【クロコダイン】

Last-modified: 2020-11-25 (水) 08:21:38

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】【ピロロ】【マキシマム】

【クロコダイン】―【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】

ダイの大冒険

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】の登場人物で、獣王の異名を持つワニのような獣人。
体色は漫画版では赤色、旧アニメではピンク色、新アニメではややオレンジがかった色をしている。
旧アニメの声優は銀河万丈、新アニメでは前野智昭。
数多の鳥獣を従え、巨大な【闘気】技を使いこなす怪力無双の巨漢の戦士。
 
種族は【リザードマン】ということになっているが、その姿はゲーム本編のものとも、DQ3での没モンスターとも異なる、大柄で厳つい爬虫類系。見た目では【イブール】が近く、鎧の形状は3のリザードマンの物に近いデザインとなっている。
クロコダイルを連想させる名前といい、ガッシリした体格に長く大きな顎を持つ外見といい、リザード(トカゲ)というよりはまるっきりワニであり、作中でもポップに「ワニおとこ」、ザボエラに「ワニ助」と呼ばれたことも。
漫画では手の指の数が四本だが、アニメでは新旧ともに五本指となっている。
 
作中でおっさん呼ばわりされているようにかなり貫禄のあるキャラなのだが、年齢は人間換算で30歳程度。劇中だと【バラン】配下の【ボラホーン】が同い年。
モンスターの精神年齢を論じるのは難しい所だが、ドラクエシリーズで言えば【ヤンガス】【シルビア】より年下。おっさん扱いは屈強な見た目や実戦経験、忠誠心を語る社会性のある言動から来る所も大きいと言える。
ダイやポップの年頃、つまりジャンプ読者の10代の少年の目線からすれば「30代ぐらいの厳つい現役戦士」がおじさんに感じられるのはむしろリアルかもしれない。

来歴

最初期は【大魔王バーン】率いる魔王軍六大魔団長の一人「百獣魔団長」として【ロモス】の攻略を担当していた。
ロモス攻略にあたっては、弱い兵士しかいないから自分が出るまでもないと手下に一任していた。実際に本気で侵攻した際には城全域を瞬く間に制圧している。
 
【ダイ】【デルムリン島】からロモスに渡って来たため、【ハドラー】から討伐命令を受ける。
小さな子供であったため、一度は笑うもハドラーに手傷を負わせたと聞いて興味を持ち出撃、魔王軍団長として初めて交戦する。
獣王としての力量を見せつけるも、やはりダイの実力は侮りがたく、あと一歩まで追い詰めるも駆けつけた【マァム】の加勢もあってダイに斬られ片目を失う。
この時は怒りに燃えつつも取り乱すことなく戦略的撤退を選んでおり、腕力に頼るだけではない冷静さも見せている。
 
復讐に燃えるクロコダインであったが、当初はあくまで正々堂々とダイと戦い勝利するつもりでいた。
しかし、そこに現れた【ザボエラ】に万が一破れた場合の立場の弱さを突かれて巧みに唆され、勝利の為に武人としての誇りを捨て、ザボエラが人質としてさらってきたダイの養父である【ブラス】を利用する。
ダイとの再戦では一時優位に立つも、格下と侮っていた【ポップ】の決死の【マホカトール】でブラスを奪回され、怒りを込めたダイの渾身の【アバンストラッシュ】で敗北する。
 
この時クロコダインは、自身に到底及ばぬながらも勇気を振り絞り立ち向かうポップの姿を通して人間の友情に心を打たれ、逆に己が可愛さに卑怯な手に染めた自身を恥じる。最期は自ら敗北を認めてダイ達を讃えた後、王城から飛び降りて戦いに幕を引く。
その際に断末魔の雄叫びを上げて配下に敗戦を告げており、「負けを認め軍を退かせる」という指揮官としても潔さを望む形で百獣魔団のロモス侵攻は終結した。
そのまま墜死したクロコダインだったが、亡骸は密かに回収されザボエラの蘇生液によって復活。その後は魔王軍から脱走して寝返り、六大団長第2の刺客として立ちはだかった【ヒュンケル】【ブラッディースクライド】から身を呈してダイを庇う。傷が癒えてない満身創痍の状態のままヒュンケルの刃に貫かれるも不動を貫き、「人間への憎しみを貫こうとするがために本心を隠しているのではないか」と指摘するものの、激昂した彼の手でとどめを刺されてしまう。その際は涙を流しつつ「人間」に対する羨望を語りながら倒れ、傍らで気絶していたマァムに目をやりながら無念の内に意識を失う。しかし、元来の頑健さもあって死は免れており、ヒュンケルの恩情により【モルグ】の手当てを受けたことで一命をとりとめる。
 
