全般解説 
DQ1~DQ3のいわゆる【ロトシリーズ】と、DQMCH、DQBに登場する地名。
英語版での表記は全機種共通でAlefgard。
【精霊ルビス】が創造した(DQ3の【上の世界】から見た)もうひとつの世界にある。
住人らは元々【ギアガの大穴】を抜けてDQ3の上の世界から移住した者たちの子孫と言われている。
しかし、アレフガルドのある世界と上の世界との関係については、発売から約30年が経過した現在もいまだ多くの謎を残している。
元々アレフガルドのみであったこの世界であるが、【勇者ロト】によって【ゾーマ】が倒された後、ローレシアやデルコンダルなどの新たな大陸も作られた。
しかしそれらの新大陸が発見された後、【ラダトーム】王家の権威の失墜が目立つようになった。
世界の全てを治める王家から、アレフガルドのみを治める王家に成り下がってしまったのだから仕方ない。
その名前はヘブライ文字の最初の文字「アレフ(א)」に由来するとのこと。
「ガルド」の意味は不明(北欧神話において、人間の住まう領域であるミッドガルドだろうか)だが、大体「最初の地」「始まりの国」というような意味にしたかったのだろう。
【ドラゴンクエストIIIマスターズクラブ】では、上記のような予想をした読者に対して【堀井雄二】が正解の旨を答えており、また、【ファミコン神拳 奥義大全書 巻の四】では、そのまま「はじまりの国」という言葉に「アレフガルド」とルビが振られている。
なお、【ドラゴンクエスト】の情報が最初に流れた【週刊少年ジャンプ】1986年11号では、アレフガルドではなく「アレフランド」という名前で紹介されていた。
また、ドラゴンクエストが発売される3年前の1983年に月刊アスキーという雑誌において「アルフガルド」という名のパソコンゲームのプログラムが紹介されており、翌年にこのソフトはアスキーよりパッケージ化され発売された。関連性は不明である。
風土 
精霊ルビスの加護を受けた大地である。
中央部には、非常に大きな内海がある。
その臨海部ラダトームに居城を構える王家が、代々アレフガルドを統治している。
DQ3のラダトームの町にいる、北の入口付近の男性の話によると、アレフガルドに住む人々の先祖は、上の世界から【ギアガの大穴】を抜けて移り住んできたとのこと。
ラダトームの対岸に位置する島は、【魔の島】と呼ばれる。
潮の流れが激しいため、普通の方法でこの島へ渡ることは困難である。
CDシアターでは【オルテガ】は泳いで渡ったようだが、これはあくまで例外である。
これについては、「雨と太陽が合わさるとき、虹の橋ができる」という伝説がある。
その歴史は【ロト】伝説よりも古く、そうやって最初に渡ったのが誰なのかは明らかでない。
アレフガルドとは、『大陸』の名称だとされることが多い。
しかし、世界地図を見てみると、アレフガルドが1つの大陸であるとは到底言えない。
正しくは、三日月のような形状の大陸、魔の島、リムルダール島、そして聖なるほこらのある島を合わせた4つの地域の総称とみたほうがいいだろう。
DQ3では、この他にも【ラダトーム西の港】や【ルビスの塔】のある島など、小さな島がいくつかあるので、それらも含めてアレフガルドを構成していると考えるべきだろう。
現実世界の「アジア」が地域名として使われる場合に日本やフィリピンなどの島嶼部が含まれるのと同様、もしかするとアレフガルドも1番大きな陸地が「アレフガルド大陸」で、その他の島は属島のような扱いなのかもしれない。
あるいは、DQ2の世界の大きさを基準に考えるなら、最も大きな陸塊も含めて「アレフガルド諸島」「アレフガルド群島」「アレフガルド列島」などと呼称してもいいだろうか。
アレフガルドが地域名であることは確実だが、国名も兼ねているかどうかは不明。
「アレフガルド国名説」と「ラダトーム国名説」が対立しているのである。
その詳細については、【統一されていない設定】を参照。
上の世界との関係については、まったくの別世界だと考える人もいれば、地底空洞説のように地下にある世界だと考える人もいる。
DQ1 
冒険できる世界のすべて。
アレフガルド以外の土地のことに関しては作中では一切触れられない。
【りゅうおう】を打ち倒した勇者は自らの治める国を探すべくアレフガルドの外へと旅立つ。
なおFC版では、【よく使う20文字のカタカナ】の制約があるため、作中で「アレフガルド」という呼び名は登場しない。
