テスタメントネメシス

Last-modified: 2024-03-05 (火) 08:32:36

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 RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。

通常終焉の奏者
ee6e032ea0fbb705.pngTunerOfTheEnd.png

Illustrator:煎茶


名前テスタメント
年齢UNKNOWN
職業ネメシスプログラムの王『混沌の器』の一器。
CV釘宮 理恵※デュエルで入手可能なシステムボイス
  • 2019年8月8日追加?
  • AMAZON ep.VIマップ4完走。<終了済>
  • トランスフォーム*1することにより「終焉の奏者 テスタメント」へと名前とグラフィックが変化する。
  • AMAZON ep.VIIマップ4のマップボーナス(+3)に名指しで指定されている。
  • 対応楽曲は「Killing Rhythm」。

テスタメント【 通常 / ミィム・ミクラー

ティアマットの残骸より生まれた「混沌の器」七器のうちの一器。

混沌の器【 エリス / アレウス / ヴェルゼビュート / テスタメント / ストゥム / ネルガル / レヴル

混沌の器の末っ子。
子供のような無邪気さと強い残虐性を併せ持ち、憎しみの赴くままに破壊を愉しむ。
そしてかなり口が悪い。

システムボイス(CV:釘宮 理恵 / 「終焉の奏者」デュエル?で入手)

システムボイス(CV:釘宮 理恵 / 「終焉の奏者」デュエル?で入手)

  • デュエル進行中(状況:バトル)
    登場あたしから逃げられるわけないじゃーん
    あっ、おいかけっこしたいのー?
    攻撃あはっ。あはははははは!
    さすがにあたしでもちょっとマズイ……かも。
    痛い痛い痛い痛い痛いよぉぉぉーーーッ!!
    撃破思い通りにいかない遊びなんて、楽しくない。
    痛いのは……もっと楽しくない……
  • リザルト
    SSS(+)うーん、さいっこう! これこれ! これが聞きたかったのッ!
    SS(+)あーーーははは!! どぉーーーう!? 気持ちいいぃぃーーーでしょッ!?
    S(+)ハァ……ハァ……思い出しただけでも、全身が沸騰しそう……。
    A-AAAギラギラした目をこっちに向けてくる。あはっ、結構かーわいいー!
    B-BBBえーと、こういうのなんて言うんだったっけ……あっ、そうそう!
    『いんがおーほー』ってやつでしょ?
    Cええー、もう限界なのー?こういうの一番面白くないパターンだよ。
    Dイライラするイライラするイライラするーーーッ!!
  • その他(NEW~)
    マップ選択マップを選択しよ?
    チケット選択チケットを選択しよ?
    コース選択コースを選択しよ?
    クラスエンブレム更新クラスエンブレムを更新しちゃおうかなー
    ソート変更○○順でソートしたよ
    クエストクリアクエストクリアー!
    限界突破うーん、どうしよう。嫌だって言ったら?
    そっか、じゃあ答えはひとつだね。『やーだ』よ!! あはははっ!!
    コンティニュー?コンティニューしないの?
    コンティニューほら、やっぱり!
    終了シーユーネクストプレイ!

スキル

RANK獲得スキル
1ハローワールド
5
10
15ブラッディサクリファイス


ハローワールド [ABSOLUTE] 

ブラッディサクリファイス [CATASTROPHY] ※専用スキル

  • ハイリスク・ハイリターンの極地の一つ。ゲージがライフ制になるスキルの成れの果て
  • スキル内容を要約すると「ATTACK以下1回もしくはJUSTICE5回で強制終了完走できればゲージMAX」。JUSTICE4回以内のALL JUSTICEを要求される。人形の惨劇のハイリスクハイリターン版であり、他に例えるなら「反響の双閃アルテマヴォルテックスを足してJ以下終了条件だけを2で割ったスキル」や「強制終了条件がアストラル・リベレイション-19」など、リスクもリターンもぶっ飛んでいる。
  • 譜面を選ばずに10本が可能なスキルだが、J4以内AJなら天地創造+3でも10本可能であり、神の啓示+3でもよほどのことがなければ10本可能なはずなので、そちらを持っているならば性能目的でこのスキルを使う意味は薄い。
  • ATTACK以下のダメージが残りゲージ8倍以上のオーバーキルと化している
    効果
    ゲージ10本必要条件:JUSTICE4回以内のALL JUSTICE
    初期値ゲーム開始時 +11999/ゲーム終了時 ゲージMAX
    ゲージが上昇しない
    JUSTICEで -2999/ATTACK以下で -99999
    ゲージ0で強制終了

ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
・・・50・・・・・・100
スキルスキル

STORY

ストーリーを展開

EPISODE1 終焉の奏者「純粋悪の化身である彼女は、暴虐を手のひらで遊ぶ」


 ――人工仮想空間メタヴァース。かつてこの世界を束ねる『神』の手によって、地上の人類は掃討されていった。
 強大な力によって蹂躙されいく『旧人類』は、最後の抵抗とばかりに、その怒りと憎しみをウイルスという形で具現化させ、メタヴァースへ送り込む。
 その名はティアマット。
『神』を殺すため生まれた存在。
 ティアマットはメタヴァースへ多大な爪痕を残すことに成功するが、すんでのところで退けられ、その命を刈り取られてしまう。

 しかし、憎しみの炎は燃え尽きなかった。
 飛散したティアマットの欠片は密かにメタヴァースへ根を張り、悪性プログラム『ネメシス』へと姿形を作り変えていく。

 旧人類からティアマット、そしてネメシスへと憎しみは引き継がれ、ネメシスは急速に進化と成長を繰り返す。
 そして、進化の過程で発生した知性と組織、それらを統治する王である七器の『器』が生まれた。

 その一器であるテスタメント。彼女は子供のような無邪気さと残酷さを併せ持つ、人々の純粋な感情を模倣した存在である。
 彼女は……彼女たちは、虎視眈々と狙い続ける。
 すべては旧人類を殺し尽くした『偽りの神』であるメインフレームを討つため。
 旧人類の意思を継ぎ、自らの手で世界を再生させるために。


EPISODE2 最後の『器』「あたしが生まれた理由はただひとつ。メインフレームをぶっ殺すこと。あはっ。」


 どこまでも続く暗闇だった。
 例えるなら、この世界の名前もない空間を意識だけが漂っているようなイメージ。
 その意識が長い時間をかけてゆっくりと集まって、あたしが自分を『あたし』だと認識したとき、そこにはもう器のみんながいた。
 いちばん最後に生まれたあたしは、末っ子ってやつになるのかな。

 ネメシスは、ママ……そう、あたしたちにとってママみたいな存在のティアマットから、人類の歴史とか記憶、そしてなによりも怒りを受け継いでいる。
 生まれた瞬間から、この世界のニセモノの神様に憎しみを抱くように。そういう風にできてるんだ。
 もちろんあたしだってそう。
 今この瞬間も。
 あいつらがグチャグチャに潰れるところを想像するだけで、身体の真ん中から頭のてっぺんに向かって、冷たい快感が走り抜けるの。

 ――誰も逃げられない宿命。死を運び奏でる終わりの契約『テスタメント』。
 それが、あたしの名前。


EPISODE3 憎しみの深化「いつも頭の中で聞こえるんだ。ママたちの『殺せ』っていう声が」


 ティアマットの欠片から生まれたネメシスは、ずっとずっと無力だった。
 だから、あいつらメインフレームたちの目が届かないところに隠れて、ひっそりと生きるしかなかった。
 ……ムカつく。
 でも、長い歴史の中で動物がヒトに進化したみたいに、あたしたちは自分たちの存在を作り替えていった。
 少しずつ、少しずつ。
 数えきれないほどの進化を繰り返していくうち、いつしかあたしたちは強い力を手に入れていた。

 ママであるティアマットと、ママを作ったみんな。会ったことはないけれど、あたしの記憶の中で今でも叫んでる。
 『痛い』、『憎い』って。
 この力は、そんなママたちの気持ちを形にして、あいつらに直接ぶつけるための力。