ヒュンケルがダイに敗北し、【フレイザード】の独断によって【地底魔城】ごと溶岩のマグマに沈められそうになった際は、彼の愛鳥【ガルーダ】を連れてヒュンケルを救出、罪の意識に呵まれる彼に生き方を説き、それに心打たれ再び立ち上がったヒュンケルと共にダイ達の味方へと加わった。以降、彼とは互いを信頼し認め合う「友」の関係を築き上げた。
その後【バルジ島】の戦いや【バラン】戦へと参戦、戦闘以外でも【鬼岩城】襲撃の際の救助活動や、【超魔生物】と化した【ハドラー】との相討ちで海に沈んだダイの捜索等も行っている。
物語の前半では基本的にダイ達がピンチの際に助っ人として登場するシーンが多かったが、鬼岩城襲撃以降からはダイ達と行動を共にしており、その後もパーティの一人として【ハドラー親衛騎団】と激戦を繰り広げる。
 
一度目のバーン戦後はヒュンケルと共に捕縛され、裏切り者として公開処刑されそうになるがダイ達に救助され、【さまようよろい】や魔界のモンスターの大群と戦い、【ミナカトール】発動後は地上側の防衛を担当、ザボエラの操る強敵【超魔ゾンビ】と戦い辛くも撃退、因縁深きザボエラについに引導を渡した。
その後、少しでもダイ達の助けになればと考えチウ達と共にバーンパレスへ向かうも、インフレしまくったバーンやその側近、アバンの使徒たちの戦闘レベルには結局ついていけず、活躍することはできなかった。
ただし彼は死の大地で親衛騎団戦、爆発からパーティを庇い、バーンに敗北した後も治療もされず何日も鎖に繋がれ……
というわけで解放後もずっと万全とは言い難い状況で戦い続けていたので、無理に壁役になったとしても後述の死亡フラグを回収していた可能性は高く、老兵のような印象を受けてしまうのも仕方が無いことかもしれない。
 
決戦前には冗談めかして「この戦いが終わったら、俺も嫁探しでもするかな?」と盛大に死亡フラグをおっ立てていたが、そのフラグは回収されることなく、エピローグでは【ヒム】【チウ】と共にデルムリン島に滞在している様だ。

性格

卑怯な手段を嫌う武人然とした実直な性格で、主と認めた者の為には骨身を惜しまない、文字通り命賭けの勇敢さと忠誠心を持つ。
最終的にダイたちについたのも、一度捨ててしまった自分の武人としての誇りを思い出させてくれたことへのせめてもの礼であった。
軍団長としての抜擢も実力と忠誠心の両方を買われてのことで、魔王軍所属中から【バラン】は「六団長の中では最もおまえを買っていた」と言い、ヒュンケルも「尊敬に値する男」などクロコダインを高く評価していた。またスカウトしたハドラーも、「ヒュンケルはともかくクロコダインまでがダイたちに寝返るとは!!」と彼の心変わりに驚愕している。 
 
