Turbine

Last-modified: 2024-07-08 (月) 18:23:08

タービン級駆逐艦 タービン

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性能諸元

編集時 ver.5.4.0

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

Tier4
生存性継戦能力10640
抗堪性・防郭防御5%
・火災浸水耐性10%
・装甲防御3%
・魚雷防御3%
主砲射程6.17km
機動性最大速力32.51ノット[kt]
最大出力への到着時間10.02秒
転舵速度9.20度/秒
転舵所要時間3秒
隠蔽性5.64km



・派生艦船

派生元Nazario Sauro
派生先Maestrale



・兵装

主兵装口径,搭載基数×門数装填時間ダメージ(火災率)(防郭率)砲塔旋回速度
120mm L/45 M1924, 2基×2門5.50秒HE弾 336(3%)
SAP弾 448(150%)
10度/秒


魚雷口径,搭載基数×門数(片舷指向門数)装填時間ダメージ射程雷速浸水率魚雷管旋回速度
533mm, 2基×3門(6門)37.50秒24647.80km59.74kt10%25度/秒



・艦艇スキル

種類効果持続時間クールタイム使用可能回数
緊急エンジンブースト最大航行速度+20%
加速度+20%
12秒間40秒3回
排気発煙装置即時隠蔽の煙幕を展開する(煙幕持続時間2秒)6秒間40秒2回

ゲーム内説明

サウロ級駆逐艦のさらなる発展型。前級と比べて大型化され、耐久性が向上している。

解説

・主砲
120mm砲を連装砲塔に収めて艦首と艦尾にそれぞれ1基づつ、計2基4門搭載。ティア向上に伴い装填速度がほんの少し向上していたり、射程や砲弾ダメージも微増する等、若干の強化は行われているが…前級の系譜を引き継ぐ砲であり、総合的な所は変わって居ない*1。引き続き砲塔旋回が遅く、レートも大して変わらないので雷駆搭載砲としての割り切りが必要。またこの2基4門構成は次級でも同じだが、ティア6で1基増えるのでそれまで辛抱して欲しい。

・魚雷
533mmクラスを3連装魚雷発射管に収めて2基6射線という構成は前級と同じである。魚雷の単発火力は気持ち増加したものの、それ以外の性能は軒並み据え置きなのでハッキリ言うと「魚雷火力は前級とほぼ変わらない」事になる。その癖にモジュールの耐久性が低いらしく、砲撃で割と頻繁に故障することが多い。本級の魚雷が残念なのではなく、前級の魚雷が恵まれ過ぎていたのだと考えよう*2。また本艦の場合は装填時間が40秒未満であり厳密な意味では揃っていないが、次級以降は装填時間が40秒となり「スキルの素のクールタイムとピッタリ揃う」様になるのでより扱いやすくなる。

・対空
このティア帯の駆逐艦に対空能力を期待してはいけない。

・装甲
駆逐艦に装甲を期待する方が間違っている。

・機動性
素の最高速度は32ノット台と前級よりも落ち込んでしまった。ただし装備品等で補ってやれば35ノット程度には引き上げる事ができ、それなりに通用するレベル。また加速力は前級と大差はないが装備で「推力改良Ⅰ」を選択できるようになった事から前級よりも気軽に減速・逆転ターンも行えるようになった。舵の効きは鈍ったもののそれでも優秀な旋回性能を秘めている。このため本級では前級よりも加減速による敵弾・敵魚雷の回避がやり易くなっている。

・隠蔽性
素の被発見距離は5.64km。前級よりやや隠蔽が悪化しただけに見えるが、前級の順位よりも相対的な順位は落ち込んでいる*3。このため序盤の探り合いでは突っ込み過ぎに注意したい。

・生存性
素のHPはようやく10000を超えた。しかし前級同様にその体力が水物である事に変わりは無く、フレーバーテキストを鵜吞みにすると後悔する事になるだろう。前級に引き続き艦艇スキルの使い方とタイミングが生死を分ける事もあるので慎重に行きたい。

・消耗品
「高品質石炭」「高級船員食糧」「改良型ディーゼルエンジン」の駆逐定番セットを推奨。

・艦艇スキル/艦長スキル
前級に引き続き「緊急エンジンブースト」と「排気発煙装置」を搭載。ティア向上に伴い「排気発煙装置」の回数が増えると思いきや…何とどちらも回数は据え置きである*4