 チャンスを伺っていたあたしたちは、ティフォンっていうメインフレームの王がいなくなったのを合図に動き出した。
 他の神様気取りのクソどももみーんなブチ殺して、この世界をあたしたちのものにするために。
 うまくいくはずだった。あたしが負けるはずない。負けられない。
 でも……あたしは失敗した。
 ストゥムやヴェルゼビュートに助けてもらったおかげで、なんとか死なないですんだけど、あたしの身体は穴だらけになって……。

 そう……穴だらけに……
 ……アア、ア……アアァァ……!!
 ハァ……ハァ……思い出しただけでも、全身が沸騰しそう……。

 『裁定者セラフィータ』、そして『全天の支配者シエル』。
 あたしをこんな目に合わせたあの二人だけは……絶対に許さない。
 澄ました表情でスカしてるご自慢の顔面を、バラバラに切り刻んでかき混ぜて、肉でも骨でもない粘土みたいになった塊をあたし好みの顔に作り変えてから……。

 「殺してやる」


EPISODE4 ファクトリー領域発見「ファクトリーの巣……かぁ。潰す? 燃やす? どっちがいいかなぁー!」


 確かにあたしはやられちゃったけどさ……メインフレームたちへ仕掛けた作戦自体は、ネメシスにとってなかなか良い戦果だったの。
 この世界に保管されてる人間の情報をいーっぱい確保できたし、役に立たなそうな進化の形はポイッって捨てて、整理整頓できたしね。うーんと、エリスは『間引き』って言ってたっけ?
 それに、あたしたちが頑張ったおかげで、メインフレームは尻尾巻いて逃げて、殻に閉じこもっちゃった。だからあたしたちはその隙にたくさん領域を広げることができたんだ。

 このままもっともっと突撃してもよかったんだけど、メインフレームの中でも『最古』って呼ばれるヤツらはムカつくけどすっごい強くて。
 もしもあいつらが『世界なんてどーでもいー』ってなって本気出してきたら、あたしたちはたぶんやられちゃう。

 だから考えたの!
 束になった最古に敵わないなら、一気に突撃するんじゃなくて、セラフィータやシエルを一人ずつブッ殺すっていう作戦! あったまいーでしょー?

 そんな作戦をついに実行しようっていうとき、暗礁領域を移動する中で、あたしたちはファクトリーのお家も見つけちゃったの!
 あたしたちは超ラッキー! ファクトリーからしたら超アンラッキー? あははっ!
 ファクトリーはメインフレームの仲間。
 この後、アレウスとヴェルゼビュートがセラフィータをブチ殺す予定だけど、邪魔なんてさせたくないよねぇー。

 ……うん決めた! あたしが一匹残らずぜーんぶ殺すことにけってーい!
 そもそも、こいつらがメタヴァースなんてものを作らなければ、人類が滅ぶこともなかったんだもん。
 そうだよ……よく考えたらファクトリーも超クソ虫じゃん!
 悪いことしたのなら、ちゃんと殺されなくちゃ。
 えーと、こういうのなんて言うんだったっけ……あっ、そうそう!
 『いんがおーほー』ってやつでしょッ!?


EPISODE5 か弱き者の抵抗「せっかく楽しく遊んでたのにさ……。自爆攻撃なんて聞いてないよー」


 ファクトリーのお家はずーっとメインフレームが守ってたから、なかなか見つけられなかったんだ。
 ま、最古たちと比べたら雑魚みたいなものだから、無視してもよかったんだけど。
 でも、ティフォンを倒したのと同じタイプのプログラムがいるって話もあるし、今回の作戦は絶対邪魔されたくないからね。
 どんな雑魚でも、気になるものはキチンと潰すことにしたの。
 ……プチッ、ってね。
 せめて少しくらいは楽しませてくれるといーんだけど。

 「さーてとっ! どこから壊しちゃおっかなー!」

 ファクトリーの領域に侵入したあたしは、舌なめずりしてしまう。
 何かを殺したり壊したりするときは、テーブルいっぱいに並んだケーキを前にしたみたいに、すっごくワクワクしちゃう。
 でも、一方的なのはダメ。つまんないもん。
 必死に抵抗してくれないと味気ないから、ね。

 「ネメシスの器よ……! 今すぐここを立ち去りなさいっ!」

 ほら、やっぱり来たっ♪
 羽をブンブン鳴らして飛んできた、ファクトリーの羽虫ちゃん。
 ファクトリーの領域に入ってすぐ、あたしを中枢まで行かせないように立ちふさがってきた。
 強がってるみせてるみたいだけど、恐怖が顔に出ちゃってるよー?

