神獣ニーズヘッグ降臨

レアン

――これは、熱いな……。

マリレーヌ

今はまだ、魔術師たちが根を守っているが、
この状態が続けば、
いずれ世界樹にも火が移ってしまうだろうな。

アナベラ

……そうはさせないさ。
ぼくらが力をあわせ、守り抜いた世界樹なんだからね。

ただ、そのニーズヘッグの姿が見えないな……。
伝承によれば、
巨大な体躯を持つドラゴンだって話だけど。

シュシュ

そんな大きなドラゴンなら、
どこからでも見せそうなものですけどねぇ。

ラタトスク

……おそらくじゃが、
ニーズヘッグめ、マグマの内から
こちらの様子を伺っておるんじゃないか？

アナベラ

仮にも神の兵器たる神獣。
それくらいの知恵は、当然持っているだろうね。

となると……。
まずは、腕試しを仕掛けてくるんじゃないかな？

マリレーヌ

……想像どおりのようだ！
王子殿、周囲に敵の気配が集まっているぞ！

ラタトスク

おのれぇ、世界樹の根元で好き勝手しおって！
王子よ、ぼっこぼこにしてやるがよいぞ！

ラーワル

ぼっこぼこにするのはいいけど、
足場には十分注意してね。

マグマの流路になっている裂け目は、
上に立つだけで体力が削られていくからね！

光る亀裂の上に配置された
ユニットは、継続的に
地形ダメージを受け続けます。
　
このダメージは風水使いなど
地形効果を軽減する能力を
もったユニットを配置することで
軽減可能です。

マグマサラマンダーや
ニーズヘッグから攻撃を受けると
「マグマ付着」状態になります。
マグマ付着によるダメージは、
女神の加護やユニットの
能力によって、軽減、解除する
ことができません。
　　　　　　　　　　　　　（1/2)

　　　　【マグマ付着】
・攻撃を受けると徐々にHPが減少
　
・複数の敵から攻撃を受けた
　場合、継続ダメージ効果が重複
　
・一定時間の経過でのみ解除可能
　　　　　　　　　　　　　（2/2)

――王子殿、聞こえるか？
彼方より響くこの重い足音は……。

ようやくおでましか。
雑魚じゃ相手にならないと分かって、
自ら僕らを溶かしに来たわけだ。

戦場を焔に巻くもの、焔竜の王、
神獣ニーズヘッグそのものが！

王子、ここからが本番だ！
神獣ニーズヘッグ、ぼくらで討ち取るぞ！

マリレーヌ

――ニーズヘッグが、止まった？

フローガ

ニーズヘッグ体内の魔力が、急激に鎮静化していきます。
――やった！　ニーズヘッグ、停止しました！

アナベラ

……ふぅ。
ようやくこの灼熱地帯から出られるね。
王子、みんな、お疲れ様。

フローガ

熱源であったニーズヘッグが討たれたのなら、
このマグマも自然に冷えていきますね。
世界樹への延焼も防ぐことができたようです。

ラタトスク

うぉぉ、王子ぃ、また助けられてしまったのぉ……。
この礼は何がいい！？
どんな礼でもするからのぉ！

ラーワル

……んっ？
おかしいな、ニーズヘッグの魔力は消えたのに、
鱗の焔は消えないみたいだね。

ミスリア

んー、長年ニーズヘッグの魔力を浴び続けて、
鱗自体が魔剣――いや、魔鱗化したのかなー。

キャラット

つまり、天然物の魔力素材ってこと？

ミスリア

たぶん！　よぉーし、せっかくだし回収していこー。
きっと面白いもの作れちゃうと思うなー。

キャラット

よぉし、僕も手伝うよ！
あっ、やけどしないように気をつけて！？

ミスリア

あちちちちっ、王子っ、熱い！　これ熱いよー！

アンナ

……怪我はしないようにしてくださいね？

ともあれ、神獣ニーズヘッグ討伐お疲れ様でした！
鱗を回収し終えたら、王国へ帰還しましょう！

ラタトスク

――王子よ、本当に助かった！
世界樹の危機を何度も救ってくれるとは、
うぬは本当に最大級の恩人じゃぁっ！

マリレーヌ

ラタトスク様、抱きつきすぎです！
王子殿が困っていますよ！

ラタトスク

むむむ、仕方ないのう……。

アンナ

その後、世界樹の様子はどうですか？

ラタトスク

うむ、世界樹地下のマグマも冷え固まり、
ようやく延焼の危険も去ったぞ！
これで一段落、というやつじゃな！

ミスリア

――ふっふっふ。

キャラット

こっちも一段落ついたところだよ！

アンナ

ミスリアさん、キャロットさん――って、
な、なんですかその鎧は！？

アナベラ

ああ、ニーズヘッグの焔鱗から作ったのかな。
すごい、まだ火が消えていないんだね。

キャラット

安心して。
執務室に燃え移ったりはしないから。

ミスリア

性質としては魔剣に近いものだからね。
持ち主が燃やそうって思わないと、
炎が移ったりはしないみたいだよ。

キャラット

つまり王子様が燃やす気にならない限りは、
執務室も無事ってことだね♪

アンナ

それなら良いのですが……。
――っと、つまりその鎧は、
王子専用に鍛えられたものなのですね？

キャラット

ニーズヘッグ由来の装備だよ？
たぶん王子様以外には使いこなせないんじゃないかなぁ。

ミスリア

うんうん。
というわけで、ニーズヘッグの鎧を着る時は、
称号を『竜焔を纏いし者』に変えてねー。

はぁ、それにしても、
今後は冬場の心配がなくなるねー？

アンナ

…………？
どういうことですか？

ミスリア

ほら、寒い時は王子様に
この鎧を着てもらえばいいからさー。
ぬくぬくー、ぽっかぽかーだよ？

キャラット

あっ、なるほど。
よーし、さっそく王子様であったまろー♪

アンナ

えぇと、王子は暖房器具では……。
と、ともかく！　此度の討伐、お疲れさまでした！