キャラクター/【アナベラ・ロズフィールド】

Last-modified: 2024-04-04 (木) 00:56:19

FF16

ロザリア公国大公妃で、クライヴジョシュアの実母。CVは日野由利加?
何よりも立場や血筋を重んじる人物で、第一子のクライヴがフェニックスドミナントでなかったため露骨に冷遇し、一方でドミナントであるジョシュアを溺愛している。
夫のエルウィンとは血縁上は従兄妹に当たる。

  • 父親も貴族だったそうだが、自身の手で政治的に失脚させ、処刑に追いやっているらしい。
  • エルウィンのことは、あくまで「ロザリア大公だから価値がある」程度の認識しかない。
    彼が血筋よりも国や民を優先して守ろうとしていることは快く思っておらず、その価値観の違いで口論になることもあった。
  • ロズフィールド家に身を寄せているジルのことは、「北の野蛮人の娘」などと軽蔑している。

フェニックスゲートの惨劇の原因となった人物。
ザンブレク皇国と密通しており、フェニックスゲートでの催事の日程を伝えることで夫であるエルウィンを謀殺し、自身はザンブレク皇室に迎え入れられることとなる。
あれほど執着していたジョシュアが死んだと判断しても極めて淡白な反応であり、生き残ったクライヴにも全く興味を向けることはなかった。


その後、属領となったロザリアは彼女の無茶苦茶な圧政で荒れる一方となる。
旧体制の支持者(通称「大公派」)とベアラー粛清のために軍を派遣するなど典型的な恐怖政治を行っている。
大陸暦878年には「黒騎士」という大公派とベアラー粛清の正規部隊まで結成する。

  • 大公派の人間は税を拒否したわけでもクーデターを起こそうとしたわけでもない。
    ベアラーも同様であり、ベアラーに厳しい民衆でさえ「労働力が無くなって困る」と文句を言う始末。
    • クライヴも疑問に思うほどだが、なぜここまでのことをしたのか彼女の口からは直接は語られない。
      黒騎士からの「来たる千年王国の憂いを断つ」という具体性のない言葉のみである。
      彼女の人間性的に単なる感情論でここまでのことをした可能性あるのが恐ろしい。
      • オリヴィエの支配する国にベアラーは不要=その前に皆殺しにして根絶すればいいと考えていた節はある。
      • 差別による虐殺行為としてはナチスのホロコーストが挙げられるが、ホロコーストは大衆の仮想敵の設定という政治的思惑があったのに対し、こちらは完全に感情任せなのが一層狂気と理不尽さを強めている。
  • その末路の際に、クライヴとのやり取りでジョシュアの死を嘆いたかと思えば生きていたジョシュアに向かって「化け物」と叫んで拒絶している。
    ベアラーがクリスタル無しで魔法を使えるのが気に入らないというところも含めると、彼女がベアラーを排斥していた理由は「恐怖」であり、世界的なベアラー弾圧が始まった理由のそれと同じところから来る物であるのかもしれない。
    とあるサブクエで、「ベアラーが牙を剥いた時に人間様はどうするのかね」と呟く男性がいるが、なまじ政治力の高い彼女は頭の片隅でそれを理解していて、得体の知れない力を持つ者たちを自分から遠ざけたいという極論を行動にしたものである可能性があるのではないか。
    自分の子にドミナントを求めたのも、世界で誰も逆らえない力を自分がコントロールできる立場に置いて安心したかったのかもしれない。

ザンブレク皇室では神皇シルヴェストルに取り入り、姓もルサージュへと改める。
後にシルヴェストルとの間にオリヴィエを儲け、かつてのジョシュア同様に溺愛している。


フーゴと接触し、この時点でクリスタル破壊の大罪人シドの正体がクライヴと探り当てていたようで、ダルメキアとザンブレクの停戦調停の代わりに彼にクライヴの抹殺を依頼する。
一方で、死んだ女一人への情愛に狂う彼を見て内心見下していた。