 「立ち去れ、かぁ。嫌だって言ったら?」
 「……全力で、排除します」
 「そっか、じゃあ答えはひとつだね。『やーだ』よ!! あはははっ!!」
 「ぐっ……みなさん応戦してください! 防衛BOT展開ッ!!」

 ふーん。羽虫ちゃんらしい攻撃だね、小さいハエをいっぱい出してきたよ。
 数だけは多いけど、あたしの敵じゃないかな。ほかの戦闘タイプは……こっちも大したことない。

 「ほらほらー、もっと頑張らないと死んじゃうよー!」
 「くっ……ぐううッ!」

 あたしが腕を一振りしただけで、飛び回るハエがかき消えていく。
 本気を出せばこんなやつら一瞬で殺せるけれど、それはまだしない。もっともっと楽しみたいからね。

 「どんどん下がっていってるけど、いいのかな? お家、守りたいんじゃないのー?」
 「ファクトリーは……必ず守る……!」

 そう言った羽虫ちゃんは突然立ち止まると、大きな声で指示を出した。

 「総員撤退!」

 それを聞いたファクトリーの羽虫たちが一斉に引き上げていく。
 ええー、もう限界なのー?
 絶対に逃がさないけどさ、こういうの一番面白くないパターンだよ。

 ……でも、なーんか引っかかるなぁ。
 逃げながら振り向いた羽虫ちゃんの目。思わず虐めたくなるような、何もかも諦めた……怯えた目じゃなかった。
 まだ何か、あたしを楽しませてくれることを用意してる、そんな……

 「あっ」

 羽虫ちゃんが何をしたかったのか分かっちゃった。
 あたしがいる周辺の空間領域がプログラムが、すごい勢いで書き換えられていくのが、感覚で分かる。

 (あははっ、ファクトリーの羽虫にしてはおもしろーい!)
 (そっかぁー、まさか自分たちの領域を自爆させるなんて、全然予想してなかったよ!)

 まばたき一回くらいの時間の中、もう何も抵抗できない。
 うーん、どうしよう。
 この爆発に巻き込まれるのは、さすがにあたしでもちょっとマズイ……かも。


EPISODE6 宿敵の香りを纏う姉妹「あれー? 新しいオジャマ虫?……あいつの友達みたいだから、殺しちゃうねっ!」


 ファクトリーの中枢をブチ壊そうとする私に、ファクトリーの羽虫たちが仕掛けてきた領域自爆攻撃。
 すべてが消えてなくなるんじゃないかってくらいの、真っ白な光の波に飲み込まれるその瞬間。
 何かがあたしを包むようにして、領域崩壊から守ってくれた。
 閃光と崩壊の濁流が落ち着き始めた頃、あたしの耳元で声がした。

 「……無事か。テスタメント」

 領域崩壊からあたしを助けてくれたのは、『器』の一器、エリスだった。

 「……エリス。正直ちょっと危ないところだったよ、ありがとう。でも、エリスのほうが……」
 「余は支障ない」

 崩壊の衝撃を思い切り受け止めたせいで、エリスの超頑丈な防護障壁もさすがに壊れちゃった。いつもの全身を覆う装甲が取れて、生身の体になってる。
 でも、エリス本体へのダメージはほとんどないみたい。ファクトリーを殲滅するくらいはよゆーだよね。