では非の打ち所も無く出来た男か…と言えばそうではなく、ダイに負けた場合の立場の弱さを突かれザボエラの誘いに応じて卑怯な手を使ってしまったり、味方の自己犠牲的な行動の真意を見抜けず怒りを見せてしまうなど、誘惑や疑惑に完全には打ち勝てない弱さもある。
しかしポップが明らかに敵う相手でない自分に命を捨てて挑んできたことに対して、保身で卑劣な手段に出た自身を恥じて人間についての考えを改める。後にこの一連の戦いを経て、ダイを「己の心の闇に光を与えてくれた『太陽』」、ポップを「己の心のにごった汚れを取り除いてくれた存在」と称し、それぞれバランとの戦いの中で賞賛している。
そのポップが単独で囮となるべくわざと皆を見捨てて逃げると言い出した時は額面通りに受け取って困惑しつつ、後に事情を悟った際には真意を見抜けず見殺しにしてしまった自身の愚かさに自嘲の高笑いと共に「あの世で会ったら好きなだけオレを殴れ」と涙を流し、より強固に信頼するようになった。
後にはヒュンケルがミストバーンの暗黒闘気を飲むことで魔剣戦士に戻りかけ、ヒュンケルに疑いを抱いてしまった時も、自らの意志でヒュンケルへの疑いを振りきり、力強いエールを贈っている。
自らの過ちを悟った際にそれを認めて悔い改め、自らの心の弱さを恥じることは、特に誇り高い性格であればあるほど容易ではなく、それができるクロコダインは周囲の信頼や敬意を買うに相応しい立派な人格者であると言える。
 
魔物であるため人間には距離感を持っており、フレイザード戦後の祝杯の際にも「魔物が人間と酒を飲むわけにも行くまい」と独り片隅の物陰で酒をちびちび飲んでいた所を【バダック】に「功労者に人間も魔物も関係ない」と声をかけられ酒を飲み交わして以来、彼とは良き友人関係となり、その頃からは魔物であることを気にしなくなり気さくな一面も見せるようになった。
なお、バルジ島決戦の中で必殺の獣王痛恨撃を物騒だからと「会心」撃に改めるよう勧めたのもバダックであるため、そのあたりが友人関係の始まりだったのではないか、と思われる。
ヒュンケル、ラーハルトらシリアス一色な元魔王軍とは異なり、ギャグシーンでボケに対し他キャラと一緒にズッコケたりするなど愛嬌も豊かである。
 
また人情家な一面もあり、前述通りヒュンケルを救って新たな道を説いて再び立ち上がらせたり、自らのバルジ島での修行につき合せたチウを労って、その埋め合わせに魔王軍時代にモンスター達を従えるのに使っていた【獣王の笛】を与えたり、超魔ゾンビ撃退後は自らの手でザボエラを葬ってからも彼の堕落した生き様に哀れみを感じたりもしている。
また、ロモス王国での一戦後自らの過ちに気づいた時や、ダイの為に捨て石に走ろうとするバランを引き止めようとして重傷を負ったヒュンケルの心意気を感じ入った時には泣き崩れて涙脆い所も見せた。
ダイとの戦いの後の姿はまさに「気は優しくて力持ち」を地で行く漢であろう。
 
既に述べた通り武人としての誇りを何よりも大切にするが、それに固執して戦局を悪化させない確かな判断力も持ち合わせている。
特にそれが目立ったのは、キルバーンの挑発に先走ったポップを追いかけて死の大地にやって来た際であろう。
このとき、クロコダインはキルバーンとミストバーンという強敵に対してポップがダイを置いて「逃げ出した」のを見た。自身の敵であったときは仲間をおいて真っ先に逃げてしまっていたポップも、テランでのバラン戦では逃げたと見せかけて自ら囮になるほどの勇気を持ち合わせるようになっていた。
ポップに対し、戦いの実力だけでなく「単なる臆病で逃げるような男ではなくなった。そんな彼が逃げるなら確かな理由がある。」という強固な信頼を置いていたクロコダインは、「ポップの逃亡は臆病な逃避ではなく状況分析を踏まえた戦略的撤退である」と判断、自身も即撤退を選んだ。
その方法も闘気弾で一戦交えると見せ、身構えさせてから直下の海に放って水柱を発生させて目くらましを行うという方法であり、完全に意表を突かれたキルバーンは彼らを見失い、してやられたと悔しがるよりなかった(同時に、クロコダインにそんな選択をさせたポップに対しての評価も高めている)。
ポップを撤退に追い込み未知数が多いキルバーンの実力やガルーダに運ばれているという状況を踏まえると様子見の交戦も危険であり、即撤退は最適解であろう。
 