・装備
 ・兵装 砲塔旋回の遅さを補える「主砲改良Ⅰ」を推奨。
 ・防御 「推力改良Ⅰ」または「操舵装置改良Ⅰ」
 ・適正 「推力改良Ⅱ」または「操舵装置改良Ⅱ」または「兵装改良Ⅰ」

・エリート特性
 ・駆逐艦近代化改修 HP+2%、最高速度+3%、魚雷管旋回速度+7% 
 ・エリート砲術員 主砲装填速度-3%、主砲旋回速度+7%  
 ・功績 EXPアップ+10%
※前級より速度が低下しているので「駆逐艦近代化改修」により速度を向上させたいところ。

・総論
前級よりも速度は低下したものの同じような傾向を持つ船体に、日駆を思わせる貧弱な砲とティア相応の3連装魚雷発射管を搭載したバランスの良い雷駆と言える*5。前級では頭一つ抜けていた3連装魚雷発射管もティア向上と共に他国と同じ水準になってしまったが、それでも射程の面では圧倒的な優位を保っている。このためこのティア帯の他国同格にはできない遠距離からの置き魚雷や陣地内への牽制といった扱い方が得意。そして近距離では指向こそ遅いものの強力なSAPも使用可能…つまりはこれ以降のティア帯で戦った経験のある艦長の手にかかれば、扱い方次第では遠近自在かつ神出鬼没な雷駆としての活躍を見込めるという事でもある。ただし砲はかなりの短射程であり、距離を詰める際の火力補助に使うにせよ魚雷装填中の隙を埋めるために使うにせよ、かなり扱いにくい類であり、注意を要する。

戦闘名誉章

レベル12
報酬艦艇exp1500
シルバー25k
艦艇exp1500
シルバー25k
ミッション内容5戦プレイ5回勝利

史実

格納

 「タービン」級駆逐艦はイタリア王国海軍が建造した駆逐艦の艦級であり、全8隻が建造された。1番艦「タービン」の起工時期は不明だが、2番艦「アキローネ」が1925年5月に起工しているので(推測になってしまうが)これに近い時期に起工したと考えて問題ないだろう。参考までに2番艦「アキローネ」は1927年8月進水、同年12月に竣工・就役している。1番艦「タービン」の就役は同年8月なので、起工及び進水はもう少し早いのかもしれない。なお全ての艦が1927年~1928年にかけて竣工・就役した。
 設計及び起工された時期が戦間期に当たるため、就役してから第2次世界大戦に参加するまでは目立った活躍等は見られない。しかし第2次世界大戦が勃発するとリビアのトブルクを拠点として防護用機雷の敷設任務やタラントからの補給船団を護衛する任務に就いた。1940年6月にいよいよイタリアが枢軸国側として参戦すると、早くも6月12日にはイギリス軍のトブルク空襲が行われる。この時には幸い被害が無かったものの、6月28日には任務中に「エスペロ」が撃沈され、7月5日に「ゼフィーロ」が、7月20日には「ネンボ」と「オストロ」が空襲により失われた。この間に1番艦「タービン」がイギリス海軍の潜水艦「オルフェウス」を撃沈してはいるが、トブルクは拠点とするには危険すぎる事は誰の眼にも明らかであった。このため拠点をベンガジに移して活動を続けた。
 1940年9月にイタリア軍はエジプトへ侵攻しソルムを占領…しかし報復としてイギリス軍はベンガジを攻撃する事を決定。空襲により「ボーレア」を失った他、この地も拠点とするには危険と判断したイタリア軍はベンガジから退去する事を決定。ところが退去する際に「アキローネ」が触雷して沈没。新たな拠点であるトリポリに到達できたのは「タービン」および「エウロ」の2隻のみであった。その後1943年9月にイタリアと連合国との停戦が成立すると「エウロ」は連合国に接収され、「タービン」はドイツ軍に接収された。「エウロ」は連合国軍において支援任務に就いていたものの、1943年10月にドイツ軍の空襲によって失われ、「タービン」はドイツ海軍の水雷艇TA14として再就役するも、その後連合国の空襲により1944年9月に撃沈されている。

小ネタ

トゥルビネ?