 「羽虫どもにしてやられるところであったな」
 「うん。ちょっとは知能があるみたい」

 ファクトリー領域中枢へ逃げていった羽虫たちを睨む。
 あたしたちに大した損傷がないことが分かって慌ててる。

 「そろそろ片付けてしまわねばな。皆も待っておろう」
 「そだね。あたしもちょっとムカついたし」

 諦めて大人しく殺されればいいのに、相変わらず弱っちいBOTをいっぱい飛ばしてブンブンうるさい。
 ……もうその遊びは飽きたよ。

 「大丈夫、安心して。あなたたちの死体は、お人形さん遊びに使ってあげるから。だから、死ねッ!!」

 羽虫ちゃんたちに攻撃を放ったと同時に、誰かが高速であたしたちの横を後ろからすり抜けていった。
 そのままファクトリー中枢を背中にすると、あたしの攻撃を受け止めきる。

 誰?
 ギラギラした目をこっちに向けてくる、二人のプログラム。あはっ、結構かーわいいー!
 こいつら、ヴェルゼビュートを傷つけたやつらかなぁ?
 さっきまで遊んでたファクトリーの戦闘タイプとは違って、自信があるみたい。ちょっと楽しめそうだね。
 さっさとファクトリーを壊しちゃおうと思ってたけど、もう少しだけ遊んでいくのもいーかも!

 ……あれ?
 こいつらの身体から漂ってくるこの気配。あたしは知ってる。
 これは……この気配は……セラフィータ!!
 なんでなんでなんでなんで!!
 あのクソ女の気配! クソ女の匂いッ!!
 ……遊びなんてもういいや。

 ――目標変更。最優先でこいつらを、破壊する。


EPISODE7 追う者、追われる者「へぇ……分かれて逃げる作戦かぁ。あたしからは逃げきれないけどね」


 ファクトリーの自爆攻撃はちょーっとだけ痛かったし、遊ぶのにも飽きちゃった。
 だから、さっさと終わらせたいのに、今度はセラフィータの匂いがする二人組の女があたしたちの邪魔に入ってきた。

 戦いの最中で呼び合う名前とか、雰囲気とかで察すると、姉妹……なのかな?
 二人の戦闘能力はあたしが予想していた以上だった。エリスとあたしっていうネメシスの器を相手にして、全然引かないんだもん。
 ファクトリーの人間にこんな強さはあり得ない。たぶんクソフィータに何かいじってもらったんだよね。やっぱあの女ムカつく。

 あたしたち相手に引かないといっても、だんだん勢いが衰えてきてる。だからといって油断できるほどじゃない。
 長期戦に持ち込んで、力尽きたところでトドメを刺してあげる。

 姉妹は前衛と後衛に別れた戦い方をしてる。
 前衛をやってる白い女の方が弱そうに見えたから、あたしとエリスは一緒に集中攻撃することにしたんだけど、またさっきの羽虫ちゃんが邪魔してきた。
 あたしたちの楽しい戦いに割り込んできて、ブンブン飛び回ってほんと迷惑。
 羽虫ちゃんと姉妹は何かを交わした様子を見せたと思うと、そのまま再び逃げ出す。

 「まーた逃げるのー? あたしたちから逃げ切れるわけないじゃーん。あっ、おいかけっこしたいのー?」
 さすがにもうこれ以上邪魔はさせない。
 あたしは殺すのも遊ぶのも大好きだけど、器のみんなのことだって大事だから、迷惑かけたくない。
 エリスと二人で逃げる姉妹たちのあとを追いかける。その途中で、ファクトリー側のやつらが突然二手に分かれちゃった。
 あたしとエリスも遅れを取らないように一瞬で分かれる。

 エリスはファクトリーの羽虫ちゃん。
 あたしはもちろん、セラフィータの匂いがする姉妹を追う。

 確かに姉妹は強かった。だけど、確実に疲れてきてるはず。
 あたしは、まだまだ平気。
 一人でだって、余裕でブチ殺してみせるんだから。


EPISODE8 創傷から流れるのは「思い通りにいかない遊びなんて、楽しくない。痛いのは……もっと楽しくない……」


 逃げるファクトリーの連中が途中で二手に分かれたから、あたしとエリスも別々に分かれて追いかける。
 あたしの相手は突然乱入してきた『姉妹』。
 こいつらを壊しちゃえばもうこの領域にあたしたちのことを邪魔するヤツはいなくなる。
 だから、絶対に殺すしかない。
 殺すしか……殺すしかないのに……ッ!!