FC版【取扱説明書】や【公式ガイドブック】には各町、ダンジョン周辺の地名が記載されている。
【ラダトーム】周辺 | ラダトーム平野 |
【ガライの町】周辺 | ガライヤ半島 |
【岩山の洞窟】周辺 | 岩山地帯 |
【マイラ】周辺 | マイラの森 |
【リムルダール】周辺 | リムルダール島 |
【ドムドーラ】周辺 | ドムドーラ砂漠 (ドムドラ砂漠) |
【メルキド】周辺 | メルキド高原 |
【竜王の城】周辺 | 【魔の島】 |
このうちいくつかは小説ドラゴンクエスト1やCDシアターにも登場している。
ガライヤ半島は4コママンガ劇場で【牧野博幸】にガライの墓への墓参りネタで名前を使われたりしている。
そして、後述のビルダーズで公式で実際にこの地名で呼ばれているのを見ることができる。
DQ2 
世界地図の北西あたりに存在する地域。
カタカナの制限が緩和され、作中で初めて「アレフガルド」という固有名詞が登場した。
対岸の港町ルプガナにいるアレフガルド出身の兵士から、はじめてその名を聞くことができる。
アレフガルドのフィールドではBGMが【広野を行く】になる演出が秀逸。
ただしこのBGMはある特定の四角い座標範囲から上陸した場合に限られ、アレフガルドの最も端のほうから上陸すると他と同じBGMのまま。
特にマイラの東方はBGMの変わる範囲から数マスはみ出しているので、サマルトリア(湖の洞窟)方面から上陸するとわかりやすい。
それ以外は範囲ぎりぎりであり、アレフガルドのほぼ最北端・最南端・最西端の海岸から上陸したときにだけBGMが変化しないことがわかる程度。
リメイク版ではかならず広野を行くのBGMに変更される。
他に【ラダトーム】周辺では【スライム】が単体で出現するなど前作を意識した趣向が見られる。
DQ1までに存在していた多くの町々などがなくなっており、行くことができるのはラダトームとその城下町・【沼地の洞窟】・【聖なるほこら】・竜王の城だけである。
【竜王のひ孫】の台詞の中に「かつてメルキドと呼ばれた町の南側に…」とあるので、少なくともメルキドに関しては滅びている可能性は高い。
なお、【中村光一】は、ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータmagazine』の「D.Q.II Q&A」というコーナーのなかで、
海岸線が波に浸食されてアレフガルドの地形が変わり、人々は新しい土地を求めて旅立って行った。アレフガルドに近いルプガナには、アレフガルドから移住して来た人の子孫がいるかもしれない。
と回答している。
もっとも、まだ施設が少なく相対的にただっ広いことで知られるDQ2のフィールドで、だいぶ狭くなったアレフガルド地域に4つもの施設を詰め込めたのは、むしろ優遇されていると見るべきなのかもしれない。
魔の島周辺の海流が穏やかになったのか、それともDQ2の時代には航海術が発達しているのか、とにかく理由は不明であるが、ロトシリーズのうち本作のみ、ここを船で渡ることができる。
ちなみに、DQ2のマップの広さは前作の4倍であるが、これはあくまでゲーム上でのこと。
アレフガルド自体はDQ1よりコンパクトに描かれているため、実際の世界そのものの広さは当然(今作のアレフガルドの)4倍どころではない。
DQ3 
大魔王ゾーマを追い、【ギアガの大穴】を抜け勇者たちが降り立ったもう1つの世界。
ゾーマの魔の手により世界から太陽の光が奪われ、世界は終わらない夜に覆われているため、この世界を【闇の世界】と呼ぶ住人もいる。
今作でも船を使ってアレフガルドを周ることができる。
だが、内海へ通じる海峡(マイラの南西と南東側)は【浅瀬】で阻まれており、直接【ゾーマの城】へたどり着くことはできない。浅瀬や岩山で魔の島への上陸を阻む形であれば、必ずしも虹の雫の立場が無くなるわけではないと思われるが、今作では船で内海を航行すること自体ができなくなっている。
また船を用いて「世界の果て」へ向かった場合、上の世界のようにループして地図の反対側に到達することはできない。
実際に行ってみるとわかるが、海の先がまるで滝のようになってどこか下へと流れ落ちている。
つまりこの時代には、世界にはまだアレフガルドの大地とその近隣の海しか存在していないのだ。
実際FC版のバグ技で滝の外側に出たとしても、何も存在せずエンカウントも無い真っ黒なフィールドが続いているだけである(ループはするが)。
ルビスも「アレフガルドの大地を創った者」としか自己紹介しない。