シルヴェストルには甘い言葉をささやいたり、星読みを操ることで為政者としての道を踏み外させていく。
更に星読みにディオン・ルサージュが謀反すると予言させて彼を孤立させていく。
彼女の最終目標はオリヴィエを世界の王にすることであり、シルヴェストルに神皇の座を禅譲させたところまではうまくいったが、その場でディオンに「全て自分が仕組んだ」と得意げに煽る。
しかしこれがディオンの怒りを招き、彼の率いる聖竜騎士団のクーデターが発生。シルヴェストルを誑かし、ザンブレクを狂わせた逆賊として命を狙われることとなる。

  • ディオンが乗り込んでいた時は余裕そうだったが、槍を突き出された際には露骨にうろたえていた。
    殺されるわけがないとでも思っていたのだろうか。
  • 彼女なら本気で「高貴な自分が危害を加えられるなんてあり得ない」と思っていそうなのが恐ろしい。

バハムートの暴走の際にも生きていたが、シルヴェストルが殺されたことや自身のよりどころだったオリヴィエが槍を刺されるとそのまま死体も残らず消えてしまったこと、かつて捨てたはずのクライヴもジョシュアも生きていたことから激しく錯乱。
ジョシュアに手を差し伸べられたが拒絶し、ドミナントとして力を繰り出す実子に対して「化け物」と喚き散らした。
挙句の果て、自らの首を短剣で切って自害する末路を辿った。

  • 実子を裏切り人生の破滅させた母親の最後もまた、実子に裏切られて全てを失うと言う何とも皮肉な結果となってしまった。
  • 反省もせず勝手に発狂して自害したということでモヤモヤした人もいると思われるが、冷遇していたクライヴはイフリートのドミナントであり、死んだと思っていたジョシュアは生きていて、下賎の血と見下していたディオンにオリヴィエを殺されるという逆転コンボはおそらくどんな罰よりも彼女に効いただろう。

アルテマと並び、今作の黒幕かつクライヴの人生を弄んだと言ってもいい人物。
彼女の行いは極めて身勝手かつ残忍なことばかりであり、アルテマ以上に腹の立ったプレイヤーも多いだろう。

  • 一応ここまでのことをしたのは「第一子のクライヴがフェニックスを宿さず生まれたため妾腹と周囲に揶揄されたことや、いざドミナントであるジョシュアを生んでもジョシュアの体が弱かった事から『アナベラには荷が重すぎた』と周囲から言われたことから精神を病み、バハムートのドミナントを生む血筋を欲した」という理由は語られる。
    また、彼女の言い分にエルウィンはあまり理解を示さず、理解者に恵まれなかったことは示唆されている。
    だが、苦労人の多い今作ではあまりに小さい理由であり、やったことに釣り合わないと言わざるを得ない。
    • そもそもドミナントは生まれないことも珍しくないことや、ドミナントではない普通の人間であるオリヴィエの誕生には満足するなど、その言動には矛盾も多く無茶苦茶である。
      ロザリス公家にいた時も「ベアラーは奴隷の分際で魔法が使えるのは気に入らない」と因果の逆転したことを言っていたらしく、元々身勝手な人物だった可能性も否定できない。
      • ドミナントに執着していたのはロザリアの「フェニックスのドミナントが統治者となる」という風習のためであり、ドミナントでなくても皇位を継げるザンブレクに来てからはより血統主義に重きを置くようになったのだと思われる。ディオンへの態度や再会シーンでの言い分を見るに、とにかく重要なのはアナベラの実子であること、平民の血が一切入っていない純粋で高貴な血であることらしいので、ドミナントか否かは二の次のようだ。そもそもがアナベラの自己満足に過ぎないので、深く考えるだけ無駄かもしれないが。
      • 確かに彼女には彼女なりの苦労や辛い事もあったのだろうが、そんな同情など吹き飛ぶ程の悪行を成しており、全く同情の余地はない。一応クライヴ達も自害の際には驚いてはいたがその後はあっという間に忘れ去られてる辺り、もう憎む労力すら勿体ない存在でしか無いものに成り下がっていたのだろう。
      • 一部のサブクエストでクライヴは彼女の期待に応えられなかったことを気にしていたり、あるいは彼女の政治力についてねじれた形でありつつも高い評価を示したりと、まったく忘れ去っているわけでもない。いずれにせよ、ポジティブな記憶はなに一つ残らなかったようではあるが。
    • 現代の日本人には馴染みのない貴族主義を先鋭化させたような言動であることからも、プレイヤーの怒りに拍車をかけさせているように思える。
    • また、ロザリス公家も昔は権謀術数の場にあり、その中で育ってきたアナベラも自然とそれに適応した人間になってしまったことを考慮すると哀れではある。
    • 作中はおろか、歴代のFFシリーズでもトップクラスのとんでもない非道にして外道。
    • 他のドミナントの血を取り込むことで「最も高貴な子」を生そうとしていたが、見限っていた実の息子が他のドミナントの力を取り込める素質を持っていたのは彼女とって大きな誤算だった。