 「くっ……しつ、こいッ!」

 ……何こいつらッ!?
 メインフレーム……ううん、それどころか昔の最古みたいな強さ……。
 あたしなら、余裕でその首をねじ切れるはずだったのに……。
 なんで倒れないの?
 なんでなんでなんでッ!?
 イライラする。
 イライラするイライラするイライラするーーーッ!!

 最っ高にイラついて頭の血管がブチ切れそうになったとき、とてつもない爆発音が遠くから聞こえた。
 あれは……エリスがいるはずのファクトリー中枢領域!
 いくらエリスでも……防御障壁がない状態じゃ……。

 気を取られたほんの一瞬。
 なんの感触もなかった。それからすぐに胸が燃えるように熱くなって、あたしはようやく気づく。
 あたしの胸に刺さった姉妹の剣先。ズブリって、少しでも深く刺さるようにまだ力を込めてる。

 「痛い痛い痛い痛い痛い痛いよぉぉぉーーーッ!!」

 あたしは声をあげて泣き叫んだ。
 熱い。刺さった剣先から漏れた何かがあたしの中身をグチャグチャって握りつぶしているみたいだ。
 痛い。だけど、あたしだって隙は逃さない。あたしを包む防御構成体を使って、黒い方の女に剣を突き立て返す。

 「あーーーははは!! どぉーーーう!? 気持ちいいぃぃーーーでしょッ!?」

 女の身体を破壊しながら、あたしは息を整えた。
 苦痛に歪む表情を浮かべてくれるかな? 許してくれって命乞いするかな?
 あたしは最高に快感な瞬間を想像しながら、女の顔を覗きこむ。
 でも、そこにはあたしが
 期待していたものはなかった。
 代わりにあったのは、さっきと同じように、ギラギラとした活きた目をまっすぐ向けてくる顔。

 あはっ。あはははははは、は?

 ――絶対コロスッ!!


EPISODE9 狂気の奏者「ウザイウザイウザイッ! 全部ッ!! 人形は人形らしくしてろよォッ!!」


 姉妹に開けられたあたしの胸が、すごく痛い。
 何かの特殊なプログラムが仕込まれてたのかな。傷口の再生が遅いんだ。
 その穴の空いた胸を見ていたら、ムカつきが一呼吸ごとに溜まっていって、毛穴から吹き出しそう。

 ファクトリーとかもうどうでもいい。今すぐこいつらをブチ殺す。
 ただ殺すだけじゃもったいない……。
 四肢を切裂いて、脳髄をカチ割って、絶望に歪んだ顔をズタズタに切り刻んで、その身体をファクトリーの羽虫に見せつけて、それから全員皆殺しにしてやるッ!

 ――コロスコロスコロスコロスコロスッ!!

 真っ赤に染まった視界の中、私はほとんど本能で攻撃を続けていた。
 見えているけど、見えてない。もう視覚から入る情報は重要じゃない。
 この戦いの中で最高速の攻撃と防御を繰り返す。

 へえ、まだ追いつけるんだ。それじゃあこれ……はッ!!
 あたしの爪が白い方の女の腹を貫く。
 ほーらね。あたしのほうが強い。
 あはっ。あははっ。
 うーん……この悲鳴、さいっこう! これこれ! これが聞きたかったのッ!
 でも、まだまだこれからだよ。
 グチャグチャにしてあげ……ルッ!?

