員*7

　プロペラ団に所属する工作員の多くは、普段は別の職業を持ち、命令が来た時だけ活動を行う。スポーツ界の現状に疑問を持ち、プロペラ団によるスポーツの健全化を信じて、ほぼ無償で活動するボランティアである。
　鋼毅曰く「ひとりひとりは善人だが組織の中で自分では考えずに上からの命令に従っていくことで過激で非合法なことも行っていくようになる」とのことで、「それほど悪い連中ではない」らしい(実際にミルグラム実験、もしくはアイヒマンテストと呼ばれる実験結果が存在し、「平凡な一般市民でも特定条件下では、冷酷かつ非人道的な行為を行う様になってしまう」事が証明されている)。
　工作員はそれぞれナンバーを与えられ、支部名と組み合わせて識別される。また、頭にプロペラを付けた黒装束の衣装で任務に従事する。
　合言葉は「すべてのスポーツを我らに」である。

その他

　ダイジョーブ博士を拉致し、人体改造手術を強制していたこともある。
　『パワプロ99』の冥球島編ではアンドロメダ学園もプロペラ団の傘下という設定になっていた。ただ、作中では「組織」としか言われておらずプロペラ団そのものではない可能性もある。
　しかし大東亜学園と戦った後の対戦チームが上述のアンドロメダ学園と聖皇学園になり、野球マスクの発言で「人体改造もドーピングもした」「強力な選手をプロ野球に送り込み多額の利益を貪る悪の集団」と言っているため、少なくともプロペラ団を元にしている可能性は高い。また、主人公のチームは目をつけられており、負けたら実験材料として拉致されてしまうような会話がある。
　「聖皇学園が完成体が揃ったチームとして上位組織のような扱いをされており、大東亜学園とアンドロメダ学園は組織から詳しいことは説明されていない」と、組織間の上下関係がパワポケ本編と違う部分もある。
　冥球島の大会に参加したのは、優勝の栄誉を得て新たな人材を確保するため。

パワプロクンポケット

　プロペラ団直営の高校として大東亜学園と聖皇学園を有しており、日本プロ野球制圧の足がかりとして各地から有望な若者を集めていた。
　プロペラ団と大東亜学園が主人公達の妨害工作を逆手に取って他のチームへの妨害工作を隠蔽する、スキャンダルをでっち上げて他校を脅迫するなど、この時から手段を選ばない連中として登場していた。

パワプロクンポケット2

　前作と同じように暗躍し、ドリルトーイの曽根村の依頼を受けて多くの破壊活動に協力している様子が見られる。
　曽根村の計画を利用してドリルコーポレーションの株を6割保有し、経営権を完全に掌握、ドリルモグラーズをプロペラモグラーズとしてプロペラ団の傘下に治める。

　本作では2年目1月3週目で選手を2人以上作成すると確率25%*8で登場するために最後まで登場しない場合もあり、『1』と比べてこれと言った事件も起こさず、存在感が薄くなっている。

　なお契約内容は「球団との契約と副業等の交渉をすべて引き受ける代わりに年俸の25％と副業収入の50％をプロペラ団の取り分とし、さらに原則として生涯契約で選手側からの契約解除も不可能、プロペラ団の示した契約や副業を拒否できない」というもので、選手側に極めて不利であるが、契約してしまう選手は報酬の取り分に気を取られてプロペラ団の口車に乗せられてしまい、一度契約すると逃げる術がないことには気づかないという。

パワプロクンポケット3

　前作で目標にしていた日本プロ野球界の制圧を完了しており、国技などにも手を伸ばそうとしていた。また、今作では日本支部以外のプロペラ団関係者(Mr.リッチモンド、イワノフなど)も登場し、その規模を示した。
　日本国内ではフラップ教団を利用して多くの金を巻き上げていた。
　倉刈仁志によればプロペラ団側の取り分が「年俸の50％と副業収入の全て」と悪化しており、断るとスポーツ界を追放されてしまう。

　毎年12月にプロペラ島で非公式の野球大会「プロペラ大会」を開催し、組織の重要な資金源として利用している。しかし、『3』の3年目に入ると反プロペラ団活動が活発化し、選手の大規模ストライキや八百長を指示された選手による組織の不正の暴露などで、社会的に追い詰められていく。
　そして3年目に行われたプロペラ大会で、ネオプロペラ団の暗躍によりプロペラ島の自爆装置が起動させられてしまい、プロペラ島は崩壊。最高責任者のMr.リッチモンドは島の地下金庫で「金と心中」する最期を遂げる。

　その後、世界各地の支部も暴徒の襲撃や警察の強制捜査により機能を失い、プロペラ団は活動を停止。組織は四散してしまう。

組織崩壊後

　プロペラ団の崩壊後は、プロペラ団アメリカ本部の大幹部であった大神美智男によりプロペラ団の組織基盤やサイボーグ技術、多数の非合法工作員が接収され、オオガミはオーバーテクノロジーを利用した世界規模の大企業に成長。敵対する旧支配者やアジムを打ち負かし、世界最強の資本勢力「ツナミ・グループ」となった。以降はその強大な経済力と私設軍を武器に、全世界を掌握しようとしている。
　『3』の頃までは「全ての娯楽スポーツを支配する」という、まだ可愛らしい集団であったのだが……。

　智美グッドエンドルートでは彼女の尽力によって組織崩壊後の混乱は最低限に抑えられ、いくつかの下部組織は合法の存在として存続が決まったことが語られる。

　また、プロペラ団崩壊後は「プロペラ団レポート」、通称Pレポートが物語の伏線に大きく絡んでいる。
　これは当時日本支部長だった智美が纏めたもので、プロペラ団崩壊後に大神が取った行動や極亜久高校での活動内容なども記されている。このPレポートを入手してしまったために、オオガミに暗殺された主人公の仲間もいた。
　Pレポートはネット上にも流出しているが、バラバラにされた上でアダルト画像に偽装されている。これは組織に反発を持った内部関係者が故意に流したらしい。智林昭雄はその内の一部を入手した。