概要
DQ6で登場した人物兼モンスター。
外見は【ようじゅつし】、【あんこくまどう】、【ミラルゴ】の色違いであり、黄色い衣に黒髭のアラビア風の魔術師のような姿をしている。
英語版での名前は「Dogmus」。
DQ6
【牢獄の町】を支配する【アクバー】の側近の一人。
【ギロチン】の刃の輝き具合に惚れ込み、普段はギロチンの歯を磨き、処刑と聞いては「うひょひょひょー!!」と狂気に満ちた歓喜の声をあげて向かってくるという超危険人物(魔物だが)。
公開処刑を阻止せんとする主人公たちの前に、兵団長【ゾゾゲル】とタッグを組んで立ちはだかってくる。
ステータスは、最大HP7000、MP∞、攻撃力200、守備力300、素早さ200。
完全ローテーションかつ常時1回行動で、
【メダパニ】→通常攻撃→【ザラキーマ】→様子を見る→【ベホマラー】→【ムラサキのひとみ】
に固定されている。
最後に使用する固有技「ムラサキのひとみ」は、「こちら側の耐性や状態を無視し、全員を100%の確率で【麻痺】させる」という反則級の技。
この特技への対抗手段は一切存在せず、【におうだち】や【アストロン】すらも難なく貫通してくる。
つまりこれを使われた瞬間に【全滅】が確定する。いわゆる【負けバトル】である。
メダパニやザラキーマといった他の呪文も総じて危険度は高く、ムラサキのひとみがくる前に全滅してしまう可能性もゼロではない。
さらに言えば、彼らの前座として登場する【ろうごくへい】との戦闘で全滅しても、その後の展開は変わらない。
しかし、ムラサキのひとみを使われる前、つまり6ターン以内にこいつのHPを削りきれば倒すこと自体は理論上可能である。
とはいえ「ムラサキのひとみを使われる前に倒す」ことが前提であり、そのためには7000という膨大なHP(これは本作の隠しボスである【ダークドレアム】に次ぐ第2位の数値)、守備力300、ほとんどの属性に高耐性を持つ盤石の耐久を打ち破る必要がある。
運よくメダパニやザラキーマを食らわずに済んだとしても、普通に攻撃するだけでは6ターン以内に倒すのはまず不可能である。
具体的にはメラ・ヒャド・ギラ・イオ・炎・吹雪・岩石系に強耐性、バギ・デイン系に弱耐性、その他の全ての属性に完全耐性を持つ。
岩石系強耐性のために【せいけんづき】がろくに当たらず、デインにも弱耐性があることで軽減される事から【ギガスラッシュ】連発でも撃破に必要なダメージ要求水準を満たせない。
それでも撃破したいのであれば、主に以下の2通りの方法がある。
- 【マダンテ】を連射する
- ドグマ戦より前でセーブしておき、一旦ドグマ戦を普通に全滅してやり過ごした後そこからノーセーブでエンディングを迎える。
その後、クリアデータで【お楽しみダンジョン】に突入し、ダークドレアムから【はぐれのさとり】を複数個手に入れる。
そして【はぐれメタル(職業)】でマダンテを修得する。 - 職業に頼らずにマダンテを修得できるバーバラ+【はぐれメタル(仲間モンスター)】×3でパーティーを編成する(SFC版限定。DS版でははぐれメタルは1匹しか仲間にできないため不可能)。
上記どちらかのパーティでマダンテを4連射する。
ところが、1. は長丁場のプレイを余儀なくされ、2. はメンバーを揃える時点でよほど運がよくない限りただの苦行。どっちにせよこの時点でも気の遠くなる作業である。
だが真に地獄なのがここからで、マダンテの威力を最大限引き出すためにレベルを上げるのは当然、【ふしぎなきのみ】を大量にかき集めて投与することも必須で、下手したら数百個単位……と、考えるだけでも頭が痛くなってくる。
さらにドグマには炎系耐性があるせいで、マダンテを喰らわせたとしても、与えるダメージは半分に減ってしまう。
マダンテ1発のダメージは、SFC版ではMP999で当てても1498、DS版でも999しか与えられない。