総じて個人的武勇以上に、「基本は勇猛果敢。しかし高い判断力で戦略的撤退も辞さず、確実性の高い撤退の方法も弁えている。部下や仲間に対しても惜しみ無く信頼する」と統率者・現場指揮官として理想的なものを持ち合わせており、その方面でも軍団長向きと判断されたのではなかろうか。
 
ちなみにダイとの初戦で失った左眼は「JUMP COMICS PERFECT BOOK 1 ダイの大冒険」によると「クロコダインは戒めとして残した様だ」と書いてある。
つまりその気になれば治療も出来るらしいが、ザボエラの手を借りて汚い手を使ってまでダイに勝とうとして武人の誇りを汚したことへの戒めとしてあえて治していないらしい。
この左眼の傷自体は正々堂々と戦ったときにつけられた傷であり、決して恥ずべきものではないのだが、後に卑劣な手段をとる切欠のひとつにはなっている。そういう意味で戒めにちょうどいいとしているのかもしれない。

戦闘能力

魔王軍随一の怪力を活かした斧捌きの他、高熱の息(【ヒートブレス】)や独自の闘気の技を駆使して戦う見た目通りのパワーファイター。
自慢の怪力は自身の数倍はあろうかという岩山を投げつけたり、竜の紋章の力を解放したバランを押し込め、軍艦を片手で担ぎ上げる【ブロック】の絞め技を振りほどき逆に投げ飛ばすほどの剛力を誇る。
ダイ、ポップと初めて戦った時も、ポップのメラを吹き消し、その力で二人の背後の巨大な崖を叩き割り、二人を戦慄させた。
また作品内でもよく言われているが鋼鉄に例えられるほどの硬さを持つ肉体も特徴で、ナイフ程度では全く歯が立たない。
 
武器は斧を使い、【バギ】の力を秘めた【真空の斧】を敵として現れた時から愛用していた。
後のバラン戦で斧は破壊されたが、武具の命である魔法玉が無事だったため、バダックがパプニカの金属を使って復活させている。
その際、『帰ってきた真空の斧MARK-II』という名前に改名されたが、長いので誰もそう呼ばないようだ。
その斧もバーンとの初戦時、【カラミティウォール】に巻き込まれて魔法玉ごと粉々に破壊されてしまったため、帰ってきた真空の斧MARK-IIはここで役目を終えたが、その後は【ロン・ベルク】作の【グレイトアックス】を受け取り、最終決戦で使用していた。
 
また、闘気技にも長けており、片腕に闘気を集中させ闘気の竜巻を起こす「獣王痛恨撃」を必殺技に持つ。この技は前述の通り、仲間になった後、バダックの勧めで【獣王会心撃】に名を改めている。
【ノヴァ】によると、闘気を飛び道具として正確に命中させるのはかなり難しいとのことなので、クロコダインの闘気技のセンスはなかなか侮れないものがある。
バルジ島の修行の後は、この技を昇華させ両腕から闘気流を起こして激突させる【獣王激烈掌】という新技も編み出す。この技で【シグマ】のオリハルコンの腕をねじり上げ、片腕を切断している。
これはアバン流刀殺法同様、モンスターズシリーズにも逆輸入されている。
 
それ以上に殆どの呪文を弾き高い防御力を誇る【竜の騎士】の竜闘気にも、闘気技なら強さ次第で突破してダメージを与えることが可能であるという性質上、バランは闘気技の使い手を重点的にマークする性質があったようだが、それについて「真っ先に叩く」相手としてクロコダインを挙げており、クロコダインが闘気技を得意とすることは魔王軍においても定評があったことが伺える。
 