ゾーマを倒して朝が来てから世界の果てに行っても、やはり海の端は滝のようになっている。
ゾーマを倒した後ラダトームに帰還して【エンディング】を迎えるまでの間は【エンカウント】がなくなるので、海の果ての地形を確認しに行くだけならこのときでもいいだろう。結構遠いし。
アレフガルドの地形もDQ1の時代とは各所で異なる部分がある。
マイラと【ルビスの塔】(後の雨のほこらの場所)、聖なるほこらはそれぞれ船でしか行けない離れ島であり、逆にリムルダールはメルキド方面と地続きになっており徒歩で行き来できる。
【沼地の洞窟】はこの時代建設中で、孤島のマイラ側から作業員が「ああ はやく リムルダールに いきてえもんよなあ……。」(FC版の場合)と本大陸へ繋がるリムルダール目指して掘り進めている。
Wiiの復刻版で公開された、堀井雄二直筆のスタッフ向けの設定資料によると
アレフガルドは まだ できはじめたばかりで 海のまわりは まだ闇。(滝になって落ちているとか)
ということである。
フィールドBGMは【アレフガルドにて】。
この曲は「広野を行く」と同じメロディだが、テンポがやや遅めで静かな感じの曲調にアレンジされている。
なお、リメイク版では城・町・洞窟のBGMもDQ1のものになる。
モンスターは、強敵に混じって(モンスターレベルだけ異様に高い)【スライムベス】が住んでいたり、【キメラ】・【メイジキメラ】・【ドラゴン】などがこの世界にしかいないあたりはスタッフのこだわりであろう。
他にも、グラフィックは違えど後のリカント系の祖先種と思われる【ダースリカント】や、【ゴールドマン】など、DQ1を彷彿とさせるモンスターが登場する。
またDQ1には登場しないが、DQ2出身の【マドハンド】も下の世界の固有種としてこの時代から既に生息している。
その後ゾーマが滅ぼされたことでギアガの大穴は閉じ、アレフガルドは独立した世界として歩み始めることになる。
【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】の読者投稿作に「以後アレフガルドでは二度と太陽が沈まなくなった」としているネタが存在したが、SFC版DQ2の【エンディング】ではフィールドが夜になる演出があるので、ゲーム上の【時間経過システム】が存在しないというだけで昼夜はきちんと存在していることがわかる。
DQ10 
【大魔王ゾーマへの挑戦】に登場するフィールド。
ゾーマ討伐後、【ロトの洞窟】前にワープする形で訪れる。マップ名はしっかり「アレフガルド」で、地図を開くとドット絵の世界地図が表示される。
洞窟周辺のわずかな砂漠しか移動できないが、遠景までしっかり作られている。
DQMCH 
なんとムー大陸よろしく海底に沈んでいる。
ストーリーの終盤、復活の祭壇に幻魔たちから集めたロトのオーブを捧げたことにより再浮上する。
かつてのガライの町の廃墟に世界中から商人が集まって新たな商売を始めようと大騒ぎしている。
商魂たくましいことこの上ない。彼らならきっとアレフガルド全土を立て直してくれるだろう。
主人公である【キーファ】たちは魔物の城となったラダトーム城へと向かい、幻魔王【マガルギ】との決戦に挑む。
町または補給地点は2箇所しかなく(ガライの町と大陸南東の行商キャラバン。なお、そちらの道は行き止まり)、必然的にキャラバンの移動で補給地点を確保しながら進むことになる。
DQB 
「勇者が竜王の軍門に下ったDQ1の世界」というifストーリーに当たる本作でも、当然メインの舞台となる。
竜王の手によって人々からモノづくりの力が失われた影響もあり、
どの地域も開始時点ではまともな集落はほとんどなく、ゾーマが支配していた頃よりもさらに酷いことになっている。
地形は同じだが環境すらも変えられており、疫病の蔓延する【リムルダール】や、一面灰色の死の世界と化した【ラダトーム】周辺等、シリーズ屈指の絶望感溢れる光景が広がっている。
また、おおきづち系等、DQ1の時代にはいなかったモンスターも出現している。
この荒廃したアレフガルドを復興することが目的となる。
いたストシリーズ 
2で初登場。マップの変遷はあれど竜王の島は基本的に飛び地でワープやワープするカード、バシルーラでしか行けない点はシリーズ共通。
一度はリストラされるも、SPで再登場する。トーナメントモードでは伝説の勇者ロトコースに、スフィアモードでは闇のクリスタルコースに属する。
アレフガルドの大陸全体を模したマップになっており、エリア名は町の名前になっている。