だが、4人で一斉にマダンテを喰らわせれば瀕死にまで追い込めるので、あとは物理攻撃による総攻撃を叩きこめばよい。
全員のMPをカンストできるぐらいやりこんでいるなら、相応の攻撃力や特技も揃っているだろう。
- 物理攻撃で攻める
【バイキルト】や【きあいため】をとことん活用して物理攻撃で攻め、1ターンにつき、最低でも1167以上のダメージを与えること。
先述の通り岩石耐性が高いためせいけんづきは当てにできない。
無属性攻撃である【もろばぎり】が比較的有効な攻撃手段となる。
マダンテ戦法とは違ってターン数がかかるためメダパニやザラキーマ対策が必要になるが、この2つを防ぐためにターンを消費するとその分火力が落ちてムラサキのひとみを出されるまでに倒せない確率が上がってしまう。
【マホカンタ】+【におうだち】がスタンダードだが、対策に人員を割けば割くほど1ターン当たりの与えるダメージは増えることになる。
1人をサポートに専念させ、他のメンバーは全員1ターンおきに気合溜めをすると仮定した場合、1ターン当たり2334、一人につき、一撃で778以上のダメージを与えなければとても倒せない。
そうした苦行の末に倒しても、戦闘終了後には展開の都合で普通に負けたことになっているので特に報われたりはしない。まあストーリー的には負ける前提なので仕方ないとはいえ、これはあんまりだ。
DS版の【みちくさ冒険ガイド】では物理作戦による撃破を達成しているが、
- パーティーのレベルを70以上まで鍛え上げること
- 複数個の【はかいのてっきゅう】を手に入れること
を強いられていた。
倒せば一応経験値は貰えるが、この強さの割にはたったの「500」とまるで割に合わない。
なお、メダパニやザラキーマを喰らうこと前提で戦う場合、喰らって人数を減らされたらやり直すしかないが防御対策をしない分火力に回せるので、運良く喰らわずに済めばレベル55前後でも倒すことは可能。
まず、攻撃力の高い仲間4人を揃え【バイキルト】と【きあいため】を全員で使って攻撃力を上げておき、その後に一斉に【もろばぎり】を叩きこむのだ。
もろばぎりは相手に与えたダメージの一部がこちらに跳ね返ってくるのが難点だが、せいけんづきは効かず、【はやぶさぎり】ではダメージが低過ぎるので、これが最も安定しているのだ。
注意したいのは、ドグマの素早さが200とかなり高く、6ターン目のムラサキのひとみが来る前に先攻するのが困難であること。
6ターン目は、最後の追い込みで全員で【しっぷうづき】で攻撃しよう。最初の5ターンでドグマを瀕死状態に追い込めるだけの火力が要求される。
その後、反乱が起こるが反乱軍が飲ませた眠り薬入りのぶどう酒を飲んだせいで眠りこけてしまっている。
ゾゾゲルは話しかければ起きて再戦することができるが、こいつは話しかけても起きないので再戦にはならない。しかも主人公たちが【アクバー】を倒したあとはゾゾゲルや他のろうごくへいたちを含めて消滅するのでゾゾゲルとは異なり再戦はできない。
ドラクエでは珍しい、勝ち逃げされる敵の一種である。
なお、SFC版の【公式ガイドブック】の上巻178ページにはこいつとゾゾゲルの写真が掲載されており、攻略法として「ドグマを倒すことが先決だ」とある。
確かに倒すのなら間違いなくドグマが先ではあるが、こいつをそんなに簡単に倒せるのなら苦労はしないし、そもそも普通にやっていては倒せない。
さらには有効な攻撃手段の1つとして「正拳突き」を紹介しているが、既に述べたとおりドグマに正拳突きはまず効かないので、無理矢理倒すにしても選択肢には入らない。
「これは負けバトルなんだよ」というネタバレを防ぐためと思われるが、本来は倒せないよう設定されている敵を「さも普通に倒せる敵である」かのように記述するのは明らかにおかしい。記述ミスと捉えるか公式の質の悪いイタズラと見るかは読者次第である。