【グノン】

Last-modified: 2021-09-17 (金) 18:07:17

ロトの紋章

漫画【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】に登場するキャラクター。
【異魔神】率いる魔王軍の大幹部「四大魔王」の一人であり、「獣王」の異名を持つ獣人型魔族。
全身を分厚い体毛で覆われており、背には翼、獅子のような顔を持つ姿はまさに獣の王と言ったところ。
主に獣型モンスターで構成された獣(ビースト)兵団を率いる。
 
同じ四魔王の【ジャガン】【竜王】【冥王ゴルゴナ】が本編中でその出自を描かれているのに対してグノンの過去はほとんど語られていないが、海王【リバイアサン】と異魔神との戦いをその身で体験したことがあり、魔王軍の中でもゴルゴナに次ぐ古参メンバーである。
 
気性は獣のように荒々しく、残忍にして冷酷。
標的はあらゆる策を用いて絶望と屈辱を叩きつけてから殺すという、魔族らしい嗜虐性も持ち合わせる。
プライドも高く、自分の大切な武器を落としてしまった部下の【サイおとこ】や敗者と見なした獣魔将軍リカンタスを容赦なく処刑するなど、自分に逆らうもの、気に障る者はたとえ部下であっても容赦しない。
特にリカンタスは敗北を悟って【キラ】を羽交い絞めにし、自分ごと貫いて倒して欲しいと嘆願されるという極限の忠義を向けられたにも関わらず、一切それを汲むことなく「敗者の弁など聞く耳持たぬっ!!」とリカンタスのみを殺している。
部下の忠義や勝機を蔑ろにしてまで自身のプライドに固執しているあたり、同じ獣王の肩書をもつ【クロコダイン】に比べて何処となく小物っぽく見えてしまうが、時として盟主である異魔神の方針に疑問を抱いたり、アルスを確実に仕留めるために非情な策を用いる、ポロンが臆するあまり配下の魔物たちに向けた説得を逆に利用して戦意の低下した部下たちの志気を奮い立たるなど慎重かつ狡猾な一面もあり、決してただ野蛮で身勝手な愚将という訳でもない。
 
本人の戦闘力も高く、サイ男が2匹でがかりで重いと言っていた【ハーケン】を片手で軽々しく振り回すほどの怪力をもっている他、口から炎のブレスを吐き出すことができる。
 
物語の中盤、【アリアハン】でアルス達を倒すため世界各地から集った10万の獣兵団を率いて決戦を仕掛ける。
修行の末に加勢したキラも含めた全員を三日三晩もの激戦で疲弊させ全滅寸前まで追い詰めるが、もはや打つ手無しと覚悟を決めたタルキンの命を投げ打った捨身の行為を受け、グノン自身は無事だったが部下を全て失い、初めて恐怖を抱く。
さらに戦いの最中に自身の虐殺が原因でポロンが賢王として覚醒するという事態が起き、次第に追い詰められてしまう。
 
そして地面に両膝を突くという魔族に生まれて初めて受けた屈辱に激昂した彼は、最後の手段として今まで異魔神にしか見せたことがなかった真の姿を現し、アルス達を再び圧倒する。
しかし、アルス達の戦いを見て改心し、彼らを助けようと集まってきたアリアハンの人々全員の魔力を結集させた【ミナデイン】を纏った光の剣を額に食らい致命傷を負う。
それでも「さあ 続けよう オレはまだ戦えるぞ…」と勝機を見据えた不敵な笑みを湛えたまま次の攻撃の構えをとったが、なんと構えをとったまま絶命し、文字通りの立ち往生を遂げた。
どんなに追い詰められても死の瞬間まで微塵も揺るがなかったプライドと闘争心は敵ながら壮絶なものであった。少なくとも最期の肩透かし感で大いに株を落としたゴルゴナよりは、遥かに肩書きに相応しい最期である。
 
亡骸はそのままアリアハン近傍に放置されていたが、後にアルスを殺すためやって来たジャガンにより消滅させられた。
この際、ジャガンは彼がリカンタスに向けた「敗者の弁は聞かない」を皮肉り、死人に口無しとばかりにグノンの遺体を破壊している。
 
スーパーライトでは獣王グノン名義で登場した。

グノン(第2形体)

アリアハンでの決戦において追い詰められたグノンが見せた真の姿。スーパーライトでは真・獣王グノン名義で登場している。
エジプト神話やギリシャ神話に登場するスフィンクスのような姿をしており、本人曰く「異魔神以外には見せたことはなかった」らしい。
コミック完全版掲載のデザイン画に書かれたメモには、尻尾が蛇なので鵺(ヌエ)っぽいと書かれている。
 
この姿になったグノンは「最強のビースト」を自称するだけのことはあり、
前足一本を大地に叩きつけただけで地割れを引き起こし、羽ばたきだけでベギラマ等の呪文すら撥ね返す驚異的な力を発揮する。
さらに全身を覆っていた体毛は鋼以上の強度に変わり、【幻魔剣】【波動拳】が全く通じなかった程。
尻尾の大蛇は幻魔剣で切り落とされたことから、体毛に覆われた全身より防御力は落ちるようだが、蛇が苦手なヤオをパニック状態にさせるという意外な戦果(?)を上げた。
 
また、低気圧を操ることで凄まじい威力の「空気を圧縮したブレス」を吐き出すことができる。
この技はスーパーライトで空圧砲という名前が付いた。
 
なお、本来の姿に戻ると同時に以前受けた傷は回復しているように見えるが、流石に普通のパーティーならあり得ない大人数の魔力が込められたミナデインにはひとたまりもなかった。

続編においてもこの形態になっており、ただでさえ手強かった通常形態とともに大幅に強化されている。

余談

グノンとの決戦エピソード通称「アリアハン編」は、ロト紋の中でもかなり殺伐とした一幕として語られることが多い。
グノンの策によりアルスが民の罵声や投石を受けながら決戦の地へ赴く、最初は善戦していた仲間達が少しずつ疲弊していき一人一人倒され追い詰められてゆくなど、人間の弱さゆえの醜さや主人公達が徐々に窮地に立たされる経緯がこれでもかと描写されているうえ、
絵面の面でも、モンスターの体の一部分を切り飛ばす、モロに内臓が描写されていたりするなど、リアルながらも荒々しい内容になっている。
キラが修行のため一時離脱しており、ポロンは賢王の力に覚醒する前、アルスの装備もまだ揃っていないという中盤の戦力に対して獣兵団は人海戦術で圧倒してくるという、実戦的ながらも容赦無い戦いをなんとか制したにも関わらず、直後にジャガンが闇討ちを仕掛けてきてさらなる絶望的な展開で畳み掛けてくるのも印象的。

しかし大軍を向こうに回して戦線を支えるアルス達、修行で強くなったキラの合流と活躍、タルキンの死、ポロンの覚醒、アリアハンの住民の改心、それらが織り成す奇跡の大逆転…など、少年漫画の王道とも言えるイベントもまた盛り沢山のため、ロトの紋章の一番の見どころという意見も少なくない。
 
その影響もあってか、グノンは続編において共に復活したゴルゴナと竜化した竜王との三つ巴を制し、アラン側のエピソードでは実質的な最終ボスとして再登場することになった。
人々の力を結集した前回とは逆に、こちらではアロスとの一騎打ちで倒されている。