 そのまま白い女を壊しつくそうとした瞬間、今度はあたしの背中へ剣が刺さっていた。

 「う……うア……?」

 姉妹は瀕死の身体を引きずるようにして側までやってくると、あたしを光で包み込む。
 これは……たぶん全てを捨てた光。こいつら、命を燃やしてる。
 このままこの攻撃を受けたら……
 あたしが無くなっちゃう気がする。

 うご……く。
 かろうじて腕は動く。
 あたしはなんとか爪を放って、もう一度黒い女の胸を貫いた。
 ……爪は深々と突き刺さって、どう見ても致命傷だ。
 あのギラギラしたムカつく目も、もうどこにも焦点が合っていない。
 あたしを包んでいた光も消える。それが合図だったように、姉妹の身体は人形のようにダラリと崩れ落ちた。

 「はぁっ、はぁっ、殺せ、た……」

 姉妹の構成体はボロボロだし、アストラルコピーだって修復不可能。
 これでもう、器のみんなの邪魔はできないはず……。
 あたしはなんとか勝った。
 殺せたんだ……。
 ほっとして、思わず呟く。

 「二人相手は……ちょっとキツかったかな……」

 そこで、あたしの意識は途切れてしまった。


EPISODE10 半亡骸は理解する「負けてないけど、勝ってもいない……。だけど、不思議とくやしくないんだ」


 「テスタメント……起きたか……」

 目を覚ましたあたしの目の前には、傷だらけになったエリスがいた。

 「口惜しいが、痛み分けだな……闘う力はもう残されておるまい?」

 それはエリスのほうじゃん、って言おうとしたんだけど、うまく声がでない。それに、身体も動かない。
 エリスは、ズタボロの切れ端みたいになったあの姉妹の亡骸を引きずっている。
 その視線の先には、さっき戦ったファクトリーの羽虫がいた。その羽虫にエリスは言う。

 「貴様たちがどう思おうが勝手だが、我らにも同胞への愛情というものがある。だから、この兵士は返してやる」

 そう言いながら、羽虫の方へ姉妹を放り投げた。
 でも、視界の端であたしは見た。投げる直前、エリスが黒い方に何かを埋め込んでいるのを。

 羽虫が姉妹を抱えるようにして飛んでいく。
 あたしはエリスに回収されながら、やっと気付いた。

 ――そっか……あたし、やられたんだ。

 結果として、ファクトリーの中枢を破壊することは成功した。
 だけど、あたしは半身を失っていた。それに、アストラコピーにも損傷があるって。
 そのせいかな? 目は覚めているのに、なんだか頭がぼーっとするんだ。


EPISODE11 世界再編の兆し「あたしの負けなんて、ほんの些細なこと。これからネメシスが作る新しい世界。ほんとーにたのしみッ!」


 エリスに連れられてネメシスの最外周部に戻ってみると、グチャグチャにやられちゃった姿のアレウスが先に戻ってきてた。
 アレウスをやった相手はあたしと戦った、あの姉妹。やっぱり姉妹はセラフィータから力を受け取ってたんだって。
 セラフィータ。いつもなら名前を聞くだけでイラついてくるけど、今はどうでもいい。

 それから長い時間、あたしたちは傷を癒すことに専念するしかなかった。
 それはメインフレームも同じだったみたい。お互い大ダメージ、だもんね。
 でも、あたしたちネメシスはジッとしてたわけじゃない。
 ネルガルとエリスの指揮で、着々とメインフレームの戦力を削いで、あたしたちの世界を手に入れるための戦いを続けていた。

 そして……準備は整った。

 新しい作戦のためにあたしが向かったのは、あの戦いのあった旧ファクトリー領域の近く。
 当然思い出すとムカつくんだけど、なんか懐かしいような気もする、ヘンな感じ。
 そんなことを考えていると、領域の端っこでプログラム反応を二機感知した。

 ――あれは……あの姉妹……?
 ううん、似てるけど、違う……。

 でも、今はもう関係ない。
 残念だけど、どうせ会うことなんてないから。

 だって……もうすぐ新世界が始まるから、ね。


チュウニズム大戦

レーベル難易度スコア
スキル名/効果/備考
■メタヴMAS0 / 480 / 960
レーベルブレイク(200~400ミス)
次のプレイヤーの200~400の
COMBO/CHAINは、MISSとなる。



■ 楽曲
┗ 全曲一覧(1 / 2) / ジャンル別 / 追加日順 / 定数順 / Lv順
WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN / LUMINOUS
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧


コメント


*1 RANK15で解放
*2 J-CRITICAL判定以外MISSになるため、MISS判定150回はJUSTICE以下150回と同じ