DS版にも登場するが、別物のマップになっている。
Wiiで登場する。スペシャルツアーに属する。
小説版 
ルビスが創造し、元々は上の世界に住んでいた「心ある人々」を移住させたという設定で、地底ではなく異次元に存在する。
DQ3の主人公達が訪れる823年前に創られた世界で、ゾーマの侵攻から18年経っている。
また、この時点で【ムーンブルク】は存在している。
竜王の出現はその525年後(【アレフガルド暦】1348年)で、主人公の旅立ちはそのさらに200年後と設定されている。
空に見える天体では、北極星ならぬ「南極星」と、「女神八光星」なる星が登場している。
DQ2では、「船の重さは700トン」という台詞が登場しているため、「トン」が重さの単位として使われている模様。
DQ3の上の世界の住民は、苗字やミドルネームが明記されているが、アレフガルドの住民の場合は名前しか語られないため、苗字という概念の存在しない世界である可能性もある。
なおDQ2の地の文に「地球儀」という単語が登場しているが、アレフガルドのある世界も「地球」という名前なのか、それとも作者のミスなのかは不明である。
モンスター物語 
「五つの大陸と無数の島々からなる広大な世界」と説明されており、世界全体の名前がアレフガルドとなっている。
竜王の出現は小説版と同じくアレフガルド暦1348年、ローラ姫が勇者に救出されたのがその数百年後となっている。
なお竜王出現直後に軍船団で魔の島へ渡っているが、上空からの魔物の攻撃と竜王の城からの電撃で大半が上陸前に沈んでしまった。
また、ハーゴンの軍勢が世界征服の準備をしていた時点で、ゾーマが倒れてから千年以上経過している。
アイテム物語 
上の世界の【ムー】が神々との契約を破り海底に沈んだ際に、そこに住んでいた「心正しき人間」を移住させたという設定で、天界とも人間界とも異なる亜空間、異界にルビスが創造した。
竜王の出現は小説版と同じくアレフガルド暦1348年だが、ゾーマの侵攻はそこから千有余年前のアレフガルド創造間もない頃となっている。
そしてモンスター物語と同じく、世界全体の名前がアレフガルドとなっている。
ゲームブック(エニックス版) 
DQ3のゲームブックでは、アレフガルド以外の各大陸がその時代にすでに存在し、ゾーマによる支配が始まった際に黒い壁のようなものによってアレフガルドとその周辺とが分断されてしまったという設定になっている。
進行状況によってはエンディングで、【カンダタ】と【女海賊ミラン】が【デルコンダル】を建国しに旅立っていくシーンが見られる。
DQ2のゲームブックでも、アレフガルド以外の各大陸はDQ3の時代以前から存在していることになっており、【ロンダルキア】がかつて天界であったことが語られる。
またアレフガルドではガライ、マイラ、リムルダール、メルキドの各町が健在である。
ロトの紋章 
地下世界と解釈されている。
そのためか上の世界と完全に隔絶されたわけではなく、ある程度は行き来することができる。
光の玉が昼の光をもたらしており、さらには気象もコントロールしているという。
ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者達 
アレフガルドの王子は、八歳の誕生日に大神官から剣を戴き、初めて剣を身につける「帯剣の儀」を行う。
またラダトーム王家と家臣団が消失したことで、ストーリー開始時点ではアレフガルドの金銭はガラクタ同然となっている。
本作ではアレフガルド創造について深く語られており、なぜ地下世界と上の世界が存在するかも一つの答えを見せている。
なぞなぞーマからの挑戦状 
作中の新作ゲーム「なぞなゾーマからの挑戦状」の舞台。
本書に登場する魔物達の出身地であり、第4話からはここを舞台にRPG関連のなぞなぞが出題される。
小ネタ 
FC版DQ1~DQ4、SFC版DQ5、SFC版DQ1・2、トルネコシリーズの開発を担当した【チュンソフト】が同じく製作したサウンドノベルソフト『街』によると、ヤクザである白峰組の大松が篠田正志の口から取り出しビルの屋上から落としたゴルフボールは、紆余曲折あってアレフガルドに辿り着き、道具屋にて2Gで売られているらしい。
もちろん冗談であり、DQ中で実際に売られているのを見ることはない。
ただ、『街』の舞台が渋谷であり、【上の世界】が現実の地球によく似ていることを考えると、中々シャレの利いたネタである。