異世界転生保険とは契約者本人を受取人として、
保険量(インシュランス・クオンタム)である新たな人生を給付する制度である。
転生植民地主義と非難されながらも、現代日本は異世界転生天国となっている。
オプション
異能・魔法・強靱な肉体、頼れる仲間やペットなど、転生後生活を支える様々な能力がインストール可能。
現代日本の技術を持ち込めない不便さを、現地世界に翻訳した様々なオプションで補う。
ループは一握りの富裕層向けの超高額オプション。
定番と言われているステータス画面の閲覧とスキル振りでも一流大出の正社員の初年給を超える
言語解析能力(もしくは現地語)は業者側でプリセットしてくれてる
社会的影響
異世界転生は、良くも悪くも命の価値を下げた。
死刑制度は完全に廃止された。
転生目的の偽装自殺は増加し、罪悪感の軽減から殺人事件も増加。
一方で安心を得たために生活の質を上げるものや、
自らの身を顧みぬ献身的行為も増えているとメディアは伝えている。
転生設備
転生設備は世界間を移動させて終わりというものではない。
被保険者の情報構造体を下位世界に維持しているあいだ、常に稼働させる必要がある。
この維持コストは莫大であり、転生保険の赤字の原因と言われている。
厳重に稼動記録がつけられているため、正当な理由も無しに強制停止させることはできない。
転生先となる世界
参照可能な世界は数学の系が同一であり、現代日本の下位レイヤーに存在しているもののみ。
デザイナーが、契約者の希望と規制回避を両立させつつ、文明レベルや当該世界の国家間の勢力調整などを行う。
転生の方式
憑依タイプ
最初期の転生方式。
転生先対象への上書き失敗、中途半端な同化、逆に消滅させられてしまうなどの危険性の大きさ
人道的見地からの問題を指摘する声などで現在では殆ど廃れてしまっている
いわゆる憑依もの
再構成タイプ
現在の主流。
いわゆる異世界トリップ
幼児期からの転生
胎児への憑依か胎児化しての再構成かは描写がないので不明だが存在はする。
セレクティフィレクティのケースからすると前者の模様?
いわゆる異世界転生
収益
高所得者向けのビジネス。赤字が出やすい。
ブランド化し、ショウビズとして様々な業界と結びつき、付加価値を生み出すことでやっと黒字化している状況。
しかし、すでにショウとしては陳腐化し、飽きられつつある。
規制
転生元世界の技術
原則として異世界に持ち込んではならない。
国内法・国際法・間世界条約において禁止されている。
例外として、デザイナーズチャイルドは自己同一性や人権を保護するため、
操作された遺伝子情報をそのままに転生することが許可されている。
異世界人への人権侵害
現代日本の下位レイヤーに存在する、弱者たる異世界人を守るために様々な法規制がされている。
特に性問題において顕著であり、迂闊に美少女に接触すると犯罪者になる。
プロの転生デザイナーが作成した見事に規制をかいくぐる関係構築プランに従って行動する必要がある。(鈍感主人公的な振る舞いだろうか)
犯罪者の転生
犯罪者の転生は法律で禁止されている。
転生後に容疑者となった場合、世界間通信によって裁判が行われ、労役または懲役の刑が処される。
黎明期に転生した重犯罪者たちは、見せしめに情報凍結させられ、全世界にライブで晒されている。
凍結犯罪者は何もない空間に固定され、情報の入出力だけが行われ、緩慢な脳死のあと意味的に消失する。
成立までの経緯
現代日本は末法の世。人々は現世を諦め、希望ある来世への転生を求めていた。
異世界転生にまつわる倫理的問題による議論は絶えなかったが、政局の混乱で人質法案として認可。
法規制と議論をかいくぐる強引なグレーゾーンの中で、うやむやなまま転生保険は成立し発展してきた。
しかし転生保険は高額であり、本当に来世が必要な貧困層には手が届かないものだった。
TRI社はこの社会に希望を与えるため、『太く短い充実した転生』をコンセプトとした低価格転生プランを推し進めている。
転生後生活サポートセンター
世界間通信によって連絡可能。情報のやりとりは規制されていない。
多忙を極め、連絡は取りにくいし仕事が遅い。