だが、何より目を見張るのは

  • 致命傷を受けた上墜落死するものの、蘇生液の力で生き返る
  • その傷が癒えぬ内にヒュンケルのブラッディースクライドで腹を貫かれても手当を受けて復活
  • オリハルコンすら容易に貫く真魔剛竜剣に全力の竜闘気を込めた一撃を腕に受けて食い止める
  • 防御に全霊を集中し、【レオナ】【ベホマ】の支援があるとはいえ、バランの【ギガブレイク】2発を耐え切る
  • その直後、竜魔人化したバランに腹を貫かれる(しかも腕が貫通している)も生きている、その後も、【メルル】のホイミ系呪文でいくらか回復してもらったとはいえ、バランを振り回し反撃に【ライデイン】を食らうも、まだヒュンケルを上空に投げる気力が残っていた。
  • 戦車や軍艦をも破壊する鬼岩城の砲撃から【アキーム】を庇ったが、ほとんど無傷で普通に戦闘に参加している
  • 大魔王バーンの【カラミティウォール】を真っ向から受け、やはり生き延びる

といった凄まじい生命力で、物語の序盤から終盤まで遺憾なく発揮されている。
相棒のヒュンケルが凄まじすぎて霞んでいる感はあるが、彼もまた大概不死身である。
バランやアキームからは「ふ、不死身か!?」と驚かれたが、彼は意に介さず、バランに対しては「不死身はヒュンケルの代名詞」と謙虚に答えている。
 
特に己の強靭な肉体を使ってバランの魔力と気力を削るべく敢えて「ギガブレイクでこい」と挑発、防御に集中することでギガブレイクの連発を耐えぬくシーンはクロコダイン屈指の名場面、バランをして「ギガブレイクの直撃をうければいくら獣王でも即死のはずだ!」「二発も食らって生きていたのは初めて」と目を見開いて驚愕するほどで、クロコダインの生命力をこれでもかと際立てた。
実際のところバランは本編開始前にかの冥竜王【ヴェルザー】と彼の率いる魔界の軍勢を相手に死闘を繰り広げている。バランの上記の発言は、地上の魔物たちとは一線を画す屈強な魔界の猛者たちを屠ってきたギガブレイクに対する絶対の自信から来るものであり、自身の必殺剣を見事に耐え切って見せたクロコダインへの最大の賛辞でもあるだろう。もしかしたら「(あのヴェルザーでも)ギガブレイクの直撃を受ければ無事では済まなかった」「(あのヴェルザーでさえ)真正面からギガブレイクを二発耐えることはできなかった」という意味の発言だった可能性もなくはない。クロコダインの耐久力がヴェルザー以上だったということならバランの驚き様も当然だろう(……もちろん拡大解釈だが)。
この無謀な作戦が実を結んだためか、最終的にバランはギガブレイク用の【ギガデイン】に使う魔法力が足りず【ライデイン】で代用せざるを得なくなり、ダイは相討ちに持ち込むことができた。
またギガブレイクは加減がされていたり、魔力を消耗していてライデインで代用せざるを得ない状態だったり、酸で剣が腐食していたりと様々な要因で全力で使われたシーンが意外に少なく、正真正銘全力のギガブレイクを受けたのが彼だけである点も評価ポイントだろう。
終盤で竜闘気には回復呪文を一時的に阻害する特性が明らかになったため、レオナのベホマは無意味だった可能性も浮上、クロコダインの耐久性にさらに箔を付けるかたちになった。
 
他の戦いにおいても、彼の活躍が無かったらダイたちはヒュンケルにやられていただろうし、バラン戦ではレオナがダイを回復する時などほとんどの戦闘で時間稼ぎができなかったことから、「壁要員」としての役目はしっかりと果たしていると言えるだろう。
 
また、クロコダインは自分で頭が悪いと言っているが、親衛騎団戦で「個々の能力で劣るなら異なった能力で立ち向かうべき」と提案したり、【黒の核晶】の爆発から守るため仲間達を咄嗟に地中に埋めたり、キルバーンを出し抜いたり、騙し討ちを企むザボエラを逆に策にはめたりもしている。
敵時代にもここぞという時にヒートブレスを使ってダイを追い詰めたり、真空の斧で空気流のバリヤーを作ってポップの【メラゾーマ】の直撃を避けている。
確かに策を好んで用いることは多くないが、戦闘における洞察力や取るべき行動を見極める判断力という点では、まだまだ若さの目立つダイのパーティの中にあって十分存在感があったと言えるだろう。
クロコダインがダイに敗れたのも初戦の敗北やザボエラの言葉で冷静さを失っていた時であり、冷静な判断を失っていなければさらなる強敵であったことは想像に難くない。尚、現実のワニも爬虫類でありながらかなり高い知能を持つことで知られている。
 
