概要
漢字では「仁王立ち」。
一般には仁王像のように「自分を厳めしく見せて立つ」「行く手を塞ぐように堂々と立つ」事を指すが、ドラクエでは「戦闘中に味方の前に立ちはだかり、すべての攻撃を一身に引き受ける」という実に漢らしい特技。
DQ6・7・9~11、初期のモンスタ-ズシリーズ及びバトルロード2に登場。
性質は言わば全体版【みがわり】で、全員分のダメージを肩代わりするので被ダメージ量がえらい事になる。
全体攻撃系の呪文やブレスなんぞを使われたら、よほど耐性強化していない限り使用者があっさり戦闘不能になってしまう事もザラ。
HP・守備力・属性耐性の高いキャラに使わせる、【スカラ】【フバーハ】などの補助効果を併用するなどのリスク軽減策があってこそ輝く特技である。
【マホカンタ】【といきがえし】といった反射系の補助効果とは特に相性がよく、敵の特定の行動を抑制する、あるいは反射で自滅させることができる。
その他、【やいばのよろい】を装備したキャラが物理主体の敵に対して使用し、ガンガン反射ダメージを負わせるといった運用も有効。
具体例としては、PS版DQ7の【メディルの使い】やDQ9の【ゲルニック将軍】などの呪文メインの相手はマホカンタ+におうだちで完封できる。
また、【キラーマジンガ】、【デュラン】や【ボトク】のような物理メインの相手には、スカラ+におうだちで優位に立てる。
DQ6
【ハッサン】がLv18、【ボストロール】(リメイク版では仲間にならない)がLv20で習得する他、【パラディン】★6(154戦、前職含めると512戦)で習得可能。
【はぐりん】か【はぐれメタル】をマスターした状態のキャラが使うとほとんどの攻撃を遮断できる。
この「仁王立ちはぐれ」こそ元祖「みがメタ」である。
【ダークドレアム】の凶悪な特技をことごとく無効化してくれる光景は非常に頼もしい。
しかし、高攻撃力の打撃や守備力無視の【痛恨の一撃】では大ダメージを受けてしまうのはもちろんのこと、【おぞましいおたけび】や【いてつく冷気】などのようににおうだちを無視する攻撃もあるため注意が必要である。
また、眠りや麻痺などの行動不能系の状態異常にかかった場合はその時点でにおうだちは解除されてしまう。
特に【あやしいひとみ】ははぐれメタル職でも貫通するため非常に危険。
ダークドレアムの行動は移行型なのでにおうだちする時は注意しよう。
本作ではダメージ攻撃だけでなく【いてつくはどう】のような補助系行動も身代わりすることができ、仲間にかかった【スクルト】や【フバーハ】等を維持できるため、におうだち役が倒れた際の保険として強化しておくのも有効。
前述のHPが極端に下がる職業に就いているなら尚更である。
敵側では【ズイカク】が使うが、守る対象が1人なので【みがわり】と変わらない。
リメイク版では専用モーションまで用意され、オラが【ショウカク】を守るんだと気丈に守る姿は中々かっこいい。しかしショウカクがすでに倒されていても使うので、無駄行動になる。
しかもルカニ系、ラリホー、1ターン休み完全耐性で守備力が290もあるので普通にウザい。
余談だが、東映動画がイラストを担当したSFC版DQ6の【公式ガイドブック】での挿絵では、自力習得するハッサンが仲間を守り抜いているが、このシーンは【ドラゴンボール】でピッコロが自分の命と引き換えにナッパの攻撃から悟飯を守ったコマのパロディとなっている。
リメイク版
SFC版ではできた「マホカンタ+におうだち」による全反射が出来なくなっている。
これはかばった仲間への呪文を反射するかどうかはかばう側では無くかばわれる側の状態に依存するようになった為で、全反射する為には全員にマホカンタがかかっていなければならなくなっている。
しかし、大抵のモンスターはそのような状態だと呪文を使用しなくなるので結局意味が無く、有用な戦法が一つ失われた形になっている。
DQ7
表記は「におう立ち」。
【メルビン】が初期から使える他、前作同様に【パラディン】★6や、ゴーレム★3で習得可。概ね変わらず。
本作では【プラチナキング】の職業をマスターすれば前作の「仁王はぐれ」が可能(仁王プラチナキング?)。
メディルの使い戦では、さざなみの剣と組み合わせれば戦いが楽になる。
敵側では【シールドオーガ】と【海のまもりガメ】がこれを使用する。
リメイク版
転職システムの変更に伴いパラディンの習得が★5に早まったり、【ゴッドハンド】★1でも習得する。
