概要
漫画【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】に登場する特技。
地獄の魔剣で斬りかかる【幻魔の獄】とは無関係だが、回復不能なダメージを与えるという意味ではよく似ている。
【魔剣ネクロス】によって滅ぼされた剣王の里に伝わっていた剣法。初代剣王であるフルカスが厳しい鍛錬の果てに編み出した。「強力だが呪われた武具を、呪われずに使いこなす」という発想を元にしている。
そのため、幻魔剣を体得した者は呪いの武具を装備してもその悪影響を受けず、逆に呪いの力を自分の力に変える事ができる。
アルスの親友【キラ】も剣王の里に赴き、そこでの試練を経て習得した。
特徴
超音速の衝撃波を放って広範囲の敵を薙ぎ倒す事が可能になるほか、幻魔剣によって受けた傷は【ホイミ】等の回復呪文や薬草による治癒を一切受けつけず出血が止まる事はない。
精々がほんの僅かな間だけ出血を抑えるのが限度で、すぐに激痛と共に血が噴き出してしまう。
理論的に解釈するならば「傷つけた部位の細胞の自然治癒力を弱らせてしまう」といったところだろうか。
魔剣ネクロスの支配下に置かれたサーバインがこの魔性の剣技を使い、ルナフレアに致命傷を与えた。
例外として拳王の操る「気」による治療法である軟気功を使えば、完治には時間を要するものの治療は可能。
ギランも重傷を負わされたが、【軟気功】によってなんとか一命を取り留めた。
対処法の違い
相手の体に傷を付けられれば、それが生物ならば出血多量による生命の危機に陥れる強力さであったが、【グノン】には幻魔剣の傷口ごと噛み千切ることで無効化され、【ヤマタノオロチ】には体内に取り込んだ【オリハルコン】のエネルギーで復活され、【異魔神】には【せかいじゅ】の力を持った細胞や【幻の月】で回復されてしまう。
つまり、出血が止まらない=対処方法が無い、というのは人間の常識の範囲内での考え方であり、人間よりもはるかに頑強で生命力の強いモンスター相手であれば人間の想定外の方法でもっての対処法が存在している。
呪われた武器の特性を活かして本格的に効果を挙げたのは獣魔将軍リカンタス戦くらいだが、瀕死のリカンタスがグノンに処刑されるという形で決着がついたため、幻魔剣そのものがとどめを刺したとも言い難い。その後は衝撃波による斬撃で戦うことがもっぱらであった。
出血が止まらないこと自体はメインの効果では無いものの、総合的には「敵の時は強かったが味方になるとイマイチ」という典型的な技に落ち着いてしまった。 劇中での展開を見る限り、その脅威はモンスター相手の戦いよりも対人戦においてこそ発揮されるとみるべきなのかもしれない。
由来
キラが【はやぶさのけん】を装備して使用していることから、元ネタは【はかぶさの剣】ではないかと思われる。
もっとも「四代目ロートシルトたちがどんな呪いを後付けで付与したのか」に関しては一切言及されていない。
余談
後のゲームでは呪い装備のデメリットを無視できるキャラクターが登場し、さらにはかつて呪い装備であったアイテムの呪力をプラスに利用してしまう作品まで登場している。
また、星ドラとコラボした時は「回復不能のダメージを与える」という点は味方を【猛毒】にするという形で再現された。
実際に使用された幻魔剣
- 剣王震空呀
音速を超えた剣を振るい衝撃波を前方に飛ばす。
幻魔剣の技としては最も多用された。熟達すれば木剣でも使用が可能な模様。
呪われた隼の剣を装備したキラの場合、一度の攻撃で二重の衝撃波が出せる。
- 震空呀真一文字
横一文字に剣を払い横幅の広い衝撃波を飛ばす。
2つの震空呀を1つにして破壊力を上げた、隼の剣を装備するキラならではの技。
- 剣王雷刃呀
幅の狭いV字状の衝撃波を飛ばして炸裂させる技。
度々キメ技として使われているので特に威力があると思われる。
なお、構えはほぼ【アバンストラッシュ】と同じ。
- 剣王旋風呀
切断力のある鋭利な衝撃波を飛ばす技。ヤマタノオロチ戦で一回だけ使用された。
また、異魔神最終形態が飛行しているところを落とした技も、衝撃波の形態からこの技の可能性がある。
- 剣王爆斬剣
ダッシュジャンプで前回りに高速回転しながら特攻、相手の全身を連続で斬りまくる。
見た目には地味だが勇者3人の攻撃で傷一つ負わなかった異魔神の身体を真正面からズタズタにした。
(イズナは腕を斬り落としたが、あれは不意討ちにより身構えられなかったことが原因だろう)
幻魔剣の特性を最大限に生かした技だが、異魔神にはすぐ回復されてしまった。