ただし、長所が「頑丈な体と凄まじい生命力」であるためか、作中ではクロコダインが攻撃を食らいやられるシーンがやけに多く描かれており、最終的には二軍に落ちてしまったことも合わさり、彼がネタ要員として扱われることが多い。
しかし「主人公が最初に戦った強敵」「屈強な人外キャラ」「力押しが自慢」という落第キャラのテンプレみたいな要素を全て持ちながらも、最終戦直前まで前線で活躍し、最後まで生き抜いたというのは希有な存在でもある。
漫画構成でのメタ的に見ても壁役がそのまま敵を圧倒して倒すとそれは所謂「無双」であり(炎魔塔での戦いがまさにそれ)そいつ一人で十分という話になってしまう。あくまで脇役の彼が主役(ダイ)を食わずに活躍するには「体を存分に張って倒される」必要があり、やられ役のようになってしまうのはある意味仕方ないことなのだ。
作者曰く「クロコダインばかり敵の大技喰らうのは他のキャラだと死ぬから」というコメントを残しており、クロコダインだから死なないが相手の強大さが伝わるという演出に使われていることかわかる(じゃあヒュンケルはなんなんだ…と思わなくはないが)。
 
終盤は敵味方共にインフレした戦いについて行けず、最終的な実力はパーティ内で置いていかれる形となってしまったが、年長者として精神面で最後まで支え続けた。
また、新技を編み出すなど彼自身も確実に成長していたことも忘れてはならないだろう。
 
作中ではあまり活かされなかったが、バルジ島の特訓では長時間にわたって大渦に耐え、【トベルーラ】の使えるポップと共に氷山の浮かぶ海中に潜ってダイの探索を行っていたことから、水中戦にも適性があったことが見て取れる。やっぱりトカゲじゃなくてワニなのでは…。
構想だけに終わった魔界編では「海戦騎」になる予定だったらしい。

ステータス

ダイの大冒険のメインキャラは単行本のおまけページでドラクエのゲーム風ステータスが公開されている。
そしてクロコダインのステータスについてネットで検索すると、ちから381等と異常に強いデータが出てくる。
が、それは数値を弄ったコラ画像である。
以下に実際のステータスを記す。
 

レベル34
ちから158
すばやさ33
たいりょく251
かしこさ25
うんのよさ30
最大HP515
最大MP0
攻撃力208
守備力81
経験値4038522

 
これは16巻(具体的エピソードで言うと鬼岩城襲来編の中盤~撃破まで)、つまり中盤のデータであり、終盤のダイ等と比べると見劣りする……等と思ってはいけない。
レベル34で体力がカンスト寸前、HP515は明らかに異常である。数値そのものの高さもそうだが、物語終盤ですらキルバーンに対してアバンが使用した本家アバンストラッシュが80ダメージだったことを考えると、物語中盤におけるこの数値は鉄壁と表現するほかない。
(参考までに、終盤の30巻で確認できるレベル55のダイがHP462、ヒュンケルでもレベル47でHP408である)
これをSFC版DQ3の人間で再現すると、男・タフガイ・戦士という一番体力が上がる組み合わせで育て続けて届くかどうかというところ。
(ちなみにこの組み合わせだと他が力以外ほとんど上がらなくなるので、低い方もそっくりになる)
作中における生命力の高さを数値化するとこうなるのだ。そりゃバランも驚愕するはずである。
一方でドラクエ的にありえない数値ではない辺り、ちゃんと考えて作られていることもうかがえる。
仲間モンスターでのバランスはDQ5のゴーレムが近い。ただしすばやさの半分が防御力になる時代の設定であるため、HPの高さに対して防御力は低い。現代であれば【みのまもり】が存在するため、鋼鉄の肉体を持つ彼の防御力は体力同様に相当な数値になるだろう。
 