しかし他の職で使う場合、メルビン以外はゴーレム職を★3まで鍛える必要がある。
リメイク版DQ6と同じ仕様なのでこちらでも「マホカンタ+仁王立ち」戦法が通用しなくなっている。
【自力習得特技消失バグ】の被害を受ける特技の一つである。
DQ9
表記は「におうだち」に戻った。
【パラディン】の固有スキル【はくあい】を82Pまで育てると習得できる。
【パラディンガード】と組み合わせると全ての攻撃を無効化するため、無敵の要塞が立ち塞がることになる。
先の職業特性の欠点も見事に克服しているので、ピンチになっても立て直しが容易になる。
ただし、【いてつくはどう】だけはにおうだちでもかばえなくなってしまっている。
特に高レベルの【魔王】戦においては、これをやらないと勝つことが極めて難しい相手もいる。
敵では【ゴーレム】や【ヘルガーディアン】が使用してくる。
DQ10オフライン
【主人公】が【パラディン】Lv21で習得する専用特技。消費MPは0。
使用後2ターンの間、パーティメンバーへの攻撃を全て肩代わりする。その間は被ダメージが25%カットとなる。
DQ10オンライン
はくあいスキル46ポイントで習得。Ver.3.1前期より被ダメージを0.75倍に軽減する効果がついた。
錬金との組み合わせで属性耐性100%ガードにすることで活躍の場が増える。
詳しくはこちらを参照。
DQ11・DQ11S
表記は「におうだち」。
機種によって仕様が異なり、3DS版・11S2Dモードでは被ダメージが0.8倍に軽減されるが、PS4版・11S3Dモードでは被ダメージの軽減が無い。
また使用者の隊列を問わず多段攻撃や全体攻撃が貫通しなくなった。
代わりにダメージを伴わない状態異常攻撃やいてつくはどうは庇うことができない。
また、機種によってターン制のシステムそのものに差異があるため、使用感も微妙に異なる。
PS4版・11S3Dモードでは使用者が発動してから次の行動順が回るまで有効、3DS版・11S2Dモードでは最速行動(味方の連携よりは遅いがモンスター連携よりは速い)で使用ターンの間有効、となっている。また、【アストロン】状態になると解除される。
また、PS4版では、【ギラ系】呪文などの受ける人数が変動する攻撃をにおうだちでかばった場合は、必ず4人分のダメージを受けるようになる。
味方ではパラディン的能力を持つ【グレイグ】が習得。…するのだが、習得可能になるのは過ぎ去りし時を求めた後で【ジエーゴ】の試練を達成し、はくあいスキルが解放されてからと遅い。
そのくせNPCとして加勢する時のグレイグは使用可能で正式加入すると忘れている。
そのためグレイグの運用法がかなり広がるこの特技を初回エンディング前は習得できない。
はくあいスキルパネルで【におうだちの心得】を習得すると、発動中の被ダメがPS4版・11S3Dモードでは1.0倍→0.75倍に、3DS版・11S2Dモードでは0.8倍→0.65倍に軽減される。
習得後に防具やアクセで属性耐性や状態異常耐性を高めたグレイグにスカラをかけてにおうだちさせれば、よほどの敵でもない限りその鉄壁を突破することは出来ないだろう。
例外として闇の衣【邪神ニズゼルファ】は火力がかなり高く、試行回数が段違いな分突破されやすい。
また、ダメージを与える技であるにも関わらず【かばう】やにおうだちを貫通する技がある点にも注意が必要。具体的には以下の特技。
- 【くさったしたい】系統のモンスターが使う【どくのねんえき】
- 【メイデンドール】系統のモンスターが使う【魅了】攻撃
- 【バクーモス・邪】などが使う【悪夢の吐息】(無印版のみ)
- 【ドラゴンライダー】系統のモンスターが使う【コンビネーション】(【スカルライダー】系統が使うものは身代わり可能)
- 【いなずまビリー】のれんけい技の【いなずまダンス】
- 【ゴールデンタイタス】の使う【大地の怒り】及びれんけい技の【大地の激昂】の追加効果部分(ダメージは身代わり可能)
- 【じひびき】(似たような特技の【大地揺らし】は身代わり可能)
- 【サバクくじら】の使う【すなあらし】
- 【だいおうイカ】系統のモンスターや【憤怒の海獣】などが使う【船ゆらし】
- 【邪神ニズゼルファ】と【時の破壊者】が使う【終末の炎】
- 【ピサロバーン】が使う【むすうの鉄球】
- 【ピンクタイフーン】(敵が使用した場合のみ)
- 【メガンテ】