 参考までに、本家WOWSにおいては「トゥルビネ級」として実装されている。
ちなみに「トゥルビネ(旋風の意)」の英語読みが「タービン」であり、要は判り易さ優先の名前になっているという事。

余談:タービン号

 以後は完全な余談だが、世界で最も有名な「タービン号」は本艦ではなく…英国製の「タービン(タービニア)号」である。
 事の顛末は19世紀末に「チャールズ・アルジャーノン・パーソンズ技師(有名な天文学者でもある第3代ロス伯爵の息子)」が優秀な蒸気タービンを開発、特許も取得して意気揚々と英国海軍に売り込みを行うも…英国海軍はその価値を理解できず、全く相手にされずに追い返されてしまった。自身の開発した蒸気タービン機関の先進性に絶対の自信を抱いていたチャールズ技師はこの扱いに激怒。英国海軍をギャフンと言わせるべく策を練り始める…そして近々開かれるヴィクトリア女王生誕60周年の式典である「ポーツマスの観艦式」に海軍の主要艦艇が参加する事に目を付けた。
 1897年の6月26日、ポーツマス郊外のスピットヘッドには英国海軍自慢の艦艇だけでなく、海外から派遣されていた艦艇も居並ぶ中にチャールズ技師は自作の蒸気タービン実験船「タービン(タービニア)号」を駆って乱入(当然無許可!)。海軍のあらゆる船を追い越し、おまけに捕まえに来た警備艇すらその速度で翻弄した上で悠々と逃げ延びるという一大パフォーマンスを実施。海軍はようやくその先進性に気付き、チャールズ技師は無事駆逐艦建造の受注を受ける事ができた。この事件をもって初めて軍艦に蒸気タービンが搭載されることになったという。かの「タービン(タービニア)号」はニューカッスルの博物館に展示されている。

余談:蒸気タービンについて

 蒸気タービンの考え方そのものは非常に古い。何故なら紀元前100年ごろに記載された書物に「ヘロンの回転球」と呼ばれるものがあり、この仕組みは反動タービンの原理を用いたもので、現時点で確認されている内で最古の記録と言われている。また1629年にはイタリア人技術者の「ジョバンニ・ブランカ」が歯車を介して動力を伝達し穀物を衝く機械を考案。このブランカの機械は衝動タービンの原理を利用している。
 この記録の後はしばらく動きが無かったものの、1882年にはスウェーデンの発明家「グスタフ・ド・ラバル」が衝動式タービンの開発・試作を行い、1884年に前述の「パーソンズ技師」が多段階反動式タービンを開発・試作。この辺りから各国において蒸気タービン機関の開発ブームが起き、初めて船舶に搭載されたのがかの「タービン(タービニア)号」が進水した1894年。そしてわずか4年後の1898年にはフランス人の「オーギュスト・ラトー」の手により現在あるものの直系の始祖とも言える形の蒸気タービンが生まれるのである。
 なお、蒸気タービン機関は最初は小型の艦艇に搭載されたものの、大型化するのに意外と手間取り時間を要した。しかしやがてこの問題も解決され、それまで隆盛を誇っていたレシプロ式蒸気機関に取って代わる事になる*6

艦名の由来

 本艦級の艦名は全て気象現象から採られている。
・タービン (Turbine):「旋風」
・アクィローネ(Aquilone):「北風」
・ボーレア(Borea):「北風」
・エスペロ(Espero):「西風」
・エウロ(Euro):「南東風」
・ネンボ (Nembo):「雨雲」
・オストロ (Ostro)「南風」
・ゼッフィロ (Zeffiro):「西風」

ダルド級

 本ゲームには登場していないが、タービン級にはその改良型が存在する。それが「ダルド級」駆逐艦である。なおダルド級は第1グループ4隻と第2グループ4隻、計8隻が建造された。なお第1グループ4隻のうちイタリア停戦時まで生き残ったのはネームシップである「ダルド」のみで、1943年9月8日にドイツ軍に接収された後はドイツ海軍の水雷艇TA31として再就役。1945年4月に自沈。第2グループ4隻は艦の全長を縮小し艦尾形状も変更し高速化を図ったものの…かえって抵抗が増し航続距離の低下や安定が減るという問題が発生。次級の「マエストラーレ級」において船体を延長したり艦尾形状を垂直にする等の対処によりようやく速度問題を改善する事ができた。なお第2グループの各艦はイタリア停戦までにすべての艦が失われている。