ただしDQ3の戦士ならば経験値4,038,522も得ていればレベル74になっているはずであり、さすがにそのレベルの戦士と比較すると体力以外がかなり見劣りする。
DQ5の仲間モンスター達のように、能力の伸びが良い分レベルアップが人間と比べて非常に遅い特徴を持っているのかもしれない。
(なお14巻でのダイやポップはDQ3の同職ならば割と適正な経験値・レベルの関係となっている)
ちなみに集英社から発売されていたPERFECT BOOKによると、バーンとの初戦時点でのレベルはなんと47である。
30巻で確認できるヒュンケルのレベルが47であることから考えると、低いどころか相当な高さである。
にも拘らず最終的に二軍落ちしてしまったのは、レベルが上がってもステータスが殆ど伸びなかったのだろうか…。
(あるいはこの本に載っているレベルの数値が適当な可能性も否めないが…)
武器として真空の斧、防具として、「じゅうおうのよろい」を装備している。
ステータス表から、真空の斧の攻撃力が50、獣王の鎧の防御力は65であることが読み取れる。
DQ3で言えば、鉄の斧よりは強いが草薙の剣やゾンビキラーよりは弱く、いかにも中盤の武器といった数値。
一方で獣王の鎧は【だいちのよろい】【やいばのよろい】以上の防御力を持っており、DQ5の【デビルアーマー】に並ぶ。大型モンスター専用の鎧ということからもうまく合致する。
ステータス公開時点ではハッサン並みに頼れる数値だが、最終的にはちからが伸びずHPだけ高いトルネコタイプになっていたのかもしれない。
装備品にも恵まれないところもそっくりである。
しかし、攻撃力208はバラモスブロスなど終盤のボスに匹敵するため、公開ステータスの時点で充分化け物である。
ちなみにロモス城での対決時点でのクロコダインのLVは25である。残念ながらステータスが公開されていないものの、上記のLV34でのステータスを考えれば当時のダイLV15・ポップLV18・マァムLV20に対してかなりの強敵と考えていいであろう。

余談

パーティの壁役を担い、何度も死線をさまよったことのある彼だが、本編中で完全に死亡した状態から生き返った最初のキャラである。
さらに、一度棺桶に収まってから復活するという、ゲーム本編に忠実な経路をたどっている。
完全な死亡状態から復活したキャラは【ポップ】【ハドラー】【ラーハルト】がいるが、同じように棺桶→復活を果たしたのはラーハルトのみである。
 
DQHに登場する【ディルク】の声優は銀河万丈であり、なおかつクロコダインの必殺技に似た技【国王会心撃】を使う。
 
ダイとの初戦を撤退し、自身の本拠地に戻ったシーンでは、玉座のようなモノがちらっと登場しているが、ダイに傷を負わされた悔しさで殴り壊しただけで、獣『王』らしく座している場面が描かれることは無かった。
 
新アニメにおける声優の前野智昭は、同じく新アニメにおける【マァム】役の小松未可子と2020年5月に結婚しており、奇しくも新婚夫婦での共演となった。このため序盤の敵対している場面は、視聴者から夫婦喧嘩と話題にされている。

DQMSL

2017年4~5月に開催されたコラボイベントにて、真空の斧を装備した「クロコダイン」、グレイトアックスを装備した上位種に「獣王クロコダイン」名義で登場。
【みがわり】を使い、【くじけぬ心】で瀕死で耐える…という漫画と同様の戦法で起用したプレイヤーが多かったが、対戦であまりに蔓延し過ぎた為に2017年12月に「くじけぬ心」を下位特性の「とうこん」(3回までしか発動しない)に差し替えられるという下方修正を受けてしまった。
その後、ダイの大冒険コラボが再度行われた際に新生転生が追加された。新生転生で【かばう】を習得する。

モンパレ

ここでも獣王クロコダイン名義。
系統は魔獣系。重さは62で、初期かいしん率は7.50%。
ブラウザ版、スマホ版ともに獣王会心撃を伝授不可の固有技として持ち、バーンと共に期間限定で登場した。