また、魅了されているキャラも身代わりを無視してダメージを受けるようになる。
実害はないが、「通常攻撃を行うが必ずミスする」という【無駄行動】も身代わりを無視する。
NPCとして同行中は、結構な頻度でこれを使用するため、NPC特有の超耐久力で主人公への攻撃をほとんど肩代わりしてくれる。文字通り「勇者の盾」と言ったところか。
操作キャラは勇者の力を封じられた主人公一人と言う状況下で、プレイヤーはとてもありがたみを感じるとともに、加入後に忘れていることにさぞかし落胆したことだろう。
【シルビア】の「かばう」と一緒に習得していると、【れんけい技】の【かばいあい】を使用可能になる。
敵では【ストーンマン】系列や【シーゴーレム】系列が使用。
上述の強化はむしろ敵が使用する際に有利に働き、1ターン殲滅による快適な狩りを妨害してくる。
特にシーゴーレム系はコンビで登場し交代しながらにおうだちをして長期戦を仕掛けてくるため中々しぶとい。
3DS版・11S2Dモードなら【れんけい】技は相手のにおうだちより先に発動するため、煩わせられたくなければ初手れんけいで殲滅するのもいいだろう。
PS4版・11S3Dモードでは素早さを上げる以外ないが。
におうだちで庇われた【ゴールドマン】が逃げ出してプレイヤーをイラつかせることもあれば、単体で出現したにも関わらずにおうだちしたり、使用可能者複数体がにおうだちして結局無意味と化すことも。
またその一方でPS4版では【ダメージ限界突破】のための実験台に用いられている。
モンスターズシリーズ
モンスターズではLv12かつステータスが一定以上で【みがわり】がこれに進化する。消費MPは4。
DQM2およびPS版のテリー編では、【だいぼうぎょ】と同時に繰り出すと、【連携特技】の【てっぺきのたて】が発動する。
ジョーカーシリーズ以降は登場していない。
しかし、DQMJ2以降はみがわりが味方全員を庇う特技として復活し、かつてのにおうだちと同じ効果になっている。
ヒーローズ2
【ハッサン】がスキルポイントを4消費して習得する。消費MPは7(更に発動中は一定時間ごとに消費)。
周囲に防御のオーラを展開し、その範囲内にいる仲間へのダメージを無効化、自身への物理ダメージも1/5程度に軽減する。
ヤンガスのだいぼうぎょと比較すると、範囲内の仲間へのダメージを無効化出来る点では優秀。マルチプレイなら使うチャンスはある。
バルザック(ボス)のアイスボムや、ザラーム強のグランドネビュラ等から仲間を守る事が出来れば、その頼もしさに男性キャラすら惚れてしまうだろう。「ぽっ…」
しかし軽減できるのは物理ダメージに限り、呪文やブレス等は範囲内の仲間は守れるが、自分はそのままくらってしまう。
物理ダメージもあくまで「軽減」である為、タイプGの暴走回転斬り等は多段ヒットすると馬鹿にならないダメージを受ける。使うなら「めいそう」とセットで。
そして最大の欠点が発生の遅さ。一瞬でガードできる上にキャンセルで出せるだいぼうぎょと違い、ハッサンのにおうだちは発動から効果が出るまでに2秒弱のラグがあり、敵の攻撃を先読みして使わなければならない。
バトルロード2
SPカードで1章から登場。使用キャラは【ライアン】。
効果は【大ぼうぎょ】と同じく、物理攻撃を全て無効にする。
大多数の攻撃やSPカード【ギガスラッシュ】、【ギガソード】までガード出来る。
ライバルズ
ユニットの能力として登場。これを持つユニットが前列にいる場合、相手は他のユニットやリーダーを攻撃できない。
におうだち持ちが複数前列に並んだ場合はその中から選択となる。
庇えるのは攻撃のみで、カードの効果やテンションスキルには干渉しない。また、ねらい撃ちの能力を持つユニットや武器には無視される。
【ゴーレム】や【グレイグ】といった本編でも特技として使用したユニットが持つことが多い。
ウォーク
特級職「守り人」が修得。レベル30以上で「ダーマの試練・壱ノ道」をクリアし、まもり道のこころ道にセットすると覚える。
最大MPの10%を消費し、味方のダメージを全て引き受け、ダメージを40%軽減、致死ダメージ時もHP1で死なずに耐え続ける。
守り人を象徴する非常に有用な技ではあるが、1回の戦闘で3回までしか使用できないという制限がある。
ピンチ時のパーティを立て直しや、全体・単体問わず敵の強力な攻撃に備えて使用することで、強敵の安定した攻略につなげられる。