18年たっても美しい姿を維持していたところは褒めどころか。
モデリングの都合なんてことは言ってはいけない。

  • 彼女の身勝手な性格からして、自分の美貌を保つためにザンブレクの国費を費やしてでも高級な食事や化粧品などを用意させていたのかも知れない。

あえて擁護すると、貴族派の祖父を処刑に追いやる、フーゴを利用してダルメキアに隙を作る、大国ザンブレク内において謀略を後一歩のところまで成すなど、作中トップクラスの奸智を持つ。
また、ザンブレクに来た経緯は褒められたもので無いにも関わらず組織した黒騎士から不満の声は無くむしろ忠誠心を感じるセリフもあり、黒騎士がどういった基準で結成されてるのか不明だが軍団を率いるカリスマもある程度は備わっていると見るべきではある。
バイロンほどではなくとも、真っ当な家族愛で夫や息子達に向き合ってさえいれば、国として唯一瓦解を免れたロザリスで人望のあるエルウィンを影で支える大公妃として、彼女の大望は果たせていた可能性は十分ある。
クライヴとの再会時に言い放った「お前さえフェニックスを宿していれば!」と言うセリフを見るに作中明言した重責の他、貴族派の家から大公家に嫁いだこと、嫡男がフェニックスを宿してなかったことで、実家からなにかしらの重圧や嘲笑もあったかもしれない。

  • 長男にドミナントの素質がなかったり、次男が病弱だった事を理由に大公の妾(いわゆる愛人)呼ばわりされたりするなど、そこそこ悔しい思いをしてきた過去はあるようだ。
    だからといって夫を謀殺し、子供達をも見殺しにするというのはあまりにも行動がぶっ飛び過ぎているが。
  • ジョシュアについてはフェニックスゲート襲撃事件では逃がす予定であり、クリスタル自治領でクライヴ達に問い詰められた際にジョシュアではなくクライヴが生き延びた(と思っている)事に怒りをぶつけているので、ドミナントであるという前提で一応の愛情はあったと思われる。
    しかし現場で探しもせず早々に見切りをつけた事から肉親としての愛情ではなく、自身の栄華を高める為の道具に対する愛情だったと見える。
  • 英語版においてはクライヴも彼女の常軌を逸した政治力については高く評価をしており、ジョシュアから「自分達は十分に強いのか?」と問われた際に「アルテマを倒し世界を守るには十分、しかし政治の世界で敵手を倒す自信はない。まさしく母上がどれだけことの成せたかを考えてみればよい」という旨答えている。
    • とは言えクライヴ達は知る由もないがディオンに対して要らない事を言ってクーデターを招いたり、資源としての価値があるベアラーを無用に殺すなど確かに政治力は有れどそれを保っていけるかどうかは微妙な所であり、クーデターを引き起こされた時点で彼女の運は尽きていたのだろう
    • 敵と見なした者を排除するという方面では有能ではあるが、ベアラーを匿っていたというだけでオールドヒル造船所という技術者達の場所を虐殺で潰している辺り、国を繁栄させる方面の能力は皆無なのではないかと思われる。
      • 終盤のオリフレム公にも見られるが、国家という枠組みを先行させ人臣はそれに続くものであるという考えも存在する。その点では「穢れのない千年王国」を確立させるのがすべてに優先されるとして引き起こした一連の行動は筋が通っているし、それに追随する勢力が居ることも何ら不思議ではない。惜しむらくは至近の身内をその穢れだと定義してしまったことか。