編集用コメント

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  • 小ネタを追記 -- 2024-07-08 (月) 18:23:08

コメント欄

  • 被弾する度に魚雷管が壊れる。一戦で数回は壊れる。 -- 2022-10-23 (日) 14:16:56
    • そんなにモジュール脆いの? -- 2022-10-23 (日) 19:19:51
    • 実は魚雷発射管がふにゃふにゃパスタ(マカロニ)で出来てるから脆いんだよきっと(木主の言ってることが正しければ) -- 2022-11-04 (金) 18:46:33
    • 確かに脆いですね。駆逐艦の砲でも壊れることあるし。 -- 2022-11-04 (金) 19:58:40
      • ええ、、、、ならモジュの耐性つける装備つけた方が良いかも -- 2022-11-06 (日) 06:54:14
      • 耐性付けても壊れます。魚雷管か主砲どちらかが、必ず1回は壊されます。 -- 2022-11-06 (日) 16:21:55
      • それ紅茶戦艦の主砲食らってね? -- 2022-11-06 (日) 18:06:43
  • 元の性能はかなり優秀ですが、魚雷発射管がすぐに壊れてしまうのが難点です。ガン縦しようがAP弾を喰らおうが問答無用で片方の発射管が逝きます。このティア帯の艦艇の散布界でダイレクトヒットすること自体は割と少ないですが、この弱点を知っている手練れの人は執拗に魚雷発射管の部分を狙って戦闘力を削ごうとするので、魚雷発射前の被弾はより一層避けるのが吉です。中には応急工作班を使ってようやく装填が終わる寸前で全ての発射管を壊されてただの砲艦にされたプレイヤーがいたとかいないとか() -- 2023-02-24 (金) 23:47:14

過去ログ

過去ログ一覧

*1 他国駆逐艦と比べると射程が短く、射程距離6.17kmは自身の素の被発見距離である5.64kmに加えて530mしか変わらない。これは発砲しても被発見距離が延びる距離が短いという利点はあるものの…実際には日駆以上に近い距離での砲戦を強いられる事を意味し利点よりも欠点の方が大きい。
*2 据え置き性能が残念とはいっても、実はティア帯的にはそこそこの威力の魚雷を欧駆並みの装填時間かつ欧駆以上の射程で流すことが可能と考えれば、他国同格と比較してまだまだ恵まれていると考える事もできる。
*3 他国同格で最も隠蔽に優れるのは「磯風」の5.1kmで、第2位に「V170」の5.46kmが続く。その後に5.5km台の「イジャスラフ」「クレムソン」「ウェイクフル」が続き、5.6km台の「クラース・ホルン」と本艦が続くといった次第。本艦より隠蔽が悪いのは砲が強力な「瀋陽」と「ブーラスク」しか居ない。
*4 なおこれ以降のティア帯においては原則として奇数ティアで「緊急エンジンブースト」の回数が増え、偶数ティアで「排気発煙装置」の回数が増える。よって次級では「緊急エンジンブースト」がプラス1される事になる…ところが本級で「排気発煙装置」が増えるところからスタートして居れば双方の数のバランスが取れていたのだが、そうではないために本ツリーでは「偶数ティアの艦は艦艇スキル数のバランスが良い」が「奇数ティアの艦は艦艇スキル数のバランスがイマイチ」という傾向があるので覚えておきたい。
*5 ただし、ツリー艦内で評価すると魚雷も艦艇スキルも据え置きで速度や隠蔽が落ちているのでティア向上に伴い難易度だけ上がった残念な艦でもある。
*6 とはいえ第2次世界大戦後にディーゼル機関が主要になると、高温高圧の蒸気機関と軽油を用いるディーゼル機関は相性が良くなく、しばし爆発事故を引き起こした事からやがて廃れていく事になる。